半端者が創造神となる日   作:リヴィ(Live)

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さぁ、とうとうサリエル戦前の会話です。




二十二話 the Legend of KAGE

【リリス】

 

 ─────魔界の最果て。

 

 ただ暗闇。暗闇のみが場を支配する。明かりとなるのは、暗闇に浮かぶ青い星のみ。それらを辿って、ひたすら歩く。

 歩く度に、その先に見える強大な力は増していく。

 

 

 曰く、あらゆるものに死を与える邪眼を持つ。

 曰く、月を支配した。

 曰く、地獄と魔界を蹂躙した。

 

 ───曰く、創造主の破壊を担った。

 

 それらが真実で、私たちが戦う敵がそれならば、常人は愚か、名のある妖怪さえ尻尾をまいて逃げるだろう。それほどまでに、死の天使は強大な力を持つ。

 

 けれど、私達は引くわけには行かない。

 

 神は、愛する魔界を取り戻すため。

 仏は、愛する地獄を取り返すため。

 

 ────吸血鬼は、愛する家族を守るため。

 

 それぞれ信念は違えど、対する敵は同じ。たったそのために立ち向かう勇者たち。

 

「……来たか」

 

 ────そしてソレは現れる。

 

 長引く青いスカートに、胸には独特の風車のような紋章が刻まれ。

 アルビノのような白い肌に紅い瞳。そして長引く白髪の髪。それだけならば美少女とも呼べる女性だろう。しかし、次に目を引くのはその巨大な六つの白翼。神の使いである天使の象徴であるそれが六つということは、彼女は天使の中でもトップクラスの実力を持つ熾天使ということになる。

 

「…なんだ、貴様らも来たのか、仏に神よ。私はそこの吸血鬼に用があるのだが?」

「貴方がなくても私達はあるのよ」

「あぁ、魔界を取り返しに来たのか」

 

 その事情を察したサリエルか嗤う。

 

「ククク……勇者様気取りか?そこの吸血鬼はまだしも、貴様らがいい年をしてなぁ…」

「笑うなら笑え。俺たちは止まらんぞ」

「結構。なら、その死を持って喜劇を悲劇に変えてしんぜよう」

 

 神二人を相手にしても笑う余裕がある、という事実が私に恐怖を与える。これが、破壊の神となった天使の力か。戦う前とはいえ、ここまで差を感じるとは思いもよらなかった。

 

「怖いか吸血鬼。だがこれは運命だ。貴様が善に回るのなら私は悪に付く」

 

 ────私が善につくのならサリエルが悪に回り。

 ────サリエルが善につくのなら私が悪に回る。

 

 表裏一体の存在である私とサリエル。創造と破壊が対立する限りそれは変わらない。何せ元々は一つなのだから、元に戻ろうと相見えるのは当然の摂理。

 

「…私は月で力を酷使した。罪と判断した私は自ら堕天し、青く輝く憧れの星であるこの地に落ちた」

 

 サリエルは語る。

 

 

「だがなんだ。この青く輝く美しい世界とは裏腹に、世界は堕落し、人は驕り、殺し合う。こんな世界など罪そのものなのだ」

 

 ─────サリエル。

 それは、あらゆる罪を測り神の名において裁きを与える名。その名前(命令)に従い、彼女は世界の罪を測り、罰を与えようとしている。

 

「私はサリエル(神の命令)において実行しようとしているだけだ。貴様らに邪魔される筋合いはない。あったとしてもそこの吸血鬼だけだ」

 

 確かに、今の世界は腐っていると思う。

 弱者が食われて、強者が生き残り驕る支配時代。その世界を正そうとしているだけだとサリエルは主張する。

 

 ────けれど。

 

 

 

 だからと言って、みんながみんな悪人なわけがない。

 

 無差別殺人という神罰が許されるのなら、この支配時代も許されるのだろう。だが、そんなのは決してあってはならない。

 だから目指すんだ。誰も傷つかない、最高の理想世界を。

 

 

 

 

「……よかろう。それほどまでに死にたいのなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────倒れ逝くその時まで罰を下してやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────vs《死の天使(Angel of Death)Sariel(サリエル)

 

 

 今ここに、破壊と創造の神話の戦い(ラグナロク)が幕を開ける。




さて、次回はvsサリエルです!!

次回はかなり気合を入れるつもりです。少し間隔が空くかもしれないので、ご注意ください。
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