残酷な表現
オリジナル敵
誤字、脱字
都合によって変わる設定
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激闘の末、どうにかフランを破った幽助。どうにかレミリアたちを仲間に引き入れた幽助たちの前に、レミリアに連れられ1人の女性が現れる。彼女の名は霧宮栞。彼女はどうやら、霊夢と面識があるようで……?
「死んだはずなのに、栞姉、なんで、ここにいるの……?」
霊夢は困惑した表情で栞を見つめる。
「ん、ああ!そうそう、私、一回死んでんだわ。」
「ええ?!」
さらっと言う栞に、霊夢は目を見開いてしまう。
「いやな、火事で本当に四肢とかほぼ全壊したんだけど、科学者だ、とか名乗る奴の技術で、息を吹き返してしまったわけよ。あはははは!!」
「笑い事じゃないでしょ栞姉?!」
「それで、いざ起きてみたら12年も経ってるっていうじゃないか。髪も真っ白になってるし。しょうがないから科学者の目を盗んで逃げてきてやってな。まさかこんなに早く霊夢に会えるなんて思ってなかったよ。」
栞はそう言って霊夢の頭を撫でる。
「それで、結局お前は何モンだ?」
幽助は訝しげに栞に問う。
「ん、そうだな、すまない。私は
「人間やめてるって、どういうことだ?」
問いかける幽助に答えるように、栞は右手を振りかぶって、軽く壁に拳を叩きつける。
すると、栞が殴った壁は、バラバラと音を立てて崩れ落ちてしまった。
それに、一同はあんぐりしてしまう。
「……とまあ、こんな風に超怪力になってしまったわけさ。」
栞はそう言って頭をかく。
「ごめんレミリアさん、壁壊しちゃって。」
「え、ええ。いいのよ。もともと紅魔館ボロボロだし……」
レミリアは頭に手を当てながらため息を吐く。
「そういえば、君はなんていう名前なんだい?」
今度は栞が幽助に問う。
「俺は浦飯幽助。元人間だ。」
「おっ、幽助くんか。君も人間やめてるクチかい?」
「まぁな。それで、おい霊夢。お前とこいつはどんな関係なんだよ。」
幽助は腕を組んで霊夢に問う。
「あ、ああ。それは……」
「おう!私と霊夢は姉妹だよなぁ?」
霊夢が答えようとすると、栞が割り込む。
「ちょ、ちょっと栞姉!誤解招くようなこと言わないでよ!」
霊夢は頰を赤らめて栞を引き剥がす。
「栞姉はね、まだ私が子供だったころ、人里でよく遊んでもらったの。」
「そん頃はケンカばっかしてたな。私。」
栞は思い出し笑いをする。
「それで霊夢、泣き虫は治ったか?」
「なっ、治ったわよ!バカにしないで!」
霊夢は茹で蛸のように顔が真っ赤になってしまう。
「昔、か。なんか私にとっちゃ昨日みたいだよ。」
栞は目を閉じて物思いにふける。
「なんだ、お前ら。また弱いものいじめか?」
12年前。人里。まだ髪が黒かった子供の姿の栞はポケットに手を突っ込んだまま紅白の個性的な格好をした女の子を蹴りつけている男の子たちを睨みつける。
「げっ、霧宮栞だ!」
「そんなにケンカしたいなら、私が相手してやる。かかってきな。」
栞はかかってこい、とハンドサインを送る。
「か、構うもんか!相手は1人だやっちまえ!」
悪ガキたちは14、5人で一斉に栞に栞に襲いかかる。
そこからしばらく、拳と拳がぶつかり合う鈍い音が響き続けていた。
「っ、くそっ!お、お前ら!逃げるぞ!」
悪ガキたちの大将はそう言って逃げていった。
「へっ、おととい来やがれってんだ。」
栞はそれだけ吐き捨てて、蹴られていた女の子の方へ向かっていく。
「おい、大丈夫か?」
「ひっ、ひっ……」
女の子、博麗霊夢はすすり泣いたまま動かない。
「おいおい、口もきけなくされたか?ほら、とりあえずこっちこい。手当してやるから。」
栞は霊夢を連れて歩いていく。
「………よし、こんなもんでしょ。大丈夫?痛くないか?」
栞は絆創膏で霊夢の額の傷を手当して、再度霊夢に話しかける。
「………」
霊夢は黙ったまま頷いた。
「なんだよ、女だからっていつまでもメソメソしてるとナメられるぞ?ほら、笑った笑った。」
栞は霊夢の頭を掴んで、少し乱暴にわしゃわしゃと撫でる。
「……あり、がとう……」
「おっ、やっと話してくれたな。」
栞は満面の笑みのまま嬉しそうに霊夢と会話しだす。
「お前、名前は?私は栞、霧宮栞。よろしくな。」
「れいむ……、博麗、霊夢……」
「霊夢か。いい名前だな。その苗字ってことはお前、博麗神社の巫女さんの娘か?」
霊夢はまた黙って頷く。
「なんであいつらにやられてたんだ?」
「気持ち悪いかっこしてるし、貧乏がうつるって……」
