半端者が創造神となる日   作:リヴィ(Live)

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少し短いです。

次回からは魔界編へ突入します。


十三話 魔界へ

【リリス】

 

 予想外の連発、とはまさにこの事だろう。

 レミリアに声をかけられ、外に案内されたかと思えば、決闘を申し込まれた。理由を聞けば、私がお父様達に話していたことを聞いていたようだった。

 

 ─────そして、決闘。

 

 あそこまで食らいつくとは思いもしなかった。舐めていたのはこちらだったのかもしれない。あの滅光の雨を逆手にとるとは───。

 

 私も本気で相手をしたが、少しやり過ぎただろうか。前の決闘で出した、私の最大の切り札の最小版の《星落とし》をめっちゃ乱発した《凶星乱舞》を放ったのだが、流石にそれは避けきれなかったようだ。

 

 現在、私は二人を寝室に運んでいる最中。

 

 ─────ごめんね二人とも。こんなに心配かけて。

 

 あぁ、私は今どんな顔をしているだろうか。こんなにもボロボロになるまで私を心配して、止めようとして……。

 

 そんなに心配して止めてくれたこの子達を傷つけて。

 

 もうどうすればいいのかも分からない。けれど、やるべき事は変わらない。

 

 ────私は守らねばならない。

 

 全てを破壊する死の天使から、私は守るんだ。この命に変えても、アイツは絶対に止める。

 

「………」

 

 私は二人を部屋に連れていった後、私は一人図書館へと向かい、座標を混ぜた転移魔法陣を書いていく。

 

 ───────出来た。

 

 あとはこれに魔力を注ぐだけ。そうすれば勝手に回って目的地へと送るはずだ。

 

「────」

 

 

 ─────ここに来て迷っているのか。私は。

 

 なんてだらしないんだろう。お父様とお母様の前で決意を表明し、止めてくれたレミリアとフランの制止も振り切り。

 

 ここまで来て、迷っているというのか私は。

 

 

 今更帰って来れなくなるかもしれないという思いが込み上げてくる。ここに来て………ここに来て、なぜ。

 

 

 魔法陣に魔力を流そうとする手が震える。震えて魔力を回すことが出来ない。

 

 視界が滲んでいく。ぼやけて何も見えない。瞳から頬を伝い、暑い何かが床に落ちる。

 

「………っ…」

 

 ─────止まらない。

 

 震えを止めようとしても、流れ落ちるものを何度拭っても、それは何度も何度も繰り返される。

 

「なんで……なんで……っ」

 

 ダメだ………何度やっても繰り返される。

 

 私は両手で顔を抑えてしまう。ここまで来てしまったらダメだ。

 

「うぅ……っ」

 

 ───────怖い。

 

 もう家族に会えないという可能性が。大切な家族と生きれないという可能性が。妹達の成長をこの目で見れない可能性が。

 

 怖くて、怖くて…………たまらない。

 

 ……………けれど。

 

 それでも前に進まなきゃ。

 

 覚悟は出来ている。死ぬ覚悟も、アイツを倒す覚悟も。

 

 アイツを倒すことだけを考えろ。私に出来ることはそれだけだ。

 

 そう考えていると、手の震えが自然と止まり、涙も止まった。

 

 ─────大丈夫、まだ、私はやれる。

 

「──────転送、開始」

 

 その魔法陣に魔力が回り、光り始める。私の身体を光が包み始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────皆、行ってきます。

 

 

 

 

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