しゅ
腹部に圧力を感じ、
「早く起きろー。起きなさいってば。起きないと――――」
という声が耳イン入ってきて上条当麻が片目を開いてみると
あお向けに寝ている自分のお腹の上に声の主がまたがっているのが見えた。
「あ、起きた。もう8時よ?朝ごはん食べられなくなっちゃうわよ」
「うにゃうにゃ、インデックスは?」
寝ぼけたまま声の主に訊くと
「すでに食べてどっかいったみたいよ。今頃朝の海で遊んでるんじゃないかしら」
という返事が返ってきた。
「そうか、ならよかった。俺たちも朝ごはん食べに行くか、み、さk――」
「どうしたのよ。早くいきましょ」
「誰だお前は!どっから入ってきた黒髪お花畑!」
「はぁ?昨日から一緒にいたでしょ」
「俺は昨日御坂とインデックスとしか一緒じゃなかったぞ」
「私は御坂美琴じゃねぇのか―!」
「へっ?」
そういうと黒髪で頭に大量の花をつけた少女は両手を振り上げて髪から電撃を散らす。
あわてて右手を突き出すと電撃が砕け散った。
「その右手、いったい何なのよ・・・」
ブツクサと小言を言いつつ上条の上から降りる御坂。
「お前本当に御坂か?別の発電能力者とか」
「ならレールガンのキャッチボールでもやるかしら?」
ワナワナと震えていると次第に周囲の壁が震え始め、
金属製のものがあっちこっちに弾け飛び壁にぶつかりまくる。
「お、おい、御坂?落ち着けって」
「ふにゃぁあ」
上条がミサカの頭をなでると奇声を発して御坂が顔を真っ赤にした。
するとそこへもう1人乱入してきたものがいた。
「お客様、朝からお盛んなのは結構でございますが朝ごはんはどうされますか?」
「え?御坂妹?」
「何言ってるの、管理人さんでしょ?今度こそ朝ごはん食べに行くわよ」
御坂に手を引かれて上条はしぶしぶ布団から抜け出し管理人の横を抜けて下に降りた。
(なんか赤髪の大男がいたような気がしたが見なかったことにする。
一体何が起きているんだ?俺相手にまさかのドッキリ?)
そうこうして朝ご飯を済ませると御坂は上条の手を引いて外に出る。
「こんなにいい天気なんだから外で遊べばいいじゃない」
「なんだかなぁ」
「あ、とうまなんだよ!いいところに!」
現在最も頼りになりそうな人物から声を掛けられた。
「インデックスじゃないか!お前はそのままで助かったよ。何か魔術が使われた形跡はないか?」
「そ、そうなんだよ!大変なことが起きてるんだよ!」
「大変なこと?って何よ」
「どうにも、世界中の人間の外見だけを入れ替える大規模術式が発動しているみたいなんだよ!」
「はぁああああ!?」
(どうなってるんだよ!せっかくの休暇がぁああ!ドラえもんに頼もうとしても今は連絡取れないし・・・)
「なによそれ、そんなのありなの!?」
「セフィロトの木って聞いたことあるかな?十字教やカバラなどで扱われる概念何だけど」
「そんなの聞いたことないわよ」
「簡単に言えば人間や神様何かの上下関係を表したもの。
ここまではえらくなれるけどこっから先は無理っていう表なんだよ」
「そんなけったいなものがどうかしたのか?」
「そこには天使も含まれていてね、この術式は天使の魂を人間の魂の群の中に落とす魔術みたいなんだよ。
無理やり天使の魂が落ちてきたことでビリヤードみたいに人間の魂が散り散りになってしまったんだよ」
「ちょっと待って、魂とか魔術とかわけわかんないんだけど!」
「じゃあそれを発動したやつをぶっ飛ばせはいいのか?」
「もしくは儀式場でもいいんだよ。でもこれだけの大魔術だと家ほどの大きさになるからちょっと難しいかも」
「よし、じゃあ――――――」
「おーい、当麻ー」
声をかけてきたのは上条当麻に似た中年の男性だった。
「と、父さん!」
「久しぶりね。あらあら?そちらの二人は誰なの?」
「おにいちゃーん!ひっさしぶりー!」
さらにその後ろから二人の女性が出てきて上条に声をかけたものの・・・。
「えっと・・・母さんと―お兄ちゃん呼びってことは乙姫ちゃん?何かもんのすごい感じ変わったね・・・」
それもそのはず、上条詩菜は茶髪ロングから黒髪ロングの活発そうな顔立ちになっており、
竜神乙姫は映像で見た姿と打って変わって虚ろなジト目なのにやたらとハイテンションという
