ガールズ&パンツァー ~白い死神~   作:ReiFeL@Ayuru

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今年最後の投稿です。皆さん体を大切に大晦日をお過ごし下さい。良い平成最後の大晦日を。


7『練習試合』

 

 

―side聖グロ―

 

 

 

ダージリン「そうですか………わかりました。はい。では、その場所で日曜の10時に………」

 

 

 

大洗の初の戦車道が終わった翌日の午前、聖グロリアーナに大洗からの練習試合の申し込みが来ていた。そしてダージリンは場所のメモを取りながらそう言い、受話器を置いた。

 

 

 

アッサム「ダージリン。どなたから?」

 

 

 

と黒い大きなリボンを付けた女性、アッサムがそう言うと

 

 

 

ダージリン「大洗女子学園からですわ。戦車道を再開したので、その練習試合をしてほしいと」

 

 

 

 

オレンジペコ「練習試合、ですか?」

 

 

 

と、今度は小柄でダージリンに似た髪型をした少女、オレンジペコ(以降ペコ)が訊くとダージリンはにっこりと笑い

 

 

 

 

 

ダージリン「ええ。そうですわよオレンジペコ。それに、面白い情報を聞けましたわ」

 

 

 

アッサム「情報? 大洗に誰かいるの」

 

 

 

ダージリン「ええ、アッサム。大洗には千歳さんと優音さんがいるそうよ」

 

 

 

その言葉を聞いてアッサムは目を丸くし額には小さな汗が出ていた

 

 

 

アッサム「………あの島田流のお二人ですか?」

 

 

 

ダージリン「ええ」

 

 

 

アッサム「………なるほど。それならダージリンが楽しみにしているのも頷けるわね………」

 

 

 

と、ダージリンとアッサムはそう納得しあっていたのだが

 

 

 

ペコ「あ、あの……ダージリン様?アッサム様?私はよく知らないのですが。その千歳さんと優音さんって有名な方なんですか?」

 

 

 

と、ペコがそう訊くと

 

 

 

ダージリン「ペコ。ホワイトグリムリーパーのことは知っていますわよね?」

 

 

 

ペコ「え?…………ああ【白い死神】のことですか?はい。戦車道界最強の戦車乗りと噂されている方ですよね?遥か後方から相手の戦車を狙撃したり、予測不能な奇襲をしてきたり。また、狙った敵は必ず仕留める事から【シモ・ヘイヘの再来】と呼ばれた………」

 

 

 

ダージリン「あら?そんな二つ名ありましたっけ?」

 

 

 

ペコ「はい。確かに【白い死神】の名が有名でしたが、私がいた学校ではそう呼ばれていました。」

 

 

 

ダージリン「そうなの………」

 

 

 

ペコ「はい。それでその【白い死神】と先程のお二人に何の関係が………まさか」

 

 

 

と、ペコがそう言いうと自分でも気づいたのかダージリンの顔を見る

 

 

 

ダージリン「ええ、そうよペコ。その二人が白い死神なのよ」

 

 

 

ペコ「やはりそうだったのですか………」

 

 

 

と、ペコが納得している中、ダージリンは窓の外を見て微笑みながら紅茶を飲むのだった。

 

 

 

 

―sideout―

 

 

―side優音―

 

 

 

 

 

河嶋「今日の訓練ご苦労だった」

 

 

 

『お疲れさまでした!!』

 

 

 

やあ、優音だ。

 

戦車道の練習も終わり空も茜色の中私達は生徒会三人組の前に立ち練習の終わりの挨拶をした。それにしても私のチームとみほ以外のみんなは初めての練習のためか疲れた顔をしているね。まあやり初めてすぐだし、仕方ないのかもだけど。すると

 

 

 

河嶋「え~、急ではあるが、今度の日曜日に練習試合を行う事になった、相手は聖グロリアーナ女学院!!」

 

 

 

桃ちゃん先輩の言葉にみんな騒ぎ出す。すると秋山は何やら難しい顔をしていた。まあ、優花里は戦車はおろか戦車道も好きだから相手の実力のことを知っているのだろう。

 

