ガールズ&パンツァー ~白い死神~ 作:ReiFeL@Ayuru
どうも、千歳です。
あれから2年が経ち、私と優音は中学に上がり、愛里寿は小4になりました。みほさんやまほさんとは別々の中学に行きましたが、今でも連絡は取り合っていますし、時々泊まりにも行っています。え?口調が変わってるって?それが1年前、私と優音が小6になった辺りから、喋り方に違和感を覚え始めたんです。初めはあまり気にしていなかったのですが、段々と男口調よりも女口調の方がしっくりくるようになったんです。まあ、優音は前から響みたいな口調だったのであまり変わっていませんが……。あれですかね?どこかの鎧だけの弟さんが言っていた『魂(口調)が向こう(容姿)へ引っ張られてる』ってやつでしょうか。
まあそんな事は良いとして。
私達が中学に上がると同時に戦車道の訓練が始まりました。私達が使っている車輌は『T-44』と言う、第二次世界大戦の末期にソ連が『T-34』の後継機として開発した中戦車です。お母さんが『中学校の入学祝いよ!』なんて言いながら渡してきたものですから、最初は唖然とさせられましたねぇ。流石は戦車道の二大流派の内の一つなだけあります。
こんなに良い物を貰ったのですから、頑張らなければなりませんね!
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やあ。優音だ。
今私と千歳は戦車道の訓練をしている。乗っている戦車は『T-44』で、私が砲手を、千歳が戦車長を担当している。
他にも操縦士は内海さん。装填手兼通信手は彩月さんが担当しているよ。
この2人とは中学での戦車道の部活で出会ってね。
元は仮のチームだったんだけどなんだかんだで仲良くなってそのまま正式なチームになったんだ。
内海さんはめんどくさがり屋で普段は全く働かないんだけど、試合になるととっても頼もしくなるんだ。
彩月さんはとても明るい子で持ち前のコミュ力で通信手をしてもらってるんだ。もちろん装填手もしっかりしてくれているよ。
まぁメンバー紹介はこの辺で置いといて。
優音「ふぅ〜…」
私は今狙撃訓練をしているよ。
距離は大体…1500mぐらいかな?
場所は開けた平原みたいなところだね。
千歳「当てられそう?」
優音「う〜ん…微妙だね」
的を照準器から見るとすっごいちっちゃいんだよね。
ほんと豆粒みたいな。
彩月「大丈夫大丈夫!優音なら当てられるって!」
内海「そうだね…きっと当てられるよ…」
優音「…何でわざわざハードルを上げてきたんだい?」
やばい。この二人のせいで気が散っちゃう…
優音「今から集中するから少し静かにしててくれないかい?」
彩月&内海「「はーい」」
私は照準器を覗き的を見据える。
風は強めに吹いている
そして言葉を唱える。
優音『4つ数えて息を吸う。4つ数えて息を吐く。』
周りから音が消える。
戦車の排気音も皆の息の音も何もかも。
私の目にはもう的しか見えていない。
風が止んだ。
優音「Огонь」
85mmZIS-S-53から発射された砲弾はまるで吸い込まれるように的に向かっていき
砲弾は的を貫いて的の後方で爆発した。
その後千歳はキューポラから身を乗り出し
双眼鏡を覗きながら呟いた。
千歳「命中を確認」
優音「よし」
彩月「うぉぉぉぉぉ!?すっごいじゃん優音!」
内海「……すごい」
千歳「分かってはいましたが、やはり凄まじいですね」
内海さんは信じられないものを見たような顔をして、彩月さんはとても嬉しそうな顔をしてた。
照れちゃうね…
でもさすがに今回は怖かったね。
さすが集中力強化チートは伊達じゃない。
ちなみになんで戦車道の訓練をしてるかというと
今度中学校の戦車道全国大会があるんだ。
私たちがいる学校は戦車道で結構有名な学校でね。
全国大会にも何回か出てるんだけどいっつも惜しいところで負けてるからね。
やっぱり勝ちたいじゃん?
