君がいた物語   作:エヴリーヌ

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本編の合間合間の話を追加していきます。
ささっと書くために台本形式で。

6/18追加


・番外編(本編内出来事)
本編短編集 ―過去編―


<ハギヨシにからかわれる京太郎>

 

―現代編八話中 受験時代―

 

 

ハギヨシ「ふむ……ふむ……なるほど悪くない点数ですね。これならこの前の試験結果通り十分合格範囲内ですよ」

 

京太郎「マジか! あーーー……ようやくひと段落だぜっ」グデー

 

ハギヨシ「とはいえ、何事においても限界なんてありませんし、まだまだ出来ることはありますからね。さらに合格率を上げる為にも頑張りましょう」

 

京太郎「でも、そのな……少しは休んでも……」

 

ハギヨシ「なにを言っているのですか、向こうでも彼女が同じように勉学に励んでいるんでしょう? ならば彼氏としても絶対に受からなければいけませんよ」

 

京太郎「まあ、確かに赤土も頑張ってるみたいだけど……って!? 彼女なんかじゃねーし!」バンッ

 

ハギヨシ「おや、そうでしたか? ふむ、そういえば片想いでしたね」

 

京太郎「それも違う! ただの友達だってーの!」

 

ハギヨシ「おやおや、それは失礼いたしました」ニコニコ

 

京太郎「……なんだよその顔」ジトー

 

ハギヨシ「ん、私の顔になにか付いていましたか?」

 

京太郎「ああ、ついてるな、その無駄にさわやかなイケメンスマイルがな。なにか言いたいことがあるならハッキリ言えよ」

 

ハギヨシ「いえいえ、気のせいですよ。別に高校の時も、近くてそれなりの学校だからと言う理由で選んだ須賀君が、わざわざ『ただの』女友達の為に遠くの学校を選んだのを微笑ましく思っているわけではありませんよ」

 

京太郎「絶対思ってるだろっ。というか、からかってるな?」

 

ハギヨシ「そんなことは、とてもとても」フフフ

 

京太郎「はぁ……もう一度言うが、俺があの学校を選んだのは教師になりたいからだぞ」

 

ハギヨシ「ええ、それはもちろん存じておりますよ。ですがあえて近場を選ばないあたりその赤土さんへの愛を感じまして」

 

京太郎「愛なんてないっての。そもそも先に俺があそこ行くって決めて、その後に赤土が決めたんだからな」

 

ハギヨシ「ですが、やる気の一つになっているのは確かですよね?」

 

京太郎「それは……確かにそうだけどな……でも、それは友達だからってだけで恋愛とかの意味はないからな!」

 

ハギヨシ「はいはい、わかっていますよ。ですが同じ友人としては嬉しい気持ちもありますが、どこか妬けてきてしまいますね。そうでしょうカピ?」ナデナデ

 

京太郎「いや、カピも『しょうがない奴だな』って顔すんな!」

 

カピ「(-ω-;)」ヤレヤレ

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

 

<望にからかわれるレジェンド>

 

―過去編八話中 受験時代―

 

 

晴絵「ムムム……だめだぁ~わからないーのぞみマン助けて~」ヘルプミー

 

望「誰がマンよ、せめてウーマンって呼びなさい。それでどこがわからないの?」

 

晴絵「どっちでもいいよ……ここ」ユビサシ

 

望「よくないわよ。それで……ふむふむ、あーこれは確かに難しいけど、結構重要な所だからね。こっちの教科書に載ってたはず」ホラ

 

晴絵「うい、あんがと~。あー……むずいなー」

 

望「……ふーん」ニヤニヤ

 

晴絵「ん?どうしたの望?」

 

望「いや、あの勉強嫌いのハルエがこうやって頑張ってるのがね~」

 

晴絵「そりゃ受験生だしやるしかないでしょ。あーーー頭使うと喉が渇く「やっぱ例の彼氏?」ぶはっ!?」ブー

 

望「あーあ、ノートが紅茶まみれに」

 

晴絵「あ、あんたが変なこと言いだしたからでしょうが!」

 

望「変なこと?何が?」

 

晴絵「そ、それは……その……す、須賀君が彼氏だとか……」モジモジ

 

望「別に例の彼氏って言っただけで、その須賀くんとは一言も言ってないんだけどなー。ああ、男日照りの阿知賀のレジェンドじゃ他に心当たりはいないか」

 

晴絵「望だって人の事言えないでしょうが! ……って違う! 須賀君とはただの友達!」

 

望「えー本当? あんたからの話聞くとそうは思えないけどなー。だってその須賀くんがいたから第一志望の大学決めたんでしょ?」

 

晴絵「べ、別にそういうわけじゃないし。た、確かにそう言った所がなきもあらずだけど、わ、私だって将来の事とかいろいろ考えて……」ボソボソ

 

望「そもそも男友達すらいなかったあんたが数回あっただけの相手と友達になってたのも驚いたし、それで勉強だってやる気になったんでしょ? やっぱそういった目で見たくもなるよ」

 

晴絵「う……でも望の言うとおり須賀君とは顔を合わせたのは数えるほどだし、ほんとそんなんじゃないよ」アタフタ

 

望「一目ぼれとか?」

 

晴絵「違う違う! 絶対違う!」バタバタ

 

望「あはは、冗談だって。でも波長なりなんかが合ったのは確かなんでしょ? だったらその『今は』友達の彼と一緒の大学行くためにも頑張んないとね」

 

晴絵「……うん」

 

望「そうと決まれば勉強勉強。あ、彼が今度こっち来たら紹介してよ」

 

晴絵「からかうから絶対にやだ!」

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<エイプリルフール>

 

―過去編八話後 大学入学前―

 

 

京太郎「赤土」

 

晴絵「ん、なに?」

 

京太郎「お前去年会った時に比べて太ったよな」

 

晴絵「……」

 

京太郎「うそうそ、今日はエイプリルフー……ル……」

 

晴絵「………………」

 

京太郎「あの……赤土……さ、ん?」

 

晴絵「………………………」

 

京太郎「え……?もしかして……マジで?」

 

晴絵「(#^ω^)」

 

京太郎「すいません。超えちゃいけない範囲考えていませんでした」

 

この後無茶苦茶奢らされた。

 

 

カンッ

 

※受験時代には運動と無縁だったレジェンドでした

 

 

 

 

 

<出来る人達と出来ない人>

 

―過去編十話中 入学式後須賀家に集まった時―

 

 

望「――でさー……おっと、もうお菓子ないね」ゴソゴソ

 

京太郎「飲み物もあとちょっとだな、もう少し買ってくれば良かったか」

 

