地球外生命体を宿した暗殺者   作:蛇廻

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エ『無事に旅行も終わり、気付いたら夏休みは後1日・・・お前ら、ちゃんと宿題はやったのか?』

惣「やったに決まってんだろ、俺を誰だと思ってやがる」

有「私も。分からない所も惣一君に聞いたし大丈夫」

エ『まぁお前らはそうだろうな。おい万丈、お前はどうだ?』

万「・・・・・・」

惣「?おい万丈、何黙ってんだお前?」

有「もしかして、宿題・・・・終わって」

万「あーーーあーーーーあーーー!!」

エ『あっ(察し)』

惣「お前、旅行前にほとんど終わらせたよな?後は読書感想文とかだったよな?」

万「ウルセェ!!俺だってやろうとしたよ!!でもな、気付いたら寝ちまってるんだよ!!」

惣「それお前の責任だろ!!」

万「頼む惣一!宿題見せてくれ!!」

惣「できるわけねぇだろ!!すぐにバレて終わりだわ!!」

万「そこをどうにか!!」

有「・・・はぁ。この二人は放っておいて、第55話をどうぞ」



第55話 夏祭り

色々な事があった旅行から帰還し、今日は夏休み最終日。生徒達は思い思いに過ごしていた。

 

「あっち〜・・・・」

 

それはこの男も同じ。暇を持て余していた万丈はランニングをしていた。・・・のだが、予想よりも暑かったために今はベンチに座って休んでいる。

 

「今日で夏休みは終わりか・・・なんか短く感じんな」

 

「夏休みとはそういうものですよ」

 

「あ、そうなのか?・・・・うぉ!?」

 

あまりにしぜんだったから普通に会話をしていたが、ふと横を見るとそこにはついさっきまでいなかったはずの殺せんせーが下手な変装をして座っていた。

 

「こ、殺せんせー?何やってんだ?」

 

「今日思い立って、クラスの皆んなに声をかけているんです。万丈君もどうですか?夏祭り!!」

 

「夏祭りだぁ?」

 

「今日で夏休みも終わりですし、最後の一日ぐらい何も考えずに遊びましょう!」

 

「おぉ・・・・いいな!!よし、俺は行くぜ!!」

 

「それはよかった、用事で断る人が意外と多くて・・・・それでは次は渚君のところに行ってくるので!今晩7時ですからね!!」

 

そう言って、殺せんせーはその場から瞬時にいなくなる。

 

「・・・・・さって、そろそろ帰るか。あ、ついでに惣一も誘ってやるか!!」

 

休憩も十分済み、万丈はnascitaに向けて再び走り出した。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

一方その頃のnascitaの地下室。そこにあるフルボトル浄化装置の扉を開け、中から何かを取り出している惣一の姿があった。

 

「確かこの辺だったと思うんだけどなぁ・・・」

 

『取り出したらまずは修復だな』

 

「こいつに組み込む際に二つに分けたからな・・・にしても、本当にあれを使うのか?」

 

『あぁ。今まではスマッシュやらカイザーやらで済んでいたからブラッドスタークでもどうにかなったが、敵もカイザーやグリス、さらにはビルドまで現れた。さすがに、ここまで来たらブラッドスタークでは耐え切れないだろう。だからこそ・・・こいつを使うしかない』

 

中に張り巡らされている大量のコードを掻き分け、目的の物を見つける。ブラッドスタークの体と同じような紅い色をしているパーツと、青いレバーがついている天盤のパーツ。惣一はそれら二つを取り出し、机の上に並べる。その形状は、さながらビルドやクローズに変身する際に使用するビルドドライバーのようだった。

 

「惣一君、いる?」

 

「有希子、どうした?」

 

冷蔵庫から地下室へと入ってくる有希子。

 

「さっき殺せんせーが家に来たんだけどね、今日の夏祭りにクラスのみんなで行かないかって」

 

「夏祭り?・・・・あぁ、もうそんな時期か」

 

「惣一君、ここ最近ずっと地下室に篭ってるでしょ?万丈くんが言ってたよ」

 

(万丈・・・余計な事を・・)

 

事実、惣一は旅行から帰ってきてからほとんど外に出ていない。万丈用の新武器の開発をしていて、それをなんとか終わってやっと自分の強化をしようと浄化装置を分解していたのだ。だが、地下室に篭っていたのは事実のために反論もできない。

 

「もう夏休みも最後なんだから、今日ぐらい開発から離れて楽しもう?」

 

「・・・でもなぁ・・」

 

『・・・いや、夏祭りに行くか』

 

「は?何言ってんだよエボルト!」

 

『有希子の言うとおり、確かにお前はここ最近ずっと地下室に篭っている。研究をするにせよ、たまの休息は必要だ。せっかくの機会だし、遊んでこいよ』

 

「・・・・そう言って、本当は自分が遊びたいだけじゃないのか?」

 

『あ、バレた?ハハハハハ!!』

 

