エ『てかどう考えても罠だろ。まぁ、あのタコが放置するわけがないだろうけどさ』
惣「餌が分かりやすすぎるんだよ、あの担任は!だから俺たち生徒も動かないと・・・」
万「いやいやいやいや!もっと大事なことあんだろ!!」
惣「あ?どした万丈?」
有「私達からしたら、そっちよりも最後に出てきたエボルの方が気になるんだけど・・・・」
エ『お、なんだ気になるのか?それじゃあしょうがない!俺が直々に教えて・・・・』
惣「説明より本編見た方が早い、というわけで第65話スタート!!」
エ『あ、おい惣一テメェ!!』
時間は惣一がシロを追いかけているところまで戻ろう。イトナのことを殺せんせーや万丈達に任せ単身シロの追跡をしたのは、シロがこんなあっさりと手を引くわけがないという確信があったから。
『待てシロ!!』
今現在シロは生身、対して自分は烝血済み。力の差は歴然であり、今なら追いつくことも取り押さえることも容易いはず。とにかく、奴がネビュラスチームガンを取り出したらそれを撃ち抜くぐらいのつもりでトランスチームガンの銃口をシロへと向ける。
「・・・石動惣一か・・・イトナは放っておいていいのかい?」
『あいつのことは他の奴らやうちの担任に任せたさ。少なくともあいつに関して俺がやれることは少ねぇ・・・・それよりも、あんたの話を聞く方が重要だ』
「話ね・・・確かに君の誘いに乗るのはやぶさかではないが・・・・生憎だが今は時間が無くてね」
『イトナを使ってまだ何か企んでるんだろ?』
「なんだ、気づいていたのか?」
『お前があんなあっさりと手を引くわけがねぇからな』
「お見通し、か・・・・ふふふ。だが、先ほど言ったように今君の相手をしている暇は無くてね。代わりと言ってはなんだが・・・・彼らに相手してもらいなさい」
『あ?』
惣一がシロを撃つ前に横からの襲撃が来る。そこにいたのは一体のスマッシュと、何時ぞやの赤いカイザー、カイザーリバースであった。
『テメェは確か・・・カイザーリバースか』
「何時ぞやの研究所以来だな。会えて嬉しいぞ?」
「されではこの場は頼んだよ、カイザーリバース」
『待て・・』
「おぉっと!君の相手は俺たちさ!!」
立ち去ろうとするシロ。慌てて銃口を向けるも、カイザーリバースに邪魔をされてみすみす逃してしまう。
『クソが!邪魔しやがって!』
「それが我々に与えられた指示だからな。ひとまず、こいつでお相手しよう」
カイザーリバースの声に合わせて前に出てくるスマッシュ。それは惣一にとって、
『そのスマッシュ・・・』
「当然覚えているだろう。君の今の相棒の妹だったものだ。最も、中身は違うがな』
『・・相棒じゃねぇよ、精々助手だ』
「そうか、それは失礼。・・・・・やれ」
指示を受けるや否やスマッシュは動き出す。自らの特性を活かして炎をその身に纏い、格闘戦へと待ち込もうとする。その攻撃を腕を横に逸らすが、どう言うわけか攻撃を仕掛けない惣一。どうしても、彼女の存在が脳裏に浮かんでしまう。中身が違うと分かっていても、どうしても。
「ははは!!攻撃できないか!!中身が違うと分かっていても尚!!はっはは!!」
笑われても、それでも惣一に変化は無い。むしろ逸らすことすらしなくなり、スマッシュの攻撃を受け始める。やがてブラッドスタークの装甲が耐えきれず、消失してしまった。
「それもそうか!そのスマッシュとの戦いは貴様の人生の変換点・・・いわばターニングポイントだもんなぁ!!そいつとの戦いがあったからお前は万丈龍我と共に歩く道を選んだ!!万丈龍我と出会ったからお前の日々は大きく変わった!!お前は!万丈龍我の妹を犠牲に自分の日常を変えたんだ!!・・・・・・・さて、あまり時間をかけても仕方ない。そろそろ終わりにしよう」
膝をつく惣一。そんな惣一を見て、カイザーリバースは大声をあげて笑う飛ばし、スチームブレードを取り出す。
『・・・変わるか、惣一?あいつには俺もキレてきた』
「いや・・・必要無いさ、エボルト・・・・あいつも、あのスマッシュも、俺が倒す」
「倒す?その体たらくで?・・・・・・・お生憎様、そんな戦い方で勝てるほど、私たちは弱くないわよ」
