地球外生命体を宿した暗殺者   作:蛇廻

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惣「イトナの襲撃を無事に乗り切った殺せんせー。しかし、シロは触手に苛まれるイトナを見捨ててしまった。そんなイトナを救うべく殺せんせーは・・・」

有「あれ?惣一、何持ってるの?」

惣「あぁこれ?」

有「ボトル・・・・・とはちょっと違うっぽいけど・・」

惣「こいつもちゃんとしたボトルだよ。ただフルボトルじゃないってだけで。まぁこいつがなんなのかは・・・・第64話で確認してみよう」

有「え、今回で本当に分かるの?」

惣「さぁ?」

有「えぇ・・・・」



第64話 イトナの救出

イトナが飛び去って数分後、ネット上ではあるニュースが飛び交っていた。それが”携帯ショップ襲撃事件”。一つでもなく複数の携帯ショップが突然前触れもなく発生したことから様々な憶測が飛び交っており、携帯機器に使用されていた電子部品の暴発だのテロだの騒がれているが、このニュースを見ている殺せんせーや渚達には確信があった。これは間違いなく、イトナの仕業であると。スマホの画面に映る携帯ショップはかなり荒らされていて、見るも杜撰な姿へと成り代わっている。ここまで出来るのは、触手しかないと、全身触手の生物である殺せんせーは言う。

 

「これが全部・・・・イトナの仕業・・・」

 

「間違いなく、そうでしょうね。このような壊し方、触手じゃなければまず不可能・・」

 

「でも、どうして携帯ショップばっかり・・・?」

 

「どうしようね、せんせー?」

 

「担任として、責任を持って彼を止めます。探して、保護しなければ」

 

ひとまずイトナを探し出すことを最優先事項とする殺せんせー。シロという不確定要素はあるが、おそらく惣一が追いかけている以上、簡単に横槍を入れられないはずだ。

 

「つっても、どうやって探す?」

 

「ひとまず襲撃された携帯ショップに向かいましょう。まだ近くにいるはずです」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

探すこと数分、目的の人物はそこまで苦労することなく探し出すことができた。案の定携帯ショップ付近に隠れており、真っ黒に染まったその触手には数台のスマホが握りつぶされている。イトナの顔はとても苦しそうで、それでいて何かに思い悩んでいる様な表情で染まっていた。

 

「やっと人間らしい顔で見れました、イトナ君」

 

「・・兄さん・・・」

 

「殺せんせーと呼んでください。私は君の担任ですから」

 

「拗ねて暴れてんじゃねぇ〜ぞ、イトナ。テメーにゃ色んなことされたがよ、水に流してやっから大人しくついてこいや」

 

「うるさい・・!勝負だ・・・・今度は・・勝つ・・!」

 

「もちろん勝負してもいいのですが、お互い国家機密の身・・・・・どこかの空き地でやりませんか?それが終わったら、そこでバーベキューでも食べながら、皆でせんせーの殺し方でも勉強しましょう」

 

「そのタコしつこいよ〜?一度担任になったら地獄の果てまで教えに来るから」

 

「ヌルフフフ!当然ですよ、目の前に生徒がいるのだから、教えたくなるのが先生の本能です」

 

 

瞬間、突如として巻き起こった煙がその場を覆った。それもただの煙ではなく、対殺せんせー物質のパウダー。殺せんせーやイトナの触手が溶け始める。

 

「やれやれ・・・・・随分と好きに暴れたみたいだな。イトナ君」

 

「あ!テメーは!!」

 

「夏休み以来だな、万丈龍我君。そしてE組の生徒達と殺せんせー」

 

「あなたは・・・ビルド・・!」

 

同時に姿を表したのはビルド・ラビットタンク。その手にはすでにドリルクラッシャーが握られており、銃口を生徒達に向けている。

 

「な、なぜあなたが・・!」

 

「カイザー・・・・・シロとは協力関係なのは知っているだろう?本来であればこの場には彼が赴くはずだったのだが、惣一とエボルトが邪魔をしているとのことでね、代わりに私が彼を回収しに来たんだ」

 

「回収だと・・!?」

 

「彼を泳がせたのも、計算の内ということさ」

 

どこからか取り出したスイッチを起動した瞬間、ビルドの背後にあった貨物車から網が飛び出し、イトナを確保する。それと同時に車は動き出し、イトナが連れ去られてしまう。

 

「さて、私の役割もここまで・・・・あとは君たちの好きにするといいさ」

 

『忍者!コミック!ベストマッチ!』

 

「どう言うことです?」

 

「頼まれた以上、最低限のことはするだけさ・・・それよりいいのか?さっきイトナ君を確保したのは先ほどのパウダーと同じ、対殺せんせー物質で出来ている。このままだと彼の触手は溶かされ続けるぞ?」

 

『Are you Ready?ニンニンコミック!』

 

『四コマ忍法刀!』

 

「それではこれで、惣一によろしく伝えておいてくれ」

 

『隠れ身の術!ドロン!』

 

ビルドを中心に再び巻かれる煙。先ほどと違うのは、この煙は対殺せんせー物質ではないということ。煙が晴れる頃には、ビルドの姿は跡形もなく消えていた。

 

「・・・皆さんは大丈夫ですか?」

 

「う、うん・・・」

 

「それでしたら、先生はイトナ君を助けに行きます!」

 

