(夏休みの真っただ中、私こと上条当麻は思い出のない状態で銀髪シスターと出会い、
以来彼女にウソをつき続ける生活をしていた。
そして今、香水臭い自称魔法使い神父から"吸血殺し"なる人物の奪還作戦へと
強制参加させられ、件の銀髪シスターことインデックスと一時帰宅したところだ。
…なぜか彼女のお腹は来た時の1.3倍ほどに膨らんでいらっしゃるが。)
「こら、テメェ服の中に何隠してやがる?」
「な、何も隠して――うひゃぁ!」
彼女が叫んだのは、突然下腹部の膨らみが移動を始め
背中を通って螺旋状に足元へと降りてきたからである。
そのまま膨らみの正体は布の隙間から解き放たれ、
三毛猫配色の毛玉となって表れた。
「ミー」
「こ、こらスフィンクス!まだ出てきちゃダメなんだよ!」
「いつ出てきてもこいつを家に置く気はねぇからな!
というか三毛猫、よく今出てきた。さぁそのまま玄関から出ていけぇ!」
「ミヤ゛ッ」
迫る上条の手の間から抜け出した三毛猫は何か匂いを嗅ぐような仕草をすると
なぜか玄関ではなく戸棚へと走っていき器用に前足で一番下の扉を開ける。
戸棚を開けた猫の文字通り目と鼻の先に合ったものは…
「あぁー!それは上条さんとっておきのドラ屋どら焼き!」
「ンミッ!ンミッ!」
箱からどら焼きを引っ張り出し、上条の股下を通って風呂場へ駆け出すまでこの間3秒。
さながら忍者である。
「とうま!そんなとことにそんなものを隠していたのかな!?」
「ちょっと待てインデックス、あれは来客用の特別なやつだぁー!」
獣の目のインデックスを押しのけると風呂場へとダッシュする上条当麻。
風呂場に入ると扉の鍵を閉める。
「ふっふっふ、もう逃げられませんよー。さぁ、そのどら焼きを返してもらおうか」
「ちょっととうまー!?入れないし中も分からないんだよー!」
腹を立てているだろうインデックスが扉をたたく音が浴室にこだまする。
「ミャ…」
しかし次の瞬間、上条当麻は絶句した。スフィンクスが2本足で立った上に
お腹から人一人入ろうかという卵を取り出したからである。
「…………っちょ、は!?テメェ、なんで!?」
ズドーン
巨大な卵を軽々と取り出した三毛猫はさも当然のことをするかのように
どら焼きを加えて何も言わずにタマゴの中へ入っていった。
「とうま?今の揺れは何なのかな?びっくりしたんだよ」
(驚きたいのはこっちなんですが。何なんですかこの
え?こういうのが普通なの?この三毛猫は科学技術の粋を集めた生物兵器で
一日12時間は専用カプセルの中でどら焼きと一緒に休息しないといけないとかなの?)
「えぇーと、ちょっと出てきません?出てくれば?出てこいや三段活用!」
「とうま―!中の様子が聞こえないんだよ!」
モグモグという咀嚼音が聞こえてくる中
上条当麻の怒りは次第にあきらめへと変わっていく。
(食われた…上条さんちの最低限のおもてなし用どら焼きがぁー)
しかし彼はこの後さらに
科学と魔術に加え未来の思惑が交差するとき、物語は次元を超える。
最初に出てくるひみつ道具がこれというのは
これまでのどんな話にもなかったんじゃないでしょうか。
今回の道具
"動物生まれ変わりタマゴ"
中に入ったものは思い浮かべた動物に変身することができる。
見た目や細かい情報も設定でき、変身解除にはもう一度中に入ればよい。
次回のひみつ道具は〇〇〇〇〇〇だ!