第三話 って!ここどこ⁉
やぁ、久しぶりだね。アテネに間違って殺された織斑一夏こと、矢矧時雨だよ。
ん?今どこにいるかって?それがさ…
ドイツの戦場のど真ん中みたいなんだよねぇ~
ここどう見ても戦地だよ?!アテネ⁉
一夏が混乱して頭を抱えて居ると空から一通の手紙が落ちてきた。
「なんだこれ」
『拝啓 一夏君。ごめんね~またミスってタイムスリップさせちゃった。そこは第一次世界大戦中のドイツだから。取り敢えずガンバ!そっちでまた時を見計らって元の時代に戻すから大丈夫だよ!歴史改変してもいいからね。
p.s.頑張って生き残ってね~』
(゜ロ゜)?ハ?
一夏は手紙をみて一瞬固まったが、直ぐに怒りがこみ上げて来て大声で叫んだ。
「あんのクソ女神ィィィ!!!!!!」
叫び終わると一夏は疲れはてて愚痴を呟いた。
「マジかよ…」
すると、目の前にあの有名なアドルフ・ヒトラーが現れた。
「ヒトラー総統…」
そしてヒトラーに向けて敵の兵士が毒ガスを投げようとしているのが見えだ。
「っ!ヤバイ‼」
「ガスマスク!」
すると一夏はガスマスクを創り出すとヒトラーの元へ走った。
間に合え!
「ヒトラー!」
「っ!き、君は⁉」
突然自分の名前を呼ばれたヒトラーは一瞬止まった。そしてそれを好機と見た僕はヒトラーの顔にガスマスクを押し付ける。
「グッ…ガハッ‼」
それと同時に敵の毒ガスが放たれ、一夏はそれをもろに食らった。
「おい!君!君!」
そして一夏はヒトラーの叫ぶ声を聞き、意識を放した。
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あれから五年…
一夏は戦後日本に帰り、軍に入っていた。
ある日、兵学校を卒業し横須賀鎮守府に着任していた一夏は横須賀鎮守府の司令長官 鎌居少将に呼ばれ、鎌居少将の執務室前に来ていた。
「織斑中尉であります」
『入れ』
一夏はドアをノックして司令長官の返事を聞いてから執務室に入室して敬礼をした。
「失礼します」
執務室に入ると鎌居少将が椅子に座るように勧めてきた。しかしそれを一夏は拒み、立ったままで居ることを選んだ。
「まぁ中尉、座ってわどうかね」
「いえ、自分はこのままで結構です」
鎌居少将は少しため息をつきつつも話し出した。
「まぁいい、今日中尉を読んだのはだね、辞令を伝えるためなのだよ」
そう言うと鎌居少将は机の引き出しから辞令書を出し、読み上げた。
「織斑一夏中尉は今日付けで大尉に昇進の後、駆逐艦竹の航海長に着任せよ!」
「はっ!」
辞令を聞いた一夏は返事をして敬礼をした。それに鎌居少将も敬礼を返した。それから一夏はなぜ移動なのかを聞いた。
「鎌居少将、一つ質問よろしいでしょうか」
「構わん」
「なぜ横須賀鎮守府に着任して11ヶ月にも満たない自分が大尉なのでしょうか」
その質問には鎌居少将も頭を悩ませていたらしく、唯一分かったのは上からの圧力だったとか…その他はわからずじまいだった。それから一夏は執務室から退室すると、自室に戻り駆逐艦竹への着任準備を初め、用意を整えると明日の着任に備えて早く眠った。