「(転生完了したか…さて、動きましょう…か?)」
時雨は動こうとしても自分の体が動かない事に気づくと直ぐに自分の体を見た。
「オギャァー!」(なんじゃこりゃあぁぁぁぁあ!)
体を見ると自分が赤ん坊になっていたのがわかった。するとしばらくして誰かがやって来た。
「あら、一夏は起きちゃったの?」
「(お母さんか?てか一夏って僕の名前なのかな?)」
そう言って一夏は抱き上げられた。
「かわいいわね~」
そう母親が言っていると奥の部屋から一人の少女が出てきて僕を見るなり少女は母親に話しかけた。
「ねぇお母さん!私も一夏達だっこしたい!」
「千冬と束ちゃんもなの?仕方ないわね~」
「(えっ?アイエー!チフユ⁉ナンデ⁉エッ⁉てことは僕の転生先って織斑なの⁉)」
そう考えているうちに一夏は千冬に抱き抱えられ、揺られていた。
「かわいいな~」
「(あ、もうダメ…おやすみ~)」
揺られ出して直ぐに一夏は意識を手放した。
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六年後
やぁ、矢矧…いや、織斑一夏だよ。
ん?何で六年後かって?それはさ…赤ん坊から記憶があるのはアレなんだよ…まぁ、そんなんは置いといて転生してから驚いたのはさ、転生したのが織斑家でもって主人公の一夏になっていたことだよ。
てか、織斑一夏に転生って原作崩壊待ったなしだぞ‼
そして、今僕はというと…
千冬姉に連れられ篠ノ之道場に来ていたのだった。道場に着くと奥から誰かの叫び声が聞こえてきた。
「ちぃぃぃぃぃちゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁん!」
次の瞬間、赤に近い紫色の髪を持った女性が千冬姉に飛び付こうと跳び跳ねた。
「うざい!」
それを確認した千冬はその人物を殴り、地面に叩き着けた。この女性こそ未来の大天災になる“篠ノ之束”なのだ。するとすぐに束は復活して千冬にむかって叫んだ。
「痛いよちいちゃん!私の脳細胞が300個くらい無くなっちゃうよ!…というかこの子誰なのちいちゃん。」
千冬にむかって抗議している内に僕の事を気づいた束は千冬に僕の事を聞いてきた。
「うん?…ああ、私の弟の一夏だ。一夏、このバカは篠ノ之束だ」
(ありがと千冬姉)「こんにちは、束姉さん!一夏だよ!」
心の中で千冬に礼を言いつつ束に自己紹介をする。
「い、一夏!?何故こいつを束姉と呼ぶんだ!」
「束姉ねぇ~いいね!いっくん!」
すると束姉さんと呼ぶと千冬は困惑し、束は嬉しそうに返事を返してきた。これが僕と未来の大天災“篠ノ之束”とのファーストコンタクトだった。