地球外生命体を宿した暗殺者   作:蛇廻

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惣「あっれ〜?あいつどこ行った?」

有「どうしたの、惣一君?」

惣「おぉ有希子、万丈見なかった?」

有「万丈君?見てないけど・・・」

エ『ほら、前回のあらすじで惣一がタイムアタックあらすじ紹介をやってただろ?それを今回は万丈にやらせようって話だったんだが・・・・』

惣「あのやろぉ・・・逃げやがったな!!」

エ『なぁ、惣一・・・そんなことしている間に本編始まるぞ?』

惣「え、ちょっと待・・」




第61話 決着、暗殺ケイドロ!

殺せんせーの発案で開始された『暗殺ケイドロ』。生徒は裏山を使って個人で、あるいはグループになって逃げていたが、仲間が次々と捕まっていく事態に戦慄する。

 

捕まってしまった仲間を助けようと牢屋に向かう彼らの目に飛び込んでくるのは、音速タコによってドリルをやらされている仲間の姿!

 

「ヌルフフフ、泥棒どもが悔しそうに見てますねぇ。本官がここにいれば救出も出来まいて」

 

「くっそ〜・・・・警官のカッコした途端に高圧的になりやがって・・・」

 

「黙らっしゃい囚人ども!!大人しく警務作業に没頭したまえ!!」

 

「警務作業って・・・・」

 

「要はドリルで勉強させたいだけだろーが」

 

牢屋内でこんなやりとりが行われている間にも次々と捕まっていく生徒。渚や杉野がすぐ近くに待機して機会を窺っているが、殺せんせーがいる以上救出は困難を極める。

 

「どうにかして隙が出来れば・・」

 

「つっても、どうするよ?こうしてる間にもどんどん捕まっていってるぞ」

 

万丈の言う通り、スマホからは律による確保情報が次々と舞い込んでくる。このままの速度で捕まっていけば、30分もしたら全滅してしまうぐらいの勢いだ。なんせ鬼ごっこと言えど、烏間先生も手加減など一切無しの本気なのだから!

 

全滅を阻止するためには牢屋にいる生徒をタッチして解放しなければならない。しかし、その牢屋には殺せんせーが。どうにかしてマッハ20を越えるか、はたまた殺せんせーを無力化しない限り、助け出すことは0%に近い。

 

「・・そうだ!」

 

「お、何か思い浮かんだのか岡島?」

 

「まぁ見てろ」

 

そう言って立ち上がった岡島はポケットに仕舞っていたある物を取り出した。それは、水着姿の女性の写真。それも一枚では無く、何枚かの束で殺せんせーの前にチラつかせた。

 

「にゅや?」

 

それに気づいた殺せんせーは、無言でそれを受け取ると胸ポケットの中へと仕舞い込み・・・・・・

 

「一回だけだぞ」

 

「今だ渚、杉野〜!!」

 

不祥事①・収賄。殺せんせーが水着写真を見入っている間に近くにいた渚と杉野の2人が牢屋で捕まっている生徒達にタッチし、解放していく。そしてその情報は、律を通して烏間先生へと伝えられた。

 

驚愕し、額に青筋マークが浮かぶ烏間先生。牢屋には殺せんせーがいる以上絶対にありえない泥棒(生徒)の脱走に、確実に原因である存在へと電話をかける。

 

『おい、どうして捉えた泥棒が逃げてるんだ・・・?』

 

「いや〜、思いの外奴らやり手でヌっひょ〜この乳ヤッベェ!!」

 

『物で釣られたな!!次に送る連中は、絶対に逃すんじゃないぞ!!』

 

そう念を押してから通話は切れる。程なくして烏間先生に捕まった矢田、寺坂、吉田達が牢屋へとやってくる。のだが・・・・・

 

「実はね、殺せんせー・・・弟が重い病気で寝込んでるの・・・」

 

突然そんなことを話し始める矢田。誰も妨害することなく、その話に聞き入る。

 

「ケイドロやるってメールしたら、絶対・・・勝ってねって・・・・・・捕まったって知ったら、あの子、きっとショックで・・・!」

 

「行け」

 

「え?」

 

「本官は泥棒なんて見なかった・・・・行け!」

 

「わ〜いありがと〜♪」

 

不祥事②・純情派。仲間にタッチされたわけでもないが、殺せんせーに一言で牢屋にいた生徒はみんな逃げていく。無論、殺せんせーに捕まることなく難なくと。

 

『烏間さん、聞こえるか?どうして犯人が牢屋から脱走するんだ!?』

 

「こっちのセリフだザル警官!!」

 

「・・・何やってんのあの人達・・・」

 

『さぁな・・・・』

 

その後もケイドロは続くが、同じように殺せんせーの汚職も続いていく。賄賂やサボりで次々と生徒達を逃がしてしまうのだ。あまりにもそれが続いたため、とうとう烏間先生の標的が生徒(泥棒)から殺せんせー(同僚)へと変わってしまった。

 

「あのバカタコはどこにいる!出てこい!!」

 

「ヒマだからって長野まで信州そば食べに行きましたよ」

 

両手に銃を携えて裏山から牢屋へとやって来た烏間先生だったが、残念ながら目的の殺せんせーは長野県に行ってるらしい。忘れてはいけない、一応今は授業中である。

 

