とある未来の青猫機械   作:クリップ使い

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旧約
1話:自信を持っていこう


目の前にある巨大タマゴを上条当麻はにらみつけている。

正確には、その中に入り込んだ三毛猫?をにらみたいのだが

あいにく上条当麻はその右手のせいで透視能力(クレアボヤンス)を身に付けることはできなかった。

(こんなことならすけすけ見る見るをちゃんとやっておけば良かったなぁ。

まぁビリビリがデレデレになってもそんなことはありえないだろうけど)

そんなことを考えていた矢先、いかにもな効果音とともに

目の前のタマゴの上部が開いた。しかし中に三毛猫の姿はない。

「おい、スフィンクス!どら焼きのことは許してやるから

とっとと出てk――」

そこまで言って上条は言葉を失った。

目の前のタマゴの中の青い塊がゆっくりと動き始めたからである。

「は?お前、スフィンクスじゃねぇのかよ!」

青いのはなのも言わずにタマゴから出ると

先ほど三毛猫がやったのとは逆に卵をお腹にしまい、

今度は犬の置物のようなものを取り出して封筒を食べさせ始めた。

「・・・ふう、これでやっと君と話ができるよ」

「青い・・・タヌキ?」

「僕はタヌキじゃなーい!猫型ロボットのドラえもんだ!」

「猫型って・・・猫耳もないしお腹にポケットはあるわで

どう考えても有袋類だろ」

「・・・君が上条当麻で間違いないみたいだね。

その馬鹿さ加減は聞いてた通りだ」

「とうまとうま―早く扉を開けてほしいんだよ!」

扉の外からインデックスが上条当麻を急かしたてる。

「あ、開けなくちゃ。」ガチャ

「おぉい!何してくれちゃってんですか!」

「あ、青いタヌキ」

「僕はタヌキじゃない!今日はもう2度目なんだけど!?」

「???・・・そんなことよりとうま、スフィンクスはどこに行ったの?」

「あー、スフィンクスはこいつに変身しちまった」

「とうま、どういうことなの!?説明を要求するかも!

もしスフィンクスに危害を加えてたら教会が許さないんだよ!」

「ちょっと待てインデックス、教会ってそりゃお前が来ている歩く教会のことだろ!?

全くの私刑じゃないか!」

インデックスは今にもかみつきそうな形相で上条当麻を照準に定める。

それを横から見ていたドラえもんは・・・

「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。

僕も話しておかなきゃならないことが色々とあるし、

これから少し説明させてもらってもいいかな?」

「早く説明をするんだよ」

3人は居間へ移動しちゃぶ台の周りに座った。

そこからドラえもんは様々なことを語り始める。

もっとも、上条当麻はこれからの波乱を予感することもできなかったが。

「僕はドラえもん。22世紀からやってきた猫型ロボットだ。」

「22世紀!?じゃあタイムマシンとかもあるのか!?」

「もちろん」

「とうま、たいむましんって何?」

「タイムマシンっていうのは、過去や未来に行くことができる乗り物だ」

「過去や未来!?カナミンよりすごいかも!」

「それじゃ話を続けるね。僕は三毛猫に変身してこの時代で君に拾われた。

スフィンクスの姿でね」

「そ、それじゃあスフィンクスはどこに行ったの?」

「スフィンクスはドラえもんにお前が勝手につけた名前ってことだ。

まぁ、こいつが変身した三毛猫の名前をスフィンクスにすればいいさ」

「じゃあとっととスフィンクスになるんだよ!」

「ちょ、インデックス、そんな無茶な「できるよ」」

「ちょっと待ってね・・・”動物生まれ変わりタマゴ”~」

先ほどと同じように卵を取り出したドラえもんはその中へと入る。

10秒もしないうちに三毛猫が出てきた。

「スフィンクスなんだよ!」

「まぁ、完全記憶能力を持つお前なら猫を間違えることはないよなって

おい!ドラえもん苦しがってるだろ、放してやれよ」

抱きしめていられないことに不服そうなインデックスだったが

しぶしぶといったふうに猫と膝の上に乗せる。

「こんなふうに自由に動物に変身できるひみつ道具なんだ。」

「ひみつ道具ってなんだ?さっきも風呂場で変な犬を出していたけど」

「ひみつ道具の説明をするためには

学園都市で行われている計画と未来について話す必要がある」

「未来?ただ動物に変身するだけならLevel3くらいの肉体変化(メタモルフォーゼ)でも可能じゃないのか?

