万「なぁ、なんでまたこんか期間が開いたんだ?」
惣「さぁな、大方作者のモチベーションが下がってたとかそんなところだろ」
エ『それがよ、他にも幾つか作品を投稿していたら、どんだけ放置作品あるんだってお叱りいけたんだってwww』
惣「それで久しぶりにこの作品に手をかけたってわけか・・・・馬鹿だろ」
万「あ?」
惣「お前じゃねぇ。・・・・とにかく、前回のあらすじ紹介するぞ。期間が開いてるし、読者のみんなも忘れてしまってるだろ。ほれ、万丈」
万「え〜と・・・・夏休み最終日!俺たちE組生徒は殺せんせーの企画で夏祭りに行くことになった!」
惣「・・・・ん?それで終わりか?」
万「おう、読みやすかったぜ!」
エ『まぁ、前回は夏祭りに行って遊んだだけだし、そんなところだろ。それじゃあ、第56話!どうぞ〜』
二学期の始業式。長かった夏休みも終わり、椚ヶ丘のほとんどの生徒は体育館に集合している。
「ふぁああ〜・・・」
「二学期早々眠そうだね」
「しょうがないだろ。新たな発明・・・ってわけじゃないけど、あれを元に戻してるんだから」
「あれ?」
「あぁ・・・・本当は二度と使いたくなかったんだがな」
小声で話す惣一と有希子。惣一の言葉に首を傾げる有希子だったが、始業式を進行していた荒木の言葉に壇上へと顔を向ける。
『今日から、3年A組に新たな仲間が加わります。彼は、昨日までE組にいました』
その言葉に、E組に全員が顔を驚きに染めて壇上に注目する。やがて、脇から姿を現したのは竹林だった。
・・・・・・・・・・・・・
始業式も終わり、E組も旧校舎へと戻ってきていた。本来ならばHRが始まるはずだったのだが、竹林のE組を抜ける話を聞いた直後のために中々荒れている。
「なんなんだよあいつ!!百億のチャンス捨ててまで脱けるとか信じらんねー!!」
「しかも、ここの事地獄とかほざきやがった!」
「言わされたにしたってあれは無いよね」
先ほどの始業式にて、壇上に現れた竹林は演説を行った。その内容はE組の酷評するもので、本校舎の生徒からは歓迎されていたが、E組の生徒達からは蔑まされる結果となった。
「竹林君の成績が急上昇したのは確かだけど、それは殺せんせーに教えられてこそだと思う。それさえ忘れちゃったのなら・・・私は彼を軽蔑するな」
「とにかく!あぁまで言われちゃ黙ってらんねぇーー!!放課後一言言いに行くぞ!!」
そんな前原の提案に乗り、放課後にE組のみんなで竹林の元へ行く事になった。当然その日の授業は耳に入るわけがなく、皆落ち着きが無い一日を過ごす事となった。
・・・・・・・・・・・・・
放課後、早速E組生徒一同は山を降り、竹林の通学路にて彼が通るのを待っている。
「にしても惣一の奴、なんで来なかったんだ?」
「どこか寄るところがあるって言ってたけど、万丈君聞いてないの?」
「いやなんも」
惣一だけ用事があるとのことで、今この場にいない。とはいえ、惣一を追いかけてるわけにもいかず、詳しい事情を聞かぬままここで待機しているのだ。
「おい、来たぞ」
前原の一言により、集合している全員が前方を確認する。見ると、竹林が一人で歩いているのが分かる。
「おい、竹林!」
彼の行手を阻むように、全員姿を見せる。
「・・・説明してくれるか?なんで一言も相談しないんだ、竹林?」
「何か事情があるんですよね?夏休み旅行でも、竹林君がいてくれてすごく助かったし、普段も一緒に楽しく過ごしていたじゃないですか!」
彼らの脳裏に竹林との思い出が蘇る。夏休み旅行の際に多くの生徒が倒れた中、彼は奥田と二人で看病に謹んでいた。他にもメイドの書き方のみんなに分かりやすく説明したり、律にメイドの事を教えたり、寺坂にメイド喫茶の素晴らしさを教え解いたり・・・・・・ほとんどメイドだった。
「賞金百億。場合によっちゃ上乗せされるらしいよ?分け前いらないんだ、竹林。無欲だね〜」
賞金の変動。夏休みの一件で集団戦術が殺せんせーを追い詰めたことを考慮し、団体での暗殺に成功した場合はさらに上乗せされることとなった。これはつい先日、新たなに決定された事項であり彼らに伝えられたのも今日だった。今日からA組に移動した竹林は知らない情報を開示するカルマだったが、竹林は特に反応を示さない。
「・・・・・せいぜい十億円」
「「「?」」」
数秒の沈黙の後、竹林が口を開く。
「僕単独で百億GETはまず無理だ。上手いこと集団で殺す手伝いができたとしても、僕の力で担える役割じゃ・・・分け前は十億がいいところだね。僕の家は、代々病院を経営している。兄二人も揃って東大医学部・・・・十億って金は、うちの家族には働いて稼げる額なんだ。『出来て当たり前』の家、出来ない僕は家族として扱われていない」
他の誰かには無い、竹林だからこその悩み。それは、聞いただけで解決できるようなものでは到底無かった。
「僕が十億手に入れたとしても、家族が僕を認めるなんてあり得ない。『良かったな』『家一番の出来損ないがラッキーで人生救われて(笑)』・・・・それで終わりだ」
「「「・・・・・・」」」
「昨日、初めて親に成績の報告が出来たよ。トップクラスの成績をとって、E組から抜けられること」
親に報告をした竹林。その返事は、『頑張ったじゃないか、首の皮一枚繋がったな』だった。
「
今の竹林は、彼の家族・・・彼の親という名の鎖によって強く縛られてしまっている。そして、それを解くことが出来ないでいるのだ。
「僕にとっては、地球の終わりや百億よりも、家族に認められる方が大事なんだ。裏切りも恩知らずも分かってる。君たちの暗殺が上手くいくことを祈ってるよ」
そう言って再び歩き出す竹林。彼の話を聞いてほぼ全ての生徒はすぐに動き出すことが出来ずにいた。唯一すぐに追いかけようとした渚も、有希子によって止められる。
E組の生徒の中には、『呪い』をかけられている者が数人いる。それは、竹林も同様だった。しかし、その『呪い』を解き方を学校は教えてくれない。
・・・・・・・・・・・
『なぁ惣一、本当に行くのか?』
「・・あぁ、あの人に直接話せる人なんて、うちのクラスは教師を除けば俺ぐらいだしな」
一人、別行動をとっていた惣一は未だに学校内にいた。とは言っても、いつもの旧校舎じゃない。本来であればE組生徒が入ることはほとんど無いはずの本校舎の一角に来ていた。
彼の目の前にあるのは一つの扉。他の部屋に使われている扉とは違う、木で出来た両開きの扉だった。
「・・・ふぅ」
一呼吸吐いた惣一は覚悟を決めた表情をして、目の前の扉をノックする。それから数秒後、中から声がする。
『どうぞ』
「・・失礼します」
ゆっくりと扉を開ける惣一。中にいた人物ーーーーー浅野理事長は不敵な笑みを浮かべていた。