さてさてどうなる第20話!
有希子side
『俺たちはもう・・・ここにはいられない』
「・・・え?」
イトナ君が変身した仮面ライダー・・・グリスとの戦いが終わった後、エボルトさんは突然そう言った。それには当然私も、隣に立っている殺せんせーも驚いている。
「・・・・どうして・・?」
『・・今回の一件で、生徒達には俺たちが・・・惣一がブラッドスタークであることがバレ、さらにはその中には俺という地球外生命体が存在していることまで知られてしまった。得体のしれない存在がすぐ近くにいた。今までは隠し続けてきたが、バレてしまった以上、これからあいつらは俺を・・・惣一を恐れ、離れていくだろう』
「で、ですが、あなたは生徒達を守りました!相手がライダーシステムを使う以上、おそらく私一人では敵わないでしょう。あなたは私の代わりに、生徒達を守ってくれたんです!」
『それはどうかな・・・確かにお前ではライダーシステムには敵わないだろうが・・・代わりに俺が戦った結果、生徒である惣一を傷つけてしまっている。それで、生徒を守れていると言えるか?』
殺せんせーの言葉に反論するエボルトさん。でも・・だからって・・
「どうして、いなくなる必要があるの?」
『さっきの言っただろ有希子、俺の存在がある以上、彼らは俺を、惣一を恐れ続ける。生徒が安心できるようにするには、俺たちがここからいなくなる必要がある』
「でも!本当に恐れるかなんて・・・」
『だったらあいつらを見ていろ』
「え?」
エボルトさんに言われ、私は振り返って校舎を見る。そこからはクラスの皆がこっちを見ていた。けど、その顔からは恐怖、衝撃、色々な感情が読み取れた。
『これでわかっただろう。今すでに、あいつらは俺たちを恐れている。殺せんせーのような存在ではなく、まさしく怪人と言える姿になった俺のことを。守られたかどうかなんて関係ないんだよ。もともと俺たちは他の生徒との関わりは少なかったからな。ほとんどが惣一がどんなやつかなんて知らない。もしかしたら、自分があの力の餌食になる。そう考えてるやつもいるだろう』
エボルトさんはそこまで言って歩き出した。
「どこに!?」
『決まってるだろう、帰るんだよ。まぁ、もう登校することはないだろう』
エボルトさんはトランスチームガンを取り出して、煙を撒いてこの場を去って行った・・・・・。
有希子side out
・・・・・・・・・・
惣一side
目が覚めると、見覚えのある天井。今は地下室のベットで寝ていたらしい。時間を確認すると、午後6時ぐらいだ。
「いっ!」
起き上がろうとしたが、体がズキズキと痛む。それにより、今日の戦いが頭に浮かんできた。
「・・・あぁ・・そういえば、バレたんだったな・・・」
シロのおかげで俺がブラッドスタークであることがバレ、俺はみんなの前で蒸血したんだよな・・・途中から記憶がないが・・・。
『目覚めたか、惣一』
「エボルト・・・戦いはどうなった?」
『カイザーだけでなく、イトナが仮面ライダーグリスになった。二対一を余儀亡くされたと思ったが、突然現れたナイトローグがカイザーを引き受けてくれたおかげで、グリスだけに集中できた。まぁ、負けちまったし、ボトルも三本取られちまった』
「そうか・・・・奴らの狙いは最初っからボトルだったのか?」
『いや、グリスも最初は俺たちを殺すつもりだったぞ。ボトルはおそらくついでだ。今こうしていられるのは、有希子のおかげだ』
「有希子の?」
『あいつが俺とグリスの間に立って、守ってくれたんだよ。グリスも『弱い奴は殺さない』つって見逃してくれた』
「弱い奴は殺さない・・・か、そんなこと言ってたな」
結局・・俺は何もできなかったか・・・。
「なぁ、エボルト・・・他の奴らは、どうなってた・・」
『・・・・・・』
エボルトから返事が返ってこない。やっぱり、思ってた通りか・・・。
「はぁ・・・・もう学校には行けないか・・・」
みんなを怖がらすわけにはいかないからな・・・。
「おう、惣一帰ってたのか!」
「・・万丈か・・・何処行ってたんだ?」
「ちょっと走ってきてた。それよりどうかしたのか?なんか暗いが」
「・・・いや、気にするな」
こんなときは鋭いんだよな、こいつ・・・。
「・・・はぁ、なんか作るか・・」
気分を晴らすために、俺は机に向かう。机の上には小さいドラゴンのような青い機械が、中身が見えている状態で置かれていた。
惣一side out
・・・・・・・・・・・・
有希子side
エボルトさんが教室を立ち去った後、教室内は暗い空気になっていた。さすがの殺せんせーも、この空気の中ではふざけられないみたいで、静かにしていた。
「・・・・殺せんせーや神崎は知っていたのか?あいつが・・・・石動がブラッドスタークだったって・・・」
前原君が口を開いた。その質問に、なんて答えればいいのかわからず、言葉に詰まってしまう。
