織斑一夏転生記~転生者の生きる道~   作:如月 霊

17 / 80
第十六話 初任務

ラウラの一件から数ヵ月後のある日

 

一夏はシュバルツェ・ハーゼ隊で初めて任務に参加することになっていた。任務はテロリストの鎮圧だ。その際の一夏の配置は自分の現上司のラウラが最前線に対して後方での通信係だった。

ラウラ達がテロリストの基地に突入してから数分後一つの通信が入った。

 

『こちらアルファ1!て、テロリストはISを3機も保有している!このままでは突破される!至急援軍を!う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!……』

 

するとアルファ1からの通信はアルファ1の叫び声と共に切れた。通信が切れると一夏はシュバルツェ・ハーゼ後方通信係班長カーラ・ファルラ中尉に自分の出撃許可を願い出た。

 

「ファルラ中尉、自分に出撃許可を下さい」

 

「その根拠は何ですか。あなたが行ったら戦況が変わるとでも?」

 

「ファルラ中尉、“変わるんじゃなくて自分が変えに行くだけ”ですよ」

 

「いいでしょう、許可します」

 

「ありがとうございます!ファルラ中尉!」

 

ファルラ中尉は玲に出撃許可を出した。すると玲は走って通信車から出て行った。玲が出ていってから他の隊員達がファルラ中尉に詰め寄ってきた。

 

「ファルラ中尉!なぜラウ一等兵に出撃許可を出したのですか!犬死にさせるようなものですよ!」

 

「私は第二次世界大戦時に第703部隊にいたんだよ。自分達が不利な時に隊長がさっきのラウ一等兵と全く同じ事を言ってきたのよ。それに、その時の隊長と同じ目を彼がしていたからよ」

 

「だからって…」

 

「彼は帰ってくるわ信じなさい」

 

(ですよね…織斑隊長)

 

そうファルラ中尉が言うとさっきまでファルラ中尉に詰め寄っていた隊員達も一夏を信じる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通信車から出て行ってすぐに一夏は転移装置を使ってドミニオンの格納庫に跳んでいた。転移した一夏の前には一機のISが鎮座していた。そのIS名は[シグー]、機動戦士ガンダムSEEDでのZAFT軍主力兵器、[ジン]の後継機として開発されていた機体でありラウ・ル・クルーゼの機体だ。そして一夏は機体に乗り込むと転移装置を起動させる準備に入った。そして基地内に緊急の警報を鳴らして通信を開く。

 

「シグーを発進させる!総員持ち場につけ!」

 

「艦長、バックパックはどうするんですか」

 

すると横から声をかけられた。整備班の班長ヴィーノ・デュプレだ。

 

「シグー用のシールドの予備の転送準備も忘れないでくれ」

 

「はっ!」

 

一夏が答えるとヴィーノは敬礼をして走っていき装備を始めた。そしていは機体ごと敵の基地内に転移した。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。