地球外生命体を宿した暗殺者   作:蛇廻

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惣「イトナを連れ去ったシロを追跡した俺とエボルトだったが、その前にカイザーリバースが立ち塞がった」

エ『ブラッドスタークとなりカイザーリバースの呼んだスマッシュとの戦闘を繰り広げた惣一だったが、精神を揺さぶられ何も出来なくなってしまった。・・・・・ったく、情けねぇな』

惣「仕方ねぇだろ、色々と思うところがあったんだから」

万「それよりも何だよあのエボルとかいうの!強すぎだろ!!」

エ『お、やっぱそう思うか?いや〜、やっぱいいねぇ、エボルは!!』

惣「自画自賛か?そもそも戦ってるのは俺だ!」

有「ねぇ、それよりもあのカイザーリバースっていう人・・・・・なんかおかしくない?」

万「え?そうか?特に何も思わなかったけど・・・」

惣「お前はバカだからな」

万「あ?」

惣「あ?」

有「二人とも、いい加減にして」

エ『喧嘩してる二人は放っておいて、イトナ救出の最新話をどうぞ!!』


第66話 消える力、得る力

イトナを救うために動き出した寺坂組の4人。しかし、とうの言い出しっぺである寺坂は完全に見切り発射だったようで、いきなり躓き出すところから始まった。

 

『おい・・・大丈夫か、あいつら?』

 

「任せるしかないだろ・・・・念のためイトナのライダーシステムは俺が預かってるし、対殺せんせー用のネットを加工したバンダナを付けてるから、大丈夫だろうけど・・・」

 

「いやいや、あんなの気休め程度だから!また発作が出て暴走したら、あんなんじゃ止められねーよ」

 

「とにかく、今は様子を見守るしか無いってことか・・・・」

 

ひとまず今は寺坂組の4人に任せるしかない。いざとなればすぐに駆けつけられる位置から見守りつつ、四人が村松の実家であるラーメン屋に入っていくのを確認する。

 

『おぉ、ラーメンか。そういやここ最近は食べてないな。おい惣一、今度ラーメン食いにいくぞ』

 

「・・・前から思ってたけどさ、エボルトってなんでラーメンは平気でパスタはダメなんだ?あれか、スープがないとダメとか?」

 

『んなの今はどうでもいいだろ、ほら、見てみろあのラーメンを。美味そうだろ?』

 

こいつ、はぐらかしやがった。まるで意識をラーメンに持っていこうとしているかのように、エボルトはイトナの前に置かれたラーメンを見るようにする。あ、因みに中を覗いたりしてたらあの四人に任せた意味が何もなくなるので、今はテレビフルボトルを使って中継映像を見ている。

 

「不味い」

 

次の瞬間、俺たちの耳に届いたのはイトナのその一言だった。あ、エボルトが固まった。

 

イトナ曰く、村松の家のラーメンは”一昔前の昭和のラーメン”とのこと。・・・・・なるほど、確かに今の俺たちはあまり好まないラーメンかもな。

 

しかし、不味くても取り敢えず腹を膨らますことには成功したらしい。そうしてやって来たのは吉田の家。そこに隣接しているバイクのサーキットコースだ。イトナを後ろに乗せ、吉田がバイクを爆走させる。

 

「いいの?中学生が無免で」

 

「まぁ、吉田ん家だし・・・・」

 

「そういえば、バイクって惣一も持ってるよな?お前もその・・免許?ってどうしてんだ?」

 

「・・・・・まぁ、知らない方がいいことって、あるよな」

 

「いや、どういう意味だよ!?」

 

そのまんまだ。そもそも確かにバイクは持っているが、そこまで多用はしていない。トランスチームガンの転移機能の方が便利だし早いからな。逆に少し時間を稼ぎたかったらバイクを使うけど。

 

そんなことを話していると、バイクだけじゃなく調子にも乗った吉田がドリフトをかまし、その遠心力によってイトナが吹っ飛んでしまった。あ、植木に頭から突っ込んだ。

 

「おいばか!早く助けだせ!これで暴走したらどうすんだ!?」

 

「いやいや、このぐらいじゃ大丈夫じゃね?」

 

とはいえ、万が一暴走したら吉田ん家は被害を免れないだろうな。慌ててイトナを助け出したが、むしろ放心状態で暴走の心配はなさそうだ。

 

『・・・なんだかんだ、案外あいつらと相性はいいのかもな』

 

「そうか?ただ馬鹿騒ぎしてるだけに見えるけど」

 

『だから良いんだろ、あいつには小難しいことを考えるんじゃなくて、ああやって馬鹿騒ぎした方が精神的に大事だってことだ』

 

そんなもんか・・・?あいにく俺にその考えはよく分からないからなぁ。

 

「まぁ、ちょっと馬鹿騒ぎしすぎなような気もするけど・・・・」

 

「あ、でも狭間さんなら頭もいいですし!」

 

とこちら側では期待値が上がってしまった狭間だが、当の本人は一体いつから持っていたのかある本をイトナに手渡した。

 

「復讐したいでしょ?シロの奴に・・・・・・名作復讐小説、モンテ・クリスト伯!全2500ページ・・・・・これを読んで暗い感情を増幅させなさい。最後は復讐止めるから、読まなくていいわ」

 

「難しいわ!!」

 