だから私達がなるべくキャリーしようと思って今訓練しているんだ。
今はその最終調整。
彩月「これで明後日も楽勝だね!」
優音「慢心、ダメ、絶対」
彩月「えっ、あっ、ごめん…」泣き目
優音「え?あっ、いやそんな責めるつもりじゃなかったんだけど…」オロオロ…
彩月「冗談に決まってるじゃん、なに真面目に受けてるのよ」
優音「よし、表出ろ」
彩月「沸点低!?」
そんなやりとりを千歳と内海は笑いながら見ていた
千歳「この調子なら大丈夫そうですね」
内海「そうだね…」
なーんて事をしながら日が沈むまで訓練を続けた。
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そして試合当日…
司会「これより第46回中学戦車道全国大会を始めます!」
あっ、どうも千歳です。
今私は全国大会の控え室にいます。
しかし凄かったですよ。
なんせ参加してる学校がテレビとかにも出ている凄い有名な学校ばっかりですからね。
そのおかげでチームの皆はかなり緊張しちゃってます。
顔も曇ってますね。
斯く言う私も結構緊張してます…
優音はどうしてr……寝てる…?
肝が据わってますね…羨ましいです。
あぁ…なんか緊張しすぎてお腹が痛くなってきました…
隊長「おーい皆大丈夫か〜?」
その時私達のチームの隊長が皆に声をかけてきました。
なんでしょうこんな時に…
隊長「ちょっと私から話したいことがあるから聞いてくれ」
隊長「今日は全国大会当日だ。皆が緊張するのも仕方が無いかもしれない、今回が初めての者、今回が最後の者、プレッシャーを感じている者、色々いるかもしれない」
隊長「皆は全国大会という言葉に潰されすぎだ、全国大会だからどうした?恥ずかしい所を見せたくないのか?
学校に泥を塗りたくないのか?」
隊長「そんな考え捨ててしまえ。」
隊長「楽しめ。これは競技であって戦争ではない。
お前らは何故この部活に来た?理由は様々あるだろうが少なからずお前らは戦車道が好きなはずだ。訓練中の顔を見ればわかる」
隊長「しかもほら、楽しんで勝てたら最高じゃないか?だから緊張するのもいいが楽しむことを忘れるな?」
隊長「以上だ」
隊長の話を聞いてた私達は少しの間ポカーンとしていた。
だけど少ししたらみんな笑顔を浮かべて拍手をしていた。
楽しむ…ですか…
確かに全国大会という言葉に押し潰されてて忘れていました。
隊長のおかげで何か気持ちが軽くなった気がしますね。
隊長には感謝しなきゃいけませんね。
ところで優音は何してるのk…
優音「スピ〜…スピ〜…」
私は無言でお尻に向かって回転蹴りをした。
パァーン!
優音「イッッッツ!?」
優音はお尻を擦りながら
優音「何するんだよ千歳!」
千歳「あなたが寝てたから起こしただけです」
優音「だからって蹴って起こす必要はないんじゃないかい!?」
千歳「こうでもしないとあなた起きないじゃないですか」
優音「流石に嘘だろ」
そのやり取りを見てる皆は笑っていた。
もう皆にはさっきまでのような表情は無かった。
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やぁ、優音だよ。
いやぁ〜NKTだった。
あと愛里寿と母さんが応援してくれてたのは嬉しかったね。
え?何が起こったのかわからないだって?
しょうがない、簡単に説明しよう。
まず結果から言うと私達の優勝だったよ。
この優勝は結構隊長のおかげな気がするね。
実際隊長の話のおかげでみんなの士気が上がったり
的確な指示を出してたりしてたよ。
ちなみに私は1700mぐらいから敵を撃破したり
千歳の読みが凄かったね。
まるで千歳が言った場所に敵が吸い込まれてるような感じだったよ。
あっ、あと敵さんを助けたりもしたね。
その時川の近くで戦闘してて敵さんを撃破したら
砲弾がぶつかった時の衝撃で敵さんが落ちちゃったんだ。
それでこっちのみんなは急いで助けに行ったよ。
試合が終わって解散したあと、みほに『なんで敵を助けたの?』て聞かれたから、私と千歳は揃って
『成すべきと思った事をしただけだ(ですよ)』
そう言った。その時のみほは眩しい位の笑顔だったよ。
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んまぁ大会から少し経って〜
今私達2人は進路に悩んでるんだ。
正直あまりいいのがないんだよね。
ん?机の上に何か紙が置いてあるね。
こんなの置いた覚えはないけど?