ギャップキャラになっているのだから。
「おにいちゃーん!元気?昨日は楽しみすぎて全然寝れなかったよー」
「あらあら、当麻さん的には私たちそんなに変わって見えるのかしら?」
「後ろの女の子たち誰?お兄ちゃんのカノジョ?」
「かかかか彼女って・・・」
「私たちはそんなんじゃないんだよ」
「うふふふ、もし二股かけているようだったら当麻さんにもブルーレイレコーダ投げつけたくなっちゃうわ」
「ひぃいいいいいいい!?」「ひぃいいいいいい!?」
妹達並みのハモリ具合で男二人の悲鳴がこだまする。
その後海岸でインデックスではなく上条が砂に埋められた後に上条一家+2はつつがなく海水浴を楽しんだ。
旅館に戻った後上条夫妻は部屋に戻ったものの上条当麻は違和感しかない配役に悩んでいた。
「とりあえずこの"代用シール"ってのを試してみるか。おーい御坂―?」
「な、何よ!」
「ちょっと後ろ向いてもらえるか?」
ワタワタと状況を把握できていない御坂美琴を視界の隅に止めつつ"代用シール"に御坂美琴と書いて貼りつける。
するととたんに上条から御坂は御坂に見えるようになった。
「おー、これすごいな」
「ちょっと、何したのよ!」
「悪い悪い、今朝も言った通り-お前の外見が入れ替わってるから、
ドラえもんに貸してもらった道具で元に戻しただけだ」
「ドラえもん?まさか・・・」
「おーいインデックス―!」
呼ばれた少女が扉の向こうからお菓子をほおばりつつ顔を出した。
「あー!それ私のおやつじゃない!」
「たんぱつのだったの?それよりとうまの知り合いが来ているんだよ!」
「知り合い?」
下の階に案内されると、そこには日本刀を腰に下げたポニテの女性がいた。
「神裂!?」
「かんざきさんというのかい?いやー、長身で赤髪のカッコイイ人だけど日本の人だったのか」
「あらあら、刀夜さんたらとんだ勘違いをして」
「お兄さんはここの人なのー?」
上条の目には確かに神裂火織として映っていたがどうやらほかの人には違って見えるようだ。
無垢な悪ほど邪悪なものはないというが、神裂自身も耐え切れずに身を震わせている。
「おーい神裂、ちょっときっち来てくれるか?」
「はい?」
呼ばれて行った神裂火織の背中に神裂火織と書いた"代用シール"を上条が貼ると
インデックスを含むみんなの反応が先ほどと打って変わって正しく認識されるようになった。
「いやーきれいな人だなぁ・・・」
「あらあら刀夜さん?うふふふ、ちょっと表に出て頭を冷やしてきますか?うふふふふふふ」
「いやっ、ささっきの発言は語弊がありましたっ」
「そうか、あなたに触れたので術式の効果が切れたのですね」
「いや、背中に貼ったシールのせいだ。はがれると元に戻ると思うから気をつけろよ」
「???お札のようなもの?いえ、あなたに魔術は使えないはず・・」
あまりにも中途半端な説明であり、さらには上条自身もあいまいな説明しかされていないために
神裂を余計に混乱させる原因となっていた。
「インデックス、上条当麻を連れてきてくださり、ありがとうございました」
「気にしなくていいんだよ。ちゃんと話したらかおりもいい人みたいだったし」
「それより、ちょっと彼をお借りしたいのです。今起きているこの事態の収束のためには
あなたと彼はいっしょにいてはなりません」
「どうしてだ?」
「今起きているこの魔術をイギリス清教は便宜上
これほどの魔術、イギリス清教の禁書目録たるあなたぐらいしか発動できません。
そのため、あなたは世界術から監視されている状況です。
その点、彼はマークされていないので自由に動けるのでお借りしてもよろしいでしょうか」
「分かったんだよ。かおりの言うことなら信じられるかも」
「あぁー!何私抜きでいい雰囲気になってんのよ!」
「ゲッ降りてきたのか」
御坂が怒りの形相で雷撃を飛ばす。甲高い破裂音をたてながら電撃が上条に向かって伸びるが、
突き出した右手によって防がれ、そのすきに神裂を連れて脱出されてしまった。
宴会室でワイワイやっていたために騒ぎに気付いていない上条一家、御坂、インデックスがその場に残された。
「やっぱり私のこと邪魔に思っているのかな・・・」
御坂がインデックスの太ももに伏せってポロポロと涙を流す。