 

 

沙織「どうしたの?」

 

 

 

優花里「聖グロリアーナ女学院は全国大会で準優勝したことがある強豪です……」

 

 

 

沙織「準優勝!?」

 

 

 

と、沙織たちは驚いていた。まあ、初めて戦う相手が大会の準優勝校ならそりゃあ驚くよね………

 

 

 

河嶋「場所は近日寄る港………大洗町で日曜日の10時に試合開始のため朝六時に学校に集合!」

 

 

 

場所は大洗町に決まったのか(知ってるけど)。それにしても朝6時か………まあ、私達は腕を磨くために朝5時に集合してたから全く苦にはならない……だが、桃ちゃん先輩の言葉に絶望する人がいた。それは

 

 

 

 

 

麻子「……やめる」

 

 

 

華「はい?」

 

 

 

麻子「やっぱり戦車道やめる」

 

 

 

華「もうですか!?」

 

 

 

麻子「麻子は朝が弱いんだよ……」

 

 

 

そう、麻子だ。麻子は私と同じで朝に弱い。流石に私は麻子ほど弱くはないけど………。朝の弱い人間にとって今の言葉は死刑宣告と同じだ。すると冷泉は夕日に向かい帰ろうとしていくそれを見たみほたちが追いかける。

 

 

 

みほ「ま、待ってください!」

 

 

 

麻子「六時は無理だ!」

 

 

 

優花里「モーニングコールさせていただきます!」

 

 

 

華「家までお迎えに行かせてもらいますから」

 

 

 

麻子「朝だぞ? 人間が朝の6時に……起きれるか!?」

 

 

 

と、麻子が真剣な顔でそう言う。だが

 

 

 

優花里「いえ、六時集合ですから起きるのは五時ぐらいじゃないと……」

 

 

 

優花里、それは今言わなくていいだろ?

 

優花里のその言葉に麻子は倒れそうになるがすぐさま体制を立てて

 

 

 

麻子「人には出来ることと出来ないことがある! 短い間だったが世話になった!」

 

 

 

そう言い麻子は立ち去ろうとした。だが

 

 

 

千歳「麻子さん・・・・あなたはそれでいいのですか?」

 

 

 

麻子「なに?」

 

 

 

千歳の言葉に麻子が振り返る。

 

 

 

千歳「私は貴女の決めたことにどうこう言う気はありませんが、貴女はそれで後悔しませんか?みほたちに借りを…恩を返すために入ったのですよね?貴女はみほからの恩を仇で返すつもりですか?」

 

 

 

麻子「うっ……」

 

 

 

その言葉に麻子の足が止まる。その顔は親に怒られた子供のソレだった。律儀な人間にとって約束を破るというのは耐えがたくそして後悔の残ることだ。

 

 

 

沙織「千歳の言う通りだよ!それに麻子がいなくなったら誰が運転するのよ! それにいいの?単位!!」

 

 

 

沙織の言葉に麻子はさらに顔を強張る。

 

 

 

沙織「このままじゃ進級できないよ!? 私たちのこと先輩って呼ぶようになっちゃうから! 私のこと沙織先輩って言ってみ!!」

 

 

 

麻子「………さ、さ・お・り………せん………」

 

 

 

と苦しそうに言う麻子。それを見て沙織は深くため息をつき、トドメの一撃を与える。

 

 

 

沙織「それにさ、ちゃんと卒業しないとおばあちゃん物凄く怒るよ?」

 

 

 

麻子「おばぁ!?」

 

 

 

とその言葉で麻子の強張った顔は完全に崩れ去り、恐怖する顔に変わった。

 

 

 

麻子「………わかった…………やる」

 

 

 

冷泉はしぶしぶ了承するのだった。

 

 

 

千歳「安心して下さい麻子さん。試合の日には沙織さんたちと一緒“に私達”も起こしに行くから」

 

 

 

麻子「………す、すまない………千歳さん」

 

 

 

こうして麻子の戦車道脱退は防げたのだった。

 

 

 

 

 

……………ん?