「そう、この学園都市では能力開発を行っている。

そしてその能力を工業的に再現しようとするプロジェクトが進められているんだ。」

「そんなプロジェクトきいたこともないぞ」

「秘密裏に行われていたからね。」

「"行われていた"?」

「僕がいた22世紀には学園都市は存在しない。とっくの昔に崩壊した。」

「崩壊!?」

あまりに大声を出したせいかインデックスが飛びあがった。

その間にドラえもんは膝の上からちゃぶ台の元の位置に戻る。

「あ、ごめんよインデックス」

「もう、とうまったら。難しい言葉が多くて

ドラえもんがスフィンクスだってこと以外何も分からないんだよ」

「ごめんね、もうすぐ終わるから・・・

それで、続きだけど・・・」

「あぁ、続けてくれ」

「崩壊したとき、学園都市の技術は一般に公開された。

ここで登場するのが松芝重工。

この会社は学園都市の技術を狙って解析を続けていた。

流出技術をすべて回収し解析データと組み合わせることで

市場を掌握するほどの大企業、マツシバへ一気に成長したんだ。」

「そんなことが起こるのか・・・」

「まぁ、これは君たちにはほとんど関係ないんだけどね」

「で、さっきの能力を工業的に再現しようとするプロジェクト?

ってのがどう関係するんだ?」

「そのプロジェクトはファイブオーバーと呼ばれてね、

名前の通り工業技術でLevel5(超能力者)を超えることを目標としていたんだ」

Level5(超能力者)って化け物みたいなやつらだよな?

そんなスゲーことホントにできるのかよ)

ドラえもんはポケットから変な筒状のものを取り出すと

上条に向けて取っ手を引いた。

すると、頭からシャボン玉のようなものが飛びだし吸い込まれる。

「わっ、ビックリしたんだよ!」

「ひみつ道具はファイブオーバーなどの研究をもとに

異能の力を純粋科学で再現したものだよ。

まぁ、子供のおもちゃみたいなもんだからそんなにすごくないけどね」

「子供のおもちゃで学園都市の能力を超えられてたまりますかっ!」

「例えばこれは第5位のファイブオーバーのひとつ、"本音吸出しポンプ"だよ」

ドラえもんがゆっくりと取っ手を押し出すとシャボン玉が出てくる。

「あ、さっきのシャボン玉なんだよ」チョン パァン!

「わっ」

『level5って化け物みたいなやつらだよな?

そんなスゲーことホントにできるのかよ』

「これはとうまの心の声?とうま、ほんとに考えていたの?」

「スゲーな!ほんとに心の声じゃないか!」

「他にもいろんなものがあるよ。

一方通行(アクセラレータ)のファイブオーバー、"ひらりマント"。

能力追跡(AIMストーカ)のファイブオーバーの"たずね人ステッキ"に

定温保存(サーマルハンド)の"エアコンフォト"。

変わったところでは多才能力(マルチスキル)時間割り(カリキュラム)の"ESP訓練ボックス"や

君の能力、幻想殺し(イマジンブレイカー)のファイブオーバーなんてのもある。」

「もはやどこからつっこめばいいのか・・・

とりあえずLevel5(超能力者)以上の能力なのに未来じゃ子供のおもちゃってとこからおかしい」

「難しすぎてさっぱりなんだよとうま。

ところで魔術師のわたしの前でそんな話してもいいの?

いくら理解できないとはいえわたしは完全記憶能力を持っているから

丸々誰かにばらすことだってできるんだよ」

「それもそうだ。そんな秘密、ホイホイしゃべっていいもんじゃないぞ」

「大丈夫だよ。"ヒミツゲンシュ犬"を設置したから。

これを使えば絶対に秘密がばれることはないんだ。たとえ滞空回線(アンダーライン)を使ってもね」

(そんな都合のいい道具まであんのかよ。てかアンダーラインってなんだよ。

インデックスほどじゃないがこっちも頭が破裂しそうだぞ)