「当麻はたんぱつのこと絶対に邪険になんて扱わないんだよ」
「そう、かな」
「そうなんだよ。たんぱつはもっと自分を信じたほうがいいかも!」
「うん」
「おーいかみやーん!ちょいと待つぜよ」
海の家を出ると途端にグラサンアロハシャツの不良風のいでたちの男に捕まった。
「土御門!?ってちょと待てよ。なんでお前がここにいるんだよ!どうやって学園都市の外に出たんだ?」
「細かい話はあとだにゃー。ねーちんにあったということは大体の事情は把握してるよな?」
「えぇ、私からインデックスと彼には話しました。それより土御門、あなたも彼に触れてもらいなさい」
「いくらかみやんの
「どうしてお前がそれを知っているんだ?一体お前は何者なんだよ!まさかとは思うがお前も魔術師だーなんて言わないよな?」
「そーゆー事。おれも「
「上条当麻!早く彼に触りなさい!急がないと――」
ドガァという音とともに赤い何かが飛来した。なまじ先の一方通行戦で似たような音をよく聞いた上条は
体が震えあがる。
「問1。
「え?」
「問1をもう1度。
「(何を言いたいのかさっぱり高とにかく誠実に答えないとヤバそうだ)・・・違うぞ。一体君は誰なんだ?」
「回答1。私はロシア正教
この異変の解決のため派遣された。
問2。発動したのは自分ではないといったがその証明は?」
「証拠なんて、ねーよ。そもそも俺は魔術のやり方なんて何も知らないぞ・・・」
「ミーシャ=クロイツェフ、何度も言っている通り彼は能力開発を受けています。
能力開発を受けたものが魔術を使おうとすれば高い負荷を受けます。
また彼の右手はすべての異能を打ち消す幻想殺しであり、魔術の影響を受けていないのはそのせいです」
「問3。ではあのシスターはなぜ影響を受けていない?」
「それは・・・なんでなのかな。歩く教会とやらのせいじゃねーの?」
「回答を認め、証明に移る。数価。40・9・30・7.合わせて86」
とたん海面から水の竜巻が起こったかと思うと鋭く先を尖らせ
上条当麻に向かって延びてきた。
上条が驚き声をあげつつ右手で叩いて破壊すると、
ダイアモンドダストのような氷の粒に変化し、上条の周囲を浮遊する。
いくつかは右手に付着したようで
時おりピキュンピキュンと音をたてている。
「あっぶねぇな、おい!」
「・・・・・少年、無礼を失礼した。
その右手、確かに魔術を無効化するようだ。
これを証明の手段として認める。」
「何はともあれ、かみやんが犯人じゃないとわかってよかったニャー」
「上条当麻、先程のようにこの男の姿を
もとに戻してはもらえませんか?
任務に差し支える姿になってしまったようなので」
「にゃー、有名アイドルの一一一の姿でいるのも悪くはないんだぜよ?」
呆れつつも上条当麻が"代用シール"を貼るのを
土御門が不思議そうに見ていた。
「驚いたにゃー。魔術を全く使わずに御札と同じ効果を生み出すとは、
多重スパイかつ陰陽博士の俺でも皆目見当がつかないぜよ」
「そんなすごいもんなのか?これ」
「あぁ、学園都市も途方もないものを作ってくれたもんぜよ」
(本当は未来から来たものとは言えないな・・・)
「ところでミーシャ=クロイツェフ、あなたは貼らなくてよいのですか?」
「いい。万が一にもその右手が私の霊装を破壊すると困る」
「そうか。まあ皆さん、今日のところは解散でいいでせうか?」
「これ以上ここにいても仕方がないですし、今日のところは一旦別れるとしましょう。
あ、上条当麻、言い忘れていましたが魔術の中心はあなたの近くにあるようです。
ですから今日は土御門と共に同じやどに泊まらせてもらいますよ」
「あぁ、構わないと思うぞ。父さんたちも喜びそうだしな。」
旅館に戻ると御坂が妙なあああやる気を見せていて、その日の晩ごはんは神裂・土御門を加えて楽しく進んだ。
8時頃。お風呂場に3人の影があった。
「上条当麻・・・と土御門、折り入ってお願いがあるのです。」
「なんだ?」
(ははーん、さてはねーちん・・・)
「現在私はステイルの見た目になっています。このまま女湯にはいるのはどうかと思いまして・・・。
今は誰も入っていないようなので私が入っている間誰も入らないように見張っておいてもらえませんか?」
