万「はぁ?」
惣「さらにいうと、おそらく次回も出番がない恐れがある」
万「なんでだよ、主人公だろうが!!」
惣「正確には俺が主人公でお前はサブキャラだ」
万「んだとぉ!?」
惣「あ、やんのか、こら?」
万「上等だよ、やってやるよ!!」
有「二人とも、ここで喧嘩しないでね〜」
エ『出番に関しては仕方ないだろ。今は竹林回なんだからよ』
惣「こいつ〜!!」
万「コンニャロ〜!!」
エ『聞いてねぇな・・・・』
有「しょうがない、今回は私達であらすじをしよっか」
エ『まぁあらすじって言っても、前回あったことは二学期が始まって竹林がE組を抜けたぐらいだろう。俺たちが何かをしたわけじゃないし』
有「それじゃあ今回は、竹林君のA組での様子だね。第57話どうぞ!」
『ドラゴニック・フィニッシュ!』
『スチームブレイク!コブラ!』
「「どりゃあああああああ!!!」」
有・エ「『・・・はぁ』」
翌日、E組の教室は重い空気に包まれていたーーーーーーーはずだった。
「なぁ殺せんせー、なんかめっちゃ黒くね?」
みんなの心情を察しーーーーーーれるほど器用な奴じゃないな、単純に自分が思ったことを口にしただけだろう、この筋肉バカは。
「急遽アフリカに行って日焼けしました。ついでにマサイ族とドライブしてメアド交換も」
(((ローテクかハイテクかわからん旅行だ・・・・)))
『てか最早日焼けのレベルじゃねぇだろ』
日焼けと呼称するにはあまりにも黒く、てかむしろ真っ黒。普段の黄色なんて何処に行ったレベルでの黒一色だ。
「これで先生は完全に忍者!!人混みで行動しても目立ちません!!」
「「「「恐ろしく目立つわ!!」」」」
「だが、何のためにだ?」
一人冷静でいた惣一がそもそもの目的を問う。わざわざアフリカに行ったのだ、それ相応の理由があるのだろう。なければ躊躇なく殺しにかかるつもりだが。
「もちろん、竹林君のアフターケアです」
「・・・・アフターケア?」
「自分の意思で出て行った彼を引き止めることは出来ません。ですが、新しい環境に彼が慣れているかどうか、先生にはしばし見守る義務がある。あぁ、もちろんこれは先生の仕事ですので、君達はいつもと同じように過ごしてください」
「・・・断る」
「にゅや?」
思わぬ返事に目を点とする殺せんせー。答えたのは万丈だけだが、クラスにいる全員が同じ顔つきをしていた。
「俺らもちょっと様子を見にいくぜ。暗殺も含め、色々と危なっかしいんだよ、あのオタクは」
「なんだかんだ、同じ相手を殺しに行ってた仲間だしな」
「竹ちゃんが抜けるのはしょーがないけど、理事長に洗脳されてヤな奴になったら嫌だしな〜」
誰かが反論を唱えることはない。ここにいる全員が、今でも彼のことを暗殺仲間だと思っている証拠だ。まさに、殺意が結び絆。E組だからこその友情だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方本校舎にあるA組の教室。そこでは、E組の授業とはかなり異なった授業が展開されていた。生徒の中には、A組に復帰した竹林の様子を見ようと振り返っている者もいる。
肝心の竹林はと言うと、完全に動きを止めていた。机の上には開かれているノートが一冊あるが、そこには何も書かれていない。ペンを持っている手を全く動かす気配がない。
その理由は当然、E組の授業の差に驚愕していたからだ。まさかA組で行われている授業が、E組では
しかもかなり非効率的であり、教師は早口の説明、黒板には書いては消し書いては消しましたの繰り返し、生徒の都合なんて一切無視したふるい落とすための授業だった。
竹林の脳裏に、ある日の放課後が思い起こされる。
『竹林君がイチオシのアニメ「俺の妹が突然広島ファンになったのは彼氏の影響に違いない件について」、見ましたが面白いですねぇ』
『萌え化ネタは掘り尽くされたと思ってたね』
『えぇ、まさかのプロ野球選手美少女化とは・・・・・そこで!!竹林君の苦手な加法定理の解法を二期オープニングの替え歌にしました!!』
『二期とは分かってるじゃないですか、殺せんせー!』
『ヌルフフフ、生徒の二次元の好みを知らずして先生が務まりますか。さぁ歌って憶えますよ!!君イチオシの大野ちゃんのカットイン部分に最重要ポイントが含まれています!!』
まぁ、こんなことがあったのだ。とは言えかなりの音痴だったらしく、あれはあれで覚えづらかったと思わず苦笑を漏らしてしまう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
授業も終わり、放課後。竹林は帰り支度をしている生徒に話しかける。
「なぁ、放課後・・・何処かでお茶でして行かないか?」
「え、あ、馴染もうとして気ぃ遣わなくて良いぜ、竹林」
「俺らすぐ塾だからよ、お前もそうだろ?じゃーな!」
そう言ってさっさと教室から出て行ってしまう。A組の生徒は、勉強ができてE組じゃない人間には普通に接してくれるが、誰もが勉強に追われている。余裕があるのは五英傑のようなトップ陣ぐらいであり、E組とはえらい違いだ。
以前、寺坂とメイド喫茶に行った時のことを思い出す。色々と文句を言ってはいたが、なんだかんだ言いつつ気に入ってたようだった。ちょっと後ろにメイド服を着たタコもいたが・・・・。
やたら貪欲に生徒の情報を集める先生。寺坂も、寺坂なりに竹林を知ろうとしていたのだろう。もう味わえないであろう幸福だった日々に思いを馳せる。
ふと、視線を感じて外をちらりと確認する。ーーーーーーーーーーなんかいる。烏間先生が教えたカモフラージュ技術を使っているようだが、残念ながらE組と本校舎じゃ生えている植物が違いため、見る人が見れば一目瞭然である。特にツヤツヤの真っ黒い物体!カモフラージュできていると本当に思っているのか!!
なぜまだ知ろうとするのか。
「どうだい、竹林君?A組には馴染んだかい?」
「っ・・・まぁ、ね・・・」
突然浅野の話しかけられ、一瞬驚くがなんとか返事をする。
「突然だけど、理事長が君を呼んでるよ。逆境に勝ったヒーローの君を、必要としているようだ」
・・・・・・・・・・・・
「あ、理事長室に入った」
「くそ、カーテンで見えねぇ!」
「さすがにここまでかねぇ」
外から竹林の様子を見ていたE組一同だったが、理事長室にはカーテンがかけられていたため中の様子を確認できない。さすがにこれ以上は他の生徒にもバレてしまう恐れがあるため、今日はここまでということになり、それぞれが帰路に着いた。
「思ったよりも馴染めてたな、竹林の奴」
「そうか?なんか思い悩んでるように見えたんだが・・・」
『何かを感じたんだろうな、あの場所で』
「何かって、なんだ?」
「さぁな、それは本人しか知り得ない」
nascitaへと向かいながら話す惣一と万丈、+エボルト。
「だが、少し心配だな。あの人のことだ、おそらくまだ何かしてくる」
『とは言っても、俺たちにできることなんて何もないぞ。唯一あるとすれば、あいつを信じるぐらいだ』
「信じるねぇ・・・」
何をしてくるかは分からない。だが、その内容は彼をさらに縛り付けてしまうだろうことは想像がつく。
「どうなることやら・・・・」
次回で竹林回は最後ですね。主人公たちが何もできない・・・・・。