神様は残酷で気紛れだ   作:マスターBT

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さてとうちの問題児に漸く変化が……


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みなさん、ありがとうございます!モチベと書く意欲がどんどん補填されてます。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。


おや、織斑の様子が…

放課後。本来なら、千冬との稽古をしているはずなんだが、俺は今剣道場に来ている。

と言うか、連行された織斑に。

え?お前なら逃げられるだろうって。ラウラがついでに、俺の体術を見ると言って泣く泣く連行されたよ。

 

「で、何するんだ?」

 

「その前に少し話がしたい。構わないか?」

 

「構わないが…観客も多いが良いのか?」

 

俺と織斑は互いに向き合う形になっているのだが、俺の側に本音と神楽、ラウラにシャルロット。

ちょうど中間地点に、オルコットと暇をしてたクラスメート数人。織斑の方に、篠ノ之と凰がいる。後、序でに入り口の方に気配を消してるたっちゃん先輩と千冬か。

 

「あぁ、構わない」

 

「そうか。じゃあ、早くしてくれ。俺もそんなに暇じゃない」

 

首の骨を鳴らしながら、織斑へと返答する。

やたらと真剣な顔の織斑。何を聞かれるのかね。

 

「まずはシャルに何をしたんだ?」

 

あぁ、これ複数要求あるタイプだ。めんどくさ。

ちらりとシャルロットを見ると、あははっという感じで頬を掻く。

色々、機密事項が多いし、説明できなかったか。

 

「さぁな。俺は何もしていない」

 

実際、アルベールさんとの契約はしたが動く決意をしたのも、動いたのもシャルロット自身だ。

そこに俺の意思は一切、関与していない。

だから、俺が織斑に回答する答えは持ち合わせていない。

 

「あくまで隠すのかよ……じゃあ、次だ。千冬姉の弟子ってのは本当なのか?」

 

「本当だ。否定する気もないし、嘘を吐いているつもりもない。

お前が信用するかは自由だが、俺はあの人を尊敬しているし、師匠として慕っている」

 

面倒ごとを避けるのなら、弟子ではないと答えるのが最善だろう。

だが、正解じゃない。あの人の弟子であることを偽るのは、最大の無礼だ。

 

「……そうかよ」

 

竹刀を正面に構える織斑。

どうやら話は終わりのようだ。俺に剣を使う技量はない。

 

「どっちかが参ったっと言うまで続ける。それで良いか?」

 

仮にも素手の人間にそれを聞くかね。まぁ、構わんけどさ。

理解する気もないが、こいつにはこいつの鬱憤があるらしい。しかも、俺が原因ときた。

逆恨み、とは言わん。俺も俺で褒められた行動をしている訳ではない。

 

「良いぜ」

 

だが、負けてやる気もサラサラない。稽古時間が奪われてるんだ。

せめて、武器を持ってる相手との立ち回りぐらい覚えさせてもらうぞ、織斑。

 

「はぁ!」

 

ダンッ!という音ともに踏み込んでくる織斑。だが、遅い。

右目に意識を割く必要もない。ふつうに見える。

上段から振り下ろされる竹刀を、右腕で受け流す。うん、鉄だから良いけど普通の腕だったら絶対痛い。

そのまま、織斑と位置を入れ替えるだけで何もしない。

 

「……」

 

明らかな隙を見逃されて、苛立ちでも感じたのだろうか。鋭い視線を向けてくる。

正直、そんな視線を向けるより前に動けと思うが…

とりあえず、左手の指を動かし挑発する。

 

「この!」

 

案の定、簡単に血が上ったようで、読みやすい突撃をしてくる。

さっきとは違い、竹刀を細かく振るってくる織斑。それらを避けつつ、暇なので左手で握り拳を作り、軽く織斑の顔を目掛けて放つ。

流石に多少の体術は身につけているのか、避けられる。だが、竹刀の振りが疎かだ。

横にズレるように避け、織斑の進路方向に右手を差し出す。それだけで、自分の勢いを止めきれず、喉に俺の右手が当たる。

 