「そんなことせずに男湯に入ればいいニャー。ついでに俺たちも入れば男3人仲良く!――――フゴッ」
「お前は黙ってなさい!」
聖人の一声と共に粛清されると男二人が快く?引き受けることとなった。
神裂入浴中
「なあっかみやん、その「フコウだー」って口癖、神裂のまえではあまり言わないでほしい」
「なんか事情でもあるのか?俺も極力控えるけど」
土御門は上条に聖人の意味と神裂の過去と魔法名について話す。
「・・・ってなわけで、神裂きは幸不幸に敏感なんだにゃー。魔法名として名乗るほどにな」
それを聞いた上条当麻は唖然としていた。
「けど、かみやんが気にすることでもないぜい。あんなん神裂が勝手に思い出してるだけだぜい。
テメェのトラウマで勝手に沈むなんざ自己中もいいトコだにゃー」
上条がブルーな気持ちに浸っている間に第4、第5の影は迫ってきていた。
「あ、とうま?そんなところで何しているのかな?しかも舞夏のお兄さんも一緒に・・・」
「あんたは・・・そんなに私たちの裸が見たいのかー!」
「いえ、これはただの誤解でありまして、私はただ中の人から見張りを頼まれただけでぇー!」
「かみやんも罪な男ぜよ」
「土御門も弁明に協力しろ!」
「ふん、覗き目的じゃないならいいわよ」
御坂が扉に手をかけようとするとすんでのところで上条が引き止める。
「何よ、私たちは女なんだからいいでしょ」
エーット、エーットと連呼し冷や汗を流す上条は思い詰めたようすで"代用シール"を取り出すと
そのままの勢いで壁と書いたそれを貼り付ける。
「何よ、扉を隠したわね!なんてことするのよ」と怒り心頭の御坂からシールを守りつつ
数十分すると中から神裂が扉を開けてと頼んだことで一時停戦となった。
「いやー上条当麻、助かりました」
(何か問題でもあったのかしら)
そんなこんなで無事に2日目が終わりやっと3日目になった。
「おはよう、当麻くん、起きて」
上条が寝ているうえに青い丸いものが乗っかかって揺すっている。
「うぅーん・・・・っは!助かったぜドラえもん!何とかしてくれよー」
「あのね、僕だってむやみやたらとひみつ道具を貸せるわけじゃないんだよ」
「そんなぁー」
「あ、とうま起きたんだね。ドラえもんも久しぶりかも」
「んな、な、何よそのあおタヌキ・・・ちょっとこっち来なさい!」
御坂は両手をもって抱えるようにすると
ドラえもんは手足をじたばたと動かして抵抗するがあまり効果はないようだ。
「ちょっとそのポケット貸して―・・・あった。"着せ替えカメラ"。」
「ど、どうしてお前がそのことを知ってるんだ!?」
「ちょっとね・・・」
実は、前回食蜂操祈に頼み込んで"一方通行を倒したのは上条当麻と第3位だ"という噂を流してもらったのだ。
そのとき交渉材料として食蜂操祈が要求したのが御坂美琴のコスプレ1時間で100個というのだったのである。
向こうは到底無理だと思って要求してきたらしいが
そこを何とかするのが未来のロボットの使命だと言って何とかした。
何とかするのに使ったのがこの"着せ替えカメラ"であったため、
御坂はこのひみつ道具を取り出せることを知っていたのである。
(いやー垣根帝督に
『午後5時に第7学区病院前に行ってそこにいる妹達を連れて学園都市の上空を一周した後
妹達にこのカードを渡す』
と書いた"シテクレジットカード"を渡すのはほんとに肝が冷えたよ)
「うふふふふふふ・・・・」
御坂が何やら奇怪な声をたてたかと思うとカードをセットしドラえもんを撮影する。
「かっわいー!」
その瞬間にドラえもんは青いゲコ太になってしまった。
「全く、御坂妹が学園都市のなかで生きていけるように命がけでしてきたのにひどいよ」
「命がけって何をしてきたの?」
「第2位にあってきた。」
(いったいこいつ何者なの!?)
「あ、ありがとう。」
「ところでなんで私とドラえもんには
「あぁ、インデックスちゃんには"交通標識ステッカー"の一方通行を
外向きに魔術と書いて歩く協会に貼ってあるんだよ。
これでインデックスちゃんは魔術を使ったり感知できるけど、
そとからの魔術は一切反射されるようになるんだ。」
「(何その怖いチート性能)いったいいつの間にそんなもの貼ったんだよ?