全く悪びれた様子もなく楽しそうに笑うエボルト。それを聞いて怒る気も失せてしまった惣一は頭を掻くと、口を開く。

 

「はぁ・・・分かった、俺も行くよ。夏祭り」

 

「よかった、それじゃあ今日の午後7時に椚ヶ丘駅前に集合ね。そこに他のみんなもいると思うから」

 

「おう、分かった」

 

「それじゃあまた後で」

 

そう言って有希子は地下室から出ていく。時間はまだ昼を少し回ったぐらいであり、家を出るには早すぎる。

 

(・・・ま、先に準備ぐらいはしておくか)

 

席を立ち、荷物の準備を始める惣一。それをしてる最中に万丈が帰ってきて夏祭りの話をするが、すでに惣一が知っていると分かり落胆しながらベットに寝転んだ。汗だくのままで。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

そして時間は過ぎ、場所は夏祭りの会場に移る。

 

「いやぁ、思いの外集まってくれて良かった良かった!誰も来なかったら先生、自殺しようかと思いました」

 

「じゃあ、来ない方が正解だったか」

 

用事で来れなかったメンバーもいたが、それでもクラスの半数近くの人数が呼びかけに応じてきてくれた事に殺せんせーは喜ぶ。

 

「お、千葉と速水じゃん!どうした?」

 

万丈が両手にぬいぐるみやおもちゃを抱えた千葉と速水の二人を見つけ、声をかける。

 

「射的で出禁くらった」

 

「イージーすぎて調子乗った・・・これどうしよう・・・」

 

普段マッハ20に相手を狙撃しようとしている二人にとって、動かない的を射抜くのは蠅を叩くよりも簡単な事だろう。とはいえ取りすぎではあるが。

 

「俺今五千円使って全部五等以下じゃん♪糸と商品の残り数から4等以上が一回も出ない確率を計算すると、なんと0.05%!ホントに当たりの糸あるのかな〜、おまわりさん呼んで確かめてもらおっか♪」

 

「わ、分かった!金返すから、黙ってろ坊主、な?」

 

「いやいや、返金のために五千円投資したんじゃないのよ、ゲーム機欲しいなぁ〜♪」

 

『相変わらずあいつはねちっこいな』

 

「あぁ、最初から当たりなんて入ってないって分かってたな、ありゃ。・・・・お、たこ焼きウマ」

 

『惣一、俺わたがし食いてぇ』

 

「はいはい、後でな」

 

「惣一!これ美味いぞ!!」

 

「おぉ万丈・・・・お前どんだけ買ってんだよ」

 

合流した万丈の両手にはイカ焼きやら焼きそばやらりんご飴やら・・・・とにかく大量の食べ物が抱えられていた。

 

「いいじゃんいいじゃん、ウメェんだし」

 

『万丈、後でそのりんご飴くれ』

 

「これは俺のだ」

 

『ケチ!!』

 

「はいはい、それも後で買ってやるよ」

 

「いたいた、二人とも」

 

ここで有希子とも合流。

 

「お、有希子」

 

「よ、有希子!」

 

「万丈君、すごい量だね」

 

「そうか?」

 

次々と食べ物を口へと運んでいく万丈。とても満足そうだ。

 

「惣一君はどう?楽しんでる?」

 

「楽しんでるよ。万丈やエボルトのせいで疲れも感じてるけど」

 

『なんでだ!?』

 

「ははは・・・」

 

惣一とエボルトのやりとりに苦笑を漏らす有希子。

 

「にしても・・・祭りなんて最後に行ったのはいつだったかな?随分と久しぶりな気がするよ」

 

「もしかして、この町を離れる前に行ったのが最後だったりする?」

 

「あ〜、かも。誘ってくれてありがとな」

 

「ううん、最初に言い出したのは殺せんせーだから」

 

「そっか・・・そういやその殺せんせーはどこにいんだ?」

 

「あそこ」

 

「ん?」

 

有希子が指さした先には屋台がある。だが、それらの屋台の内いくつかはE組の生徒によって早仕舞いする事になってしまっている。のだが、殺せんせーはそれらの屋台を使って焼きそばやらかき氷やら作っていた。

 

「茅野さんから聞いたんだけど、殺せんせー月末はいつも金欠なんだって」

 

「なるほど・・・俺らは殺せんせーの小遣い稼ぎの片棒を担いでしまったってことか」

 

『まんまと乗せられたな。・・・・おっ、二人とも空を見ろ』

 

「空?・・・・あ、花火か」

 

エボルトに言われ空を見上げると、ドーンと一発、花火が打ち上げられた。その後の次々と上がっていく花火を、人々は様々な場所から見ていた。

 

「だいぶ濃い夏休みだったな」

 

『二学期は平穏に過ごせるといいな』

 

「だな。ま、そんな期待はできないけど」

 

これから訪れる未来に思いを馳せる惣一。案の定、彼の言うとおり二学期も波乱の幕開けとなる。

 




これにて夏休み編は終了!次回から二学期です!!

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