第15話、どうぞ!
惣一side
スマッシュの攻撃により壁に穴が開き、俺はそこから外に出た。スマッシュも俺を追って外に出てくる。それにしてもハザードレベルが1か・・・。しかも、よりによって万丈の妹が・・・。
エボルト、どうにか助け出す方法はないのか?
『無いな。残念だが、ハザードレベル1では助ける事は不可能だ』
やっぱそうだよな・・・・。
スマッシュは右手に炎をため、俺の方に投げてくる。俺はトランスチームガンで光弾を撃ち、相殺する。
『相手は炎か・・・。ちょうどいいフルボトルがあったな』
まだ使った事はなかったが、だいぶ前に手に入れていた消防車が描かれている『消防車フルボトル』を取り出してトランスチームガンに装填する。
『フルボトル!スチームアタック!』
再び放ってきた炎に向けてトリガーに引き、トランスチームガンから水流が放たれる。それにより、炎が消されそのままスマッシュにも当てる。思ったよりも水圧が強かったらしく、スマッシュは後退した。
『よし、このまま・・・』
「待ってくれ!!」
『!?』
このままスマッシュを倒そうとしたところ、突然万丈に邪魔された。
「あいつは・・・あいつは香澄なんだよ・・・」
『・・・・』
確かに、あのスマッシュはこいつの妹だ。だけど・・・・
『いいか、あのままだとお前の妹はずっとスマッシュのままだ。お前はそれでいいのか?』
「っ・・・だけど・・・」
俺が万丈に話していると、スマッシュが再び右手に炎をため始めた。そして、入れたちに向かって投げてくる・・・・かと思われた。
スマッシュはいきなり右手を下に向けると、炎を地面にぶつけた。なかなかの威力だったらしく、炎を放ったスマッシュにさえダメージが入っていた。なのに、スマッシュは攻撃を俺たちに向けてこない。
『まさか・・・・意識が残っているのか?ありえない・・・スマッシュになれば自我は失われるはずだ』
今までのスマッシュがそうだったように、スマッシュになってしまったら自我が失われるはず。にもかかわらず、自分が傷ついてでも攻撃してこない。そこまでして、万丈の事を・・・・。
『・・・いいか、よく聞け万丈。今彼女は、お前を傷つけないために自らの攻撃を受けている。だが、このままだと彼女は苦しみ続けることになってしまう・・・・それでいいのか!?このまま彼女を苦しみ続けさせるのか!?スマッシュのまま死なせるのか!?どうなんだ!!』
「っ・・・・・くっ・・・」
万丈が悩んでいる間にも、スマッシュは自らを傷つけている。先ほどまでは地面に炎をぶつけていたが、今では体、さらには顔にまでぶつけている。このままじゃ・・・・
「・・・頼む・・」
万丈が何かを呟いた。
「頼むから・・・あいつを・・香澄を元の姿に・・戻してくれ・・」
『・・・頼まれた』
万丈とスマッシュの間に立ち、ゴリラフルボトルを取り出してトランスチームガンに装填する。
『フルボトル!スチームアタック!』
ゴリラの手を模した光弾がスマッシュにあたり、スマッシュから成分が離れた。それにより、一時的だがスマッシュと香澄ちゃんが分離した。俺はすぐに掃除機が描かれている『掃除機フルボトル』と入れ替え、トリガーを引く。
『フルボトル!スチームアタック!』
銃口から風が巻き起こり、スマッシュを空中で留める。
『俺ができるのは、ここまでだ』
「香澄!!」
万丈は急いで香澄ちゃんに近づき、その体を抱き上げる。
「おい、しっかりしろよ!二人で一緒に生きるんだろ!?」
「・・お兄ちゃん・・・・ごめんね?もう・・私・・」
「言うな!・・・香澄・・俺はお前と一緒に過ごせて、最高に幸せだった・・・お前と一緒にいて、楽しかった・・」
「私も・・・だよ・・」
香澄ちゃんの体は今にも消えかかっている。むしろ、今消えてないのが不思議なくらいだ。
「お兄ちゃん・・・・・・私も楽しかった・・・もう、私は一緒にいられないけど・・これからも幸せに生きて?」
「あぁ・・・あぁ!」
「それじゃあね?お兄ちゃん・・・」
そう言い残して、香澄ちゃんは消滅した。体も残さずに・・・
『っ!うらっ!』
留めておいたスマッシュを吹っ飛ばし、コブラフルボトルを装填する。
『コブラ!』
『これで・・終わりだ・・』
『スチームブレイク!』
スマッシュはコブラ型のエネルギーに飲まれ爆発し、エンプティボトルで成分を回収する。
どうやらリバースはここを完全に立ち去っているらしく、特に何かが来ることはなかったため、変身を解除する。
「万丈・・・・」
万丈は先ほどと変わらない場所で泣いている。無理もない、たった一人の家族だった妹を失ったんだ・・・。
「惣一君」
「!有希子・・・殺せんせー・・」
「石動君・・一体何が・・・」
「聞かないでくれ・・・しばらく、そっとしておこう」
・・・・・・・・・・・
あれから少し時間が経ち、万丈もある程度落ち着いて来た。
「それで?万丈はこれからどうするんだ?」
「は?どうするって・・・」
「今まで通り、どうにか生きているような生活を続けるのか?」
「・・・さぁな、決まってねぇよ」
『決まってないんだったらよ』
「エボルトさん?何かいい考えでも?」
『あぁ、お前は俺たちの秘密を知った。それに殺せんせーのこともな。だったら、俺たちと一緒に来て仲間にならないか?』
「は?」
「おい、ちょっと待てエボルト」
予想外のエボルトの提案に、俺は思わずエボルトを止める。
『なんだ?惣一』
「なんだじゃねぇ。仲間にするたってどうすんだよ。こいつの住居に関しても・・・」
『それならうちのカフェにくればいいじゃないか。人一人増えたぐらい、問題ないだろう』
「いや、確かにそうだけど・・・」
『それに、こいつには色々と話も聞きたいしな』
「もう俺の意見は通らないな・・・ま、いっか」
「いいの?惣一君」
「あぁ、エボルトの意見も一理あるしな。あとは、お前の意思次第だぜ?」
「・・・・・いいのか?俺がいても・・」
「あぁ、どうせ俺は一人暮らしだしな。時々有希子が来るぐらいだし、カフェつっても客はこねぇから安心しろ」
「それは安心していいのか?」
万丈が何か呟いたが気にしない。実際問題はないしな。
「なら、頼めるか?どうせ行くあてもないしな」
「あぁ、これからよろしく頼むぞ、万丈」
俺が手を指す出すと、万丈も理解したのか手を握り返した。
「ヌルフフフ、それではこれからのこともある程度決まったところで、帰るとしましょう。こちらもこちらで得たものがありましたし」
「!それは本当か!?」
「うん、ここで行われてたと思われる研究の情報と、USBメモリが」
「よっしゃ!なら、帰って早速調べるか!!」
次回は地下室でPROJECT BUILDの話です!
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それでは、チャオ!!