「とうま、スフィンクス買ってもいい?」

「・・・はぁ・・・飼ってもいいぞ。その代わり、ドラえもんには約束してほしいことがある。」

「なんだい?」

「インデックスを守ってほしい。

俺はこいつを守ると心に決めたが、いつでもかしこも手が届くところにいるとは限らない。

その点、お前ならスフィンクスに変身できるしそのひみつ道具とやらを使えば守ることだってたやすいだろう?」

「うん、約束する」

「よしっ、インデックス、スフィンクスをかってもいいぞ!」

「やったぁー!」

銀髪の少女はこれ以上に嬉しいことはないというように目を細めて猫を掲げる。

ほおっておいたらこのまま回り始めそうな勢いだ。

「ちょっとおりるよー」

声とともに少女の頭の上に降り立つスフィンクス。

そのまま肩、袖、と段々に降りていきちゃぶ台の上に着地するとお腹をまさぐる。

上条は若干慣れてきた自分に呆れつつも興味深そうに見ていて、

インデックスはまるで手品を見るかのように目を爛々とさせていた。

「"家の感じ変換機"~」

「なんだそりゃ?」

「これをコンセントにつないで上にプレートを乗せれば家をどんな感じにも変えることができる、

名前の通りの道具だよ。早速繋いで上に安全な家のプレートを乗せれば・・・」

「ねぇねえ、何が始まるのかな?」

「これで安全な家になったってことか?ご都合主義にもほどがあるだろっ!もはや能力と何の関係もねぇし!」

「これでスフィンクスは家で暮らせるんだね。当麻、もしも裏切ったら私が許さないんだよ!」

「あーもうわかったから歯をガチンガチンさせるなぁー!」

ダッシュで玄関を通って逃げ出した上条当麻は突然後ろから襟首をつかまれる。

「ちょっとあの子を家に連れ帰ってくるとか言っておいて、遅かったじゃないか。」

「ス、ステイル!?こんなところで何しているんだ?」

「見ればわかるだろ?ルーンのカードを張っていたんだ。インノケンティウスをここに置いていくためにね。」

「そ、そうだったのか、セキュリティに引っかからないようにしろよ?」

「あたりまえだ。気づかれないようにする魔術も併用しているから不用意に触るな」

「そうか、なら良かった」

「早くいくぞ、幻想殺し(イマジンブレイカー)。こんなくだらない騒ぎに巻き込まれるのはこちらとしても不本意なんだからな」

「お、おい、襟を持って走るなぁー!」

 

十数分後

「とうまが戻ってこないんだよ!」

「また不幸に巻き込まれたんじゃないかな」

「きっとそうかも。探してくるね、スフインクス。ちゃんとお留守番するんだよ!」

「いってらっしゃーい」

 

さらに数分後

「さて、もうすぐ彼らが三沢塾につく頃だね」

いつの間にか元の姿に戻ったドラえもんは"どこでもドア"と"タケコプター"で三沢塾の上空へと移動していた。

空を飛びつつ"透視めがね"で外から最上階を透視する。

4棟のうちの北棟で立ち止まり(というかホバリング)何かを設置した後、

上条の部屋に戻ってさらにもう二つ道具を出し準備を始めた。

「ひとまずこんなところかな?さぁ、どら焼きを食べながらゴロゴロしよう」

しばらくして、記憶を消された上条当麻とステイルが運び出されると

(ちなみに上条は電話をしたが留守電につながった。

不思議がってはいたがインデックスが設定したとは思わず、事実その通りである)、

入れ違いにインデックスが中へと入って行った。

(廊下にルーンが貼ってあったから魔力の流れをたどってみたんだけど

魔力をさっぱり立っている建物の中へと通じているんだよ。

とうまも帰ってこないし、きっとこの中には何かあるんだよ。)

入ってすぐ、禁書目録の知識が盛大に警鐘を鳴らした。

この建物の主は上条当麻にかかわらせてはいけないと。

「久しいな、禁書目録の少女、と言ったところで君は覚えておらぬか。

必然、アウレオルス=イザードという名にも聞き覚えはあるまい。」

不自然な開き方をしたエレベータから緑髪の男が姿を現す。

「依然、君は私のことが分からぬようだな。そうでなければ困る。わたしの努力が報われぬのでな」

「何を言っているんだよ?」

「現然、君をここで待たすわけにはいかぬ。少しの間眠ってもらおう。『眠れ』」

「っ、あっ!」

突然アウレオルスが倒れ、駆け寄るインデックス。

「唖然、なぜ和が黄金錬成(アルス=マグナ)を反射する?

