東方神笛抄 〜秘封少女がゼル伝入り〜   作:タミ

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美術館の絵に吸い込まれ、消えてしまった宇佐見蓮子。もしも彼女がゼルダの世界へ転生し、ガノンドロフに戦いを挑んだら?そんなクロスオーバー2次創作作品です。この作品には以下の成分が含まれています。

残酷な表現
やはり駄作
誤字、脱字
都合によって変わる設定

馬鹿野郎ーーっ!何を書いてる!ふざけるなーっ!という方はブラウザバックをお願いします。最終話まで見て勝ちを宣言しよう…!という方はこのままお進みください。


蓮子子供編
第1話 目覚めの朝、目覚める勇者


ーーーー。ーーーー。ーーーー。

 

鼓動が聞こえる。命が動いている。私は生きている。これは、私の命の音だ。

 

ふと、疑問が生じる。「私」とは誰なのだろうか?

 

問いかけても答えが返ってくるわけでもなく、ただただ静寂が訪れるだけ。

 

体を伝う浮遊感と重い瞼が、ここが夢である、と告げている。

 

私は………「宇佐見蓮子」だ。

 

辛うじて絞り出したのはそれだけ。

 

本当に?

 

自問自答する。

 

ほかに覚えてはいないの?

 

そう。

 

その時突然、私の精神は、何かに引き寄せられるように進んでいく。

 

「…………!………こ!……んこ!」

 

声が聞こえる。忘れたくなかった親友の声が。

 

親友?

 

私に親友なんていたのか?

 

考えようにも、私の精神はどんどん目覚めへと向かっていって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の精神は、後頭部に伝う硬い感触と、誰かの呼び声で徐々に現実に引き戻された。

 

「……むあ……?」

 

そんな腑抜けた声を出して私は目覚める。真っ先に目に入ったのは木で出来た、木といっても、加工された木材でなく、生えていた木をそのまんま削って作った部屋のような場所。そして、私の周りを飛び回る1匹の蝶々。

 

「ほら、起きて蓮子!デクの樹サマがお呼びよ!」

 

手も持たず揺さぶることも出来ないので、蜂のように無限マークを描きながら必死に私の上を飛び回る。

 

「………まったくもう。こんなねぼすけがハイラルの命運を握っているのかしら。」

 

その蝶々はぐるぐる私の周りを周回しながらペラペラと喋っている。ペラペラと……喋って?

 

「ええっ?!」

 

そんな矛盾が寝ぼけていた私の脳を無理矢理にでも回転させる。

 

「やっと起きた。ホラ、デクの樹サマがお呼びよ。」

 

私は飛び起きて目を白黒させる。

 

「おはよう蓮子。私、妖精のナビィ!今日から貴女の相棒よ。よろしくネ!」

 

私は数秒間口をパクパクさせることしか出来なかった。

 

そんな。あり得ない。蝶々が喋ってる。秘封倶楽部の活動でも見たこと無かったのに。

 

え?

 

秘封倶楽部ってなに?

 

……わからない。

 

再び自問自答を繰り返す。

 

頭によぎったその単語を私の脳は反芻する。

 

「ホラ、なにボサッとしてるの蓮子!デクの樹サマがお呼びなのよ?早く行きましょ!」

 

考え事をしていた私の頭を蝶々の、否、妖精のナビィがつつく。

 

「あ、うん。」

 

私は反動をつけて起き上がり、木でできた床に足をつける。

 

コツン、という軽い音が響く。

 

ふと下を見ると、私は両足に茶色いブーツを履いていた。

 

あ、靴のまま寝てたんだ、と自分を笑う。

 

さて、と気持ちを切り替えて前を見ると、ある違和感が生じた。

 

「あれ、視線が低い……?」

 

そう。私の今までの感覚とはまるで違う。

 

最低でも背は165センチはあったはず。何があったかは思い出せないがそれくらいは分かる。

 

すると、私の目に全身が映る鏡が飛び込んできた。うん。あれもやけにでかく感じる。

 

「ん……?」

 

首を傾げながら鏡の前に立って、鏡に映る自分を見て私は目を見開いた。

 

「えっ、こ、子供……?」

 

そこに移っていたのは、せいぜい1メートルほどしかない少女だった。

 

少女は白と黒の服を着て赤いネクタイ、黒い帽子を被っている。そう。私のいつもの格好だ。

 

……いつもの?うーん、思い出せない……。

 

「何してるのヨ蓮子!早く行きましょ!」

 

すると、妖精のナビィが私を急かしてくる。生意気な蝶々だな全く……。

 

やれやれ、と私は表へ出る。

 

表は、一言で言えば、森の中の小さな集落であった。

 

周りを見渡せば、私がさっきまでいた家と同じような家が乱立している。

 

すると、下から誰かが私に声をかけてくる。

 

「ヤッホー、蓮子!」

 

私が下を見ると、そこには全身緑を基調とした服の少女がいた。って、ちょっと待て。なんで私の名前を知ってんのさ?

