前半は、平和回。後半というか最後の方でアレが登場します。
布仏が戦った次の日の放課後、食堂の一部を借りて、布仏、四十院と一緒にいた。
机の上には、沢山のお菓子を並べている。
「うわぃ〜これ、食べて良いのぉ〜?」
「勿論だ。布仏お疲れ会としようぜ」
「…私には何があったのかよく分かりませんけど、本音さんが何やら頑張っていたのは知っていますので、一緒に祝うとしましょう」
四十院が何やら理解しあっている俺と布仏の様子が気に食わないのか少し、ムスッとしているが布仏を祝う事には賛成しているようだ。
まぁ、ずっと布仏を心配してたし、自分だけ状況を掴めてないのは悔しいよな。
「ほれ、お茶でも飲めよ。せっかくのお疲れ会だ、笑顔になろうぜ」
「仕方ありませんね。ですが、今度は私にも教えて下さいね。
友人が苦しんでるのをただ、見るだけっていうのは辛いんですからね?」
お茶を受け取りながら、笑顔になる四十院。
「ごめんね〜ほら、かぐっち〜あーん」
「はした……いえ、あーん」
布仏が和菓子を四十院に差し出す。多分、はしたないって言おうと思ったんだろうけど、布仏の笑顔を前に黙ってのっかったようだ。
布仏に弱いよなぁ。四十院。
「ほら、布仏。これ、好きだろ?」
前にオススメされたチョコの包装を破って、差し出す。
「お〜好きだよぉ〜ありがとーーおよ?」
布仏が手を伸ばして来たのをみて、ヒョイっと上に持ち上げて掴ませない。
不思議な顔をする布仏と、俺の考えが読めたのか笑いを堪える四十院。
「布仏、あーん」
「ほぇ!?」
先ほど、布仏が四十院にやっていた食べさせ方をして差し出す。
真っ赤になる程、赤面する布仏。なんだ、自分がやるには構わないが、誰かにやられるのは恥ずかしいってか。
微笑ましさを見せてくれるじゃないか。
「ぷっ、くふふふっ、ははは、本音さん…ふふっ、覚悟して下さいね?」
四十院もチョコをとって、俺と一緒に布仏に差し出す。
すっごい、良い笑顔だ。全力で、楽しんでいる。
「か、かぐっちまで〜」
「「ほら、溶けちゃうぞ?(ますよ?)」」
そんなすぐには溶けないけど、面白そうだから急かしてみる。
アウアウと赤面しながら、やがて同時に俺たちが差し出したチョコを食べる。
「うぅ〜美味しいよぉ〜でも、おりゃぁ〜!」
両手にうま○棒をつかんで、俺と四十院に差し出す。
「二人とも、あーん」
俺と四十院はお互いに顔を合わせて、頷く。
「「あーん」」
普通に布仏が差し出したうま○棒を食べる。
が、同時に咽せる。辛い!?なんだ、このうま○棒!!激辛うま○棒なんて用意してないぞ!?
俺はファ○タを四十院はお茶を勢いよく飲む。
「ふはは〜私を恥かしめるからだぁ〜」
自前かよ!そりゃ、分からない訳だわ。
袖から、さっき俺たちが食べたうま○棒と掴んでいたふつうのうま○棒をマジックみたいに取り出す布仏。
やられた。思いっきり仕返しをされてしまった。
その後も俺たちは、好きなように騒ぎながらお菓子やジュースを飲み食いした。時折、女子達が遠巻きに見てくる事はあったが、コンタクトを取って来たのは、俺たちのクラスメートの数人のみ。
「にゃははは〜かぐっち〜くすぐったいよぉ〜」
「ここですか?ここが良いんですか?」
今は、四十院が布仏をくすぐって遊んでいる。
何かのお菓子に付属で付いて来た猫耳を布仏が付けて、四十院に構えーって突撃していったらこうなった。
楽しそうで何よりなんだが、四十院そこまでにしてやれ、布仏が少々、お茶の間にお見せできない顔になりつつある。
とは言え、声をかけたら俺が巻き添えを食らいそうなので、視線を外しつつファ○タを飲むが、後頭部の一撃で吹き出す。
「いった!?」
「…何悠々とファ○タを飲んでいますの?」
この声はオルコットか。お前のせいで、口に含んだファ○タの四割が元に戻って、六割が流れちゃあかん所にいったぞ。
非難の視線を向けると、ニッコリと笑顔を向けてくる。顔にデカデカとざまぁっと書かれてる。
「あっ、セッシ〜」
「あら、オルコットさんじゃないですか。西村さんに用事ですか?」
俺とオルコットの声に気づいて、布仏のくすぐりを中断して、会話に混ざってくる布仏と四十院。
良かった、布仏がお茶の間にお見せできる顔に戻ってる。
「いえ、わたくしが西村に用事がある時なんて、ほとんどありませんわ。
何やら、楽しそうにしておりましたので、見に来ただけですのよ。邪魔してしまったのなら申し訳ございませんわ」