「ゲホッ」

 

呼吸を止められれば当然だか、咳き込む。

隙だらけだな。俺は、左足を回し蹴りの要領で、織斑の腹に叩き込む。

 

「ぐっ!?」

 

くの字に曲がる織斑。反撃と言わんばかりに、竹刀が振られるがスピードも力もないただの振り回しだ。

右手で受け止める。

 

「…こんなもんか。んじゃ、とっとと終わろう」

 

右手の力で竹刀をへし折る。

織斑の武器を破壊し、一本背負いの形を作る。織斑も当然、暴れるがもう遅い。

勢い良く地面に叩きつける。

 

「「一夏!!」」

 

篠ノ之と凰が叩きつけられた織斑へと駆け寄っていく。

それを横目で見つつ、へし折ってしまった竹刀のことを考える。

やべぇ、学校の備品かこれ。それなら、弁償しないと……オルコットに飯奢りがあってただでさえ金欠になりかねないというのに…

 

「…まだだ……俺はまだ、負けてねぇ……」

 

篠ノ之と凰を押しのける様に織斑が立ち上がる。

はぁ、まだやるのかよ……織斑じゃ訓練にならないんだがなぁ。

 

「得意分野で勝てないのにやるのか?」

 

「まだ、わかんねぇだろう!!」

 

右手を振りかぶり、走ってくる織斑。

ただの体術なら悪いが、俺の得意分野だ。織斑の右手を、外側に回り避ける。そのまま、織斑の肘に左手を当て、右手で手首を捻りあげる。

背後にそのまま、回り込み関節を極め、足払いをして織斑を組み伏せる。

 

「がっ!?くそっ」

 

「無理やり動けば関節が外れるぞ。降参をお勧めするが?」

 

グッともう一度、関節を極める。苦痛に織斑が顔を歪める。

 

「俺の……負けだ……」

 

ボソボソと織斑が負けを認める。その声を聞いて、解放する。

ふぅ、無駄に疲れた。

 

「一夏!大丈夫か?西村、貴様っ!」

 

「篠ノ之、俺を睨むのは勝手だが、事の発端はそっちだ」

 

なんで戦いを始めた奴より、俺が悪いみたいな視線を向けられなきゃならんのだ。

何やら吠える篠ノ之を無視し、本音達のところへ向かう。が、今度は凰に進路を塞がれる。

 

「…お前もなんかあるのか?」

 

「ないわ。ただ、一つだけ言っておこうと思って」

 

「なんだ?」

 

「一夏の我儘に付き合ってくれてありがとう」

 

それだけ言って、俺の横を通り過ぎる凰。

なんだったんだ一体?まぁいいか。

 

「おかえり〜」

 

「ふむ。様子見をし過ぎじゃないか?」

 

いの一番に声をかけてくるのは、本音とラウラ。

とりあえず、本音からスポドリを貰い、軽く飲む。乾くほど動いてないしな。

 

「ただいま、本音。そうは言ってもなラウラ、俺としては武器持ちの相手への対処も学びたかったからな」

 

「そういう事か。なら、お姉ちゃんとの稽古はナイフを使うとしよう」

 

「だから、姉言うなって……あぁ、そうだ。シャルロット」

 

相変わらずのラウラを流しつつ、シャルロットに視線を向ける。

 

「ん?何かな赤也」

 

「デザート一品、お前の奢りな。色々、察しはつくがそれで許してやる」

 

「察しがつくなら、奢らなくてもいいんじゃないかなぁ…まぁ、迷惑をかけたみたいだしそれぐらいは良いけど」

 

むぅとむくれるシャルロット。甘味ぐらい良いだろう。

俺はオルコットに飯を奢るんだぞ……

 

「一応、タオルを用意していましたが、必要ありませんでしたね」

 

「まぁ、汗をかくほどしゃないからな」

 