 

私はこんなとこ見覚えないのに……。まあでも、とりあえず下に降りるか……。うん。降りて話してたら何か思い出すかもしれないし。

 

私はそう結論づけ、目の前に据え付けられた下に降りる梯子を下る。

 

「ふう……っ」

 

慣れない梯子に少々苦戦しながらなんとか私は地面に降り立つ。

 

ふと見上げると、私の家の全貌が把握できた。……いやいや、なんでわざわざ高くするのよ……

 

すると、緑の少女が私に話しかけてくる。

 

「わあ、妖精!遂に蓮子のところにも妖精がやってきたのネ!」

 

「私のところにも、って、妖精持ってるの?君は、えっと……」

 

くそっ、互いに知り合い前提で話してると相手の名前がわかんない……

 

「サリアよ、蓮子、忘れちゃったの?」

 

サリアと名乗ったその少女は悲しそうにこちらを見つめる。

 

「あ、あー!あー!そ、そうねサリア。じょ、冗談よ冗談。」

 

名乗ってくれたお陰でようやくこの人の名前がわかった。慌てて今思い出したみたいに言い訳する。サリア、か。見た感じ同い年くらいだとは思うんだよなぁ……。んー、でもとりあえず私の今の歳くらいは聞いとこうかな……

 

「ねえサリア。私って今何才だっけ?」

 

私の問いにサリアは少々考える仕草をして、

 

「うーん、蓮子が森に来てからは9年くらいじゃないかな?」

 

私が来てから?……へんな言い方するんだな……。まあとりあえず今の私は9歳くらいなのか……。ん?

 

若っ!!

 

いや待て待て!!私は大人の階段の頂上に辿り着いた20歳だぞ?!

 

お、落ち着こう。うん。一旦落ち着け……、11歳のときにここにきたのかもしれないし……、って、それならこのちっこい体をどう説明すんのよ?!

 

などと私が頭を抱えて考え事をしていると、いつのまにかサリアとナビィが会話していた。

 

「へぇ!蓮子、デクの木サマに呼ばれたの?すごいじゃない!だったら、早く行った方がいいわ!またお話ししましょうね!」

 

手を振るサリアに手を振り返し、ナビィに連れられて私は奥へと進んでいく。

 

「ホラ、蓮子!デクの木サマはこの奥よ!」

 

ナビィが奥に進もうとするが、そこには私と同じ身長くらいの男の子が立ちふさがっていた。

 

「あ?蓮子じゃねーか?なんだヨそんなに急いで?」

 

「何よアンタ。私はデクの木サマに呼ばれたの。そこ通してくんない?」

 

「はぁ?!オマエがデクの木サマに?そんなの信じられるかヨ!このミドさまの目が白い内は、オマエなんか認めないかんナ!!もし、本当にそうなら、剣と盾くらい持ってこい!じゃないとデクの木サマに失礼ってもんだろ!」

 

なんだこいつ。うざったいの一言だ。ってか白い内じゃなくて黒い内、だろ…。

 

まぁ、そんなこと言ってても仕方ない、か。

 

「ねえアンタ。剣と盾持って来れば通してくれんでしょ?」

 

私はポケットに手を突っ込んで偉そうにしているミドにそう問う。

 

「そーだよ!まっ、オマエには無理だろうがナ!」

 

いらっ……

 

ふんっ、上等だよクソガキ、絶対見つけて土下座させてやる……!

 

イライラしながら私は来た道を引き返す。

 

 

 

 

 

「うーん、啖呵きって出てきたのはいいけど、剣と盾、この森にあるのかな……」

 

私ははぁっ、とため息を吐く。

 

すると、ナビィが何かを思い出したかのように私の目の前に現れる。

 

「そうヨ蓮子!ナビィ剣はコキリの練習場の中に隠されてるって聞いたことあるよ!」

 

「コキリの練習場……、ね。まあ、情報もないし、とりあえずそこ行ってみますか。」

 

私は伸びを一つして、また歩き始めた。

 

 

 

 

 

「お、よう蓮子!元気してるか?」

「今日はえらく遅いお目覚めだったわね!」

 

ああくそっ、こちとらアンタらの名前なんて知らないのに人の気も知らないで……!

 

私は緑の服の子供たちにひきつった笑顔で軽く会釈をしながら看板を頼りにコキリの練習場に歩いていった。

 

 

「ここね……」

 

そこには子供1人がなんとか通れそうな小さな穴が開いていた。

 

「うーん、これはギリギリっぽいね……」

 

まあでも行くしかないよね。

 

私は狭い通路を這って進んで行く。

 

「ふうっ、抜けた……」

 

でもまだちょっと余裕があったかなぁ?