「ごちゃごちゃうるせぇ、それと気持ち悪いこと言ってんじゃねぇ。俺が万丈と共に歩く道を選んだ?とんだ勘違いだな、そんなつもりはさらさら無い」
「・・・・」
「確かに俺の日常は変わったさ。有希子と再会し、万丈と出会い・・・・・・だが、それだけじゃない。今俺が、こうしてここに居れるのは、あいつらが・・・・E組のみんなが居たからだ。決して俺一人でこの道を手にしたんじゃない・・・・あいつらが居たからこそ、俺はこの道を歩めているんだ!」
『惣一・・・・』
「まだあの教室でやるべきことが・・やらなきゃいけないことが大量に残ってるんだ。こんなところでやられるつもりは毛頭無い!!」
その宣言と共に惣一が取り出したのは、本来の黒の要素が一切無い紅いビルドドライバー。より正確に表すのならば、
『エボルドライバー!』
普段の変身アイテムであるトランスチームガンとは違うそれを、惣一は腰に充てがう。その瞬間にドライバーより排出されたベルトが自動的に惣一の腰へと巻きつく。
続けて取り出したのは2本のボトル。彼らが”エボルボトル”と呼称するフルボトルとは些か異なる形状のそれを、かつて見たビルドのようにドライバーへと装填する。
『コブラ!ライダーシステム!エボリューション!!』
エボルドライバーのレバーを回すことにより、ビルドドライバーと同様ドライバーから伸びたパイプがエボルの装甲を作り出す。しかし、その姿は靄がかかってはっきりとしない。
『Are you Ready?』
「・・・変身!」
『コブラ!コブラ!エボルコブラ!!フッハッハッハッハ!!』
ビルドと似たような変身プロセスにも関わらず、その姿は全く違う。全身には金の派手な装飾が施され、至る所に宇宙を彷彿とさせるような装甲を身に纏っている。
「・・その姿は・・・」
刹那、カイザーリバースは背後からの攻撃によって飛ばされた。慌てて確認するも、そこに居たのは今さっきまで目前にいたはずの、新たな姿へと変身した惣一。その情報を取り入れた瞬間、再び横からの攻撃を喰らう。反撃の隙が一向に来ない。やられるがままに攻撃を喰らい、ついには宙を舞うカイザーリバース。いつの間にか、戦いの場はE組とシロが対面している場に移されていた。
上空から地面に叩きつけられるカイザーリバース。突然のことにその場にいた全員が驚くが、攻撃の手は緩まれない。
『スチームブレイク!コブラ!』
ドライバーに装填していたコブラエボルボトルをトランスチームガンに装填、放たれるコブラを模した光弾がカイザーリバースを襲う。
「貴様・・・その姿は、まさか・・・・」
『エボル・フェーズ1・・・』
全員の視線が集中する。見慣れてきたブラッドスタークとは全く異なる姿。人によっては恐怖すら感じるであろうその姿に、視線を外せなくなる。そして、それはシロも同様だ。ブラッドスターク・・・石動惣一はカイザーリバースが抑えた、だから自分は
しかし、その目論見は大きく外れることとなった。あくまでも
事実上、仮面ライダーエボルは自分が作ったあらゆるシステムのスペックを凌駕する。トランスチームシステムのブラッドスタークとナイトローグ、ネヴュラスチームシステムのカイザーとカイザーリバース、ライダーシステムのクローズとグリス・・・・そしてビルド、その全てのスペックを大きく上回っている。
少なくとも確定なのは、ここで自分がカイザーになっても敵う相手ではないということ。
「・・・・ここいらで撤退か・・・・・まさか君がエボルの力を扱えるようになっていたとはね。君に免じて、ここは撤収することにするよ。・・・・・・イトナは君たちにくれてやるよ」
そういうと、シロはカイザーリバースを回収、宣言通りイトナを置いてさっさと撤収していった。
残されたのはE組生徒一同と殺せんせー、そして弱ったイトナ。エボルはドライバーからボトルを抜き取り、装甲が消え去る。
「惣一君・・・」
「惣一・・・・さっきのは・・・」
「・・・話は後だ、今最優先にしなきゃいけないのはイトナだろう?」
((((((いや、そう言われても気になるよ・・・!!))))))
