果てなき戦いの世界の実現だ(Ⅵやったぜふぉぉぉ!)
「ハハっ!」
瑞雲を破壊されたナーガは一瞬の出来事に怯むがすぐに体勢を立て直す。
だがそれはJにとっては遅すぎる。
さらに頭部を殴り付けられ海に叩き落とされるナーガをカバーするためにカナメがカバーに入るがレイヴンのダブルバレットの斉射の防御で手一杯になる。
「なんなんだ、この機体は!」
予期せぬ強敵に焦る二人だが突然、レイヴンの左腕が爆発し捥げてしまう。
ディスコード・フェイザーの余波で海面に叩きつけられたせいでフレームに甚大な損傷を受け、飛んでるだけでも奇跡な状態だった。
「J!無茶しないで!」
「最高に楽しいなぁ!」
Jと激しい戦闘を繰り広げる碧龍號を助けるために焔龍號がライフルを構えた瞬間、それを遮るように弾丸が鼻先を掠める。
「J!」
「アンジュ!」
Jの横をすり抜け、焔龍號と戦闘を繰り広げるアンジュ。
サリアとJが碧龍號と蒼龍號を抑え、焔龍號とアンジュが一騎討ちを行う。
「カナメ、その青い機体を片付けて援護に回れないのか?」
「この機体もっ!」
大破状態のレイヴンに圧倒されている自身をふがなく思いながらも相方のカナメに援護を求めるがカナメもサリアの駆るアーキバスに圧倒されていた。
瑞雲で牽制しつつ天雷で斬り込むカナメだがサリアも冷静にドラゴンスレイヤーで受け止めると同時に碧龍號の腹部を蹴り飛ばす。
「Jの足元にも及ばないわね!」
「楽しそうだなぁ。サリア」
「っ!」
明らかに性能が上の敵機。ヴィルキスを彷彿とさせるその機体はパワーもスピードも桁違いだ。
だがそんな機体を圧倒している自分に興奮し歓喜している自身に気づき戸惑うサリア。
「隙あり!」
「っ」
隙を見て射撃するカナメ、そんな射撃を宙返りで回避、そのままアーキバスをフライトモードにして急加速、碧龍號の脇を通って上を取るとアサルトモードに可変しつつ碧龍號を蹴り飛ばす。
そんな光景を見ているとJの言葉が頭の中でフラッシュバックする。
《お前は俺と戦って分かっている筈だ。戦場はお前が解放される瞬間だと》
体勢を崩した碧龍號にアサルトライフル下部に備え付けられたグレネードランチャーでさらに吹き飛ばす。
《人間とのしがらみも苦悩も何一つない。殺すか殺されるかそれだけのこと。自分の磨きあげてきた力のみが支配する戦場。最高じゃないか》
「最っ高だわ!」
サリアの叫びと共にヴィルキスと焔龍號のディスコード・フェイザーが激突し余波で再び吹き飛ばされる。
その後、双方痛み分けで戦闘が終結したのだった。
ーー
「疲れたわ…」
「アンジュ」
「ん?」
「受け止めてぇ!」
「うえぇ!?」
突然、空から降ってきたJを驚きながらも受け止めるアンジュは一息つくとキレる。
「ちょっと!なにして」
彼女の怒りと同時にJのレイヴンか爆炎を上げて墜落していくのを目撃する。
「助かったよ、アルゼナルまで持たなくてさぁ」
「よくあんな機体で…」
なんか延々に話しているJを見ながら改めて彼の実力に感心していると突然、話が止まり真剣な表情で彼がこちらを見つめてくる。
「な、なによ」
突然の温度差に驚きながらも聞き返すと。
「まぁ、こう言う趣味もあるかもしれないけど。やっぱりお風呂は入った方がいいんじゃないかなぁ?」
「今すぐ居りろぉ!ゴラァ!」
「あ、駄目です!お客様!暴れないでください!」
「客はあんたでしょうが!」
「お客様!お客様!」
「…なにやってんだか」
そんな二人のコントを見ていたヒルダはため息をつき、サリアはスッキリした顔をしてアルゼナルに向かうのだった。
ーーーー
アルゼナルの損壊区域、そこではノーメイクを使いドラゴンの死骸を穴に捨てているJの姿があった。
「すまないね。事が事だけに中々、頼める奴がいなくてね」
「別に隠す必要はないと思うけどねぇ」
「まぁね。でも知らない方が楽なことが多いんじゃないかね?」
「ちげえねぇ」
ジャスミンがドラゴンを重機で穴に落とすのを見届けると他の死骸に向けて飛ぶJ。
「やっぱりノーメイク。使いにくいわぁ」
ーー
「J」
「サリア、どうした?」
「手伝うわ」
一旦、休憩していたJの元にサリアが現れる。
「いらん、少しでも体を休めておけ。すぐに戦うことになる」
「え?」
《壊して作り直す》との暗号電文を呼んである程度、今後の展開は予測できる。
「楽しかったろ?」
「…えぇ」
そんなことよりJは不適に笑いながらサリアに語りかける。彼女も彼の意図を理解して答える。
「ジルもリベルタスどうでもいい。私は…」
「サリア、やはりお前には素養がある。楽しみだ」
満面の笑みを浮かべるJを見てサリアもまた笑うのだった。
ーー
その後、ドラゴンの生き残りの騒動があったがアンジュのおかげで無事に事なきを得た。
「そろそろ捨て時かねぇ。ヴィルキスも育ってきたし」
「ジル次第だね。そればかりは」
ドラゴンの回収を終えた二人はガソリンをばら蒔き火葬しようとライターに火をつけた瞬間、大勢の足音が聞こえる。
「来るんじゃないよ!」
「おやアンジュ。ちょうどいい」
制止しようとするジャスミンをとは正反対にJは笑いながら煙草に火をつける。
アンジュを戦闘にサリア、ヒルダたちが駆け寄ってくる。
「見物だぞ」
そう言ってライターを穴に放り投げるJ。
ライターの火は瞬く間に広がり巨大な炎となる。その中に燃えているのはドラゴンではなく人のかたちをした何か。
「いったいどうした…」
「なにこれ?」
「ドラゴンだよな?」
「あぁ、ドラゴンだよ。元は人間だったけどな」
「よくある話だろ。化け物の正体は人間でしたなんて…」
不適に笑うJに同調するようにジルも言葉を重ねる。
突然の真実にアンジュはドラゴンを殺した記憶がフラッシュバックし胃の中身を吐き出す。
「J」
「戦闘準備を済ませておけ」
「え?」
「もうすぐ来るだろうからな」
サリアがJの言葉に疑問を抱いていると突然、空中モニターから女性が現れ救援に来たと話し始める。
「さてと始めますか」