半端者が創造神となる日   作:リヴィ(Live)

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アンチヘイトあり。

今回はリリスがキャラ崩壊を起こします。


第1章 世界を知る姫
七話 秘めたる闇


【リリス】

 

 私が幽閉から解放されて数日。この数日だけでも私はかなり堪能している。

 そう、何せ出禁だったから、こうして外に出るなんて、秘密で外に出て鍛錬した以来なのである。なによりその時は鍛錬に夢中で外の光景には興味なかった。

 

 何もかもが新鮮。外の世界はこんなにも満ち溢れていたのだ。

 

 まぁ、流石に年中外にいるわけにも行かないので、今は室内にいるが。

 

 それはそうと────。

 

 先日、お父様が真剣な表情で私たち姉妹に、明日の昼間に部屋に来るように言われたのだが……何かあったのだろうか。

 今私はレミリア、フランと一緒にお父様の部屋に向かっている最中。

 

「どうしたんだろう、お父様」

「さぁ…ただ、良くない知らせってのは分かるけどね」

 

 フランが呟いた言葉にそう返しておいた。

 

 あの顔を見ればわかる。あの顔はどう見ても宜しくない顔だ。

 

 そんなことを考えていれば、いつの間にかお父様の部屋の前に着いていた。

 

 一言断り、許可を得て入室する。

 

「来たか…」

「……どうしたんです?お父様」

 

 私がそう言えば、お父様は苦しい顔をしながら事情を話し始めた。

 

「今、我々スカーレット家は大陸の大半を占めているのは知っているな?」

「えぇ、それはもちろんです」

「我々がまだ治めていない領地……そこの支配者が、我々に一対一の決闘を申し込んできたのだ」

 

 ─────よくある話である。

 領地を欲しいがために、強者に挑み、領地を奪う者達。

 

 しかし、大きく出たものだ。

 

 仮にもこちらは大陸の大半を占める、言わば一個の国同然の戦力をもつスカーレット家。

 それに決闘を申し込む……どういうことだろうか。なにか嫌な予感がする。

 

「しかも条件付きのな。私とサリーの参戦不可。つまり三人のうち一人が出ることになる」

 

 ────なら、私が言うべきことは一つ。

 

「………私が、出ます」

「お姉様!?」

 

 ────私は、傷ついて欲しくない。

 

 レミリアとフランの二対一による実践演習は何回もしている。実力を確かめたいというのもあるが──

 

 私の愛する妹達が傷つく様を、見たくない。

 

 それが私の本心だった。

 

「いいのか?」

「はい。相手もこちらを把握しての決闘でしょうし、それなりの腕はあるかと思います。故、姉妹の中でも一番強い私が出るべきかと」

 

 だからこそ、遊びとはいえ二人を相手にとって圧勝できる私が出る。

 万が一、この子達に何かあるかもしれないから。

 

「…わかった」

 

 ────優しいお父様のことだ。きっと娘を戦場に出すことを悔やんでいるのだろう。

 

「大丈夫です。私はスカーレット家長女、一族の名誉を汚すような真似は決してしません」

 

 ────強者たる者、優雅たれ。

 小さい頃……まだ幽閉されていない頃にお父様が口に出していた言葉だ。

 

「…そこまで言うなら」

「ありがとうございます」

 

 

 ────しかし、どうも嫌な予感がする。

 

 何なのだろうか。この胸騒ぎにも近い感覚は。

 

 私は二人の手を引き、考えながら部屋を出て廊下を歩く。

 

 

 

「おい、あれって──」

「あぁ、翼がねぇ半端者だよ」

「なんで出てるんだよあいつ」

 

 

 ─────慣れたものだ。

 もうイラつくのさえ疲れる。こうも通る度にされてはいちいち反応するのも疲れるのだ。

 

 さっさと通り抜けよう。そう考えた時───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの七色の翼の奴……」

「あぁ、破壊する力持ってる異端者だ」

「それにろくに制御出来ないんですって」

「ホントか?近寄らねぇほうがいいな」

「あぁ、やっぱり半端者の妹は───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────私の中で何かが切れる音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 ◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 一瞬──瞬きの出来事だった。

 

 リリスは二人の手を離し、噂をしていた眷属達に一瞬で近寄り、そのうち一人を首を掴んで壁へと思いっきり吹き飛ばした。

 

 

 理解できない眷属達は反論しようと威圧的な態度で言おうとしたが。

 

 

 

 

「な、何しやがる……ッ!」

 

 

 

 

 

 

黙れ(・・)

 

 

 

 

 

 ────────殺すぞ。

 

 

 

 

 まるで『黙らなかったら殺す』とでも言いたげなその瞳。その殺気に眷属達は怯え始める。

 

 ─────刹那、リリスの背後から真っ白な三対六翼の翼が現れる。

 

 

 そして、眷属の体に衝撃が走り、壁に擦り付けられる。

 

 

「───撤回しろ」

「か……は………っ」

「───聞こえないのか?撤回しろと言っている」

 

 

 眷属達はその殺気により腰を抜かし、擦り付けられる男は息さえも途絶え途絶え。

 

「が……っ…ご……め……」

「───おい。お前、ふざけてるのか?」

 

 そしてその男の頭を片手で掴み、床へと思いっきり叩きつける。

 

 

「ご………っ!?」

「その減らず口でフランを罵った言葉を撤回しろと言っているんだよ。お前の頭は烏頭のそれか?それ以下か?」

 

 男の頭を掴むそのリリスの手に、より一層力が入り、ミシミシと音を立てる。

 

「お前にフランの何がわかる?一生懸命私達に追いつこうとしているあの子の何がわかる?」

 

 男は必死に抗おうとするが、その圧倒的な殺気と力の前にひれ伏すしかない。

 

「お前はあの子が一生懸命能力を制御しようとして何度も挫折し泣いたところ見た所があるか?お前らのような奴に異端者と呼ばれ傷ついて泣いているあの子を見たことがあるか?」

 

 リリスは、淡々と語る。

 

「フランのことを何も知らないお前達がフランを語るな」

 

 リリスが帯びる殺気が、さらに膨れ上がる。

 

「有像無像の吸血鬼風情が思い上がるなよ」

 

 そう言いながら手を離し、レミリアとフランの元へ戻っていく。

 

「もう一度私の妹達を侮辱するような言葉を言ってみろ。

 

 

 

 

 

 

 

 次こそこの世から無残に残酷に消し飛ばしてやる」

 

 

 

 

 

 そう言って、リリスは二人の手を引いて戻って行った。

 




はい、リリスのマジギレ回でした。

ちなみに怒った理由は、フランを異端者と罵ったことについてにです。

セリフ

「この世から無残に残酷に消し飛ばしてやる」

このセリフの元ネタは、東方緋想天における八雲紫vs比那名居天子の戦闘前、紫が放ったマジギレセリフ「美しく残酷にこの大地から往ね!」を参考にしました。
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