エ『前回からほぼ1年ぶりぐらいの投稿だ。前回までの話のことなんてもう記憶に残ってねぇじゃねぇか?そんなお前らのために、今から俺たちがしっかりと教えてやる!』
万「よし、俺に任せろ!俺たち三年E組は学校の中だと超底辺のクラス!他の生徒や先生からの扱いもひどいんだが、俺たちには話す事はできない・・・・え〜、惣一、これなんて読むんだ?」
惣「それはひみつな。てかお前それ何話のあらすじ紹介だよ。・・・おい、誰が第1話のあらすじ紹介しろつったよ!」
万「んな細けぇこと俺が知るわけねぇだろ!渡されたやつを読んだだけだ!」
惣「渡されたって誰にだよ?・・・おいカルマ、お前そこで何やってる。あ、おい待て!!」
有「それでは第53話、どうぞ」
無事に鷹岡、ビルドの二人を倒し、麓のホテルに帰還した生徒達。倒れた生徒達を看病していた奥田と竹林の二人が皆を出迎え、全員が助かる事を伝えた。その後は流石に疲れたのか、全員が泥のように眠り、目が覚めたのは翌日の夕方だった。
「おはよう」
「おはよう、元気になった?」
「お陰様で」
倒れていた生徒達も無事に回復し、全員が浜辺に集合していた。理由は浜辺に建設された一つの建物だ。その中には、完全防御形態になって身動きが出来ない殺せんせーが閉じ込められている。指揮をとっているのは当然烏間先生だ。昨夜から一睡もせずに働き続けている。
「やっぱすげぇな、あの先生は」
「後十年とかで、俺達あんな風になれるのか?」
「かと思えば、鷹岡のようにこうはなりたくないって奴もいたり・・・」
「良いと思った人は追いかけて、悪いと思った人は追い越して」
『それが大人になるって事なんだよ』
「地球外生命体のくせに、わかってる感じだな?」
『お前達に比べたら、俺は大人だよ』
惣一と万丈、エボルトに渚や杉野が話している最中、殺せんせーが閉じ込められている建物から爆発音がした。見ると、煙が上がっている。
「やったか!?」
「ここからじゃよく分からねぇ!」
とは言ってるものの、全員が薄々気づいている。こんなんじゃあの先生は殺せないって。その証拠に、殺せんせーはすでに着替えを済ませて渚達と話し始めていた。
「今回は先生が不甲斐ないばかりに、大変な目に合わせてしまいましてねぇ」
「ほんとだぜ、まったく・・」
『ま、なんとかなったし、良しとしようぜ』
「そうですね、それでは早速遊ぶとしましょう!」
「遊ぶって・・・これから?」
「もう夕方だぜ?すぐに日も沈むぞ」
「ご安心を、しっかりと考えてありますから。それでは、30分後に皆さんを連れて島の南にある洞穴まで来てください。それでは!!」
惣一達にそう言い残した殺せんせーは、さっさとその洞穴に向かってしまう。
「・・・なんだったんだ?」
「さぁな?」
・・・・・・・・・・・
それから30分後、惣一達は言われた通り全員を連れてきて洞穴に来ていた。
「肝試し?」
「はい!今から皆さんには男女でペアになってもらって順番に洞穴を一周してもらいます。中には先生が様々な手で驚かしにいきますよ?あ、もちろん肝試し中に暗殺を仕掛けるのもOKですので!」
殺せんせーの説明を聞きながらこの旅行の日々を思い出す生徒達。よく考えたらこの旅行のほとんどの時間を暗殺とホテル潜入に費やし、気がついたら帰るまで後一晩。暗殺も失敗に終わっているため、良い思い出は何も無かった。
「よし!面白そうだし、やってみるか!」
「「「おぉ〜!」」」
磯貝の言葉にみんなが賛成の声を上げる。せっかくの旅行、最後ぐらいは楽しい思い出で終わらせたい。そう思ってみんなのテンションは上がっていく。だからこそ気づけなかった、殺せんせーの背後に隠された『祝!カップル成立!』と書かれたプラカードに・・・・・。
・・・・・・・・・・・
渚・茅野ペア
「渚、こう言うのって平気だっけ?」
「う〜ん・・・・ゾクゾク系は大丈夫、いきなり系は駄目かな・・・・殺せんせーが脅かし役だし、あのスピードで本気で驚かしに来られたら、結構ヤバイかも・・・」
左手には懐中電灯、右手には対殺せんせーナイフを持った渚が両手で銃を握っている茅野にそう返す。そんな時、奥の方から沖縄の三線の音が聞こえ出した。二人がそれに気づき、音がする方へと光を向ける。すると、そこから琉球の衣装を着た殺せんせーがゆっくりと姿を現した。
「「出たぁ〜!!」」