・・・釈然、その修道服、霊s―――」クカー

(私の歩く教会は物理魔術ともに絶対的な防御力を誇るんだよ。

でもとうまの右手で壊されちゃったかも。)

「二人とも。そこでなにをしているの」

「あ、エセ魔法使い!」

「エセではない。魔法使い。」

「名前はなんていうの?」

「姫神秋沙。それより。上へ」

「わかったんだよ。ほら、寝ぼけてないで早く」

(なつかしき)

「最上階へ。早く起きろ」

 

数十分後、校長室には上条当麻とステイルの姿があった。

「・・・なんじゃこりゃ」

「なんてくだらないものを見せてくれるんだい?」

「あ。フードコートの」

「どういうことだ?」

「なぜかこの人眠っちゃったんだよ。とうま、起こす?」

「俺たちが来る前にいろいろやったんだろ?

それで起きないなら何らかの異能の力による可能性が大きいんじゃないか?

ちょっとビンタしてみるから下がってろ」

上条が軽く頬をはたくとアウレオルスはゆっくりと起き上がる。

「ここは私の部屋か?・・・はっ、禁書目録はどこだ」

「ここにいるんだよ」

「歓然、無事か」

「やはり本当の目的はインデックスか。しかしお前も残念だったな。

防衛魔術は発動していなかったしその様子では自分の魔術に飲まれていたようだが?」

「『黙れ』。我がインデックスを忘却の彼方より救うのだ」

「お前、一体いつの話してんだよ?」

「な、に?」

「何のことかよく分からないけれど、

あなたが記憶の限界の話をしているならそれはもう終わっているんだよ」

「――――――っつかか」

「『答えよ』、ルーンの魔術師!いったい何があった!?」

「教えるも何も今言った通りさ。インデックスはとっくに救われているんだ、

君ではなく近代のパートナーによって。」

「馬鹿な、ありえん!吸血鬼でもなければ、いかにして記憶の制限を逃れたのだ!」

「それについては話せない。しかし言えることは一つだ。君にこの子は救えない。」

「落ち込まないで。アウレオルス。あなたは間違っていなかった。

きっとあなたの方法でも解決できた。」

「しかし、もう私にこの子を救うことなどできない・・・

は、ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは

もうお前など不要だ!吸血殺し(ディープブラッド)、『死ね』!」

その瞬間、姫神秋沙は自覚し、観測し、決定した。自分自身の死を。

「姫神―――!」キュイーン

しかし、幻想殺し(イマジンブレイカー)の干渉により、

観測は乱され、事象は捻じ曲げられ、結果として、『死』は回避される。

その時、上条たちの間に耳慣れない音が響いた。ヒュンという風を切るような音。

空間転移特有の音だった。

「もうだめだ・・・・黄金錬成(アルス=マグナ)ごときでこんな化け物に勝てるわけがない・・・

おしまいだ・・・上手くいく気がしない・・・私は何をやってもダメなのだ・・・」

先ほどまでは打って変わってあまりに弱気になるアウレオルス。

一同はその変わりように一同は声を発することさえも忘れていた。

そこへどこかから声が響いてくる。

「あー、あー、もしもし当麻君?忘れ物して行ってたよ。

人の話は最後まで聞かなきゃダメじゃないか。」

「その声は―――」

「スフィンクス!?家で留守番してなきゃだめだよ!」

「スフィンクスって。何者?」

「まさか、エジプト神話に登場するスフィンクスか!?」

「いや、そんな遠い時代から来たわけじゃないよ」

「その声・・・フム、いったいどこから聞こえてきている?

