地球外生命体を宿した暗殺者   作:蛇廻

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殺せんせーの推理とは一体・・・。

どうなる第6話!!


第6話 殺せんせーの推理

惣一side

 

 

バイクを走らせ数分。旅館の近くで一旦止めて、バイクをスマホに戻す。さすがにバイクで旅館まで行くわけにはいかないからな。

 

歩いて旅館まで戻り、中に入るとすでに俺以外の全員揃っていた。

 

「あっ、惣一君!」

 

有希子が最初に俺に気づき、全員が俺の方を見てくる。

 

「石動君!大丈夫でしたか!?怪我はありませんね!?」

 

「うわ、うざ・・・」

 

「ガーーン!!」

 

俺にウザがられた殺せんせーは隅っこでいじけている。ま、反省はしないけどな。

 

「石動君、大丈夫だった?」

 

「ん?あぁ、渚。大丈夫だ、ちょっと迷ってただけだ。あんまし知らない土地を歩き回るもんじゃないな」

 

「そうそう、目覚ましたら男子は全員倒れているし、お前だけがいないし、どこ言ったのかと思ったぜ」

 

「実際はそれどころじゃなかったんじゃないか?俺がいないことよりも、有希子達が誘拐されたことの方が記憶に残っているだろうし」

 

「うっ・・・ま、まぁそれもそうだけど・・・」

 

「それよりも、有希子と茅野は大丈夫だったか?」

 

「う、うん・・・・そ・・助けてくれた人がいたの」

 

今、一瞬俺の名前言いかけたな。ま、今のやつ程度じゃバレないだろうが。

 

「助けてくれた人?」

 

「そうそう!胸にコブラの意匠がある赤い人!」

 

適当だな。一応あってるけど。

 

「あのコブラ男・・・・ブラッドスタークだっけ?相当強かったよな。殺せんせーをあそこまで圧倒するなんて・・・」

 

「でも、まだ本気じゃない、って感じだったよね。一体何者なんだろう・・・。なんか殺せんせーとまた違った怪物共戦ってたけど・・・」

 

「にゅや?私と違った怪物?」

 

「うん、あのコブラさんが最初に来て不良を後して言ってたんだけど、その後青い歯車が付いている人が来て、不良の一人に煙を撒いたの。そしたら、その不良が怪物に・・・」

 

そうだ・・・・あのカイザーっていうやつ、なんであいつはスチームブレードを持っていたんだ?あれは俺が作ったものだ。設計図等を作り上げたのは俺の父さんだが・・・・!まさか・・・、あいつは父さんの研究を知っている人物なのか?だとしたら誰だ?一体誰が・・・。

 

「惣一君?どうしたの?」

 

「っ!あ、あぁ・・なんでもない。とにかく、無事でよかった」

 

どうやら顔に出てたらしい、気をつけないとな。

 

「ちょっと疲れちまったから、部屋に戻って休んでるよ」

 

「あ、あぁ・・大丈夫か?」

 

「大丈夫だ、ちょっと休めば問題ない」

 

杉野に心配されたが、そう返して部屋に移動する。中には誰もいなく、大部屋に一人だけだ。

 

「はぁ・・・これから色々と大変そうだな・・・」

 

これからはスマッシュの対処だけでなく、カイザーのことも調べなければならない・・・・。

 

「・・・なぁ、エボルト。お前はどう思う?あのカイザーの事・・」

 

『大幅、お前の予想通りだろうな。奴は間違いなく、お前の父親・・・・石動健二(いするぎけんじ)の研究を知っているだろう。そうでもなければ、あの技術を持っているはずがないからな』

 

「やっぱりか・・・・」

 

カイザーの正体は父さんの研究の関係者、もうこれは間違いないだろう。だが、それでも数は多い。絞り込むにはまだ情報が足りないか・・・。

 

エボルトと話していると、いきなり部屋の扉が開いた。

 

「いや〜、今回は君のおかげでどうにかなりましたね」

 

「殺せんせーか・・・・一体何のことだ?」

 

「ヌルフフフ・・私が気づかないと思いましたか?石動君・・・・あなたがブラッドスタークですね?」

 

っ!・・まさか、気づかれるとはな。

 

「ブラッドスタークって有希子と茅野を助けた奴のことだろう?なんで俺だと思うんだ?」

 