 

 

 

 

 

 

優音・内海・彩月(((あれ、なんかとばっちり受けた?)))

 

 

 

 

千歳の何気ない一言で、私達三人まで朝5時に起きるはめになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―sideout―

 

 

 

―side千歳―

 

 

 

 

どうも、千歳です。

 

練習が終わった後、私やみほ、それにほかの戦車長は会長たちに急遽生徒会室に集まるように言われた。その理由は今週末に行われる練習試合に向けて対策会議をするというのが理由だった。

 

 

 

河嶋「いいか、相手の聖グロリアーナ女学院は強固な装甲と連携力を活かした浸透強襲戦術を得意としている」

 

 

 

河島さんがボードに張られた聖グロリアーナの主力戦車のマチルダ。そしてチャーチル歩兵戦車のスペックや聖グロリアーナの戦法を説明していた。その話を聞いていたのは車長である私と、みほ、それにM3の車長の澤ちゃんに三突のカエサルさん。彼女は車長じゃないのですが歴女たちの中ではリーダー格なのでここにいる。また名前の突込みについては既に諦めてます。そして八九式の磯部さん通称「キャプテン」でした。

 

 

 

河嶋「とにかく相手の戦車は堅い、主力のマチルダⅡに対して我々の方は100メートル以内でないと通用しないと思え」

 

 

 

まあ、河島先輩の言っていることは間違いではない。マチルダの最大装甲は75㎜以上。三突かうちのT-44-100じゃないと遠距離からの攻撃は難しい。しかも丸みを帯びた装甲だから弾きやすいですし。その間に河嶋先輩は話を続ける。

 

 

 

河嶋「そこで一両が囮になってこちらの有利となるキルゾーンに敵を引きずり込み、高低差を利用して残りがこれを叩く!」

 

 

 

その言葉にみんなは頷いたり、勝利を確信した顔になる。悪くはない作戦です。悪くはないのですが、ここで一つ問題があるのです。みほもそれがわかっているのか不安そうな顔をしていた。

 

 

 

杏「西住ちゃん。千歳ちゃんどうかした~?」

 

 

 

と、角谷さんは私とみほに気付いたのかそう訊く。みほは遠慮して言うが

 

 

 

杏「いいから言ってみ~」

 

 

 

と、優しく促す。するとみほは静かにこう言った

 

 

 

みほ「………聖グロリアーナは当然こちらが囮を仕掛けてくることは想定すると思います。裏をかかれ逆包囲される可能性があるので……」

 

 

 

「あ~確かに!」

 

 

 

と、みほの言葉にみんなが納得する。すると

 

 

 

河嶋「うるさい!私の作戦に口を挟むな!そんなに言うならお前が隊長をやれ!」

 

 

 

みほ「・・・すみません」

 

 

 

と、みほに怒鳴った。あれ、まほさんがいたら河嶋先輩確実に後でしごかれますね。

 

 

 

千歳「いいえ、みほが謝る必要はありませんよ」

 

 

 

河嶋「なんだと!島田!きさま西住の肩を持つ気か!」

 

 

 

と、河島先輩は今度は私に怒鳴る。前から思っていましたけど、河嶋先輩はクールビューティーな見た目と違い意外と短気なんですね…………

 

 

 

杏「まあ、まあ、河嶋落ち着きなよ。………で千歳ちゃんはどう思ってるの?この作戦じゃあ不満?」

 

 

 

と、角谷さんが河嶋先輩をなだめて、私にそう訊く

 

 

 

千歳「いいえ。言葉は悪いですが、河嶋先輩の作戦自体は悪くはありません…素人にしては」

 

 

 

河嶋「何だと!?」

 

 

 

千歳「とにかく最初の作戦はそれで問題ないでしょう。ただ相手は準優勝の経験のある強豪。それに今年の聖グロリアーナの隊長はあのダージリンさんです。その作戦だけでは勝てないと考えた方が良いでしょう。なので、2つか3つほど予備の作戦を立てる必要があります」

 

 

 

