咲き行く道に死戦あり   作:黒三葉サンダー

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傭兵、魔剣を生成する

あれから更に数年、齢7歳となった俺は自分のランクを隠しながら平穏無事に仕事をしながら魔力制御の特訓に明け暮れていた。僅か数年の間に大分状況は変わったものだ。まずリュートがリバーシの権利と独占法を売ったことで多額の資金を調達することに成功した。その後はその金を使って『魔術液体金属』なる魔術道具を買っていた。魔術液体金属とは金属スライムから取れる魔術道具のことで、魔術液体金属に魔力を流し込むことで武器や防具を作り出せる聞くだけだと優秀な魔術道具だ。

しかしこいつには色々と問題点があるらしく、まず鮮明なイメージが出来なければ不出来な物しか作れず、しかも魔術道具の為に結構値が張るという粗悪品という評価を受けている。

個人的には明確なイメージさえ出来るのであれば直ぐに武器が作れる辺り便利なものだとは思っている。こいつがあれば俺も九五式軍刀が作れるかもしれないが、いかんせん俺は軍刀を作った事は無いので夢のまた夢だろう。軍刀に関しては此方で腕の良い鍛冶士を見つける他ない。その為にも軍資金を稼がなければならない。

俺が現在勤めている仕事は魔術石に魔力を送り込むだけの仕事とも言えない小遣い稼ぎのようなものだ。これはスノーと一緒に行っている。まぁそのせいでまたリュートに関する愚痴を聞かされる羽目になるのだが。

 

リュートに関する愚痴というと、彼が魔術液体金属で怪しげな魔術道具を作った等だ。話を聞く限り彼が作ったのは現代兵器──銃であろう。しかも特長を聞く限りリボルバーと推測出来る。妥当にいけば『S&W』辺りだろうか。暴発騒ぎが起きたときにはヒヤヒヤしたものだ。尤も、その暴発騒ぎのせいでリュートは30日間の研究禁止令が出されてしまい意気消沈していたが。

 

今では彼も森の中で射撃練習をしている。俺も森の中で魔力制御の特訓をしているため発砲音がよく聞こえてくるのだ。それを聞くたびに戦場で敵を殺していた頃を思い出す。

 

今日も今日とて森の中で魔力制御を行う。イメージする形状は剣。手に魔力を集め剣を形成する。

今俺が行っているのは無属性魔術に分類されるものだ。自分の中から魔力を引っ張り出し、頭の中で絵を描くようにイメージを作り上げる。描かれるのは異形の剣。おおよそ剣とは言えないような、されど剣としての機能を残した歪な剣。手の中で魔力が原型を変えていき、頭の中で描かれた形状へと変化していく。そして一気に魔力を送り込んで形状を固定する!

 

「……っ!!」

 

その瞬間、目の前が真っ赤に染まったと思いきや熱風が吹き荒れる。咄嗟に防御魔術を自身の体を包み込むように発動させる事に成功したが、驚くべき事に辺り一面が焦土と化した。手に握られていた筈の剣はいつの間にか地面に突き刺さっており、突き刺さっている地面からは未だに焼けるような音が聞こえてくる。赤黒い剣からは相当な重圧を感じる。未だに辺りには熱風が流れている。

 

「……おかしい」

 

俺が行っていたのは『無属性魔術』による魔力制御だった筈。しかし目の前の赤黒い歪な剣からは熱を感じる。これではまるで『無属性魔術で形成した魔力に属性を後付けした』かのようではないか。

 

(そんな事は可能なのか?しかし目の前のこれは明らかに火属性が付与されている……)

 

恐る恐る目の前の剣に手を伸ばし、束の部分だと思われる部位をそっと掴む。すると先程まで流れていた熱風がスッと消え去り、掴んだその剣からは熱さを感じなくなっていた。属性が消えたのかと思い剣を振るうと、風切り音と共に熱を感じた。どうやら属性事態は消えていないようだ。慣らすために幾度か剣を振るっていると、近場から一発の銃声が響いた。何時もの如く射撃練習をしているのだろうと思い、もう一度試してみようとしたところで違和感を感じた。

 

「この魔力反応はリュートと……スノー?」

 

更に数発の発砲音が響いた。念のために確認しておくべきか。

 

魔力で身体能力を向上させて発砲音がする場所へと駆け出した。

 

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