優音「千歳、この紙って千歳の?」
千歳「いや、私のじゃないですよ?」
じゃあ愛里寿とかかな?
まぁとりあえず読んでみよう。
〜紙の内容〜
お久しぶりです
最近上からお話がありまして、「この転生者は何もしてないじゃないか!」と言いましてお二人に課題が出されちゃいました。すみませんが「大洗女子学園を戦車道全国大会で優勝させる」を達成してください。
ちなみに上が達成しないと「その世界の大切な人に不幸が来るぞ」
と言ってました。すみません、どうかよろしくお願いします。
〜神より〜
ほむほむ。
つまり大洗女子学園を優勝させないと家族を消すぞと。
いやなんでや。
おっと口調が…
いや、だって私達を殺した奴は地獄に落ちたんじゃないのかい?
まさか上が変わって私たちの事情を把握してないとか…
まぁそんなことはどうでもいい。
そんなことよりこの『大切な人』、恐らく私たちの家族のことだろうね。
これだけは絶対に阻止しなきゃ行けないね。
とりあえず千歳にも見せよう。
優音「はい、千歳」サッ
千歳「どれどれ…」
千歳「……これはどういうことですか?」
うっわ…千歳がすごい怖い顔してる…
優音「…そこに書いてあるとおりさ。大洗女子学園を優勝させないと母さんや愛里寿に何かが起こる」
千歳「優音はどうするの?」
優音「恐らくは千歳と同じ考えだね」
千歳「でもお母様や私達に推薦をくれてる学校にはどう説明するの?」
優音「推薦には適当に対応して母さんは話せばわかってくれるよ」
千歳「根拠はあr」
優音「ない」キリッ
千歳「………まぁいいです。じゃあいつ説明するんですか?」
優音「今」
千歳「えっ」
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こんばんは、千歳です。
今は午後10時、愛里寿は寝ている時間ですね。
今私達2人はお母様と話す為にリビングでお母様と向き合っています。
優音はどう説明するんでしょうか…
千代「で、相談って何かしら?進路のこと?」
優音「お見通しかい?」
お母様は微笑みながら
千代「だって二人とも何か緊張してるもの、物凄く分かりやすいわ」
凄いですね。
私達が話そうとしてることを当ててくるなんて。
優音「実は私達は『大洗女子学園』に進学したいと思ってるんだ」
千代「……その理由は?」
優音「理由?」
千代「そうよ?」
優音「………」
まさか考えてなかったの!?
あんな(『ない』キリッ)とかやってたのに!?
どうするんですか…
千代「あなた達はそこに行ってやらなければいけないことがあるの?」
2人は頷く。
千代「私はね?貴方達が理由を話さずに行動するのには意味があると思っているの。
昔から貴方達はそういう事をするの。でもその行動には毎回意味があるのよ。
それは愛里寿だったりお友達のためだったり家族のためだったり…
だから貴方達の自由にしなさい。私は貴方達の親よ?
親が貴方達の道を決めてどうするのかしら?」
あぁ…やっぱりお母様…島田千代さんには敵いませんね…
あっ、優音が泣いてる。
優音「ありが…とう…」グスッ
千代「私は当たり前のことを言っただけだと思うのだけれど。
あーもう優音。そんな泣かないの、もう高一なんだから
もっとシャキッとしてシャキッと!」
千代「ごめんなさい千歳。ちょっと優音を連れて行ってもらえる?
この調子じゃ話を出来そうにもないから」
千歳「分かりました。あとお母様本当にありがとうございます」
千代「貴方まで…私は当たり前の事を言っただけよ?」
千歳「その当たり前が私達からしたら嬉しいんですよ?」
千代「貴方達の当たり前はどうなってるのよ…」
千歳「ではお母様。おやすみなさい」
千代「えぇ。おやすみ」
私は泣いている優音を連れて部屋を出た。
寝室に向かう途中の廊下で優音は話しかけてきた。
優音「……ねぇ千歳」
千歳「何?」
優音「私達の家族をどう思う?」
千歳「そうですね…これ以上にない最高に素敵な家族だと思いますよ?」
優音「守らなきゃね…」
千歳「えぇ。絶対に」
そう私達は決意し、互いの拳を打ち付けた。
次回でプロローグは終わりです!
………長かったなぁ(白目)。次回何人かの原作キャラと接触します。お楽しみに