俺ほどではないにせよ、確かに狭間は頭は良い方のはずだ。しかし、少し暗い。しかも狭間はそれを嬉々として受け入れているから、それが変わることはないだろう。

 

「何よ、心の闇は大事にしなきゃ」

 

「狭間、お前は暗い上に小難しいんだよ!こいつ、見るからに頭悪そうじゃ・・・」

 

なんて寺坂と狭間が言い合っている中で、何やら様子がおかしくなるイトナ。次第に体を増えさせ、呼吸も荒い。

 

「やべ・・・なんか震えてね?」

 

「そりゃあ、寺坂にバカなんて言われたら怒りたくもなるだろ」

 

「いや、違う・・・・・触手が暴走し始めてる!」

 

何がきっかけか、イトナの触手が再び暴走を始めてしまう。・・・・・・・いや、どう考えてもきっかけは狭間の言葉だろうけど。しかし不味いな、いくらライダーシステムやフルボトルは俺が持っているとはいえ、触手だけでも生身には危険すぎる。

 

『どうする、介入するか?』

 

「いやするべきだろ!!このままじゃ携帯ショップの二の舞だぞ!!」

 

「万丈、お前二の舞なんて言葉知ってたのか?」

 

「いやバカにしすぎだ!!」

 

「二人とも、今はそんなこと言ってる場合じゃないよ!!」

 

と、怒られてしまった。しかし、どうするべきか。介入することは容易いが、かといって暴走を絶対に止められる訳じゃない。ただ介入するだけでは意味がないからな・・・・・。

 

どうするべきか迷っていると、何を思ったのか寺坂は立ち止まり、あろうことか触手を暴走させるイトナの前に立ち塞がった。あいつ、何を考えてんだ・・?

 

「おいイトナ、俺も考えたよ・・・あんな教師、今日にでも殺してぇって・・・・・けど、テメェに今すぐあいつを殺すなんて無理なんだよ。無理なヴィジョンなんて捨てちまいな!楽になるぜ?」

 

「うるさい!!」

 

「っ!!」

 

寺坂は予想外の行動に出た。まさかイトナを煽ったと思ったら、自身に向かってきた触手を掴み取るなんて。あぁでも、前に一回やらせたか。あん時は寺坂スマッシュになってたけど。

 

「へへ、前より弱ってる分、スマッシュにならなくても余裕で止められるわ!吐きそうな位いてぇけどな!」

 

むしろ、吐きそうな位程度で済んでるだけかなりマシだろう。場合によって吹っ飛ばされたり、最悪死んでいてもおかしくない。触手を真正面から掴みかかるなんて、それと同等だ。

 

「吐きそうといや、村松ん家のラーメン思い出したわ」

 

「あぁ!?」

 

『え、そのレベルで不味いの?あのラーメン・・・』

 

エボルト、ちょっと黙れ。

 

「あいつは、あのタコから経営の勉強勧められてんだ。今は不味いラーメンでいい・・・・いつか店を継ぐ時が来たら新しい味と経営手腕で店を繁盛させてやれってよ。吉田も同じこと言われてた、いつか役に立つかもしれないって・・・・・なぁイトナ!」

 

イトナの頭に拳を振りかざす。しかし、イトナの触手が動く気配はない。寺坂の言葉が、イトナの心に変化をもたらしかけているのだろう。

 

「一度や二度負けたぐらいでグレてんじゃねぇ!いつか勝てりゃいいじゃねぇか!!あのタコ殺すにしたってなぁ、いや殺れなくったっていい、100回失敗したっていい!三月までにたった一回殺せりゃ、それだけで俺たちの勝ちよ!!親の工場なんざ、そん時の賞金で買い戻しゃ済むだろうが!そしたら親も戻ってくる!!」

 

「・・・・・耐えられない・・・・・次のヴィジョンが見つかるまで、俺は何をして過ごせばいい・・・!」

 

「あぁ?今日みたいに馬鹿やればいいんだよ!そのために俺らがいるんだろうが!!」

 

はっきり言って、寺坂は馬鹿だ。おそらく万丈にも引けを取らないだろう。おそらく今の言葉も、わざわざ考えていたわけじゃない。でも、だからこそ、心に響く言葉を言ってくれる。

 

「万丈もあれぐらい心に響く言葉を言ってくれりゃあな」

 

「おい、それどういう意味だよ」

 

「はいはい、二人はいちいち喧嘩しないで」

 

いや別に喧嘩しているつもりはないんだけど・・・・。まぁ、さすがに今は場にそぐわないのは確かだな。イトナの方を見てみると、先ほど暴れ回っていたのが嘘のように力を失っていく触手の姿が。

 

「目から執着の色が消えましたね、イトナ君。今なら君を苦しめる触手細胞を取り除けます。一つの大きな力を失う代わりに、君は多くの仲間を得る。殺しに来てくれますね?明日から!」

 

イトナにとって、触手がどんなものだったのかは俺たちには分からない。しかし、あいつにはもう不要な力なのだろう。それはあいつの目を見れば明らかだ。

 

「・・・勝手にしろ。この力も、兄弟設定も、もう飽きた・・・」

 

こうして、二人目の転校生であるイトナは、無事にE組の仲間入りを果たしたのだ。

 

 

 

・・・・因みに補足しておくと、寺坂組だ。

 

 

 

 

 

 

 

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