「折ってしまった竹刀の件はお気になさらず。部長には説明しておきますから。

おそらく、織斑さんの支払いになるかと思いますよ」

 

おお、それは助かる。神楽のお陰で余計な出費をしなくて済みそうだ。

こうやって気楽に話せる連中は有難い。息抜きになるし、楽しい。

俺はこのまま、本音達と話しながら剣道場を出る。気配を消していた2人はもういない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏SIDE

 

赤也に負けた。ISでも勝てず、生身でも負けた。

シャルは何があったのか俺にはまるで教えてくれず、千冬姉もすでに赤也とボーデヴィッヒの面倒を見ているからと、俺に何も教えてくれない。

 

「一夏、大丈夫か?」

 

「あ、あぁ。大丈夫だ箒」

 

道場の畳の上で倒れたまま動かない俺を心配した箒が俺に声をかける。

悪い、箒。あんまり、他人を気にしていられる状態じゃないんだ俺。

 

「箒、行くわよ」

 

「だ、だがな鈴!一夏が!」

 

「誰にだって1人になりたい時ぐらいあるのよ」

 

鈴が箒の手をとって、引っ張って行く。正直、有難い。

今の精神状態だと何を言うか分からない。箒ともめながら、入口へと向かう鈴。

その途中で立ち止まる。

 

「一夏。八つ当たりなんてみっともないわよ」

 

それだけ言って剣道場を出て行く。剣道場は俺一人だけになる。

にしても、八つ当たりか。確かにそうだ。赤也が気に食わなかった。

千冬姉の信頼を俺より得ているのが。

シャルがいつのまにか自由になっていたことが。

そして、そんな奴が俺より圧倒的に強いのが。

 

「…ハハッ、餓鬼かよ俺は」

 

こうやって差を見せつけられてもなお、俺の感情の中には赤也に対して負のものが多い。

分からない。なんで、千冬姉があいつを贔屓するのか。

分からない。あんな酷いことを言われたのに、シャルが赤也の横で笑っているのか。

こんな感情も、赤也と戦えば分かると思った。でも、結果は変わらない。

俺とあいつの差は一体何なんだ?

 

「強くなれば、俺にも理解できるのか?」

 

白式の待機状態を見つめる。鈍く、光を反射するだけで答えは返ってこない。

俺もあいつの様な強さがあれば、誰かを守れる様に……千冬姉の様になれるのか?

 

「織斑くん?そんなところで、寝ていると風邪を引きますよ?」

 

ふわふわした声で俺の意識が戻される。

飛び起きながら、声の方を見ると俺の行動に驚いている山田先生がいた。

 

「ひゃぁ!?急に起きないでくださいよ。びっくりしたじゃありませんか」

 

心底驚いた様子の山田先生。そういえば、日本代表候補生だったんだよな?

 

「山田先生!」

 

「は、はい!」

 

背筋を伸ばした俺に反応する様に、背筋を伸ばす山田先生。

 

「俺に戦い方を教えてください!!」

 

頭を勢い良く下げて、山田先生に頼む。

俺も強くなりたい。強くなって、誰かを守れる様になりたいんだ。

この後、自信なさげに断ろうとする山田先生に何度も頼み込み、訓練を見てもらえることになった。

 

 




まだ空っぽだが、強くなるための訓練をする覚悟ぐらいはした模様。

私の前作を読んでくださった方なら、知ってると思いますが、私はアンチをしますがずっとそのままというのが苦手です。特に、私の作品のオリ主は性格が基本、悪役向きなので一夏とはまるで噛み合いません。
そのせいで、アンチの空気になりますが、オリ主がいるのなら、主人公の性格や行動にも何らかの変化が起きるだろうと思っていますので、今回の様な話を書きました。
ただ、赤也と一夏が仲良くなるかと言われたら、それはまた別問題ですので。

長々と書きましたが、どうなるかは私にも分かりません。プロットが存在してませんので。

感想・批判、お待ちしています。
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