私はライア、久遠の使者の異名で知られるイェルスの遺跡荒らしだ
いや、種族も職業も既に関係ないだろう
主だった能力も、技術も、魔法も、このイルヴァにおいて限界とされるまでに鍛え抜いた
なんとなく気が向いて多数のペットを育成したり、分裂生物(バブル)の皮を狂ったように集めてハンマーを鍛えたり、恐らく私はこのイルヴァの全てを極めたと言っていいだろう
私がイルヴァの、この地ノースティリスに降り立ってもう三千年は経っただろうか
私は、この生に飽きを感じていた
もはや変わり映えのしない生活
すくつは何万層も潜り、既に変化を感じない
生に意味を見いだせない私は、死んで、埋まる事を決意した
早速ダメージを完全に無効にする矢束を外し、頑丈なロープを使う
これを使うのも二度目か、確か最初はあの緑髪のエレアを爆殺するための猫の揺りかごを運ぶのに使ったんだったな
もう、遠い過去の記憶だ
私は首を吊り、9999のダメージを受け……………死なない
困った、私のHPは素の状態で2000万あるんだったな
これでは2000回首を吊っても、ヘタをしたら自然治癒が勝りかねない
仕方ないか、私は自宅に設置してあるシェルターの一つに入る
二千八百年程前に設置した、所謂餓鬼浴用のシェルター
中には8体の餓鬼が居て、私が中に入れば飢餓の手で空腹状態にしてくれる
昔はこれを利用して食事による成長を狙ったものだ
シェルターの階段を降り、八方を餓鬼に囲まれる
この餓鬼達は、私がすくつで捕まえてきた選りすぐりの者達だ
当然全ての主能力は限界値であり、私が中に入れば高速で腹を減らしてくれる
私は一斉に飢餓の手を受け、瞬く間に腹を減らし
間もなく餓死する事に成功した
あぁ、これで私は終わることが出来るんだ
そう、思っていた時期が私にもありました
埋まったはずの私の目の前に現れたのは、恐らく女神
もっとも、私の信仰するジュア様や、エヘカトル様、ルルウィ様とも違う名も知らない女神ではあるが
「貴女は、遠き地イルヴァにて死にました」
「知っていますが」
「そうですか……私は死の瞬間を見ることが出来るわけでは無いのですが、貴女程の強者が死んだのです、さぞ凄惨な死だった事でしょう」
「いえ、餓死ですが」
もっと言えばほぼ自殺ですが
「…………そ、それは良いのです
実は、私は女神として貴女にお願いがあり、ここに呼び寄せました」
はぁ
「実は、とある世界が滅びようとしています
その世界では勇者が生まれ、その滅びの原因を討つ……そういうシナリオになっているのですが、どうやら戦力が足りず、このままでは勇者が敗れてしまうでしょう」
はぁ
「そこで、貴女には勇者の仲間として旅に同行し、共に滅びの原因を……魔王を討ってほしいのです」
「嫌です、素直に埋まらせてくださいよ」
「そこで、貴女には勇者の仲間として旅に同行し、共に滅びの原因を……魔王を討ってほしいのです」
「嫌です」
「そこで、貴女には勇者の仲間として旅に同行し、共に滅びの原因を……魔王を討ってほしいのです」
「嫌です」
「そこで、貴女には勇者の仲間として旅に同行し、共に滅びの原因を……魔王を討ってほしいのです」
「これ了承しないと終わらないパターンですか
わかりましたよ行けば良いんでしょう行けば」
最悪その世界で死ねば、もう一度埋れるでしょ
「ありがとうございます、それでは貴女にこの度の転生の特典を与えましょう」
「いえ、別に要りませんが」
「というわけで、生前の力をそのままに、貴女の愛用していた武具の力を貴女にそのまま宿す事としましょう」
「いえ、流石にそれは困るんですが
ダメージ完全無効とか過剰な魔法威力強化とか盛ってるんですが」
「更に、貴女の居た世界の魔法のストックは睡眠を取る事で回復する仕様としましょう」
「それはちょっと助かりますけど、せめて完全無効と威力強化はどうにかなりませんか」
「それでは貴女の活躍を天より見守っていますね」
「ちょっと話聞いて聞けよおい女神コラ聞けって言ってんだろ!?」
視界が真っ白に染まった
はっはっは………ふざけんな!