晴絵「買い出し行く? それとももうすぐ日も沈むし解散する?」

 

京太郎「俺はまだいてくれてかまわないけど、二人は遅くても大丈夫なのか?」

 

晴絵「まあ、連絡すれば問題なし」

 

望「右に同じく。まだ話したりないし買い足し行こうか」

 

京太郎「そうだな」

 

望「そうだ、ついでだし夕飯も作ろうか」

 

京太郎「へぇ、新子って料理出来るのかぁ」

 

望「うちは両親忙しいしいからね。そういう須賀くんは?」

 

京太郎「まあ、今は一人暮らしだし、昔からやってたから自信あるぞ」

 

晴絵「(え?聞いてない)」←男の豪快料理レベルだと思って自分と同類判定していた人

 

望「お、なら長野県民の実力見せてもらおうか」

 

京太郎「へへ、いいぜ」

 

晴絵「…………」

 

 

>スーパー内

 

京太郎「野菜がちょっと高いな……」テクテク

 

望「まあ、ないと寂しいし栄養の事も考えて割り切っていこ。それで魚と肉どっちメインにしようか?」テクテク

 

京太郎「んー……魚だな」

 

望「ほう、その心は?」ズイ

 

京太郎「ブリ大根が食べたい」キリッ

 

望「うわぁ……時期的にびみょ~」

 

京太郎「仕方ないだろ食いたいんだから。あ、そういえば今日酒が安いって広告出てたから買いだめしとくか。今日だけでも結構使いそうだし」

 

望「確かにお酒ってすぐなくなるからねー、私も一本ぐらい買っておこうかな」

 

京太郎「はは、家族いるとその分調味料の減りも早いよなー」

 

望「まぁ、どんな料理する時でも必要だからね。醤油やみりんは大丈夫?」

 

京太郎「醤油はこの前買いだめしたし、みりんは酒に砂糖派だ」

 

望「あーわかるわかる」ウンウン

 

晴絵「…………」←まったく話についていけない

 

 

>帰宅

 

京太郎「フライパンで火通してーっと、新子、ちょっと鍋の火弱めてくれ」

 

望「はいよっと。あ、マヨネーズ使うね」

 

京太郎「どうぞどうぞ。しかしコールスローって外では食うけど、あんまり家で作ったことなかったわ」

 

望「いやね、これが結構簡単に出来きて妹にも評判いいんだよ。まあ、沢山作っておくから残ったら明日にでも食べといてよ」

 

京太郎「感謝感激雨あられ」

 

望「そういえばあられで思いだしたけど、この前神社で使う用に雛あられ作ったっけ」

 

京太郎「へぇーやっぱ神社ってそういうの作るんだな。そういえば確か関西の雛あられって少し違うらしいな。前から興味あったし今度教えてくれないか?」

 

望「いいよ、ただこっちも長野の料理教えて欲しいかな」

 

京太郎「もちろんいいぜ」

 

キャッキャウフフ

 

 

晴絵「………………せんべえうまー」ボリボリ

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<なんで知ってる?>

 

―過去編十六話後 告白後帰宅中―

 

 

晴絵「そういえばさっきので、ちょこーと気になった点があるんだけど」

 

京太郎「胸は大きい方が好きってやつか? 悪いがそれは事実だ」キリッ

 

晴絵「それじゃないしやっぱ微妙にショックだよ! って、そうじゃなくて私が料理の練習してるのを知ってたのって…」

 

京太郎「ん? ああ、お袋さんと親父さんに聞いてな」

 

晴絵「いつの間に!?」

 

京太郎「確か夏休み前だったか? 夕飯に呼ばれて、切れた調味料を晴絵が買いに行った時にな」

 

晴絵「な……なんて?」オソルオソル

 

京太郎「『近頃あの子が料理教えて欲しいって言ってきてね、今までそんな素振り一つ見せなかったのにこれも須賀君のおかげよ』『晴絵の手料理を食べたのなんてあいつが小学生の時以来だ。いや、ほんとうにありがとう』って言ってた。というか親父さん泣いてた」

 

晴絵「あぁぁぁ……お喋りすぎだろー……」ガクッ

 

京太郎「ちなみに『不器用で未だにちょくちょくミスするからダメダメだけどね』『嬉しいけど胃にくるから辛いものがあるな……』とも言ってた」

 

晴絵「ボロクソ!?」

 

京太郎「それでなんでわざわざ料理の練習なんかしてたんだ?」

 

晴絵「う……だ、だってぇ……前に京太郎と望が二人で楽しそうに料理してるのが羨ましかったから……」イジイジ

 

京太郎「あー……それだったら自分にもなんか手伝わせてって言えば……」ポリポリ

 

晴絵「余計に惨めすぎるってば……」

 

京太郎「悪かった。今度一緒に作ろうな」ポンッ

 

晴絵「でも……」

 

京太郎「なんだ? まだ練習中か?」

 

晴絵「い、一応ね…………レパートリーもあんまりないし……」

 

京太郎「だったらそれこそ一緒にやろうぜ、俺も晴絵の料理食べたいし。な?」

 

晴絵「うん……」

 

京太郎「よし! こりゃ楽しみだぜ!」ガッツポーズ

 

晴絵「……そんなに?」

 

京太郎「彼女の手料理が食べられるんだからな! テンション上がらない方がおかしいだろ」

 

晴絵「京太郎……うん!頑張るから期待してて!」

 

 

カンッ

 

※イチャラブにオチなし

 

 

 

 

 

<大きいと浮くらしいね>

 

―過去編十四話後 晴絵が先に帰るまで―

 

 

>須賀家浴室

 

晴絵「ほら、流しちゃうから目閉じたままね」ゴシゴシ

 

照「んー」バシャー

 

晴絵「よし、出来た! それじゃあ先に入ってて」

 

照「わかった」

 

晴絵「それじゃあ今度は咲ちゃんおいでー」チョイチョイ

 

咲「はーい」

 

晴絵「ほーれ、ごっしごし。目開けちゃだめだよー」

 

咲「うん」ギュー

 

照「……」ジィー

 

晴絵「ふんふふ~んっと――ん? 照ちゃんどうしたの?」

 

照「…………胸大きい」

 

晴絵「ぶっ!?」ガシッ

 

咲「にゃ!?」

 

晴絵「ご、ごめん。痛かった?」

 

咲「う、うん……だいじょぶ」

 

晴絵「あー良かった……って、いきなり何言ってるの!?」グルンッ

 

照「だって……私達ペッタンコなのに晴さん大きい」ペタペタ

 

晴絵「い、いや……それは二人がこどもなのと私が大人だからだよ。あと別に私もそんなに大きくないからね」ホント

 