しかし、惣一の言い分も最もだ。惣一の話を聞く分には時間制限は一切無いが、イトナを救うにはそこまで時間があるわけではない。どちらを優先するかなど、分かりきっている。
「殺せんせー、イトナはどういう状況なんだ?」
「ニュウ・・・・・触手は、意思の強さで動かすものです。イトナ君に力や勝利への病的な執着がある限り、触手細胞は強く癒着して離れません。そうこうしているうちに、肉体は強い負荷を受け続けて衰弱していき、最後は触手諸共蒸発して死んでしまう」
「それは・・・いくらなんでもかわいそーだな・・・」
「イトナはねびゅ・・・ねびゅ・・・えー・・・」
「ネビュラガスか?」
「そうそれ!そいつを注入しているんだろ?だったら普通の人間より肉体は頑丈じゃねぇのか?」
「いや・・・ネビュラガスは人の体に大きな影響を及ぼす。それこそスマッシュのように、場合によっては肉体の細胞を大きく変質させてしまう。そんなネビュラガスが、触手細胞と組み合わされた場合肉体にどんな影響を及ぼすか計り知れない。タイムリミットが長くなるのか・・・・それとも短くなるのか・・・・さっぱり分からない」
「でも、今までは大丈夫だったんだよね・・?だったら、そこまで大きな影響は出ないんじゃ・・・」
「殺せんせー、なんでイトナは、急にこんなに苦しみ出したんだ?」
「私のように全身に触手細胞があるのと違い、イトナ君のように人間の肉体の一部に植えた場合、定期的なメンテが必要のはずです。しかし、それを担っていたのは・・・」
「シロの野郎か・・・」
「今まではメンテナンスされてたから平気だったかもしれないが、それが出来なくなった今、どうなるかなんて誰にも分からない」
「殺せんせーは、そのメンテナンスって出来ないの?」
「むむ無理です!!先生はあくまでも全身が触手ってだけでそんなメンテナンスなんて・・!」
「あぁうん、分かった分かった」
「惣一君はどう?」
「ライダーシステムやネビュラガスの方はともかく、触手に関する知識を俺は持ち合わせていない」
「んだよ天才って割には大したことないな」
「んだとおいこら筋肉バカ」
「んだよ」
「はいはい、今喧嘩しない」
『んで?結局どうすりゃいいんだ?』
なんか話が脱線し始めたので、エボルトがほぼ無理矢理路線を元に戻す。こうでもしないと話が進まない。
「彼から触手を切り離せば・・・・。しかし、それには彼の力への執着を消さなければいけません。そのためにも、
「原因ねぇ・・・」
「本人に聞きゃ良いじゃねぇか」
「そう簡単に話すとは思えねぇけどな」
『どうする?俺が無理矢理だがこいつの記憶を覗こうか?』
「いやいやいや、流石にそれは酷いっしょ」
「無理矢理はねぇ・・」
今更かもしれないが、流石に勝手に記憶を覗くのは少し非人道的かもしれない。このクラスの中にそれを良しとする人物は一人もいない。
「となると・・・」
「ねぇちょっといい?」
「ん?どうした不破?」
「気になってたんだ。どうしてイトナ君は携帯ショップを襲っていたのか。で、さっきまで律と何度かやり取りしてたんだ、機種とか戸籍とか、彼に繋がりそうなものを調べてもらって。そしたら・・・・堀部イトナって、ここの社長の息子だった」
律によって、全員の携帯に不破が見ているのと同じ画面が表示される。表示されているのは”堀部電子製作所”。以前は世界的にスマホの電子部品を提供していた小さな町工場だったのだが、一昨年負債を抱えて倒産、社長夫婦は息子を残して雲隠れしたらしい。
この情報だけでも、全員がなんとなく想像できた。イトナが力や勝利に固執する理由が。
「け、つまんねー。それでグレたってだけの話か」
「寺坂!!」
「皆それぞれ悩みはあんだよ。重い軽いはあんだろーがよ。でもよ、悩みとか苦労とか・・・案外どーでもよくなったりすんだわ」
寺坂はそういうと、イトナの襟首をつかみ上げる。
「俺らんとこでこいつの面倒見させろや。それで死んだら、そこまでだろ」
イトナを救うため、寺坂組が動き出した。