Fateが煮詰まりまくってるから、こっちが進む進む。
「……しっかりとISを展開されてしまえば、流石に見逃すわけにはいかんな…」
呆れる織斑千冬。サードオニキスを展開して、混乱の中にいる俺は取り敢えず、無言で織斑千冬を見つめる。
これ、どうすんの?って意味を込めて。
「戻れと、念じれば元の状態に戻るだろうが……お前が周りを信用できる訳がないか」
「短い時間で、俺の性格をよくお分かりで」
実際、会話して10分経ったか経たないかぐらいだぞ。この人、結構観察眼あるんだな。
伊達に世界最強って訳じゃないか。
「君達、下がっていい。この先は、私と彼だけで話をする」
織斑千冬の言葉に、周りがざわめく。
まぁ、そりゃそうだろうね。俺は未だにIS展開中だし、一人の女性の首を躊躇いもなく締めて気絶させたし。これで、注意するなって方無理だわ。
「で、ですが、織斑先生…」
眼鏡をかけた見るからに気の弱そうな女性が止めようとする。
人は見かけによらないって事だよな。この人、引き金から指を離してないし、織斑千冬と話しながらも、俺の事を警戒してる。
「心配するな。彼は女尊男卑の思考が嫌いなだけだ。私は、そんな思想には染まっていない。
敵じゃないと分かれば、無闇に手を出す輩ではないさ」
言葉から感じる圧倒的な自信。仮に、俺がこの場でこの人を殺そうとしても、返り討ちに遭う未来が容易に想像できる。
生身でISと戦うなんて、馬鹿か死にたがりのする事だと思うが、この人なら生身でも勝てそうだと思える。
ほんと、人生何が活きてくるか分からない。あのゴミ家族の顔色を伺ってたことが活きる日が来るなんてな。
「……分かりました。ですが、私は入り口で待機させて貰いますね」
「山田先生……分かった。相変わらず、心配性だな君は」
ふっと女性なのにイケメンな笑みを浮かべる織斑千冬。
それを見て、顔を赤らめる山田さん。あのー、百合するなら、何処か別の場所でやってくれませんかね?
「そういう訳だ。ほら、出て行け」
織斑千冬の指示で武装した女性達が出て行く。俺が気絶させてしまった奴数人から、恨みの視線を貰ったが、自業自得だろうに。
鼻で馬鹿にした様に笑ってやると、益々視線が強くなった。
「……さて、これで話ができるな」
椅子を持ってきて座る織斑千冬。腕を組み、何かをする素振りがないのをしっかり確認して、サードオニキスに戻れと念じる。
一瞬、光ると元の右腕に戻っていた。
「で、俺はどうなるんですかね?織斑さん」
ベットに腰かけ、織斑千冬と目線を合わせる。
「二人目のIS操縦者として、IS学園に所属してもらう事になるだろうな」
疲れた表情で、俺を見る織斑千冬。ちょっと待て。二人目?俺以外に男性のIS操縦者なんていたのか?
んー……駄目だ。中3の春辺りから、母親にテレビを見るのを禁止され、姉妹に中学生活を徹底管理されてしまった俺には、社会知識が不足しまくっている。
「…その顔を見る限り、一人目に関して全く知らないようだな。お前、どんな僻地で生活してたんだ…」
「いやまぁ、この世の中、男は生き辛いって事ですよ」
織斑千冬の様子を見てる限り、かなりの常識らしい。全く、知らなかったが。
「そんなに男性の地位は低いのか……それと、今は二人きりだ。
私は肩苦しいのが苦手でな。敬語より普通に話して貰った方が落ち着く」
「……年上には礼儀を払いたいが、そっちがそう言うのなら普通に話すか」
この辺は女尊男卑とか関係ない。年上には、礼儀を。まぁ、女尊男卑のクソに払う礼儀はないが。
「本題に入るぞ。まず、一つ、束とお前は本当に関係がないんだな?」
嘘は許さんぞと、言わんばかりの目力で睨んでくる。
おぉ、怖い怖い。嘘を吐いたら、俺死ぬんじゃね?
「さっきも言った通り関係ない。一応、どういう風に出会ったか説明するわ。そっちの方が信憑性増すだろう」
俺が右腕を手に入れた経緯を話す。もちろん、嘘も隠し事もしていない。
「…なるほど。じゃあ、二つ目だ。そのISの性能を理解しているか?」
一瞬、間を置いて続きを話す織斑千冬。あの表情……兎と織斑千冬は何かしら関係があると判断して良いか。
友人か?少なくとも、ただの知り合いって感じではないな。
「いや。そもそも、手に入れたばっかりで、先程、起動させたばかりのISの性能なんて知るわけがないだろ」
「そうか。ちょうど良い、付いて来い」
椅子から立ち上がり、歩き出す織斑千冬。この人、人のペースとか全く気にしない人だ。
ベットから飛び降り織斑千冬の後を追う。後を追って、外に出ると山田さんと何か話していた。
「遅いぞ」
「あんたが、返事を聞かずにどんどん行くからだろうに」
「山田先生。では、頼んだぞ」
スルーかよ!