照「ぶぅ……」

 

咲「???」

 

晴絵「だ、だから……そう! 二人もあと何年かすればすぐ大きくなるよ!」

 

照「だってお母さん小さいもん……だから私達も小さいままって本に書いてあった」ブクブク

 

晴絵「そ、それは……一応そんな話も聞くけど……実際どーなんだろ……? あ、流すからねー」

 

咲「はーい」ジャバー

 

晴絵「よし、それじゃあ私も洗い終わってるし、このまま入ろうか」

 

咲「うん」

 

晴絵「それじゃ失礼しまーすっと…………ふう、極楽極楽」

 

照「……やっぱり大きい」ジー

 

晴絵「ま、まあ胸なんて大して意味ないし気にしない方がいいよ」

 

照「でも京ちゃん大きい胸好きだし」

 

晴絵「え……? それホント?」

 

照「うん」

 

咲「京ちゃんおっぱいすき?」

 

晴絵「あー……やっぱりかー、須賀君テレビでそういったの目にすると途端に口数減るからね」ハァ

 

照「だから京ちゃんの為に大きくする」

 

咲「京ちゃんがすきならわたしもおおきくするー」

 

晴絵「ちょ!? 何気に大胆発言止める! しかし……この純真さ、これが若さってやつか……」トオイメ

 

照「……そういえば晴さんって京ちゃんに胸揉ませてるの?」

 

晴絵「ぶぅうううう!? ごほっごふっ……な、なんで……」

 

照「女の子は胸揉んで大きくなるってクラスの子が言ってたから。京ちゃんおっぱい好きだし」

 

晴絵「こ、これは須賀君と会う前から! そ、それに須賀君とそんな関係じゃ……(で、でもこの前私の事彼女だって紹介してて……い、いや、だけどあれは嘘だって)……ぅぅぅぅ……わかんなぃ……」ブクブク

 

照「???」

 

咲「???」

 

須賀母「あらあら」トビラゴシ

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<ちょっぴりジェラシー>

 

―過去編十四話後 晴絵が帰った後の夏休み―

 

 

咏「やぁやぁ、出迎えご苦労! それで他の皆は?」

 

京太郎「向こうで準備中。だから迎えは俺一人だ」

 

咏「うわぁわっかんねー、これでも優勝者だぜ」ヤレヤレ

 

京太郎「はいはい、おめでとさん」ポンポン

 

咏「扱い雑すぎぃ」

 

京太郎「電話で散々話したから今さらだろ? ほら、荷物寄こせ」

 

咏「ほい、ありがと」

 

京太郎「よいっしょ……って重いな、何入れてるんだよ。このまま向こうに行きたいけどこの荷物が邪魔だし一回うち寄るけどいいよな?」ヘルメットワタシ

 

咏「いいよー」キャッチ

 

 

>走行中、さり気なく買っていたインカムで会話

 

 

京太郎「それで高校出たらやっぱプロ行くのか?」

 

咏「そうだねー……前から色んなところに声かけられたしそのつもりかなぁ。そんで一応候補としてはこっちと横浜のチームかなーっと」

 

京太郎「やっぱ住み慣れた場所だよな。まぁ、お前なら選びたい放題だしなるべく自分に会った所選べよ」

 

咏「ん、そこらへんはじっくり考えるつもりだよ」

 

京太郎「そうしとけ」

 

咏「…………」

 

京太郎「…………」

 

咏「……ねぇセンパイ」

 

京太郎「あ、なんだよ?」

 

咏「なんか元気ない?」

 

京太郎「……そんなことねーぞ」

 

咏「ふーん……そういうこと言っちゃうわけか~」

 

京太郎「だから何もないって」

 

咏「素直に言わないと脇腹のあたりを擽っちゃうぜ」ツンツン

 

京太郎「シャレにならないからマジでやめろって!?」

 

咏「あはは、冗談冗談っ!」

 

京太郎「まったくお前は……相変わらずだな」ハァ

 

咏「そりゃそう簡単には変わらないよ」アハハ

 

京太郎「身長もな」

 

咏「はっはっは、センパイに言われると二重にムカつくなぁ!」イカリスマイル

 

京太郎「わかったから怒鳴るな」

 

咏「今のセンパイの一言で私の心は傷つきました。なので詳しく説明することを要求します」

 

京太郎「なんだよその喋り方……」

 

咏「………………女か」ズバッ

 

京太郎「ぶふぅぅぅ!?」

 

咏「やっぱりねぇ……あれか、例の女友達かなぁ? 風呂でも覗いた?」ニヤニヤ

 

京太郎「ちちちちげぇよ! ただ……その……なんだ……喧嘩、なのかな? 行き違いでちょっとな……」

 

咏「ふーん、ほぉー」

 

京太郎「……なんだよ?」

 

咏「いや、知らんし」

 

京太郎「無理やり聞き出してそれかよ」コイツ…

 

咏「まぁ、センパイは頭良いけどアホだし、とりあえず突っ込んでみればいいんじゃね? あの時もそうだったじゃん」シレッ

 

京太郎「あの頃とは色々と違うだろ……まぁ、帰ったら何とかしてみるよ」

 

咏「やっぱセンパイはそうこなくっちゃね。何かあったらいつでも相談乗るぜぃ」

 

京太郎「なんかあったらな。一応向こうの別の友達にも相談してみるけど、それでも駄目なら頼らせてもらうわ」

 

咏「うわぁ、なんかジェラシー……」

 

京太郎「なに言ってんだかまったく」

 

 

 

京太郎「あ、うち通り過ぎてた」

 

咏「こりゃ駄目かも知れんね」

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

 

<約束>

 

―過去編十六話後 長野帰省中―

 

 

京太郎「なあそろそろ機嫌直してくれよー」

 

照・咲「……………………」ツーン

 

晴絵「ほ、ほら、お土産の大仏プリンだよー」

 

照・咲「……………………」ピクッ

 

京太郎「全く……なんでそんなに機嫌悪いんだ?」

 

照「……だって京ちゃんたちいつの間にか付き合ってるし」ジー

 

京太郎「そりゃー……うん。そうなっちまったんだ。しょうがない」

 

咲「冬休みかえってこなかった」ジー

 

京太郎「それはほんとすまん。だけどほら、鹿クッキーもあるぞー」

 

照・咲「……………………」ピクピクッ

 

 

晴絵「どうしよう……」ヒソヒソ

京太郎「こいつら一度へそ曲げるとめんどいからなー」ヒソヒソ

晴絵「そもそもお土産で釣るのはどうなんだろう?」

京太郎「いや、あいつらならこれで間違ってないと思うぞ」

晴絵「……京太郎ってばデリカシーないなー」アキレ

 