俺もお前に用事ある時なんかほとんどねぇよ。
「セッシーも食べる〜?」
「オルコットさんが混ざるなら、買っておいた紅茶も無駄になりませんね」
えぇ、こいつも混ぜるの?でも、まぁ主役が拒否してないし、仕方ない。俺が折れてやろう。
「帰れよ(仕方ないから、入れてやるよ)」
「本音と建前が逆になってますわよ。なら、お言葉に甘えて失礼しますわね。本音さん、四十院さん、ついでに西村」
圧倒的、ついで感。
まぁいいさ。四十院が言ってた通り、俺と四十院は紅茶を飲まないし、布仏も菓子を食べることに集中している。
オルコットに紅茶を押し付けて処理させよう。
オルコットが混ざっても特に変わらず、騒ぐ俺たち。布仏と四十院が戯れている時に、俺とオルコットって下らない勝負が発生する以外は特に問題なく楽しんでいる。
「おぇ、オルコットお前、ファ○タに午後の○茶、カル○ス混ぜるとかどーいうセンスしてんだよ…」
「貴方こそ、コーラに抹茶、牛乳ってどういう混ぜ方ですの……」
机の上にあるジュースを無作為に混ぜて、互いに飲ませるという誰も得しない勝負をして無事、グロッキーになる俺とオルコット。
「あはは〜セッシーってほんと、あかやんと一緒だと子供っぽくなるよねぇ〜」
「ふふふ、確かに。なんだかんだ、良い関係だと思いますよ?二人とも」
布仏と四十院がからかってくる。
もはや、反論する気力のない俺とオルコットは机に力なく倒れる。
ヤベェ、口の中が気持ち悪いぃぃ。
「ちょっと、水飲んでくるわ……」
セルフサービスの水を取りに、席を立つ。
布仏、四十院、オルコットの話を聞きつつ、水を汲み、軽く飲む。仕方ないから、オルコットの奴にも汲んで行くか。
「ほれ、オルコット」
水を未だに撃沈しているオルコットの正面に置く。
酷く緩慢な動きで、水を見ると、砂漠でオアシスを見つけた旅人が如く、勢いよく飲み干す。
「ぷはっ、西村にしては気が効くじゃありませんの」
「なに、いつまでもでかい頭に机を占領されたくないだけだ」
「「………素直に、やめておくか(おきましょう)」」
いつものように睨み合って、直後にやめようと言う結論が出る。
俺だって反省する生き物だ。不味いドリンクをまた飲んだりする事態は避けたい。
「えへへ〜」
何より、無茶して布仏の楽しげな顔を曇らせる訳にもいかないからな。
結局、このお疲れ会は当初の人数と終了予定時刻を過ぎて、千冬が呆れながら止めに来るまで続いた。
そして、月日は流れ、クラス対抗戦。
篠ノ之は相変わらず、織斑に付き纏っていたが、オルコットはそこまで過剰ではない。何処と無く、距離を置いているようにも見えた。
「どっちが勝つと思う〜?」
布仏がジュースを飲みながら、俺と四十院に聞いてくる。
「凰、一択」
「私も西村さんと同じです」
「うわぁ〜二人とも微塵でおりむーが勝つことを信じてない〜」
そりゃあな。
俺と千冬が稽古している放課後に確かに、織斑は訓練をしていた。
だが、なんであいつは先生に頼まず、どう考えても初心者の篠ノ之と一緒に訓練してたんだ?オルコットにも頼っている時があったが、二、三回ぐらいで、打ち切られてたし。
「対策を怠った奴に勝ち目なんてないだろ」
ここから見える織斑と凰の戦い。
織斑が一方的に負けている。IS学園にある資料を使わなかったから、凰のISがどんなものなのか分かっていないのだろう。
「一夏が負ける訳ないだろう!!」
案の定と言うか何というか篠ノ之が絡んでくる。オルコットも来ると思っていたが、冷静な顔で試合を見つめている。
「人の話聞いてたか?篠ノ之」
「聞いていたさ。だが、それでも勝つのが一夏と言う男だ!!」
うわぁ、狂信的な織斑信者かな?
物事の優劣をそう簡単に覆せると思うなよ。一度、劣勢になり、そこから立て直すのだって相当な労力だ。
突撃馬鹿にそれが出来るとは思えないし、凰も織斑を格下と見ているが、慢心はない。そんな相手に、どうやって戦況を覆せと言うのだろうか。
黙ってるのも癪だから、反論してやろうと思った時だ。
『上空に高エネルギー反応と、二機のIS反応を感知。離脱を推奨』
「何だと?」
サードオニキスの警告音。
直後に、アリーナが大きく揺れる。砂埃の中から、謎のISが一機現れた。
無人機登場。
次回、赤也くんには頑張ってもらいましょう。
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