「・・・えぇ、知ってました」
殺せんせーが先に口を開いた。みんなの視線が殺せんせーに集中した。
「私が知ったのは修学旅行のとき・・・石動君の中にいる地球外生命体、エボルトさんと戦った後でした。彼の言葉と行動の違いに気づいた私は彼と話し、彼がブラッドスタークであることを知りました」
その話は私は前に聞いていた。その時の私の視線も、殺せんせーにバレる要因になったらしい。
「神崎さんはいつから知ってたの?」
茅野さんが私を見ながら聞いてきた。それと同時に、みんなの視線が私に集まる。
「・・・中学一年生の頃・・・惣一君がこの町に帰ってきた時から・・」
「そんな前から・・・」
「うん、スマッシュに襲われていた私を、ブラッドスタークになっていた惣一君が助けてくれたの。その時から、私は惣一君がブラッドスタークであること、彼の中にエボルトさんがいる事を知ったの」
「スマッシュ?なんだそれは?」
「スマッシュとは、彼らが使っていたフルボトルの中に入っていた成分が抜け出て、人に入ったときにその人がなってしまう怪物の事です」
磯貝君の質問に、律が先に答えてくれた。
「律、知ってるのか?」
「はい、私が実際に見た事は一度だけですが、マスターが入れてくれたデータの中に、スマッシュに関連する情報が入っていますので」
「マスター?なんで律のマスターがそのスマッシュ?のことを?」
「それは、今の私のマスターは惣一さんですから!」
「「「「「えぇーーーーー!!!?」」」」」
突然の律のカミングアウトに、クラス全員が驚いた。まぁ、普通に考えればそうだよね。だから今まで黙ってたんだけど・・・。
「だからあいつが律のグレードアップをしてたのか!」
「あいつがマスターなら、勝手にグレードアップしても誰にも文句言われないもんな!」
「彼がわざわざ律さんのマスターになったのは、皆さんのことを考えてのことでした」
「え?」
「皆さん、律さんがこのクラスに転校してきた日、どうなったか覚えていますか?」
殺せんせーがそう聞いてきた。律が転校してきた日って、確か・・・・
「あの時はまだ律が暗殺が目的だったから、授業中でも弾幕張りまくってたよな」
「すいません・・・・」
「あぁ、いや、責めてるわけじゃないさ」
「そう、あの時の律さんは協調のことを考えず、一人での暗殺を行なっていました。ですが、それにより授業はままならず、君達の不満は溜まるばかりでしたね」
「は、はい・・・」
「そんな時、真っ先に現状を変えようとしたのが石動君でした。普段彼は授業を受けていない。ですが、だからこそ昼間いなくても違和感がない。君たちが知らないところで、彼は君たちのために行動していました」
「私にグレードアップした理由の一つに、皆さんの勉強の邪魔をしてしまっているから、と言っていました。惣一さんは関わらないように見えて、裏では皆さんのことを思っていました」
「・・・俺たち、あいつに悪いことしちまったのかな・・・」
律と殺せんせーの言葉を聞いて、杉野くんがそう口にした。
「・・私、石動君のこと、信じられる気がする」
「茅野?」
「私もさ、修学旅行のときに助けてもらったし、それに、私たちのことがどうでもいいなら街中でスマッシュに会った時に囮になって逃げろなんて言わないよ」
以前、茅野さん達と駅近くのカフェに行ったときの帰りに遭遇してしまったスマッシュ。あの時は惣一君が真っ先に囮になって、私たちに逃げるよう言ってきた。多分、その時のことだろう。
「・・確かに、そう考えると僕も助けてもらってるなぁ」
「そうだな、俺もだ」
「そもそも、怪物なんてこの教室には前からいたんだ!今更怖がるわけがねぇぜ!」
「そうだね!」
茅野さんの言葉を聞いた渚君と磯貝君が同意し、それを始めとしてクラスのいたるところで二人を受け入れる声が上がっていき、教室内の空気が変わっていった。
「殺せんせー、石動やあいつの中にいる地球外生命体・・・エボルトさんがどんなやつにしろ、あいつは俺たちE組の仲間です。・・・俺たちが今するべきことは、あいつを再びE組に連れ戻すこと。あいつらを受け入れることです!」
磯貝君が代表して宣言した。その言葉に私も殺せんせーも驚いてしまったが、それと同時に嬉しかった。
惣一君も、エボルトさんも、このE組にみんなは受け入れてくれる。そう思うと、嬉しくてたまらなかった。
「それが、君たちの答えですね?」
「「「「「はい!!」」」」」
「それでしたら、まずはしっかりと彼らと話しましょう。そのためにも、彼を連れ戻しましょう!」
殺せんせーがそう宣言し、みんなが動き出そうとした瞬間だった。
後ろの壁が地響きとともに壊され、外からプレス機構が全身についているスマッシュが姿を現した。
次回でこの回は終わりですね。
感想、評価等宜しくお願いします!
それでは、チャオ!!