四国連合艦隊の勝利に終わったミッドウェー海戦から数ヵ月後。一夏はレイテに連合艦隊…別名旭日艦隊司令長官として向かっていた。
旭日艦隊は戦艦2隻、航空空母3隻、重巡洋艦2隻、軽巡洋艦3隻、駆逐艦4隻、潜水艦5隻を含む艦隊である。
「今回の海戦…一嵐あるかもな」
旭日艦隊旗艦、扶桑型戦艦三番艦 扶城の第一艦橋で、一夏が呟いた。するとそれを聞き付けた副艦長になった伊川中佐が質問をしてきた。
「一嵐ある…ですか?」
「ああ、ミッドウェーでのことがある。アメリカも力を入れてくるだろうからな」
実際、一夏が率いていた旭日艦隊は山口提督やイギリス、ドイツ等の空母機動部隊に被害を出させずに航空母艦『エンタープライズ』『ヨークタウン』『ホーネット』、重巡洋艦『ミネアポリス』 『 ニューオーリンズ』、駆逐艦『ハムマン』等の敵艦計6隻撃沈という大打撃をアメリカに与えていた
「さぁ、気合いを入れなきゃね」
そう言うと一夏は少し笑って見せた。
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そうしたほのぼのとした時間が流れていき、数時間後、連合艦隊はレイテ島基地のアメリカ艦隊と会敵しようとしていた。
「電探に敵航空機の大編隊を探知!高度1500フィート距離28キロ‼」
通信要員から報告が上がる。それを聞いた一夏は、大本営にある電文を送った。
『敵艦見ユトノ警報ニ接シ、連合艦隊ハコレヨリ敵艦隊二突撃ヲシ、コレヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレモト波高シ』
それから一夏は艦の指揮を執り出した。
「よし、全艦隊に敵航空機の接近を通達しろ」
「全艦第一種戦闘配置!航空隊全機発艦‼」
雫がそう指事を出して数分後、『扶城』『信濃』『赤城』『加賀』から総勢280機程の航空機がアメリカ艦隊に向けて飛び立っていった。それを見届けると、一夏は自分に依然接近中の航空を撃ち落とす指揮を執った。
「全艦隊に通達!本艦隊に接近中の航空機に向けて主砲回頭!各砲身にZ弾装填‼垂直発射装置に二式誘導噴進弾装填‼撃ちィ~方初め‼」
その号令と共に扶城を含む総勢12隻の艦が主砲を斉発した。Z弾は正常に飛行し、航空隊の中心で起爆したのが一夏からは見えた。そして、見張りより報告が入る。
「敵編隊への命中を確認‼敵機多数を撃墜した模様!!」
そして砲術が諸元修正を終え、一夏に報告する。
「了解!次弾発射用意!!撃てェェ~‼」
そして次弾も敵航空隊に吸い込まれるように飛翔し、残存敵航空機の大半を撃破若しくは撃墜していた。それを確認すると一夏は艦長席を立ち上がり、手を前に突き出すと高らかに命令を下す。
「これで敵の航空機の大半を落とした!敵艦隊を叩くぞ!!」
そう叫ぶと扶城の第一マストにZ旗が掲げられ、第七七艦隊の全艦がアメリカ艦隊に向けて進んで行った。