『織斑君、発進、どうぞ』
一夏がISスーツに着替え打鉄に搭乗してカタパルトに乗ってしばらくするといつの間にか復活した山田先生から通信が入った。
「了解」
「織斑一夏。打鉄、行くよ」
そう言うと打鉄は綺麗なバレルロールを描きながらアリーナの中に射出された。
「待っていたぞ、一夏」
「そんなの言わないでよね~」
アリーナの中に出ると千冬は既に発進して空中に浮いていて声をかけてきた。
「…さて、逝こうか…」
一夏が千冬にそう返すと試合開始のブザーが鳴った。
そして先手を取ったのは千冬だった。
「ハァッ~!」
千冬は打鉄の搭載武器の刀をイグニッションブーストをして急接近し、降り下ろした。しかし一夏はそれを同じ刀で受け止めた。
「やるな!流石は月姫!戦いがいがある‼」
「ぐっ!今度はこっちの番です!」
そして一夏はイグニッションブーストを使いながら千冬の打鉄に蹴りを入れ、突き飛ばすと刀を千冬の腹目掛けて刀を打ち込もうとしたが今度は千冬がその攻撃を防いだ。
「グワッ!」
「まだまだ、甘いぞ!」
そして千冬は一夏の刀を払ってお互いに離れ、状態を整える。それから一夏と千冬は円を描くように回り、一度ぶつかるとまた回りまたぶつかるを繰り返した。
そして試合開始から20分後千冬と一夏がお互いの機体の腹部に刀を殴り付けると大きな衝撃波が作り出され両方の機体が解除された。するとしばらくして試合終了のブザーが鳴った。
『しょ、勝者!織斑一夏!』
そして山田先生が戸惑いながらも判定を告げた。寸分の差で一夏がスピードで勝っていたのだった。
しばらくして一夏は千冬と同じピットにいた。。
「いや~負けるかと思ったよ」
ピットに入ると一夏は気の抜けた声を出した。
「お、織斑君が本当に織斑先生に勝っちゃった……」
するとピットにいる山田先生が小さく呟いた。そしてそれを聞き取った千冬が山田先生に答えた。。
「だから言っただろう、一夏には2回やれば一回は負けると」
すると山田先生は驚きの声を上げた。
「だ、だって!織斑先生引退したとはいえ世界最強ですよね!それだと織斑君も世界最強になっちゃいますよ!?」
「それもそうか!しかし実際、一夏に圧倒的に勝てる物は無いからな。剣道でもいつも引き分けか敗北のどちらかだったからな!一夏も私と同じ世界最強だな!」
「それにやっと一夏に張り合える物が出来たからな、嬉しいから良い」
「ほ、本当に織斑先生がIS以外織斑君に勝てないんですか?」
山田先生が千冬の言葉を疑問に思い、千冬に聞いた。
「ああ、そうだぞ?」
山田先生の疑問に答えた千冬は一夏にこれからの事を話す
「一夏、明後日から学校が始まるから取り敢えずはお前鍵を渡すから寮に居てくれ」
「後で制服とかを届けるからな」
「了解」
返事をすると一夏は立ち去ろうとしたが千冬に言い止められた。
「そういえば一夏。お前に渡した教科書とかは目を通したか?」
「もちろん♪全部暗記済みだよ!あんなの軽い軽い♪最年少佐官なめないでよね♪」
意気揚々と一夏は答える。
「そんな生易しい物じゃなかった気がするんですが……」
その答えに山田先生は頭を抱えた。
「それじゃあ、先に帰ってるね」
そして一夏は寮へと向かった。