 

照「……約束」ボソッ

 

晴絵「うん?」

 

照「約束して。京ちゃんのこと絶対に泣かせたりしないって」

 

晴絵「照ちゃん……わかった、京太郎のこと絶対に大切にするよ。約束する」

 

照「……なら許す」

 

京太郎「というか普通逆じゃないか? なあ?」

 

咲「もちろん京ちゃんもだよ」

 

京太郎「はは、大丈夫だよ。それじゃあさっさとお土産食べようぜ」

 

照・咲「はーい」ダッシュ

 

 

 

京太郎「やれやれ泣いた烏がなんとやらだな」

 

晴絵「子供らしくていいじゃない。だけどさ……望達もそうだったけど、こうやって周りに認められるのっていいもんだね……」

 

京太郎「そうだな……」

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<良き友人>

 

―過去編十六話後 告白後―

 

 

京太郎「よう新子」テツナギ

 

晴絵「やほー望」テツナギ

 

望「うまくいった――のは見たまんまだね」ハハ

 

京太郎「まあな。色々世話になったな」

 

望「といっても私がやったのは背中蹴ってチケット渡したぐらいだけどね」

 

京太郎「いや……正直新子がいなかったら今でも悩んだままだったし、やっぱ新子のおかげだよ。ありがとうな」

望「ほうほう、そこまでいうからには?」

 

京太郎「勿論これからなんか奢らせてもらいますよ」

 

望「ははは、須賀くんのそういう所好きだよ」バシバシ

 

京太郎「ありがとさん。それじゃあ……どうした晴絵?」フリムキ

 

晴絵「…………」ジー

 

望「……もしかしてハルエってば拗ねてる?」

 

晴絵「べっつにー」プイ

 

望「これはこれは……随分と誑し込んだね」ニヒヒ

 

京太郎「おいおい、人聞きが悪いな。別に普通に告白しただけだぞ」

 

望「いやいや、あのハルエだよ。男勝りでガサツで女子はともかく男子人気なんてなさそうだったあのハルエだよ。完全に恋する乙女じゃん」ビシッ

 

晴絵「望~~~」プルプル

 

望「……それでもうヤったの?」ズバッ

 

晴絵「ぶっ!?」

 

京太郎「あー……何とは聞かんが一応まだだぞ」ポリポリ

 

望「……マジで?」マガオ

 

京太郎「ああ」

 

望「ふーん……」

 

晴絵「……なにさ」

 

望「べっつにぃー、ただ時間の問題かなーってね」

 

晴絵「っく……」

 

京太郎「はは。まあ晴絵は相変わらずそういった話には慣れてないからあんまりからかわないでやってくれ」

 

望「ほう、つまり『こいつで遊んでいいのは俺だけだー』ってこと?」

 

京太郎「まあそんな所だ」ハハ

 

望「かーっ、妬けるねー!」バシン

 

京太郎「おう、存分に妬いてくれ。ちなみに家ではもっと甘えてくるぞ」

 

望「くっそー、こっちは一人身だってのに全くもうねー」

 

晴絵「ああ、もうっ! そんな話はさっさといいから行こう!」

 

望「そうだね、ハルエの事をからかうのは後にしようか。さて、それじゃあどこ行こっかー」クルッ ガシッ

 

晴絵「こらー! 腕組むなぁー!!」ガー

 

京太郎「は、ははは……」

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<初授業>

 

―過去編十八話後 宥との再開後―

 

 

京太郎「よーし、それじゃあ今日から本格的によろしくな」

 

宥「は、はい……」カチンコチン

 

京太郎「はは、そんな硬くならないでこの前みたいに話してくれていいぞ……ってのは難しいかな?」ポリポリ

 

宥「あぅ……」

 

京太郎「…………うん、それじゃあとりあえず改めて宥がどれぐらい勉強できるか聞いてもいいかな?」

 

宥「え? はい……えーっと、学校の勉強にはなんとかついていけてます……」ケンソン

 

京太郎「ほうほう、じゃあしっかりと授業は聞いてるんだな偉いね。俺が同じぐらい頃はよくサボってて怒られたっけなー」

 

宥「そうなん、ですか……?」キョトン

 

京太郎「ああ、例えば授業中に話を聞いてなさそうな奴を見つけると先生が名指しでそいつを呼んで『今話してたことを答えてみろ!』って言ってきてな。それで答えられなかったらしばらくその場で立たされるんだよ。だから昼寝は勿論、ぼーっとしてるのもあんまり出来なくてあれは子供ながらにキツかったなー」シミジミ

 

宥「へぇ……」

 

京太郎「勿論それで黙ってる連中ばかりじゃないから教科書立てて隠れながらマンガ読んでる奴とかもいたっけ」

 

宥「えっと……京太郎さんはどうだったんですか?」

 

京太郎「俺か? 俺は勿論そんなわかりやすい真似はしないさ。瞼の上にマジックで目を書いて誤魔化して寝てたぞ……勿論バレて怒られたけど」

 

宥「くすっ、京太郎さんってお茶目さんだったんですね。すごく真面目な人だと思ってましたぁ」

 

京太郎「まー、流石に年取ると色々無茶できなくなるしな。といっても今でも昔の奴らとつるむと派手なことはやってるし、宥はこんな大人になっちゃだめだぞ」

 

宥「ふふっ」クスッ

 

京太郎「(そろそろ緊張も取れたかな……?)さて、それじゃあそろそろ勉強始めようか。準備はいいか?」

 

宥「あ……はい、もう大丈夫です。これからよろしくお願いします」ペコリ

 

京太郎「うん、よろしくな」

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<同志との談話>

 

―過去編十九話後 玄との出会い後―

 

 

玄「それで最近の赤土さんのおもちはどうなのですか師匠?」ズイッ

 

京太郎「どうなのってまた唐突だな……前に話した以外に何を話せと?」ハァ

 

玄「わかってないですねー師匠。日進月光、おもちはたえず進化していくものなのです。だからこの前からどれぐらい変わったかを聞きたいのです」

 

京太郎「あいつ成長期はとっくに過ぎてるし、そう簡単にはかわんねーだろ。あと日進月光じゃなく日進月歩な。うろ覚えの言葉を下手に使うと恥かくぞー」

 

玄「う……そ、そんなささいなことは忘れましょう!」

 

京太郎「はいはい……あ、そういえば」

 

玄「お!」ガタッ

 

京太郎「身を乗り出すな……この前揉んでる時に気付いたんだけどな……」

 

玄「おお!」

 

京太郎「あいつ少しだけ大きくなってたかもしれん」

 