どうにも一方から聞こえてきているようではないが」

「あ、これは君たちの周りを飛ばせている"糸無し糸電話"から聞こえているはずだよ。」

「またひみつ道具かよ・・・」

「スフィンクス、今どこにいるのかな!?」

「僕は今当麻君のうちにいるよ。ちゃんと留守番しつつモニターで見てた。」

現在上条の家ではとある道具が居間を占領していた。

そのちゃぶ台ほどの道具の名前は"忘れ物送り届け機"。

ドラえもんはこれを使って校長室に"糸無し糸電話"ととある道具のアンテナを送ったのだ。

「もう事件は収束したみたいだし、二人は姫神さんと帰ってきて。」

「わかんたんだよ。あいさ、一緒にうちに来てくれる?」

「それはいい。でも。この人はどうするの?」

姫神の指さす先にはへたれ込む緑髪の男の姿がある。

「俄然、私はなんてダメなのだ・・・」

「泣かないで。あなたはよく頑張った。悲しみに打ちひしがれた私を救ってくれた。」

「あいさ・・・」

「アウレオルス、お前はよく頑張ったんだ。

俺が言っていいのか分からないけどお前はインデックスを救いたかっただけなんだろ?

元の生活に戻れるかは分からないけれど、俺はお前が悪いやつとは思えない。

人を思ってそこまでやれるんだったらきっといくらでもやり直す方法はあるはずだ」

「とうま・・・」

「ともかくだ。アウレオルス=イザードを確保し

吸血殺し(ディープブラッド)を保護した時点で僕の仕事は終わった。

アウレオルス=イザードは僕たちが預かる。

おそらくだけど、その男は宗教裁判に掛けられ、

黄金錬成(アルス=マグナ)について糾弾されるだろう。」

「その必要はないよ」

声とともに吸血鬼のようなものが出現した。

「スフィンクス!?お前吸血鬼だったのか!?」

「なるほど、そういうことか。ふふっ、笑わせてくれるね」

「スフィンクス、あいさを嚙んじゃダメなんだよ!メッ!」

「言っておくけど、僕は本物の吸血鬼じゃあないよ。その証拠に・・・」

蝙蝠に変身し急加速したドラえもんがアウレオルスに噛みつく。

その姿は本物の吸血鬼のようだったが・・・?

「・・・私は何をしていたんだ?」

「この子。吸血鬼ではない。本物はこんな分かりやすい姿をしているわけではない」

「この"ドラキュラセット"を使えば記憶を吸い取って忘れさせることができるんだ」

「よくもやってくれたな!科学の猫が!」

「捕まらないよーだ」

炎剣を振り回すステイルの周りを小さくなってひらひらと飛び回り

傍目から見ると蝶とそれを追う虫取り少年のようにも見え・・・ない。

しばらくすると痺れを切らしたステイルが

炎剣を爆発させて勝敗がついたかのように見えたが

実は背後に回っていたドラえもんがひみつ道具に関する記憶を奪って終わりとなった。

ドラえもんがバケツのような道具を取り出して

アウレオルスの首に輪っか状のパーツを取り付け

ボタンを押し始めると顔が粘土細工のように変化する。

「おーいステイル、あんまりぼうっとしていると取り逃がすぞ」

「スフィンクス、帰るんだよ!」

「お腹。すいた。おやつがあるといい」

「我はどうしてこんなところにいるのだ?」

「着いて来い!お前の身柄はイギリス清教に引き受けられたんだ!」

「僕は先に帰って留守番してるるねー」

窓からドラえもんが飛び去ったのを合図として各自が岐路につくこととなった。

 

家に帰るとドラえもんが片づけをしているところだった

「なあ、結局忘れ物って何のことだったんだ?」

「私も言われた覚えがないかも!」

「あぁ、このアンテナだよ」

ドラえもんが取り出したのは棒状のアンテナだった。

「"自信ぐらつ機"~!この道具はアンテナを取り付けられた人の

自信を失わせることができるんだ。」

「まんまじゃねーか!ってうかあいつあのまま引き取らせて大丈夫だったのか?