「あなたがあの場にいない理由は神崎さんに聞きました。不良達を追いかけて迷子になり、しらみつぶしに探していたと。それはおかしい。私はあの廃工場に着く前に、君と同じように他の場所をしらみつぶしに探していました。にもかかわらず、私はその間に君を見ていない」

 

まさか・・・あの前にそんなことをしていたとはな。さすがはマッハ20といったところか・・・。

 

「さらにいうと、先ほどあなたは茅野さんの口から語られたブラッドスタークを聞いた時、大して反応はしませんでしたね。普通に考えれば『胸にコブラの意匠がある赤い人』なんて言われて、多少の反応は必ずあるものです。ですが、君は反応しなかった。まるで最初から知っていたかのように・そして・・・・」

 

殺せんせーはそこで一回口を閉じる。その顔は、とても穏やかだった。

 

「ブラッドスタークに対する神崎さんの視線です。いくら自分たちを助けてくれたとはいえ、外見は怪人そのもの。茅野さんのように怯えるのが普通ですが、彼女は怯えなかった。それどころかブラッドスタークに対して安心していて、それでいて心配している視線でした。そこまで考えると、おのずと答えは出て来ます。わざわざ自分が迷子になっていたといって嘘をつき、自分が何をしていたのか明かさなかった神崎さんにもっとも親しい人物、つまり石動君、あなたがブラッドスタークです」

 

・・・まさか有希子の視線でそこまでたどり着けるとはな。どうする?エボルト。

 

『さすがにそこまでバレちゃ、反論のしようがない。一旦俺に変われ』

 

今度は何する気だ?

 

『ただ話すだけさ、俺のことも含めて』

 

いいのか?仮にもお前は地球外生命体だぞ?

 

『この教師のことだ。俺のことを話しても、お前に危害を加えるはずがないさ』

 

そうか・・・わかった、一旦任せる。

 

『あぁ、任された』

 

 

 

惣一side out

・・・・・・・・

エボルトside

 

 

 

俺は惣一から体を借り、殺せんせーの前に立つ。

 

『お見事だよ、殺せんせー。まさか、それだけでブラッドスタークの正体にたどり着くとはな』

 

「その声は・・・・やはり、あなたがブラッドスターク・・・」

 

『だが、まだ足りない。確かにブラッドスタークの変身者は石動惣一だし、二人を助けたのは惣一の意思だ』

 

「足りない?どういうことですか?それにまるで自分であって自分でない方に言いますが・・・・」

 

やはり、俺の存在まではたどり着いていなかったか。だが、ブラッドスタークの正体がバレた以上、俺を隠す必要もない。

 

『その通りだよ、あくまでも二人を助けたのは惣一であり、俺ではない』

 

「まさか・・・二重人格!?」

 

『惜しい!!正解は、惣一の中にもう一つの存在が入っている、ってことだ。そしてその存在がこの俺だ。俺の名はエボルト。数年前から惣一の中に宿る地球外生命体だ』

 

「地球外・・生命体!?」

 

『お前とは前から話はしてみたかったんだよ。俺と同じで地球を破壊できるエネルギーを秘めていながら、教師をしているお前と。あぁ、安心しろ。俺は地球を破壊するつもりはないからな』

 

「・・・先ほど、あなたは『二人を助けたのは石動君の意思』と言いましたが、もしや私と戦ったのは・・」

 

『今度は正解だ!!あの時お前と戦ったのは、いまと同じように惣一の体を借りていた俺だ』

 

「私と同じように、地球を破壊できるのであればあそこまで強いのも頷けますね。エボルトさん、惣一君も。今日はありがとうございます」

 

『あぁ?』

 

いきなりお礼を言われて戸惑ってしまう。惣一はともかく、俺はこいつと戦ったぐらいだけどな・・・・。

 

「私の生徒を助けてくれて、エボルトさんもあの戦いで、あなたの後ろにいた二人を人質にすることもできた。にも関わらずしなかったのは、あなた自身も彼女たちを大事にしているからですね?」

 

『おいおい、いきなり何言ってんだ?俺の攻撃は下手したらお前の生徒に当たってたぞ?』

 

「その割には、あの時に私でも防げる程度に威力を抑えてましたね。あなたには余裕があったのに」

 

