楽しみにしてた方は申し訳ない!反省はしていないがな!!
とりあえず第23話、どうぞ!!
惣一side
「だから、この場合はこいつが・・・」
「あ?なんでそうなんだよ?」
「だから・・・」
俺とエボルトがE組のみんなに受け入れられて早数日が経過していた。俺は地下室にて、万丈に勉強を教えている。なのだが、あまりにもバカすぎる。始めてすでに一時間が経過しているが、まだ二・三ページぐらいしか進んでいない。
「そうか!!じゃあここの答えはこれだ!!」
「違ぇよバカ」
「誰がバカだよ!」
「お前以外誰がいるんだよ・・・」
そもそもなんで俺がこいつに勉強を教えているのか、二日前に遡る。
<回想中>
「なぁ、万丈って俺たちと同い年なんだよな?」
始まりは前原のこの言葉だった。あの一件で万丈とも知り合い、どうせなら万丈とも仲良く、と考えて暇な奴らと家のカフェでお茶をしていた。つっても俺が出したのは料理ぐらいで、飲み物・・・・特にコーヒー・・・・は持参してもらった。俺以外飲んでなかったが・・・・。
「あぁ、そうだな」
「学校はどこ通ってんだ?色々あったって言ってたけど、通ってはいるんだろ?」
「は?なんのことだ?」
「え?」
「そういえばまだ説明していなかったな・・」
万丈は今まで香澄ちゃんと一緒になんとか生きているような生活を続けていたし、ここに来たのだってほんの数日前の話。当然学校になんて通っていない。だが、この時はまだその事を説明していなかったため、みんなは学校に通ってると思い込んでいたらしい。
「実はだな・・・・」
説明する事数分、万丈のことを来ていたみんなに説明した。
「万丈・・・お前、大変だったんだな・・・」
「なんかあったら、なんでも言って?力になれると思うから・・」
「お、おぅ・・・?分かった・・」
今まで普通の生活を送って来た人が聞いたら、万丈が送って来た生活はそう簡単に想像ができない。ビッチ先生辺りならできるだろうが・・・。みんな当然のごとく同情し、万丈に声をかけていた。当の本人はなんでこんな事言われてるのかいまいち分かってなさそうだったが・・・・。
「それだったらさ、万丈君も椚ヶ丘に通わない?」
片岡がそう提案した。確かにそれはいい考えかもしれないが・・・・。
「いや、そう簡単にはいかないぞ・・・」
「石動君?どうして?」
「理由は単純・・・こいつがとてつもなくバカだからだ」
「誰がバカだよ!!」
「お前だよ・・・」
他のみんなは万丈と知り合ってまだそんなに経ってないし、そこまで多く話した訳ではない。だから知らないんだ、こいつがどれほどバカなのかを・・・。
「そ、そんなにバカなのか・・・?」
「あぁ、正直言って恐ろしいくらいにバカだ」
「お前さっきから失礼だぞ!!」
「しょうがないだろ、本当のことなんだから」
俺と万丈の言い合いが続こうとしたとき、矢田がこんな提案をして来た。
「だ、だったらさ!石動君が教えてあげたら?」
「は?俺が?」
「うん!だって石動君、頭いいでしょ?中間テストでも学年二位だったじゃない!しかも一位と一点差で!!」
あぁ・・・中間テストか・・・理数は満点取れたけど、社会がちょっと苦手なんだよなぁ・・・それで二位になったようなものだし。
『それは十分じゃないのか?』
いや、俺が納得いかん。
「確かに、それはいい案かもね」
「そうだな、何かあれば俺たちも手伝えばいいんだ。どうだ?石動」
「まぁ、やってみてもいいか」
「よっしゃ!決まりだな!!」
<回想終了>
とまぁ、こんな事があったんだ。それでこの二日間、俺がこうして勉強を教えているんだけど・・・・。
「あーーーー!!なんでそんなになるんだよ、意味わかんねぇ!!」
「逆になんで分からないのかがわからねぇよ!」
『てか、理解できる方がおかしいと思うが・・・』
あーー疲れた!!エボルト変わってくれ!!
『無茶言うな!!俺が教えるなんて事できると思っているのか!!』
頑張れよそこは!!
『お前が頑張れ!!』
うるせぇ!!