玄「うおおおおおおおッッ!!!」ドンッ

 

京太郎「食いつきすぎだ」デコピン

 

玄「あいたっ」バタン

 

京太郎「とはいえなんとなくだから断言はできねーけど」

 

玄「いやいや、師匠の黄金の指なら間違えるはずないのです」

 

京太郎「名乗った覚えも、呼ばれた覚えもないけどな」

 

玄「またまた~」エヘヘ

 

京太郎「はいはい。それでさっきから手に持ってるそいつは?」

 

玄「ヤング○ャンプです!」ドヤ

 

京太郎「グラビア目的か、小学生なら普通のを買えよ……」

 

玄「それで師匠はどのおもちが好みですか?」

 

京太郎「聞けよ。右のだな」キリッ

 

玄「ほうほう、でも私は左の方が好きですね」

 

京太郎「だけどそいつ寄せてあげてるぞ」

 

玄「なんとっ!?」

 

京太郎「うまく隠してるみたいだけど不自然だしな。多分カップ一つ落ちると思うぞ」

 

玄「…………っく」orz

 

京太郎「――玄、人間は誰しも失敗を通して強くなるもんだ」ポン

 

玄「師匠……」ウルッ

 

京太郎「だからそれを次に活かせばいいじゃないか。おもち道は一日にしてならずだ」

 

玄「し、師匠ぉ!」ダキッ

 

京太郎「玄ォ!」ダキッ

 

 

 

 

 

宥「あったかくない……」プルプル

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

 

<甘い物には目がない>

 

―過去編二十一話後 憧と出会い後―

 

 

ピンポーン

 

京太郎「はーい……って憧か、どうした?」

 

憧「これお姉ちゃんから。作りすぎたから須賀さんとこまで持って行けってさ」

 

京太郎「まじかっ、ありがとうなー。でもここまで少し距離あるし迷わなかったか?」

 

憧「そりゃここらへんもしずと一緒に遊びにくるしねぇ」ニヒー

 

京太郎「おまえららしいな。あ、わざわざ来てくれたんだし上がっていくか? 晴絵も後で来るしなんか飲み物でも出すよ」

 

憧「あ、え、えーと……」オドオド

 

京太郎「(あー……初めて来る家には上がりにくいかな)……さっきアップルパイ焼いた 「おじゃまします!」ダッシュ ……ははっ」

 

 

 

憧「ほへー」キョロキョロ

 

京太郎「そんなに俺の部屋が珍しいか?」

 

憧「べ、別にそんなことないし! は、初めて男の人の部屋入ったからってきんちょうしてないし!!」ブンブン

 

京太郎「そ、そうか? と、とりあえずこいつをどうぞ」カチャ

 

憧「!!! いただきます! ………………っ!?」パクッ

 

京太郎「どうだ?」

 

憧「おいしい!」

 

京太郎「そっか。まだまだ残ってるから好きなだけ食べてくれよ」

 

憧「うん!」

 

京太郎「それじゃあおれも食うかな。あ、飲み物は紅茶とコーラどっちがいい?」

 

憧「コー……こ、紅茶で」

 

京太郎「コーラな」

 

憧「う……うう~」プクー

 

 

 

 

 

晴絵「京太郎アップルパイ出来たー? ってなくなってる!?」

 

京太郎・憧「…………てへっ」←二人で全部食べた

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<子供は元気の子>

 

―過去編二十一話後 穏乃と出会い後―

 

 

穏乃「いらっしゃいませー、あ、京兄!」

 

京太郎「よ、店番か?」

 

穏乃「うん、朝からたくさん買った人がいて、後ろでもっと作ってるからそのあいだだけね」

 

京太郎「そうか、偉いぞー」ナデナデ

 

穏乃「エへへー。あ、それで今日はどうしたの?」

 

京太郎「ああ、ちょっと買い物にな。おはぎときなこ包んでもらっていいか?」

 

穏乃「えーと……あ、ごめん。ちょうど今作ってるんだ。でももうちょっとで出来るからだいじょうぶ?」

 

京太郎「うん、急いでないから全然構わないぞ」

 

穏乃「ありがと。それじゃあそっちで座って待ってて……おかあさーん!」タッタッタ

 

 

 

穏乃「はい。これ待ってる間にって」オチャー

 

京太郎「おう、ありがとうな」

 

穏乃「でもいいなー、せっかくの休みなんだし私も遊びに行きたーい!」

 

京太郎「ははっ、まあ今日は我慢だな」

 

穏乃「ぶーぶー!」

 

京太郎「うーん……そうだ、今度憧たちも誘って皆でどっかに遊びに行くか?」

 

穏乃「え……いいの!?」

 

京太郎「勿論。ただ皆の予定と親御さんのOKが出ればだけどな」

 

穏乃「わかった! 今すぐ聞いてくる」

 

京太郎「あ 「おかあさーーーーん!」 えーと……」

 

 シゴトノジャマシナイノ! ゴ、ゴメンナサイ……

 

京太郎「……うん。元気があるっていいな」

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<頼りになる子>

 

―過去編二十二話後 灼と出会い後―

 

 

京太郎「ふぅ……」

 

灼「暇なら投げれば?」

 

京太郎「いや、なんかそんな気分じゃない……」

 

灼「なら何しに来た……?」アキレ

 

京太郎「…………なんとなく?」

 

灼「……お帰りはあちらで」ユビサイ

 

京太郎「灼は厳しいなぁ」ハハッ

 

灼「いや、普通だと思われ……」

 

京太郎「そうかぁ?」

 

灼「……何かあった?」

 

京太郎「ん、ちょっとな……」

 

灼「思わせぶり止める。話すなら話す」ズバ

 

京太郎「うーん……じゃあちょっと聞いてくれるか?」

 

灼「まぁ、暇だし……」

 

京太郎「サンキュー。それで、そのなぁ……彼女と意見の違いからちょっと喧嘩しちまってな、どうしようかなって……」ポリポリ

 

灼「ふーん」

 

京太郎「多分今もうちにいるから帰りづらいんだよな……」

 

灼「……別に帰ってもいいんじゃない?」シレ

 

京太郎「いやいや、喧嘩してるし帰れないって」

 

灼「別にその人の事が嫌いになったわけでもないんでしょ? だったらいつまでも意地張ってるだけ時間の無駄だし、思い切って帰って謝ればいいんじゃないの……?」

 

京太郎「………………そうだな、意地張っててもしょうがないよな。ありがとうな灼。俺帰るわ」

 

灼「うん……それで喧嘩の原因は?」

 

京太郎「ん? ああ、今日のおやつにき○この山とたけ○こ里どっち買うかってことで揉めてな」

 