「ここは・・・血塗られた悲劇の洞窟・・・琉球・・・ここには彷徨える魂達が住んでいる・・・・」
そう言い残して姿を消す殺せんせー。
「い、今のって本当かな?」
「た、多分雰囲気づくりの為の作り話だよ!」
二人は自分たちに言い聞かせるように話す。だが、そんな二人の後ろに再び殺せんせーが姿を現す。
「「ヒッ!?」」
「決して手を離さぬように・・・・もし一人になってしまったら、彷徨える亡霊の魂に体を乗っ取られてしまう・・・!」
二人が急いで後ろを振り向くが、そこにはもう何も居ない。
「け、結構本格的かも・・・・はやく行こう、渚!」
「う、うん!」
そこそこ本格的な肝試しに茅野は怖くなってきたのか、はやく出ようと提案して渚も同意する。歩き出す二人の後ろから、再び三線の音と先ほどのセリフが聞こえてきた。
「次のペアへの同じ語りとか・・・・無駄にリアルだ・・・」
「はは・・・」
・・・・・・・・・・・
カルマ・奥田ペア
「怖くない事が・・・怖い?」
一方カルマと奥田のペア。肝試しという事なのでどういうのが怖いのかを話していたようだが、カルマはまるで矛盾している答えを出す。
「うん、今回の一件で渚君と鷹岡が戦っているのを見てたけどさ、怖くないんだよ、全然。ブラッドスタークとか、地球外生命体とか言ってるエボルトも、味方だと分かってるから怖くない。けど、それよりも怖くなかった。別に鷹岡を倒したからとかじゃない。けど、確かに恐怖がそこにはあった。喧嘩なんかとは土俵が違う。まったく違うものだから。・・・・怖くないって、実は一番怖いんだなって思った」
「・・・・・」
カルマの話を静かに聞く奥田。彼女は実際にその場にはいなかったが、過去にあった鷹岡と渚の戦いから想像する事は出来た。
「けど・・・」
「?」
「負けないよ、俺は。喧嘩とか暗殺とか関係無い。最後に勝つのは俺だ」
「・・・はい!どっちが勝つのか、楽しみです!」
「ところで〜」
「はい?」
カルマが光を向けた先、そこにはスピーカーと赤と青の丸が正方形に置かれている・・・・俗にいうツイスターゲームというやつだ。
「肝試しとか言っときながら実はくっだらねぇ〜事考えてるみたいなんだけど」
・・・・・・・・・・・・・・
その頃、脅かし役の殺せんせー。次のペアを脅かしたあと、満足そうにその後ろ姿を眺めていた。
「君たちはしっかりち成長している、今回の一件で、それをはっきりと知りました。が、足りない事がある。それは・・・・・恋愛スキャンダル!!」
殺せんせーに後ろに浮かべ上がりカップル成立とハートマーク。殺せんせーの狙いは最初っからこれだけだった。
「夏辺りにはカップルもぼちぼち誕生すると踏んでいましたが、君たちは暗殺に夢中でそんな話がまったく無い!!ここは一つ、先生がその背中を押してあげましょう・・・そしてそれをネタにひやかしたり、実録小説を書くのです!これぞ、担任教師の息の計らい!ヌルフフフ!!」
完全に下世話。これに付き合わされる生徒達も溜まったもんじゃ無い。
・・・・・・・・・・・・・
惣一・有希子ペア
この二人は渚・茅野ペア、カルマ・奥田ペアと違って静かだった。会話がまったく無いのだ。やがてこの沈黙に耐えかねたエボルトが口を開く。
『そ、そういえば惣一はなんか怖いものとかはあんのか?』
「特に無い」
『・・・・そ、それなら有希子の方はどうだ?どう言った系のが怖いんだ?』
「私も特には・・・」
『・・・・・』
さっきからこれの繰り返し、惣一と有希子が一向に喋らず、沈黙に耐えかねたエボルトが話題を振るも一言二言で会話は終わってしまう。
『(だぁ〜こいつら!ちっとは話せよ!俺が話題を振ってるだろうが!!それともなんだ?昨日の事をまだ引きずってやがんのか?いや、それは有希子の方はまだ知らない筈だし・・・・くそっ!これと言った原因も浮かばねぇ!とにかく、どうにかしてこの場を盛り上げないと・・・)』
一人で色々と考えているエボルト。だが、これと言った方法も思いつかずに悩んでいるところで有希子が口を開いた。
「おじさん・・・昨日会ったんでしょ?」
その言葉に、惣一は動かしていた足を止める。有希子が言うおじさんとは、惣一の父親・・・つまり石動健二の事だ。
『ちょっと待て!なんで有希子がそれを知ってんだ!?』
「万丈君から聞いた。昨日帰ってきてからの惣一の様子がいつもと違ったから」
『(万丈ーーーーーー!!!)』
