ハイスクールD×W   作:ジャッキー007

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ども、ジャッキー007です。
生存報告がてらの前書きですみません、仕事の都合上昼夜が逆転しているのと家に居る時間が短く執筆が遅くなりました。

同じく連載中の作品も推敲を繰り返しながら書いてますので暫しお待ちください。


二人の時間

駒王に転校してから数日が経ったが、以前とあまり変わりねぇ日々を過ごしている。

変わった事と言えば、イッセー達が馬鹿をやってたら沈めるくらいで、周りからは『対変態用最終兵器』なんて噂されている。

それと、もう一つ…。

 

「またサボりですか?」

 

屋上の扉の陰でタバコを吸ってると、最近聞き慣れた声が聞こえる。

視線を向けた先には俺より頭ひとつ分低い身長のメガネを掛けた女子が立っていた。

 

「授業ってのはどうも耳が慣れねぇんだよ…つか、お前こそ授業はどうしたよ」

「今日は生徒会の仕事を優先しましたし、先生から許可は貰いましたから」

 

紫煙を吐きながら女子…支取を見ると、俺の言葉にすました顔で返事を返した支取は俺の隣に腰を降ろし、咥えていたタバコを素早く取り上げてきた。

 

「てめぇ…」

「未成年の喫煙は法律で禁止されてます。それに…女の子が居るのにタバコを吸うんですか?」

 

スカートのポケットから携帯灰皿を取り出してタバコを捨てる支取を軽く睨むが、正論を言われると反論のしようもなく小さく舌打ちする。

 

『…』

 

俺と支取、二人しか居ない屋上に春先の暖かい風が吹く。

「…此処は、いい景色ですね」

 

隣り合って屋上からの景色を見ていた支取が小さく呟いた。

 

「んだよ、屋上に来たことねぇのか?」

「普通に授業を受けていたら来れませんからね…ぁふ」

 

近くにいるせいで聞こえた呟きに景色を眺めながら問いかけると、質問に答えながら欠伸をするのが聞こえる。

その少し後だ、不意に右肩に重みを感じた。

 

「…支取?」

「…」

 

支取がふざけてるのかと思ったが、コイツが普段んな悪ふざけをしねぇ事を思い出し、視線を移すと…。

 

 

「すぅ…すぅ…」

「…マジかよ」

 

俺の肩を枕代わりに寝息を立てる支取の姿があった。

過ごしやすい気候と暖かい陽の光の所為か、軽く揺すっても支取は目を開ける様子はねぇ。

よく見たら目の下に微かに隈がある事から、休む時間を削って仕事でもしてたんだろうな。

 

「…はぁ」

 

フラッと現れては人のタバコを奪った事に少し腹が立ったが、気持ち良さそうに年相応の寝顔を見せる支取を見てると怒る気も失せた俺は、小さく溜息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

微かに聞こえる喧騒でゆっくりと意識が浮上していくのを感じた。

 

(あれ…私…)

 

微睡む意識で少しずつ、これまでの事を思い出していく。

確か、生徒会の仕事をしていて…それで、休憩がてら校内を見回っていたらマサトの後ろ姿が見えて。

屋上に上がるのが見えたので注意をしに行ってから…。

 

(そして…マサトと屋上に居て…)

「よぉ、目が覚めたか?」

 

思い出している最中、隣から聞こえたマサトの声に一気に意識が覚醒する。

そうだ。

私は不覚にも、仕事の疲れと穏やかな陽気からつい眠ってしまったんだ。

辺りを見回すと、とっくに太陽が西に傾き夕方である事を知らせている。

 

「…どうして起こしてくれなかったんですか?」

「悪ぃな、あんまり気持ち良さそうに寝てるもんだからよ」

 

少しトゲのある口調でマサトを軽く睨むが、当の本人は悪びれた様子もなく笑っている。

…と、そこでふと疑問を感じた。

マサトの顔が、少し近いような気がする。

 

「起きたんなら、少し離れてくれねぇか?ずっと身体を支えてるのも割とキツいんだわ」

「…ぁ」

 

だが、その疑問もマサトの言葉で解決する。

私は、眠ってしまってからずっと…マサトの身体に凭れ掛かったままの姿だ。

それも、肩に頭を乗せたままで。

 

「〜!す、すみませんでした」

 

顔が一気に熱くなるのを感じながらも、マサトから身体を離して立ち上がる。

努めて冷静になろうとするけれど、寝顔を見られた羞恥心と先程まで間近にあったマサトの顔がチラついて目が合わせられない。

 

「わ、私は生徒会室に戻ります。マサトも後で来てください!」

「おぅ、気が向いたらな」

 

目を逸らし、早口で告げると逃げるように私は屋上を後にした。

階段を駆け下り、生徒会長という立場を忘れて廊下を走る。

どのぐらい走ったかは分からないけれど、生徒会室に辿り着いた私は席に戻るや否や机に顔を伏せた。

 

今迄シトリー家の次期当主という立場もあり、社交界で異性に近づく事はあった。

けれども、今日みたいに身体を寄せ合い、無防備な姿を晒すなんて事は一度もなかった。

 

(不覚です…)

 

冷静になりつつある思考で自己嫌悪になり、至近距離で見たマサトの顔を思い出し再び顔が熱くなるのを感じた。

何だというのだろう、今迄こんな事はまるで一度もなかった。

これじゃ、まるで…以前息抜きが必要だからと後輩の桃から押し付けられるように借りた少女漫画の主人公そのままではないか。

 

「あの…ソーナ?」

「…あぁ、椿姫。すみません、戻るのが遅くなってしまって」

 

机に顔を伏せている私を気遣ってか声を掛けてくる椿姫の声が聞こえ、ゆっくりと顔を上げる。

私を見ている椿姫は気遣っているけど、どこか戸惑いを帯びた目を向けていた。

 

「それは良いんだけど…ソーナ、それは?」

「?」

 

椿姫は未だ戸惑いを抱いた様子で私を指差す。

初めは疑問しか無かったけど、今更身体に…正確には、肩に違和感を感じて視線を向けると

 

 

私の肩には、微かにタバコの匂いが染み付いた黒い上着が掛けられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃。

 

「おぅ、ワン公」

「あ、真人さん!」

 

「今帰りか?」

「はい、日直の仕事があったので…って真人さん、上着どうしたんですか?」

「…風に飛ばされたんだよ」

「今日、そんなに風強くなかったような…」

「良いから帰るぞ」




今回も短く、しかも日常パートですみません。
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