杏「なるほどね~でも隊長は経験豊富な西住ちゃんがやるといいよ。」

 

 

 

みほ「え?」

 

 

 

まあ、予想はしてましたが会長の言葉にみほが驚く

 

 

 

「西住ちゃんがうちのチームを引っ張てね。それと千歳ちゃん」

 

 

 

千歳「なんでしょう?」

 

 

 

杏「副隊長は千歳ちゃんがやってくれないかな。本当は河嶋にやってもらうつもりだったんだけど、やっぱり西住ちゃんも、千歳ちゃんが副隊長な方が安心できるだろうから」

 

 

 

と、干し芋を食べながらそう言う。副隊長ですか…………経験はありませんが、任された以上出来ることはしましょう………

 

 

 

杏「……ということでよろしくね二人とも」

 

 

 

とそう言うと笑顔で手をたたく。するとほかの子たちもにっこりと笑って手をたたく。

 

 

 

杏「頑張ってよー、勝ったら素晴らしい商品をあげるから」

 

 

 

柚子「え?何ですか?」

 

 

 

杏「干し芋三日分!!」

 

 

 

と3本の指を突き出し、嬉しそうに言う。それを聞いてみんな呆れた顔をする。干し芋三日分って………本当に干し芋が好きなんですね、会長………

 

 

 

典子「あ、あの………もし負けたら?」

 

 

 

と、典子さんがそう言うと………

 

 

 

杏「う~ん。大納涼祭りでアンコウ踊りをやってもらおうかな~」

 

 

 

会長のその言葉にみんな固まってしまい中には顔を青ざめていた。みほは転校したばかりなのでアンコウ踊りがどんなのかわからず首をかしげていた。私は抗議しようと思いましたがあの会長はいったん言い出したことは引かない頑固な性格ですからアンコウ踊り撤回は不可能でしょう。

 

 

 

杏「じゃあ、河嶋の作戦が失敗した時のための作戦。西住ちゃんと千歳ちゃんそこのところよろしくね~」

 

 

 

っということで作戦会議はこれにてお開きとなった。

 

 

 

 

 

~試合当日~

 

 

 

 

私は朝の4時半に目が覚めた。まあ、寝た時間が早かったからそうなんですけど。

 

私はベッドから降りてコーヒーを飲む。コーヒーを飲み終えたら、制服に着替えて寮を出る。

 

 

 

千歳「優音は……内海さんに任せましょう」

 

 

 

 

 

 

私はそう呟き、ある場所へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

千歳「ここですか………」

 

 

彩月「だねぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

彩月さんと合流しついた先は、赤い壁が特徴の家だった。この家、麻子さんが住んでいる家なんです。あと10分で起床時間だが、この時間ならもう起きている頃かな?俺はそう思い、インターホンを鳴らすが返事どころか足音すら聞こえない・・・・もしかしてまだ寝てるんですかね?そう思ってると

 

 

 

沙織「あ、千歳達も来てたんだ」

 

 

 

と、沙織さんが走りながら私達のところにやってくる

 

 

 

千歳「ええ、昨日約束しましたから」

 

 

 

沙織「そう、千歳って律儀なんだね。・・・・・で、麻子起きてる?」

 

 

 

彩月「いや、インターホン鳴らしたけど全然。あれは完全に寝てるよ」

 

 

 

沙織「はぁ~やっぱりか………」

 

 

 

と、沙織さんが肩を落としてそう言う。

 

 

 

沙織「とにかく中に入らないと………」

 

 

 

彩月「中にって鍵かかってるよ?どうやって入るつもり?」

 

 

 

沙織「こういう時のこともあって麻子から合鍵渡されているの」

 

 

 

彩月「あ~なるほど」

 

 

 

彩月さんが納得して、沙織さんはポケットから合鍵を取り出し、鍵を開ける。

 

 

 

沙織「さ、入って。たぶん麻子なら寝室にいると思うから」

 

 

 

 

私達と沙織さんは麻子さんの家に入る。沙織さんを先頭についていき部屋に入ると、その部屋には布団にくるまった麻子さんの姿があった。沙織さんは麻子さんの姿を見るとすぐさま布団を引っぺがして起こそうとする