俺の発言を無視し、また歩き出す織斑千冬。また、遅れたら今度は何されるか分からん。急いで追いかける。
「……どこ行くんだこれ?」
「着けば分かる」
あまりにも淡白な返事に、会話する気力がどこかへ飛んでいき、無言で織斑千冬の後ろを歩く。
俺と織斑千冬の足音と、右腕の金属音以外に音がしない時間が3分ほど、続き案内された場所は、見せられた映像の場所ーーアリーナだった。嫌な予感がひしひしと感じる。
「戦え。とか、言いませんよね?」
「その通りだ。相手は、私ではないがな。そこでしばらく、待ってろ」
また一方的に言いたいことを言って、何処かに歩いて行く。
もうやだ、この人凄い疲れる。
しばらく待っていると、飛行音が聞こえてくる。
「少々、遅れました。織斑先生」
確かラファール・リヴァイヴだよな。それに乗ってるのは、山田さんか。
『大丈夫だ。西村、お前の相手は山田先生だ。変に気負う必要は無いぞ。
お前が勝てる訳がないからな』
「ちょ、織斑先生!?」
スピーカーから聞こえる織斑千冬の言葉に、慌てる山田さん。
勝てる訳がないか……そりゃ、当然だよな、そもそもまともにサードオニキスを動かせるかすら分からないっていうのに。
「――まぁ、それで負けることを容認する俺はもう、いないんだがな!来い、サードオニキス!」
右腕を左手の人差し指でひと撫でする。
光に包まれ、俺はサードオニキスを展開する。
「展開時間、0.8秒。2回目とは思えない展開スピードですね。繋がっているから、イメージがしやすいのでしょうか」
「俺が知る訳ないですよ」
まずは、武装が何あるのか確認するか。
俺がそう思うと同時に、情報が叩き込まれるように急に頭の中に、武装の見た目と使い方が思い浮かぶ。
きっと、サードオニキスが俺に叩き込んだのだろう。
「なるほどね。武装は理解した」
物理シールド『クローダ』を展開し構える。ただ、デカイから地面に着き、ドスンと音を立てる。
ていうか重っ!これ取り回し悪すぎだろ。
「お、大きなシールドですね」
盾から覗くように山田さんを見ると、両腕にアサルトライフルを構えていた。
『では、始め!』
織斑千冬の号令と同時に、山田さんが動く。盾がある正面ではなく、右にホバー移動して、アサルトライフルを撃ってくる。
咄嗟に左手を動かそうと、するが、クローダが重すぎて俺の動きは鈍重になり、見事にアサルトライフルを食らう。
喧嘩すらまともにしたことないのに、こんなもん振り回せるか!
『ISは、搭乗者の想像力によって動きを変えるぞ。その盾を振り回している姿を想像してみろ』
スピーカーから織斑千冬の助言が聞こえる。
イメージ?こうなりゃヤケ糞だ。動きやがれ、サードオニキス!
頭の中で、この盾を山田さんの方向に軽々向ける自分を想像する。気合いとイメージが伝わったのか、先程の重さが嘘の様に盾が動き、銃撃を防げる。
おぉ、と少し感動する。しかし、今度は上から衝撃を食らう。
どうやら、山田さんが空を飛び撃ってきてる様だ。だが、勝手が分かれば俺でももう少しやれる。先程と同じようなイメージで、盾を動かし、銃撃を防ぐ。反射神経はないが、サードオニキスがリアルタイムで送ってくる山田さんの表情から、ある程度の考えを読み取り盾を先に動かす。しばらく、撃たれるのと防ぐのを繰り返す。
「中々、飲み込みが早いですね。ですが、守ってるだけでは勝てませんよ?」
そうなんだよなぁ…だけど、山田さんの動きでなんとなく空を飛ぶイメージができた。
リロードに入ったタイミングで、クローダをしまい、空を飛ぶイメージをする。すると、サードオニキスが宙に浮く。
そのまま、右腕で山田さんを掴むイメージをすると、一直線で右手を開き、向かって行く。
「うぉぉぉ!」
リロードの隙と、まさか飛べるとは思っていない山田さんの不意を突き、右腕で摑みかかるが、アサルトライフルを盾にされてしまう。
だが、掴めれば希望はある!
「輻射波動!」
右腕から高周波が放たれる。その振動により、アサルトライフルは高熱になり、膨らむ。
危険を察知した山田さんがアサルトライフルから離れる。くそ、逃げられた。アサルトライフルは高熱により、内部の火薬が自然爆発する。
「……分かりました、織斑先生。かなり、凶悪な武装ですね、その右腕」
「えぇ。俺もそう思いますよ」
「大方のデータは取れたそうなので、少し本気で終わらせますね。織斑先生からも、許可が出ましたから」
にっこりと笑うと山田さんが目の前から消える。
サードオニキスの指示により、後ろを見るとショットガンの銃口が俺の顔に向けられていた。
「は?今何がーー」
最後まで言えず、ショットガンが撃たれた事による衝撃が俺の顔面を襲う。
そのまま、俺は山田さんのやりたい放題にやられ、シールドエネルギーが尽き、敗北した。
ーー分かっていたが、悔しい。
サードオニキスでの初戦は、俺の増長した心をへし折るには、十分すぎる結果となった。
IS起動、2回目が元国家代表候補生に勝てる訳がないだろう!
サブタイをこれにしようと思ったけど、流石に全てを表現しすぎてるから、却下した。
次回は多分、時間が進んで原作になると思われる。次がいつになるか分からないけど。
今まで書いてきたものより、明らかにはっちゃけながら、書いてます。この小説。
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