 

なんて思案していると、私の目の前に宝箱が現れた。

 

「……いいのかな?持っていっていいの?これ……」

 

「蓮子、多分それが剣と盾よ!さ、持ったらミドのところ行きましょう!」

 

ナビィもこう言ってるし、まあ借りてくだけだし、いいよね。

 

「よっ……」

 

私は体重を乗せて宝箱を開けようとする。

 

ぎいい、という重い音を立てて宝箱は開く。

 

私は中に入っていた剣と盾を拾い上げる。

 

「……これでよしっと!」

 

私はショルダーベルトを身につけ、剣と盾を担ぐ。

 

「さぁて。あのクソガキんとこ行きますかね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?おい蓮子。ここは剣と盾が無いと通さねえって……ってあーっ!?そっ、それコキリの剣じゃねえか?!それにデクの盾まで……。へ、へんっ!そんなの持ってたって弱いヤツは弱いんだかんナ!!」

 

ミドはブツブツ言いながら消えていった。

 

ふんっ、なんとでも言えばいいさ。弱い犬ほどよく吠えるって言うからね。

 

よし……行くか……

 

私はゆっくりと歩みを進める。

 

曲がりくねった道を進んで、開けた場所に出た。

 

「おお蓮子よ……来たようじゃな……」

 

「うわ!木が喋っとる!!」

 

私は思わずそう叫んでしまう。

 

「ナビィよ、ご苦労であった………。む?おぬし……、この世界の人物ではないな?」

 

デクの木サマに言い当てられ、私はどきりとする。

 

「は、はい……。たぶん……」

 

私はこう答えるしかできなかった。

 

デクの木サマにはなにもかも見透かされている感じがした。だったら隠し事しても無駄だよね。

 

「そうか……、おお、なんということだ……。これで本来あるべき歴史から少しズレてしまった……。」

 

「デクの木サマ!歴史がズレたって、どういうことですか?」

 

ナビィも不安になってきたのか、デクの木サマに問う。

 

「本来の歴史ならばここに来るのは違う子供だったのだ。……ならば今ワシの前に立っているこの少女は何者なのだ……?」

 

デクの木サマは必死に考えるような仕草を見せる。

 

「……もしかしておぬし、どこか別の世界で時空の穴に飲み込まれたか?」

 

「えっと……。私、自分の名前以外ほぼ記憶が無くて……。でも、この集落にいる子供は全員緑の服を着ていたのに、私だけこんな服に……」

 

私は自分の身体を見回す。

 

「それはおそらくおぬしがここに来る前に着ていた服なのだろう。本来ここはコキリ族という緑の服を着た子供のまま成長しない者たちが住む場所なのだ。蓮子、おぬしがその服で周囲から排他的に扱われないのはおそらくおぬしがこの世界に来た時にその服でも違和感がないよう都合よく改ざんされたと推測できる。」

 

「は、はぁ………」

 

だんだん意味がわからなくなってきたのでとりあえず相槌だけはうっておく。

 

「それで、おぬし……、いや、もしかすると、おぬしがこの時間軸の勇者なのか……?この里では妖精を持たぬ子はおぬししか居ない……」

 

「ゆ、勇者?一体全体なんの話を……」

 

私がデクの樹サマに問いかける。

 

「おぬしは神によって選ばれたのだ。おぬしならば、きっと、このハイラルを良い方向へ導いてくれる。頼む、妖精ナビィと共に、このハイラルを救ってはくれぬか?」

 

………ええええええ〜〜……?!

 

マジでか?!さっき目ぇ覚まして記憶無くなったばっかの女の子に世界救えって……。

 

私はしばらくあんぐりしたまま硬直していた。

 

いや、わかる、この感じ……、ド○クエとかF○とかにありがちな「はい」って言うまで逃がさないパティーンですわ……。

 

しかもゲームやってる時とは違ってすんごい「いいえ」って言いづらい……っ!!

 

グレートですぜこいつは……!

 

そこで私ははぁっ、とため息をついた後、

 

「……わかりました。やってみます。……でも、具体的に何をすれば……?まずはロ○装備集めたほうがいいんですかね?それともクリ○タル探しに行ったほうが……?」

 

「いや、蓮子、そんなことしなくてもいいヨ……」

 

ナビィが大丈夫かこいつ、といった感じでこちらを見つめてくる。

 

「やっぱり宿屋でお楽しみとかしなきゃいけないんですかね?りゅ○おうに「世界半分やるお♡」とか言われなきゃいけないんですかね?」

 

「ちょっ、ちょっと待て!フリーダムかおぬしは!」

 

喋り倒す私に、デクの樹サマが突っ込んでくる。

 

「まずは、蓮子、おぬしの勇気を試させてくれ。ワシは今呪いをかけられておる。それをおぬしの知恵と勇気で解いてほしいのじゃ。どうじゃ、やってくれるか……?」

 

ああ。これも「はい」しか選択肢無いやつやん……。

 

そう思案しながら私は、

 

「わかりました……やってみます!」

 

「では蓮子……、妖精ナビィと共にワシの体内に入るのじゃ。妖精ナビィよ。蓮子の力となるのだ。よいか蓮子。ナビィが語りかけるときは、耳を傾けることだ。」

 

そう言ってデクの樹サマは口を大きく開く。

 

「は、はぁ……」

 

私はそれだけ言って仕方なくデクの樹サマの中へと入っていった。




いかがでしたか?第1話は以上です。

〜〜〜次回予告〜〜〜
「おっす!オラ蓮子!デクの樹サマの中ってスッカスカねぇ。でも呪いを解くったってどうすれば……、って、なによこいつ?!次回、「デクの樹サマの中、決戦、ゴーマ!」次もぜってえ読んでくれよなっ!」
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