 

 

 

沙織「も~!麻子起きてよ~!試合なんだから!!」

 

 

 

麻子「ねむい…」

 

 

 

沙織「単位はいいの!?」

 

 

 

麻子「よくない…」

 

 

 

沙織「だったら起きてよー!」

 

 

 

麻子「不可能なものは無理……」

 

 

 

沙織さんが思いっきり布団を引っ張ても麻子さんを包んだ布団はびくともせず麻子さんは眠そうに言う。というか、あれほど力強く引っ張ても剥がせないって麻子さんって結構力持ちなのでしょうか。それとも単に沙織さんの力が弱いのか。

 

 

 

 

……仕方ありませんね……

 

 

 

 

千歳「麻子さん………起床時間ですよ。起きて下さい」

 

 

 

麻子「………ん?」

 

 

 

私がそう言うと麻子さんは布団から顔を出し眠たそうに目をこする・・・・そして私と目が合った。

 

 

 

千歳「おはようございます、麻子さん」

 

 

 

私がそう言うと麻子さんは私の顔を見て突然目を大きく見開いて

 

 

 

麻子「うわぁっ!?」

 

 

 

千歳「きゃぁ!?」

 

 

 

至近距離からの声に思わず私までびっくりしてお尻をついてしまいました。でも座布団の上でしたので痛くありません。

 

あ、なかなか座り心地良いですねこの座布団♪

 

 

 

麻子「な、なんで千歳さんがここに!?」

 

 

 

千歳「昨日約束したじゃないですか。起こしに行くって」

 

 

 

麻子「そ、そう言えばそうだったな……で、で………も確かに起こしに行くのは知ってたからわかったけど、顔が近かったから驚いたぞ」

 

 

 

と、ぜーはーと息をつき胸を押さえながらそう言う。

 

 

 

千歳「すみません。驚かせてしまって」

 

 

 

私は頭を下げながらそう言うと

 

 

 

麻子「謝らなくていい。その代わりこのまま寝させてくれ」

 

 

 

千歳「☆駄☆目☆で☆す☆」

 

 

 

麻子「……千歳さんのけち」

 

 

 

沙織「千歳の言う通りだよ麻子。今日は試合なんだから」

 

 

 

麻子「む~」

 

 

 

と、麻子さんがうなる。そんな顔をしても駄目ですよ麻子さん、かわいいだけですよ。

 

 

 

 

 