「なんだそりゃ。やっぱあいつらもうちょいぶん殴っとくべきだったな。女を寄ってたかって男がよ……。なっさけねえな……。」
栞はやれやれ、と頭をかく。
「お前、友達いるのか?」
栞の問いに霊夢はふるふる、と首を横にふる。
「そうか。私も独り身なんだ。どうだ?私がお前の最初の「友達」になってやるよ。」
「……ほんとう?」
霊夢は期待と困惑が入り混じった表情を浮かべる。
「ああ。もちろんだ。じゃあお前のこと、なんて呼べばいいかな?」
「……霊夢がいい。」
「そうか霊夢。じゃあ私のことはなんて呼んでくれるんだ?」
「……栞、姉。」
「へっ……?いや、私は別に姉貴になるつもりはないぞ……?」
栞が恥ずかしそうに霊夢を見ると、霊夢は既に泣き出しそうになっていた。
「わっ、わかった!わかったよ!栞姉でいいから!」
栞はあわてて霊夢を慰める。
すると、ぱああ、と霊夢の顔が明るくなる。
「とりあえず、家まで送ってやるよ。博麗神社だろ?ってか、よくここまで来れたな。」
「おかーさんが送ってくれるの!」
(こんな子供を人里に置き去りにする母親も母親だと思うが……)
栞はそんなことを考えながら、
「んじゃ、お母さんのとこへ送ってやるから。」
「うん!ありがと栞姉!」
まっすぐした瞳で見つめられた栞は、思わずそっぽを向いてしまう。
「あ、おかーさん!!」
霊夢はそう叫んでたたっ、と栞の手から離れ、赤い巫女服を着た女性に飛びついた。
「おー!お帰り霊夢!んぁ?どうしたんだこの怪我?」
「………」
霊夢は黙りこくってしまう。
「おいおい、勝手に走っていくなって。ん、あんた、霊夢の親御さんか?」
「ええ。そうだけど。もしかしてあんた……」
女性はそういって鋭い視線を栞に向ける。
「ちっ、違う!私はただ……」
「栞姉はわたしを助けてくれたの!」
「へっ?栞姉?」
女性は目を見開く。
「その子、霊夢ちゃんが、町のガキ共に虐められてたから、ガキ共を追っ払っただけです。」
「そうかそうか!ありがとうね、あなた。ん?栞……、そうか。あんた、人里の暴れ狼の霧宮栞ね?」
「……知ってたとは……」
栞は目をそらす。
「知ってるわよ?悪いやつだけぶっとばすっていうガキ大将がいるって。」
「私は別に正義の味方になった覚えはないよ。ただムカつく奴をぶっ飛ばしてるだけだから。」
栞は恥ずかしそうに頭をかく。
「そうなのね。まあ、取り敢えず礼を言っておくわ。ありがとうね、栞。よかったらまた霊夢と遊んでやって。」
「ええ。まぁ、その時は。」
栞は紅茶を飲み干して一息つく。
「そういや、澪さんは元気か?霊夢。」
栞が霊夢に問いかけた瞬間、霊夢の表情が凍る。
「……母さんは、死んだわ。事故でね。随分前に。」
「なっ……?!」
栞も表情が凍った。
「……そっか。なんか悪いこと聞いちゃったな。」
栞はため息を吐いて霊夢に謝罪する。
すると、食堂の扉がバンッと開かれ、美鈴が入ってくる。
「お、お嬢様、皆さん!燼魔です!!」
美鈴の一言で、場の空気は一変した。
「来たわね……。みんな、紅魔館の全兵力をもって、奴らを片付けるわ!」
レミリアの一声で、咲夜たち紅魔館の面々は一斉に戦闘態勢に入る。
「燼魔……!!」
霊夢も表情を強張らせる。
「とうとう燼魔ってののお出ましか……。それにしても、霊夢。お前燼魔は霊気でしか倒せないって言ってたろ。こいつらに倒せるのか?」
幽助はふと出てきた疑問を霊夢にぶつける。
「燼魔に致命傷は与えられなくても、ダメージを負わせることは出来るわ。今まで幻想郷はずっと襲撃してきた燼魔を撃退し続けられてはいるけど……、幻想郷の人たちが疲弊してることは間違いなさそうね。」
霊夢はお祓い棒に力を込める。
「よし、それじゃあ、私も行くか!」
すっくと栞は立ち上がる。
「し、栞姉も戦うの?!」
霊夢が目を見開くが、
「安心しろって、霊夢。私は昔の私じゃない。物凄く強くなったとは自負してるからさ。」
「時間が無いわ、行くなら行く、行かないなら行かないで、さっさとしなさい。」
レミリアが霊夢たちを急かす。
「よし、じゃあ、……行くわよ。」
そうして食堂にいたメンバー全員が紅魔館正面玄関に向かっていった……
いかがでしたか?第4話は以上です。
〜〜〜次回予告〜〜〜
「これが燼魔か……」
「油断しないで!こいつら、そんじょそこらの妖怪とは格が違うわ!」
「へっ、油断なんかするわけねーだろ。てめーもうっかりやられないように気をつけるんだな。」
「当たり前でしょ?!私を誰だと思ってんのよ!」
「次回、「忍び寄る燼魔の魔の手!」
伊達にあの世は見てねーぜ!!」