宗教裁判にかけるとか言ってたけど」

「それについても問題ないよ。彼のすべての記憶は奪っておいた。

きっとかれはやり直せるはず。ここまで信念を貫けるほどの性格だったのだからね」

記憶を失って新しい人生を生きるということを現在進行形でやっている上条は

アウレオルスの心情を察しつつも、ドラえもんが一瞬こちらを見たように思えた。

「ところで。私はどうすればいい?」

「あいさは吸血鬼を呼び寄せてしまうからとうまが手を握っていた方がいいかも」

「え。・・・///」

「インデックスさん!?」

「(冗談なんだよって言いたいけれどあまり冗談とも言えないかも。)

あいさは教会でいったん預かることになると思うんだよ」

「そう。この能力がもう不幸を呼び寄せないならそれでいい。」

「ともあれこれでハッピーエンドだね。」

「そういえば。この子は何?」

「僕は未来から来た猫型ロボットのドラえもんだよ。」

「何だか不思議な子。でもありがとう。」

「えっ、どうして?」

「あなたは。私の恩人二人が傷つくのを防いでくれた」

「確かにあのまま言ってたらもっと酷いことになってたんだよ。

私からもお礼を言わなきゃかも」

「どういたしまして。でもん僕はここにおいてくれるだけでもう十分だから

そんなに頭を下げなくても大丈夫だよ」

「ところでドラえもんはなんでこんな不幸学生のところなんかに来てくれたんだ?」

「それは君を不幸から救うためなんだよ。」

「そ、そんなことのために来てくださったのですか!

神様仏様ドラ様ありがとうございます!」

突然の幸運に小躍りしそうになるのを全力で胸の内に押しとどめる上条。

しかしこの後も不幸は続くこととなるのだった。




前回予告したひみつ道具は"自信ぐらつ機"ですね。
手っ取り早くアウレオルスに黄金錬成を使えないと思わせてみました。
この道具は対人戦においてほぼ無敵と言えるんですよね(一部心理掌握等の例外を除き)。
今回は解説が多くていきなり前回の8倍もの文章量に。
そのくせして戦闘シーンはその半分もないので
2回に分けた方がよかったかもしれません。
ちなみにインデックスが黄金錬成を反射したのは
前回のとあるシーンがフラグになります。キーワードは一方通行。
さて今回から本編が始まって道具もどんどん出てきました。
いきなり無名チートアイテム全開ですが。

今回の道具
"ひらりマント"
振るだけで何でも反射できるマント。
今回は一方通行のファイブオーバーのひとつとして名前のみ登場。
"たずね人ステッキ"
名まえを言って倒すと転がって方向を指し示すステッキ。的中率は70%。
別名"探し物ステッキ"。今回は能力追跡のファイブオーバーとして(ry。
"エアコンフォト"
被写体を写真と同じ温度にできるカメラ。
今回は定温保存のファ(ry。
"ESP訓練ボックス″
これを使って3年間勉強すれば念動能力、座標移動、透視能力のlevel4相当の能力が
身につく。
今回は多才能力と時間割りのファイブオーバーとして名前のみ登場。
時間割りは能力ではないが細かいことは気にしてはいけない・・・多分。
"ヒミツゲンシュ犬"
隠したい内容を紙に書き、封筒に入れて食べさせることで
周りが隠したいことを探ろうとしても絶対に知ることができなくなる。
"家の感じ変換器"
コンセントをつないだ家を様々な色のプレートで好きな感じにできる。
"どこでもドア"
やっと使われたひみつ道具御三家。説明不要の空間湾曲装置。
"タケコプター"
反重力で空を飛べる。
"透視めがね"
一層だけ透視できる虫眼鏡。
"忘れ物送り届け機"
忘れ物を指定した座標へ転送できる装置。
"糸無し糸電話"
筒状の無線で話せる糸電話。飛べと言いながら投げると目標の周囲を飛行する。
"自信ぐらつ機"
アンテナをとりつけた相手だけが受信する自信ソーシツ電波を発信する小型電波塔。
自信ソーシツ電波を受信するとあっという間に自分に自信が持てなくなる。
"ドラキュラセット"
着け犬歯とマントのセット。装着すると吸血鬼に変身できる。
ただし吸い取るのは血ではなく記憶で、
吸い取られるとすっかり忘れて思い出せなくなる。また、閉まった窓もあけられる。
変身した後は吸血鬼の特徴を受け継ぎニンニクと十字架が苦手になる。
"モンタージュバケツ"
中にナンバリングされた大量の顔写真が入っており、顔の部品をその中から選ぶ。
電線の付いたチョーカーを首に付けて本体のボタン操作で
選んだ番号、部品、位置を入力することで顔を好きに変えられる。

次回のひみつ道具は○○○○○○○○だ!
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