シュバルツェ・ハーゼ基地
「シュバルツェ・ハーゼに着任しました。ラウ・ル・クルーゼ一等兵です。よろしくお願いします」
「今日より一年間貴様らの教官を勤めることになった!織斑千冬だ!いいか貴様ら!私の言うことにはYESとはいのどちらかで答えろ!NOやいいえは禁止だ!解ったな?」
「「「「「「「イエッサー」」」」」」」
シュバルツェ・ハーゼの基地に教官として着任した千冬が自己紹介をするとシュバルツェ・ハーゼ隊隊員は勢いよく返事をした。そして自己紹介が終わると千冬の鬼畜な訓練が始まった。
「諸君!これより訓練に入る!まずは基地の外周5周だ!」
━━━━━━━━━━━
そして千冬の訓練が終わって残っていたのはラウル一等兵とラウラボーデヴィッヒ少尉のみだった。
それからしばらくして夕食の時間になった。一夏は隊に着任するのにつき食堂の料理番も請け負うことになっていた。
「夕食ですよ~」
一夏が作った料理は隊員に好評だった。
「美味しいよ!ラウ一等兵!」
「さすがだな!ラウ一等兵!」
そして一夏は隊員の心を掴んだのだった。そしてシュバルツェ・ハーゼ隊副隊長クラリッサハルフォース少尉にある質問をした。
「クラリッサ少尉」
「なんですか?ラウ一等兵」
「今日の訓練を僕以外に耐えきっていた人ってどこにいますか?」
「ああ、ラウラ少尉か…少尉なら自室にいると思う」
「有難うございます」
クラリッサからラウラの居場所を聞き出した一夏は夕食を持ってラウラのところに向かった。
ラウラの部屋
「少尉、ラウ一等兵です。入ります」
一夏は部屋の戸を叩きラウラの部屋に入っていった。
「何の用だ」
「中尉に夕食を持ってきました」
「そこにでも置いて置いてくれ」
夕食を近くにあった机に置くと一夏はラウラに話しかけた。
「なんで少尉は隊の皆さんと一緒に食べないんですか?」
「隊の皆とは折り合いが悪いんだよ。私は出来損ないだからな」
「な、なぜそんなことを言うんですか?」
ラウラから返ってきた答えを一夏は聞き返した。するとラウラは左目の眼帯を外した。するとラウラの左目は金色に光輝いていた。
「私の目はヴォーダン・オージェの不適合で他の隊員とは違って金色になってしまって出来損ないの烙印を押されたからだ」
ラウラから理由を聞いた一夏はラウラを平手打ちし、口を開いた。
「なぜそんな事を言っているんだ貴様は!」
「ら、ラウ一等兵⁉」
「少尉は少尉しかいないだよ!」
そして一夏は叫ぶと ハッ! としてラウラに謝る。
「す、すいません」
「あ、ああ」
「とにかくそんなくらい考えは止めてくださいね。あと自分はラウでいいですから」
そう言うと一夏はラウルの部屋から食堂に向かった。