ビルドの目的はなんであれ、やることは変わらない。殺せんせーは渚達の無事を確認すると、すぐさまイトナ救出のために飛んでいった。残された生徒達は、怒涛の展開に少し置いてけぼり状態になりつつあったが、それでもはっきりとしていることがあった。ビルドの目的がなんであろうと、シロの差金なのは動かぬ事実。再び駒にされたことへ静かな怒りを宿していた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

イトナを救出するために飛び出した殺せんせーは、すぐにその車を発見する。案の定イトナの触手は溶かされ始めており、助け出そうにも触ることができない。ならばと車へ向かおうとした瞬間、近くの木々からいつかの紫色の圧力光線が放たれる。殺せんせーの動きを一瞬でも止めるこの圧力光線によって動きが鈍ってしまう。

 

「やれ、狙いはイトナだ」

 

イトナに向かって放たれる対殺せんせー弾。殺せんせーはイトナを守るために、その弾をあえて受ける。服や風圧で弾くことによって致命傷は避けつつ、指示をした男を確認する。

 

「あなたは・・シロさん!なぜここに!!」

 

「石動惣一のことかい?彼なら軽くいなしておいたよ。今頃・・・・ふふ」

 

そんな話を聞きながら、しかし何もできずにいるイトナ。意識も朦朧とし、グリスに変身しようにも右手が動かない。せめて変身できればライダーシステムの装甲が体を覆って触手を守れるも、それもままならない。イトナは痛いほどに、自らの無力感を味わってしまう。協力者には見捨てられ、殺すべき相手には守られ、自分はそれを黙って見ているしかできない。このまま何もかも終わってしまうのか・・・・・そんな考えは、彼ら(・・)によって覆された。

 

「はっはははは!!」

 

「ふっ、ほっ、よいしょ!!」

 

どこからか現れたカルマ、前原の二人が木の上から撃っていた男達を蹴り落とし、それをしたで待機していた杉野や矢田達が布で確保、そのまま簀巻きに拘束する。

 

突然の想定外のことに固まっている他の男の元へは岡野が襲来、足で顔を挟んで男だけを木から落とす。さらに別の男の元へは寺坂が現れる。

 

「これ、対タコの布の服だろ?おかげでタコに変わって俺らが落とさなきゃなんねーだろうが!」

 

「寺坂!木の上のライト頼む!」

 

「お〜う!」

 

渚やカルマ達が呼んだのだろう、いつの間にか惣一以外のE組全員が集結し、シロの邪魔を決行していた。

 

「お前ら・・なんで・・・」

 

「勘違いしないでよね。シロの奴にムカついてただけなんだから・・・殺せんせーが行かなきゃ、私達だって放っておいたし」

 

「速水が”勘違いしないでよね”って言ったぞ」

 

「生ツンデレはいいものだ」

 

さて、突然の生徒達の襲来により、シロは呆気に取られそちらに意識を持っていかれてしまう。それは大きな隙になってしまい、殺せんせーがイトナを捕獲している網を根本ごと外してしまう。

 

「去りなさい、シロさん。イトナ君はこちらで引き取ります。あなたはいつも周到な計画を練りますが・・・生徒達を巻き込めばその計画は台無しになる。当たり前のことに早く気づいた方がいい」

 

「・・モンスターに小蝿達が群がるクラス・・・・大層うざったいねぇ。仕方ない、ここはこれを使って・・・・」

 

シロがネビュラスチームガンを取り出したのに反応し、生徒はそれぞれ身構え、万丈はドライバーを装着する。

 

「万丈君・・・惣一君は・・?」

 

「わっかんねぇ・・・シロのヤローを追いかけていったんだが・・・」

 

「おいそれってまさか・・・」

 

「そんな・・・エボルトさんもいるのに・・・」

 

「ブラッドスタークとナイトローグがいない以上、脅威となるいるのはクローズのみ・・・・・だがハザードレベル3.0を超えたばかりの中学生など、私の敵では・・・・・」

 

その言葉は、突如その場に何者かが放り込まれたことによって遮られた。右半身に赤い歯車が装着されている、クローズやグリスよりもブラッドスタークやナイトローグの怪人の方が容姿が近い、かつてシロが一度だけ見せたカイザーと呼ばれた姿に酷似しているそいつは、火花が飛び散り始めている体を抑えながら苦しそうに立ち上がる。

 

「あ〜!テメーは確か・・・・カイザーリバース!!」

 

「馬鹿な!?なぜお前がここに・・!?」

 

「おい・・・こんな話聞いてねぇぞ、なんだよあのバケモンは!!」

 

『スチームブレイク!コブラ!』

 

E組にとって聞き慣れ始めているその音は、正しく彼の存在を示していた。しかし、そこにいたのは彼らが想像していた姿ではなく、宇宙の様なアンダースーツに紅と金の装甲が付いており、腰には紅いビルドドライバーが装着されている。そこには2本の見たことがないボトルが嵌められているが、少なくとも彼の代名詞と言えるコブラが使われているであろうことは理解できた。

 

「お、お前・・・・」

 

「惣一君・・・なの?」

 

「貴様・・・・・その姿は、まさか・・・」

 

シロの言葉に、その存在ははっきりとこう答えた。

 

 

 

『エボル・フェーズ1・・・』

 

と。

 

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