灼「帰れ」

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

 

<報告>

 

―過去編二十四話後 咏襲来後―

 

咏「はーいはい、おっ。お疲れ様ーどしたの?」

 

咏「……ん? ああ、行って来たよ。うん……うん……まぁ、上手くやれてるんじゃないかなぁ。知らんけど」

 

咏「とりあえずいい部屋に住んでたし、中もしっかりと整頓できてたしねぃ。ま、向こういって一年以上経つし、一人暮らしかつ彼女が出来たからって自堕落な生活は送ってなさそうだったよ」

 

咏「……は? 二人の関係? いや知らんし………………って言いたいけど、ただのバカップルだったかなぁ」

 

咏「そうっ! 私がすぐ傍にいるのにすぐに人の事ほったらかして、抱きしめたり頭撫でたりといちゃつき始めるしやってらんねーよっ。なんだよあいつら、マジでわかんねー。しかも食事中もちょっとぎこちなかったし、多分二人の時はもっと酷いんじゃねーの? 知らんけど」

 

咏「ちなみに探った結果、コップなんかは当たり前。普段着に寝巻に下着、歯ブラシとオールコンプ。そして極めつけに枕や布団が一つずつしかなかったのはそういうことだろうねぃ……」

 

咏「ま、別にそこらへんはセンパイの勝手だしぃ、危ない事とかしてなければ好きにやっててもいいんだけどー、なーんか腹立つんだよね……」

 

咏「…………誰が小姑だって? 私だって行くついでにって、おばさんたちに頼まれなきゃ……まぁ、やってなかったんじゃないかな? 知らんけど。それにお兄さんとしては弟がちゃんと生活できてるか心配だったっしょ?」

 

咏「あははっ! いやいや、二人の関係見たらやっぱ兄弟が近いって、だからこうやって気になってわざわざ電話かけてきたわけだし。まー、でも特に心配することはないんじゃないかな、仲良くやってたし」

 

咏「…………やっぱバレた? やれやれハギー先輩には隠し事は出来ねーなぁ」

 

咏「……正直な所ちょっと危ういと思うよ。何処がどうとはハッキリとは言えないけど、私からも見てもお互いに依存してる部分があるように見えたし…………うん、特に彼女の方がね」

 

咏「ただ、今後どうなるかとはわっかんねーけどね。何事もなく行くかもしれんし、もしかしたら別れるかもしれないし…………まっ! 下手に手を出すよりもなんかあったらそん時に手を貸せればいいっしょ。直接会えなくても電話使えばいくらでも話せるし、私も暇見つけてそのうちまた顔出しに行くつもりだよ」

 

咏「……いや、ハギー先輩は忙しくてあんま動けないんだから仕方ないって、そこらへんは私を含め他の連中に任せときなって。適材適所ってやつ? 知らんけど」

 

咏「おう、それじゃあまた今度。お疲れー」

 

 

 

咏「…………ふぅ、ホントに大丈夫かねぇセンパイ……」

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<レジェンドと過ごす1年 4月 たぶん二年生あたり>

 

 

京太郎「パス」

 

モブ男「偶にはいいじゃないか、須賀がいてくれれば面子も良いのが揃いそうなんだよ!」

 

京太郎「彼女持ちを合コンに誘ってんじゃねーよ」ハァ

 

モブ男「合コンじゃないさ! サークルの新入生歓迎会だ!」ドヤッ

 

京太郎「なおさらダメだろ」

 

モブ男「頼む! その日だけうちのサークル生になってくれ!!」

 

京太郎「だけどなぁ……」

 

モブ男「その日は空いてるんだろ?」

 

京太郎「まぁな、晴絵も家の用事があるらしいから……」

 

モブ男「金も要らんし、赤土さんには俺からも説明するから頼む!!」ドゲザ

 

京太郎「まったく……俺はレアだぜ」キリッ

 

モブ男「よっしゃあ!!」

 

京太郎「それで……ん、メールだ」

 

モブ男「よっしゃこれで「すまん、その日ダメになったわ」………………」

 

京太郎「家の手伝いに人が足りないからって晴絵に呼ばれちまった」ポリポリ

 

モブ男「………………いや、気にすんな……彼女がそう言ってるんだらしょうがないさ」ズーン

 

京太郎「悪いな、今も呼んでるから行ってくるわ。今度は出るから」

 

モブ男「おう………………ぬぁぁぁぁっ!!! もおおおおおッッ!!! なんで須賀を誘うといつも邪魔が入るんだァーーー!!!??」

 

 

 

???「…………」ポチポチ

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<5月>

 

晴絵「ゴールデンウィークだー!」バンザーイ

 

京太郎「レポート作らないとな」ニッコリ

 

晴絵「イヤだァァァァァァ!!!!!!!!!」ダッシュ

 

京太郎「逃がさないぞ」ガシ

 

晴絵「京太郎の裏切り者! 神戸まで泊まりデートに行くって約束したじゃん!」ウワーン

 

京太郎「しょうがないだろ、教授からいきなり宿題出されちまったんだから……」

 

晴絵「いいじゃんそれぐらい……」

 

京太郎「ダメだ、必修科目だから単位落とすわけにもいかないだろ。もし落としでもしたらおじさんたちに顔向けできないし」

 

晴絵「つーん」

 

京太郎「拗ねてもダメだ。大学の図書館で資料探すぞ」

 

晴絵「……」ツーン

 

京太郎「はぁ…………わかったよ。早めに終わらせる様にするし、もし無理でも来週何処か出かけるか」

 

晴絵「……」ジー

 

京太郎「……あと今日から休みの間はずっと泊まっていけ」

 

晴絵「京太郎大好きっ!」パアッ

 

京太郎「ただし許可取って――」

 

晴絵「あ、お母さん、今日から一週間京太郎の所に泊まるから。うんわかった…………良いって」

 

京太郎「はえーよ」ホセ

 

晴絵「いいじゃんいいじゃん、もう何回も泊まってるんだし同じ同じ。それじゃあ早速買い物行こうか」ルンルン

 

京太郎「(泊まりってことでレポート終わるまで缶詰めにされるのは考えてないんだろうなぁ……アホ可愛い)」

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<6月>

 

京太郎「…………ふんふむ」ペラ

 

晴絵「何真面目な顔して読んでるの?」ヒョコ

 

京太郎「のわあああっ!!!???」アトズサリ

 

晴絵「うわ、びっくりした……」

 

京太郎「こ、こっちの台詞だ、いつの間に……今日は昔の友達と出かけるんじゃなかったのか?」

 

晴絵「…………一週間後と間違えてた♪」テヘッ

 

京太郎「………………」シラー

 

晴絵「う、傷つくからその目やめて……」

 

京太郎「はいはい」ナデナデ

 

晴絵「ヘヘッ」ニヘラ

 

晴絵「それでさっきから何読んでたの?」

 

京太郎「あー……なんでもない、ただのファッション雑誌だ」

 

晴絵「……ウソ、思いっきり何か隠してる」ジトー

 

京太郎「気のせいさ」ニコヤカスマイル

 

晴絵「……見せろ」

 

京太郎「いやだ」

 

晴絵「だったら…………無理やりにでも!」

 

ドッタンバッタンギャースカ ア、ムネサワッタ オカエシ ヒルマカラドコサワッテンダ!