結局ケイドロは一時中断、程なくして戻ってきた殺せんせーに烏間先生に雷が炸裂してしまう。

 

「これじゃあゲームとしても授業としても成り立たない!次逃したら、俺は降りるぞ!!」

 

「えぇ、もう逃したりしませんよ。・・・でもね烏間先生、ここからは泥棒の性能も上がっていますよ」

 

「・・・何?」

 

再開する暗殺ケイドロ。しかし一体どうしたことか、先ほどまでと違い生徒が捕まる確率が格段に減っていた。それもそのはず、烏間先生が生徒の気配を捉えにくくなったからだ。

 

実を言うと、牢屋から逃げる直前に、殺せんせーからあるアドバイスを受けていた。

 

『烏間先生は君たちの痕跡を追っているはずですよ』

 

逆に言えば、その痕跡・・・・足跡や植物の乱れなどが確認出来なければ、烏間先生に見つかる確率が減る。そこでさらに、授業で習ったフリーランニングの基礎的な動きである縦移動や横移動、ロングジャンプ等を駆使すれば、その確率もさらに減る。さらには四人小隊を組んで、烏間先生の接近にはいち早く察知する動き。明らかに開始直後とは違い、烏間先生一人では全員を時間内に捕まえることは不可能と思わせるところまでいくことに成功した。

 

「まさか足跡を隠したりするだけで、こうも変わるとはな」

 

『だが、今のままじゃ”烏間には捕まらない”程度。残り1分になってあのタコが動き出せば、結局は全員捕まって終わりだぞ?』

 

「・・・・・よし、ひとまず有希子達と合流しよう。話はそれからだ」

 

『お?何か策があんのか?』

 

「あるにはあるが・・・・一人じゃ不可能だ。まずは・・・・・・」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

生徒を探すこと数分。何人かは捕まえることに成功するが、やはり全員には程遠い。そんな折、彼らを見つけた。E組の中でも機動力に最も優れている5人組、惣一・木村・前原・岡野・片岡だ。挑戦か、はたまた挑発か・・・・・どちらにせよ、多少は燃える烏間先生である。

 

「左前方の崖は危ないから立ち入るな。そこ以外で勝負だ」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

散り散りになって逃げ出す5人。こうしてしっかりと動いているところを見ると改めて実感する。自らの教えは確かに生徒達の中に染みつき始めていると。とはいえ・・・・・まだまだではある。多少の時間はかかってしまうが、烏間先生は岡野、木村、前原、片岡と次々と捕まえていく。

 

『おい!もう他の四人は捕まっちまったぞ!!』

 

「もっとスピードを上げる!!ここで捕まるわけにはいかない!!」

 

「逃がさん!!」

 

逃げる惣一、追う烏間先生。殺せんせーとはまた別の二人の怪物の追いかけっこが始まる。ステージは山全体。上下左右の360度全てを生かしての戦いだ。

 

崖があったら跳び、木の枝を飛び移ってどんどん奥まで駆けていく。普通に地面を走るよりも、圧倒的に速い。しかし、やはり上はいるものだ。すでにある程度も動きの予測をしていた烏間先生は別ルートで先へと回り込んでしまっている。

 

「うおっ!?」

 

「これで終わりだ!」

 

突然のことに、瞬時に引き返したりすることができない。残念ながら吸い込まれるように、惣一も確保されることとなった。

 

「クッソ!!もうちょっと逃げられると思ったのに!!」

 

「いや、俺の想像以上に遠くまで逃げられてしまったよ。これだけ逃げられれば十分ではある、しっかりと基礎も出来てるようだしな。・・・・・だが、もうすぐラスト1分。奴が動けば、このケイドロは君たちの負けだ」

 

「・・・ははっ、俺がただ逃げただけだと思いますか?」

 

「何?」

 

『烏間よぉ、お前さんはあのタコに乗って飛んだりはしないだろう?』

 

「?当然だ、そんな暇があれば刺している!」

 

「だったら烏間先生・・・・いくらあんたでも、ここから1分でプールまで(・・・・・)は戻れないですね」

 

「・・・しまった!!」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

烏間先生が惣一を捕まえて数秒、残り時間が1分になり殺せんせーが牢屋から動き出した。マッハ20を持ってすれば、1分以内に残りの全員を捕まえるなんて容易い・・・・・・その考えのもと動き出した殺せんせーは、捕まえる前にある場所で動きを止める。そう・・・・プールである。

 

プールの底には万丈、渚、カルマ、杉野の四人が潜っている。水が弱点の殺せんせーでは残りの一分間水の底に居続ける四人を確保することができない。そして当然、烏間先生を連れてくることも。まさになす術なし、あれよあれよと言う間に時間は過ぎていき、律によるタイムアップの合図が鳴り響いた。

 

「タイムアップ!全員逮捕ならず、泥棒側の勝利です!!」

 

「よっしゃ!!やったな惣一!!」

 

「なんとか烏間先生を惹きつけられて良かったよ」

 

「お疲れ様、惣一君」

 

『見てるこっちはハラハラしたぜ?』

 

全員校舎に集合し、そんなことを話す惣一達。兎にも角にも、暗殺ケイドロは無事に生徒達の勝利、景品のケーキも無事に手に入り、宿題二倍も回避し、二学期の滑り出しとしては順調そのものであったと言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・あの記事を見つけるまでは。

 

 

 

 

 

 

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