半端者が創造神となる日   作:リヴィ(Live)

9 / 46
八話 狂気の決闘

【リリス】

 

 

 ──────暑いよ。

 

 季節は夏となり、暖かいというか暑くなってきた。だから一応袖をなくした服……いわば夏服というものを着ているのだが、暑い。

 

 それも、馬車の中だから余計暑いよ。

 

 そう、今日はお父様の言っていた決闘の日なのである。何やらコロシアム?に向かうとか。それにしてもね、家族五人が一つの馬車に乗ってると暑い。機密だから閉めっぱなしだから余計。

 

「暑い……」

「暑いよぉ…リリスお姉様助けてぇ」

「それはこっちもだよ……あかん、ほんまめっちゃ暑い」

 

 死ぬ。決闘する前に死ぬんだけどこれ。

 私を始めレミリア、フラン、お母様やお父様も汗ダクダクなんだよ。魔法使って涼しくしたいけど決闘前だから使うのは控えたいから。

 

「つ、着いたぞ」

 

 死にかけのような声でお父様が言う。やっと外に出れるよォ。

 

「「「死ぬかと思った……」」」

 

 思わず私たち姉妹は同じことを口にした。いやほんとに暑かったんだって。

 

「……ここが」

 

 ─────思ったより大きい。

 神殿のような造りだが、どうやら強力な魔法がかけてあるようで、恐らくそう簡単には壊れなさそうだ。

 

 案内役に連れられて控え室へと入る。

 

「………さて」

 

 そこで軽く準備運動。

 

 スカーレット家の名に恥じぬ戦いにしなくては。

 

 

「問題なし。あとは実戦で倒せるかどうか」

 

 

 未知なる相手………。

 こういった戦いは初めてなので、正直勝てるわからないけれど、頑張らなくちゃ。

 

 

 ◆❖◇◇❖◆

 

【レミリア】

 

 お姉様と離れて、案内役の吸血鬼に専用席へと案内される。

 

 そこへ座り、私は周りを見渡した。

 

 未だざわついているが、視界すべてに入る人型は、全て吸血鬼だった。

 

「それにしてもすごい数ね……」

「そうだね……」

 

 思わず息を呑んでしまう。

 

『身内以外の人は、基本的に敵と思いなさい』

 

 お姉様がよく言っていた言葉を思い出す。それに従ってこの数敵とすると………思わず、寒気がする。

 

 お父様やお母様、お姉様はまだしも、私達二人…私とフランは手も足も出ずに終わるだろう。

 

「……レミリアお姉様」

「なに?フラン」

「…リリスお姉様、大丈夫かな…?」

 

 フランはものすごく心配そうな顔で私に聞いてきた。

 

 ────確かにものすごく心配で仕方がない。

 

 いくらスカーレット家よりは戦力は劣るとはいえ、真っ向勝負を挑んできたのだ。正直、どんな力を持つのかさっぱりわからない。

 

「…ねぇ、フラン」

「なに?」

「お姉様が、負けると思う?」

 

 けれどこれだけは言える。お姉様は決して負けない。

 

 能力、魔力、頭脳───どれをとってもお父様達と同格レベル。

 

 私達とは比べ物にならないほど、リリス・スカーレットは完成されているのだから。

 

「それに、私達を同時に相手にして手加減してもらっても圧勝されたのよ?負けるはずがないわ」

「!……そうだよね!」

 

 大丈夫。

 

 お姉様はきっと─────。

 

 私は観客の拍手が始まったと同時に、舞台へと現れたお姉様を見守った。

 





【挿絵表示】


リリスの夏服です。

もっとこう……可愛く、描きたいなぁ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。