エボルトが心の中で叫ぶ。まさか万丈が教えていたとは・・・・余計な事を。
「惣一はどう思ってるの?おじさんが敵だって事・・・・」
「・・・・・」
惣一は答えない。しばらく沈黙が訪れる。やがて、エボルトが口を開いた。
『惣一、言ってやれ。有希子には言ってやるべきだ。お前の口からな』
「・・・・・・はぁ」
エボルトにまで言われ、観念したのかやっと口を開いた惣一。止めていた足を動かしながら自身の思いを語り始める。
「正直、よく分からない。父さんが敵だったと言うよりも、今までどこで何をしてたのか知らないし・・・・あの時は有希子や皆が倒れている最中だったし、なるべく冷静になろうとしてたけど、案外焦ってたのかもな・・・・・カイザーの味方をしている父さんを責める事しかできなかった。でも、冷静になって考えれば父さんには何か事情があるんじゃないかって思うんだ。俺にも言えないような。だから、父さんを信じたいって思ってしまう・・」
「・・・・・それが惣一の気持ちなんだね」
「あぁ、信じたいし信じられない。矛盾してるよな・・」
「それでいいんじゃないかな」
「え?」
有希子の言葉に、惣一は振り返る。そこには有希子が笑顔を浮かべながら惣一を見ていた。
「おじさんが何を思ってあの人達の仲間になってるのかなんて、今の私達には知るよしもない。でも、信じればいいのか信じちゃダメなのか、それはすぐに決めなくちゃいけない事じゃないから」
「・・・・・」
「今はゆっくり休んで、その事はまた後で考えよ?」
「・・・そうだな、それもそうか」
暫く顔を伏せていた惣一だったが、ゆっくりと顔をあげてそう呟く。その顔からは迷いは消えていた。
「ったく、こうやって深く考え込んじまうのは俺の悪い癖だな。大分ここに長居しちまった。有希子、行こう」
「うん」
止めていた足を動かし、出口に向かって進み始める二人。途中明らかに場違いなベンチやら旗やらがあったが、それらはスルーしていく。
『(やれやれ、やっぱこういうのは俺じゃなくて有希子の方が適任だな。にしても・・・・・そろそろあのドライバーを使うべきなのかもな)』
・・・・・・・・・・・・・・・
一方その頃の殺せんせーはというと・・・・
「ここは血塗られた悲劇の洞窟、りゅうきゅ・・ぎゃぁああああああ!!?なんか出た〜〜!!!!」
脅かす側のはずがなぜか逆に生徒に脅かされ。
「ひぇええええ!目が無い!!!」
今度は勝手に驚き。
「うぅ・・・あぁああああああ!?なんかヌルヌルに触れられた!!」
自分で仕掛けた糸こんにゃくに引っかかり。
「ひぇええ!日本人形!?あぁああ!水木しげる大先生!?あぁ〜!うわぁああ!ぎゃあああ!」
結局自分が一番恐怖を味わう事となり、洞窟中に叫び声が響き渡る結果で肝試しは終わりを告げる事となった。
・・・・・・・・・
「よーするに、怖がらせて吊り橋効果でカップル成立を狙ってたと」
「怖がらせる前に狙いがバレバレ!」
「だ、だって見たかったんだもん!手繋いで出てくる二人とか見てニヤニヤしたいじゃないですか!不純異性行為とかしちゃダメですか!」
「泣きギレ入った」
「ゲスい大人だ」
結論をいうと殺せんせーの企みは失敗。最初こそ雰囲気はあったものの、途中からそれすらも消え去り全く恐怖を感じる事のない肝試しとなってしまった。
「そーいうのはそっとしておきなよ。ウチらぐらいだと色恋沙汰とか突っつかれるの、嫌がる子多いよ?皆が皆、ゲスいわけじゃないんだから」
「中村さん・・・分かりました・・・」
殺せんせーとの話も終わり、これで肝試しも終了としたその時、洞窟から最後のペアが出てきた。
「何よ、肝試したって何もいないじゃない!怖がって損したわ!」
「だからくっつくだけ無駄だといっただろ!徹夜明けにはいいお荷物だ」
「うるさいわね、男でしょ!美女がいたら優しくエスコートしなさいよ!」
「はぁ・・・」
そこまで言って、やっと生徒達の視線が集まってることに気づいたのかそそくさと離れていくビッチ先生。だがすでに時遅し。
「なぁ・・・薄々思ってたけど」
「ビッチ先生って・・・」
「うん」
「どうする?」
「明日の朝帰るまでに時間あるし・・・」
「「「くっつけちゃいますか!!」」」
結局、皆ゲスかったらしい。
久しぶりに投稿したなこの作品。
暫くはこれ優先で投稿しようかな?
あ、感想とかお待ちしてまーす。