っ!・・・まさか、無意識とはいえそんなことを俺がしていたとはな。惣一や有希子と過ごして、俺にも情が湧いちまったってことか。

 

『・・・ま、ここは受け取っておいてやるよ。俺もこれからは、時々お前の暗殺に加わるから、そん時はよろしく頼むぜ』

 

「えぇ、いつでも」

 

ここでバレちまったのは想定外だが、おかげでこれから楽しくなりそうだぜ。

 

 

 

 

エボルトside out

・・・・・・・・・・・

惣一side

 

 

 

殺せんせーに正体がばれ、エボルトが存在を明かした後、旅館の風呂に入ったり、飯を食ったり、なんか殺せんせーの暗殺が始まったりと色々あった。よくもまぁそんな体力が残ってるよ・・・。

 

だが、そのあとはみんな疲れたのか泥のように眠っている。

 

俺は一人なかなか寝付けず、布団を抜け出して部屋をこっそり出る。ちなみにエボルトは寝ている。いつものことだが、地球外生命体にも寝る概念があるんだな。

 

「惣一君」

 

「ん?」

 

いきなり俺を呼ぶ声が聞こえ、そちらを見ると有希子がいた。

 

「なんだ、有希子。お前も寝付けないのか?」

 

「うん・・まぁ・・・」

 

有希子は曖昧な返事をすると、俺の隣に立つ。お互い口を開かず、沈黙が訪れた。

 

しばらくして有希子が話しかけてきた。

 

「今日・・・ありがとう、助けてくれて」

 

「・・そのぐらい、お安い御用だよ」

 

「これで、二回も助けてもらっちゃった」

 

確かに、俺が有希子を助けたのはこれで二回目だ。まぁ、その話はそのうちするとして・・・、

 

「そんなこと、俺は気にしないよ」

 

「そ、そう・・・・・・・」

 

再び沈黙が訪れる。

 

俺は人る気になることがある。このことは聞いてはいけないことなのかもしれない。だが、聞いておかなきゃいけない気がする。

 

「・・なぁ有希子、あの写真なんだけど・・・・」

 

『写真』という単語を聞いた瞬間、有希子が一瞬動揺した。やっぱり、触れて欲しく話題だったか・・・。そう思っていると、有希子が口を開いた。

 

「惣一君は知ってると思うけど・・うちって親が厳しいでしょ?良い肩書きばっか求めてきてね、そんな肩書き生活から逃げたくて、誰も私を知らない場所で、姿を変えて遊んでたの。それが、あの写真・・・」

 

まさか、有希子にそんな過去があったなんてな・・・。おそらく、俺と再会する前の話なのだろう。

 

「あの頃は相談できる人もいなくて・・・・バカだよね。それで遊んだ結果が『ENDのE組』。・・・・私、何がしたいんだろう・・・」

 

「・・・確かに、その時は相談できるやつはいなかったかもしれない。でも、今は違う」

 

「えっ?」

 

「俺がいるだろう?俺だけじゃない、エボルトだっている。なんかあるなら相談しにこい。何ができるかわからないけど、絶対に助けになってやるさ。・・・・もうお前は一人じゃない、そのことをしっかりと覚えておけ」

 

「惣一君・・・」

 

「お前の過去がどうだったとか、俺もエボルトも気にしないさ。俺たちにとって、お前が大切な存在であることに変わりはないからさ」

 

「えっ//」

 

?なんか有希子の顔が赤いけど、どうしたんだ?

 

「顔赤いけど、大丈夫か?」

 

「へっ!?あ、う、うん、大丈夫・・・大丈夫だよ」

 

いきなりどうしたんだ?こんなに慌てて・・・。

 

「そ、それじゃあ、そろそろ戻るね、おやすみ」

 

「あ、あぁ、おやすみ」

 

有希子はそう言って足早に戻って行った。本当に大丈夫か?

 

 

 

 




なんか主人公の性格が定まらないな・・・どうしよう。

次回はあの転校生が来る話ですが、その前に番外編で今回の話に出てきた惣一と有希子の再会の話を描こうと思います。

楽しみにしてくださってる方には申し訳有りませんが、転校生に話はしばらくお待ちください。

感想、評価等よろしくお願いします!

それでは、チャオ!!

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