 

~~~~!♪

 

 

 

 

 

 

 

すると突然ラッパの音が鳴り響く。なんだろうと彩月さんと沙織さんが窓を開けてみるとそこには優花里さんがラッパを吹いていた。外も日が上がって明るくなっていた。

 

 

 

優花里「おはようございます………て、あれ?千歳殿?」

 

 

 

千歳「おはようございます優花里さん。朝早くからお疲れ様です」

 

 

 

私がそう言うと履帯音が聞こえてくる。何かと思いそとを見渡すとⅣ号戦車が現れた。

 

 

 

千歳「Ⅳ号?ということはみほですか?」

 

 

 

沙織「うん、私が携帯で呼んだんだ。たぶんてこずると思ってたから」

 

 

 

なるほど…それは分かりましたが、戦車で一体何をする気なんでしょう?

 

私がそう思った矢先、Ⅳ号の短砲身が上を向く。

 

 

そして

 

 

 

ドオォォォォンッ!!!

 

 

 

いきなりの発砲。砲身から白い煙が上がる。空砲ですか………確かに朝に弱い麻子さん相手なら効きそうですけど……

 

 

 

「なんだ!?」

 

 

 

「どうしたの!?」

 

 

 

と、近所の人たちが騒ぎ始めた。まぁ流石に近所迷惑ですよね。

 

 

 

みほ「すいません!空砲です!」

 

 

 

と、キューポラからみほが顔を出して近所の人にそう言う。すると私達の後ろから

 

 

 

麻子「やれやれ……千歳さんに起こされた挙句、ラッパに空砲……これは起きざるを得ないな」

 

 

 

千歳「おはようございます、麻子さん」

 

 

 

麻子「おはよう……」

 

 

 

と、目をこすりながら眠そうに言う。

 

 

 

みほ「冷泉さん。おはようございます。」

 

 

 

優花里・華「「おはようございます!!」」

 

 

 

みほたちは麻子さんに気付き挨拶する。そして麻子さんは着替えをもってパジャマのままⅣ号に乗る。

 

 

 

「あ、おはよう千歳ちゃん。千歳ちゃんも一緒に乗っていく?」

 

 

 

みほがそう言うが私は首を振って

 

 

 

千歳「心配ありません。こういう時のために内海さんたちを呼んでありますから」

 

 

 

みほ「え?」

 

 

 

みほが首をかしげると。Ⅳ号の後ろからT-44-100がやってくる。そして操縦席の入り口から内海さんが顔をのぞかせる

 

 

 

内海「おはよう千歳。待ったかい?」

 

 

 

千歳「おはようございます内海さん。大丈夫です。時間通りですよ」

 

 

 

内海「それは良かった。あ、おはようみほ」

 

 

 

みほ「おはようございます、内海さん」

 

 

 

と、みほと内海さんは互いに挨拶をし私はT-44-100によじ登り、操縦席にいる内海さんに

 

 

 

千歳「さて……それでは内海さん。お願いします」

 

 

 

内海「任せてよ」

 

 

 

内海さんにそう頼むと俺は砲搭内に入り、Ⅳ号を先頭に試合会場へと向かうのであった。

 

 

 

「なになに?」

 

 

 

「どうしたの?」

 

 

 

朝から戦車の騒音で近所の人たちは顔を出す

 

 

 

みほ「す、すみません」

 

 

 

と、みほが謝ると花の水やりをしていたのかおばあさんが二両の戦車を見ると

 

 

 

「あら~4号久しぶりに動いているの見たわね~。それに新しい戦車まで。気合い入ってるわね~」

 

 

 

と、感心したような何か懐かしそうな声でそう言い、

 

 

 

「うわぁ~戦車だ~」

 

 

 

「戦車道復活させたの本当だったのね~」

 

 

 

と小さな子供と母親がそう言い隣では

 

 

 

「試合か、頑張れよ~!」

 

 

 

と、応援してくれた

 

 

 

みほ「はい。ありがとうございます!頑張ります!」

 

 

 

と、みほが元気よく返事をする。一方車内では

 

 

 

優花里「歯みがいてください」

 

 

 

華「顔も洗ってくださいね」

 

 

 

沙織「終わったら制服着替えて。あ、朝ご飯あるからね。おにぎり作っといたから」

 

 

 

と、Ⅳ号の中では冷泉が着替えをしたり、おにぎりを食べたりしていてみほがその様子を見て微笑む。一方こちらの中では

 

 

 

優音「Zzz……」

 

 

 

彩月「優音……よく寝てるね。内海……」

 

 

 

内海「うん、寝てるね」

 

 

 

彩月「この振動の中、良く寝てられるね」

 

 

 

千歳「それが優音ですよ、彩月さん」

 

 

 

そう。優音は今は機銃席で帽子(艦これの響がかぶってる帽子)を深くかぶり寝ていた。

 

 

 

内海「千歳から受け取った時には既に寝そうだったしね……」

 

 

 

彩月「どうする?起こす?」

 

 

 

千歳「いいえ。今はそっとしておいて下さい。優音は途中で起こされると不機嫌になりますから。港に着いたら起こしてあげて下さい」

 

 

 

彩月「あ、はい。」

 

 

 

 

 

そんな話をしながら、私達の戦車は進む。そして、しばらくして港に着いた。そして対戦相手の聖グロリアーナも到着した。聖グロの学園艦を見たとき、自分たちの学園艦より二倍近く大きいことに沙織さんたちが驚いたのは言うまでもありませんでした。

 

 




来年もよろしくお願いいたします!
(修正しました)
2019/1/1

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