 

 

『結婚特集。プロポーズはこんな時にしなさい!!』

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<7月>

 

ザアーーーー

 

京太郎「雨か……」

 

晴絵「せっかくの七夕なのに……」

 

京太郎「しょうがないさ、この時期はまだ梅雨だからな」

 

晴絵「ちぇー、つまんなーい」ダラーン

 

京太郎「とりあえず笹の葉でも飾るか」オシイレカラダス

 

晴絵「…………どっから取って来たのそれ?」ビックリ

 

京太郎「昨日、松実さんからな。余ってる中で小さいのをもらっといた」

 

晴絵「へぇ、さっすが京太郎。抜かりないね」

 

京太郎「おうよ、飾るから場所開けてくれ」

 

晴絵「オッケー♪」

 

京太郎「小さくても風情があっていいな」

 

晴絵「うん、家の中ならこれぐらいがちょうどいい感じだね。それで短冊は?」キョロキョロ

 

京太郎「え…………? お前、その歳になって書くのか」ドンビキ

 

晴絵「ええっ!?」

 

京太郎「冗談だ。買っといたぞ」テノヒラクルー

 

晴絵「……」ジトー

 

京太郎「怒るな怒るな」ツンツン

 

晴絵「……」ムナモトニカラダヲアズケル

 

京太郎「……さて、何書くかな」

 

晴絵「意地悪しない彼氏がほしい」フンッ

 

京太郎「なら俺はEカップ以上の彼女を――」

 

晴絵「意地悪しない彼氏になってほしい」ホッペギュー

 

京太郎「善処します」

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<8月>

 

晴絵「暑い……」グデー

 

京太郎「パンツ見えてるぞ……」パタパタ

 

晴絵「見せてるからオールオーケー……」ダルーン

 

京太郎「ドン引きだわぁ……」パタパタ

 

晴絵「そんなこと言いながら扇子で扇いでくれる京太郎好き……」レジェジェ

 

京太郎「はいはい」パタパタ

 

晴絵「…………」

 

京太郎「…………」パタパタ

 

晴絵「エアコン、いつ直るんだっけ?」

 

京太郎「お盆だから来週だってよ」パタパタ

 

晴絵「う~……」

 

京太郎「お前の家か、どっか出かけるか? ここよりは涼しいだろ」パタパタ

 

晴絵「今日はこうしていたい」ギュー

 

京太郎「はいはい」パタパタ

 

 

カンッ

 

 

 

 

<9月>

 

京太郎「(お月見ということで見晴らしのいい新子の家に遊びに来たんだけど……)」

 

晴絵「だからさー、もう少し京太郎は私の事を大事にするべきだと思うのよ!」←酔っ払い

 

望「あアぁ? あんだけやることやってるくせにほざくのはその口かぁ?」←酔っ払い

 

晴絵「え? 何嫉妬? 嫉妬なのーーー?? いやー、困っちゃうなぁ///」

 

望「くっそぉ……私だってなぁー、出会いさえあれば彼氏なんて一発で作れるんらよー、そもそも周りにまともな男がいないのが悪い!」ドン

 

晴絵「京太郎は完璧だしーっ! 金髪で料理炊事洗濯何でもできて優しいしー世界で一番いい男だもんれー!!」デヘヘー

 

望「あの世で私にわび続けろレジェンドーーーーッ!!!」ウガー

 

ドッタンバッタンギャースカ

 

京太郎「(完全に出来上がっている……)」←素面

 

憧「これおいしー」モグモグ

 

穏乃「zzz」

 

京太郎「(こっちの二人は完全にスルーモード。穏乃は胡坐をかいた俺の膝の上で爆睡中、憧は隣でテーブルの料理とランデブー中……自由かよ)」

 

憧「この酢漬け卵のパイ……意外にイケる!」ガッツポーズ

 

京太郎「(腹減った……)憧、俺にも分けてくれ、動けないから届かないんだ」

 

憧「え? うーん……わかった、はい」ズイ

 

京太郎「…………なにこれ」

 

憧「アイスクリームホットドック」ニコッ

 

京太郎「いや、食べ物もヤバいけど、そうじゃなくてこの……」ユビサシ

 

憧「あーんのこと?」

 

京太郎「おう、そんなことしなくても近くに置いてくれれば食べられるからさ」

 

憧「んー……別にいいんじゃない?」ニヤニヤ

 

京太郎「いやいや」ナイナイ

 

憧「あれ? あれれぇー須賀さんってば子ども相手に照れるのー?」ニヤニヤ

 

京太郎「(いつもは子ども扱いされると怒るくせに……いいだろう受けて立つ)」

 

憧「ほれほれ~(そろそろいいかなー)」ニヤニヤ

 

京太郎「……あーん」

 

憧「ええっ!?」ビクッ

 

京太郎「おーい、早くしてくれー」

 

憧「う……あ、あああーん……///」

 

京太郎「モグ……うん、美味い」カッタ

 

憧「そ、そう……///」モジモジ

 

京太郎「憧、ちょっとその皿取ってくれ」サリゲナク

 

憧「う、うん……」

 

京太郎「サンキュー……よし、憧こっち向け」

 

憧「え……な、なに?」

 

京太郎「あーん」ズイ

 

憧「…………ふきゅっ!?」アトズサリ

 

京太郎「おいおい、そんなにびっくりしなくてもいいだろ。さっきのお礼だよお礼」ニヤニヤ

 

憧「うううぅぅ……」

 

京太郎「ほれほれ~食べないのかー?」

 

憧「(か、間接!)う……じゃ、じゃあ「いただきまーす!」…………あれ?」キョロキョロ

 

穏乃「ほんとだ、変な味だけどおいしー」モグモグ

 

京太郎「……いつの間に起きた」

 

穏乃「いま!!」エヘヘー

 

憧「…………しぃ~ずぅ~「「へぇ、面白い事してるね……」」……」ズサッ

 

穏乃「!?」ビクッ

 

