~決勝戦~
ついに一夏はと楯無の戦いが始まろうとしている。この二人は第五回モンド・グロソのときに戦い一夏が一度勝っている。しかも中々の激戦だったため今回も戦いを楽しみにされていた。
一夏がISの[プロヴィディンスガンダム]を展開し、カタパルトに乗るとオペレーターから通信が入った。
『発進タイミングをプロヴィディンスガンダムに譲渡します』
「ラウ・ル・クルーゼ。プロヴィディンス、出るぞ」
そう一夏は名乗りを上げ、発進した。
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そして、一夏がアリーナ内につくと既に楯無の[ミステリアス・レイディー]が発進していた。一夏は楯無に通信を開き話し出す。
「負けないよ。今度も私が勝たせてもらおう」
「私はもう、負けられないのよ!」
それを言うと通信を切った。すると、それと同時に試合開始のブザーが鳴る。
そして……最初に仕掛けたのは一夏であった。
「行け!ドラグーン!」
すると一夏は全てのドラグーンをミステリアス・レイディーに向けて飛ばしながら自分もビームサーベルを起動し攻撃を仕掛ける。しかし、楯無はそれも気にせずにあっけららかんと口を開いた。
「なんだか暑くなぁ~い?」
ヤバッ!クリア・パッションじゃねえか!
一夏は瞬時にこれがミステリアス・レイディーの単一能力のクリア・パッションだとわかった。すると一夏はブースターを目一杯吹かせ、急上昇した。それと同時にミステリアス・レイディーのクリア・パッションが発動し、大きな爆発を発した。
「どう!」
楯無は“やった!これで勝てる”と言わんばかりに叫んだ。しかし、現実は非情である。爆煙が晴れるとそこから一夏のプロヴィディンスガンダムが現れる。
「そんな…」
「私は負けないと言ったはずだがな」
楯無はそう、失意の声をこぼした。
そして、これに大会の関係者は驚きしかない。それもそのはずだ、楯無の単一能力で決まったと思っていると上空にプロヴィディンスガンダムが現れたのだ。無傷で。
「さて、今度は私がいかせてもらおうか!」
そして一夏は全てのドラグーンとビームライフルを撃ちながら近づき、叫び声と共にビームサーベルを縦一閃に降り落とした。
「斬ッ‼」
するとミステリアス・レイディーは一瞬にしてシールドエネルギーを削り取られて解除された。
そして一夏はISを解除された楯無をお姫様抱っこでピットに戻って行った。この時の楯無はに抱えられた少女に見えたらしい。これにより一夏は第六回モンド・グロソを勝ち抜き、日本の織斑千冬しか成し遂げていなかった大会二連覇をドイツで一夏が成し遂げたのだ。一夏は《白い流星》という異名に《ジークフリート》の称号と《モンド・グロソの天使》という異名が加わった。《白い流星》とは一夏がシュバルツェ・ハーゼの初任務の時に白い仮面をつけて白い機体に乗って敵の攻撃に当たることなく接近して倒して行き数十分で20機ものISを一人で葬り去った。この時に一夏のISが光の線を空中に描いていたからだ。
大会が終わると一夏はクラリッサを呼び、車でシュバルツェ・ハーゼの基地に向かった。