エボルトと言い合っていたら、ガチャっと地下室の入り口である冷蔵庫の扉が空いた。
「二人とも、いる?」
「有希子、どうしたんだ?こんな時間に」
「勉強で疲れてるかなって思って。まだご飯も食べてないでしょ?」
そう言われて時計を見ると、すでに午後8時を回っていた。もうこんな時間になってたのか・・・。
「しょうがない、一旦休憩に入って飯でも食うか。すぐに作ってくるから座っててくれ」
「あぁ、惣一君も座ってて?私が作るから」
「え?いや、でも・・・」
「いいからいいから。店の中のものなら場所とかも分かってるし、ゆっくり休んでて」
「そうか・・?」
有希子に言われ、おとなしく座る。まぁ、ここはおとなしく待つか・・・・。
・・・・・・・・・
待つ事数分。有希子がお盆を持って戻って来た。お盆の上には人数分のチャーハンが。しかもかなり美味そうだ。
「とりあえず、あった材料で作ってみたの。美味しいかどうかは分からないけどね?」
「いや、スッゲェ美味そうだ!早速いただきます!!」
「もうちょっと落ち着け万丈。いただきます」
早速口に運ぶ。ん、うまい!!
「うめぇ!!」
「確かに、エボルトが作る味とはまた別の味で美味い。俺的にはこっちの方が好きだな」
「ふふ、良かった」
俺も万丈もかなり腹が空いていたらしく、有希子が作ってくれたチャーハンは一瞬でなくなった。
「ふー、食った食った」
「ありがとな、有希子。こんな時間なのに・・」
「ううん、私にできる事はそんなにないから。このぐらいやらせて」
「・・そっか・・」
「zzz・・・・」
って、万丈の奴もう寝たのか。もう休憩じゃねぇなこれ。
「しょうがない、今日はもう終わりにするか。これから帰るんだろ?送ってくよ」
「え?あ、うん」
・・・・・・・・・・・・
「調子はどう?」
「いや、あまりよくはないかな。全然進まない・・」
「ははは・・・やっぱり、大変みたいだね」
帰り道、有希子と現状を話す。万丈がバカなのは有希子も知っているから、こうなるのは予想していたんだろうな。
「さっきも言った通り、私ができることはそんなにないから・・・それでも、国語だったら私でも教えられると思うよ」
「国語か・・・俺も特別得意ってわけじゃねぇしな。そのときは頼めるか?」
「うん!任せて!」
それから少しだけ歩き、有希子の家に到着した。
「それじゃ、有希子。また明日な」
「うん、おやすみ!」
有希子はそう返事をして家に入っていった。さて、無事に送れたし、さっさと帰るか。俺はトランスチームガンを使って家に転移する。え?さっきも使えば良かったじゃんって?それじゃあ送ることにならないだろう。
さて、俺も今日は寝るか・・・。また明日、どう教えるか・・・・。
・・・・・・・・・
あれから約2週間経った。俺は今E組の校舎にいて、教室の前には万丈が立っていた。
あれから2週間、俺は毎日万丈に勉強を教え、時には有希子が国語を、磯貝が社会をといった風に、他のみんなも手伝ってくれたおかげで万丈はなんとかD組に入ることができた。・・・・はずだったのだが・・
「烏間先生・・・説明願います」
「あぁ・・・今日D組に編入した万丈君だが、初日から暴力騒動を起こし、E組行きになったらしい」
「はぁ・・・・・」
その説明に、俺は思わずため息をついてしまう。なにやってんだこのバカは・・!!
「しょうがねぇだろ!あいつらお前らのことバカにするしよ!!」
「ま、まぁまぁ落ち着いて。とりあえず、万丈君もE組の仲間になった、ってことでいいんだよね?」
「あぁ、そのはずだ。今日からよろしく頼むぜ!!殺せんせーもな!」
「えぇ、万丈君。君をこのE組に歓迎します!!」
まぁ、一応学校には通えているし、いいか。
こうして、俺たちE組に新しい仲間が加わった。バカだけど。
「バカバカうるせぇ!!」
万丈が加わったことにより惣一が苦労人になっていってる気がするが・・・ま、いっか!!
これで万丈も出しやすくなったしね!
感想、評価等よろしくお願いします!!
それでは、チャオ!!