ってことはあれか?アウレオルスの魔術が効かったのも そのせいか?」
「そうだよ」
「じゃあドラえもんが影響を受けてないのは?」
「あぁ、僕は昨日この世界にいなかったからね。
昨日発動した魔術の影響を受けるはずがないじゃないか」
その場にいる全員が何いってるんだこいつと思いつつ話を聞く。
「やっぱりひみつ道具か・・・・」
「そう。"時間貯金箱"を使って昨日一日ぶんの時間を僕だけカットしたからね」
(なんかもう、深く突っ込んじゃいけない領域ね・・・)
「じゃあとは頼んだよ、当間くん」
そういうとドラえもんは"タケコプター"を使って窓から飛び出す。
「あとよろしくってどういうことだよ!?」
「僕だってバカンスしたいんだよー」
そのまま海の方へ飛んでいってしまったドラえもんを唖然と見守る3人だけが残された。
その後、3人+2名が上条家を訪れて戻った後・・・・
「やれやれ・・・。大仕事はぼくの出番か」
上空からゲコ太が舞い降りた。
「全く、こんな巨大なものを一発で破壊できる道具なんてないからね。
頭を使わさせられたよ。まぁ、僕ぐらいの高級ロボットなら簡単に導けるけどね」
そういいつつポケットをまさぐり4つの道具を取り出した。
「まずは"切り取りナイフとフォーク"で家の回りを空間の接続を保ったまま切り出す」
てに持ったナイフで敷地の周囲と空中をなぞるとそこに切れ目ができた。そこにフォークを突き刺し空間をごっそり取り出す。
「次に"スモールライト"で小さくして"どこでもドア"で運ぶっと」
ドアを開けるとその先は海面だった。
ドラえもんはそこに先程の空間を浮かべるとチョークで囲む。
「最後に"時空間取り替え機"でちょちょっとしてやれば・・・」
パシュンと音を立ててラインが光ったかと思うと一瞬で先程の空間が消失した。
それにともない、まばゆい光がラインから四方八方に漏れだす。
しかしそれも数十秒で消えた。
そのころ、海の家にて
「うふふ、刀夜さんったらー」
「あはははー」
「ぐぬぬぬ・・・」
酔っぱらう上条夫妻に神裂が困っていた。
しかしそこに一瞬のまばゆい光が走ったかと思うと
みんなの姿が正しく戻っていた。
「これはッ!?」
「おーいかおり!みんなの姿がもとに戻っているんだよ!」
そこに懐かしき友の声が響いてくる。それは自分の任務が終わったことを知らせる安堵の鐘のようだった。
しかし当然誰がやったのかという疑問が湧いてくる。
「全く、ドラえもんも素直じゃないよ。素直に最初からなんとかしに行ってくると言えばいいのに」
上条いわくドラえもんという人が何とかしてくれたらしい。
「では今度そのドラえもんという方にお礼がしたいのですが・・・」
「エット・・・それはあちょっとなぁ。こっちから合わせてお礼をしておくよ」
「そうですか・・少し残念ですね」
「とうまとうま!今晩は祝・解決ってことで一杯食べるんだよ!」
「おーい、当のゲコ太がもどってきたわよー」
「おおそうか、あいつにはいろいろ聞きたいことがあるからな」
少しだけものおとがしたかと思うと御坂の声が響いてきて、上条とインデックスは上に戻っていった。
「神崎さんも一杯どうですか?なんだか楽しそうでっすし」
「あらあら刀夜さん、グラスは何キロで頭蓋骨を割れるのでしょうね」
誰にとっても平和な日常が戻っていた。
しかし今は誰も上条家が消し飛んだことなど知らない。
前回予告した道具は"切り取りナイフとフォーク"でした。
今回は対天使というよりも対御使堕し編です。
だからミーシャさんの出番があほぼありません。
天使さんは無事に帰ることができ被害は最小限に済みました。(家はドラえもんが新しいものをたてておきました)
ところで重大なお知らせがあって、
来週は試験があるので更新できません。なにとぞご了承ください。
今週のひみつ道具
"着せ替えカメラ"
衣装が描かれた紙を入れて撮影すれば来ている服がその衣装に変わるお馴染みのカメラ。
御坂はこれを使ってドラえもんにゲコ太の被り物をさせた。
"交通標識ステッカー"
裏に名前を書かれた対象はこのステッカーの近くでは
その交通標識に描かれた物理現象に従ってしまう。
"時間貯金箱"
自分の時間をカットしたり、後で使うことができる。
後で使った場合その人だけを残して他の時間が止まる。
"切り取りナイフとフォーク"
空間を切り取るためのナイフと刺して持ち運ぶためのフォーク
"スモールライト"
照らしたものをなんでも小さくする定番懐中電灯。
"時空間入れ換え機”
チョークで囲った場所を過去や未来のその場所と入れ換えるひみつ道具。
”ペーパーハウス”
広げるだけで家が建てられる。紙製だが鉄筋コンクリート並みに丈夫。
来週のひみつ道具は○○○○○○○○○○○○○○○○○○○だ!