京太郎「…………」フリムキ

 

晴絵・望「「……言い残すことは?」」ニッコリ

 

京太郎「……俺は大きい方が好きです」

 

※この後滅茶苦茶あーんした。

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<10月>

 

 

京太郎「やることねーなー」カリカリ

 

晴絵「そうだねー」

 

京太郎「せっかくの祝日」カリカリ

 

晴絵「だけど外は雨」

 

京太郎「他に何かすることあったか?」カリカリ

 

晴絵「うーん、思いつかないなー」モゾモゾ

 

京太郎「そうだよな……ふーー……よし右耳終わったから今度は左耳だ」

 

晴絵「おねがーい」クルッ

 

京太郎「おう、といってもやっぱり全然汚れてないな」ジー

 

晴絵「この間もやったしね」

 

京太郎「それに耳垢って何もしなくても取れるもんだから、あんまりやるのもよくないんだけどなぁ」

 

晴絵「そこは京太郎のゴッドハンドが悪いということで」キリッ

 

京太郎「はいはい」

 

晴絵「あとこの膝枕が絶品のせいだね」ナデナデ

 

京太郎「撫でるな、くすぐったい」

 

晴絵「へへ、いい太ももしてるねー」モミモミ

 

京太郎「いや、男の足なんて固いだけだろ」

 

晴絵「ううん、ほどよく引き締まっていて良い感じ」キリッ

 

京太郎「ま、半分はお前のものだ、好きにしてくれ」

 

晴絵「そうさせてもらうね」スリスリ

 

京太郎「ふーー……ほら、そんな事してる間に左も終わったぞ」

 

晴絵「ありがとう。それじゃあ今度は京太郎の番だよ」

 

京太郎「……なら膝の上から降りようぜ」

 

晴絵「………………わかった」ギギギ

 

京太郎「後でまたやってやるから」

 

晴絵「よっしゃバッチコーい!」ガバッ

 

京太郎「ふつう逆だよなぁ……」ヨッコラセット

 

晴絵「あ、タンマ!  忘れ物したからちょっと待ってて!」

 

京太郎「耳かき以外に何を忘れるんだ……-」

 

 

 

京太郎「(3分経っても帰ってこないんだが……)晴絵いったいど「お待たせ!」………………なにそれ」ゴシゴシ

 

晴絵「今日は体育の日だしねー、実家から昔の持ってきた///」ポリポリ

 

京太郎「(どう見ても体操着とブルマです。パッツンパッツンです)」

 

晴絵「ネタで持って来たつもりだったんだけどさ……さっきの太ももで思いついて着てみたんだけど……どうかな///?」テレテレ

 

京太郎「……………………」

 

晴絵「な、何か反応してってば! これでも結構恥ずかしんだよ!?」

 

京太郎「ハルエェ……お前ってやつは…………」プルプル

 

晴絵「う、うん……」

 

京太郎「最高の彼女だな!」ガバッ

 

晴絵「♪」

 

 

この後滅茶苦茶耳かき()した。

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

<11月>

 

 

京太郎「(先日の三尋木の一件以来……)

 

晴絵「………………………………ああっ!?」

 

京太郎「……大丈夫か?」

 

晴絵「…………大丈夫」

 

京太郎「手伝うぞ」

 

晴絵「大丈夫!!」

 

京太郎「別に張り合う必要なん「ヤダ」……はぁ……」

 

晴絵「………………」

 

京太郎「(……晴絵は編み物に挑戦している)」

 

晴絵「う……」

 

京太郎「(しかもいきなりニット帽。そこまで難しいものじゃないけど初心者には中々敷居が高い……)」

 

晴絵「……………………」

 

京太郎「(ま、それで晴絵が満足するならいいか、わざわざ水を差すことでもないし。あと結構楽しみだったりする)」

 

晴絵「………………………………」

 

京太郎「(先に昼飯作っておくか)」

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

<たまには>

 

 

―松実家 家庭教師時―

 

 

京太郎「さて、いい時間だし今日はこれぐらいにしとこうか」

 

宥・玄「はい、お疲れ様でした」

 

京太郎「お疲れ様。さて「あ、あのぉ…」ん、どうした宥?」

 

宥「その……」

 

玄「おねえちゃんファイトっ!」

 

宥「……あ、あの! よ、よかったら晩御飯食べていきませんか?」

 

京太郎「夕飯か? うーん……(晴絵も今日は来ないから適当に済ませるつもりだったけど……)」チラ

 

宥・玄「……」ドキドキ

 

京太郎「……別に大丈夫だけど迷惑じゃないか?」

 

玄「そ、そんなことないのです!」ブンブン

 

宥「は、はい!」コクコク

 

京太郎「そ、そうか? それじゃあお言葉に甘えようかな」

 

玄「おまかせあれ! それじゃあ用意してくるのでしばらく待ってて欲しいのです!」

 

宥「あ、玄ちゃん待ってぇ~、私も一緒に作るよっ」

 

京太郎「………………あれ? もしかして出来るまで俺放置?」ポツーン

 

 

 

玄・宥「…………」ドキドキ

 

京太郎「……うん、美味いぞ」

 

玄「おねーちゃん!」ダキッ

 

宥「玄ちゃん!」ダキッ

 

京太郎「モグモグ(相変わらず仲良いなー)」

 

玄「そ、それでどれが一番ですか?」ドキドキ

 

京太郎「お前結構突っ込んでくるよなぁ……しっかし一番ねぇ、まだ全然食ってないけどこの卵焼き……というよりだし巻き卵か? 形も綺麗だし味もしっかりしてて凄く美味いな」

 

宥「あ、えへへ……」

 

京太郎「お、これってもしかして宥が作ったのか?」

 

宥「は、はい……まだ全然ですけど」

 

京太郎「いやほんと美味いって」

 

玄「むぅ~……師匠! これはどうですか!?」

 

京太郎「これは筑前煮か?」

 

玄「はいです」

 

京太郎「どれ一つ…………うん、筍にしっかり味も染みてるし、里芋も荷崩れしてなくて美味しい」

 

玄「やったのです!」ガッツポーズ

 

京太郎「いやーホント二人とも調理上手だな。俺が同じ歳のころは全くできなかったぞ」

 

玄「練習したからね!」

 

宥「が、頑張りました」グッ

 

京太郎「(可愛い)」ノホホーン

 

玄「あ、次はこれも!」

 

宥「これも食べてみてください」

 

京太郎「(嬉しいけど食べきれるかな……)」チラ

 

宥・玄「?」キラキラ

 

京太郎「(頑張ろう)」

 

 

カンッ

 

 




一年ネタ放置して別のでお茶を濁す。

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