あれから数週間後、一夏達は第502総合戦闘航空団の基地に到着していた。そして、朝の朝礼が終わった後、一夏は隊員の前に出て孝美とひかりの話をした。
「あ~、みんな聞いてくれ。今回、我が第502総合戦闘航空団に新しい隊員が着任することになった。どうした?シャルム?」
すると第一部隊のシャルム・リルモント少尉が質問してきた。
「隊長、その新しい隊員とは?」
「ああ、私の姉達だ」
一夏がそう言った瞬間、質問したシャルム以外の隊員達も反応し、気が重くなった。
「あ、あはは…は、入ってきてくれ!」
それを打開するために一夏は苦笑いをしつつ、孝美達を呼んだ。
「「失礼します!」」
入室してきた孝美達に自己紹介を促した。
「扶桑皇国海軍第22航空戦隊より転属してきました。雁渕孝美大尉です。よろしくお願いしますね」
「さ、佐世保航空予備学校より来ました!雁渕ひかり軍曹です!よろしくお願いします!」
それが終わるとエミリア・ミルフォン中尉が驚きながら口を開いてきた。
「リバウの魔眼使いが隊長の姉⁉」
するとそれにアーニャ・ウェスコット少尉が頭に疑問符を浮かべながら聞き返した。
「リバウの魔眼使いって?」
「アーニャ知らないの?数ヶ月前にあったネウロイのリバウ進行での援軍到着まで一人でリバウ基地守りきった人よ」
「へぇ~…って!なら隊長の名前は雁渕なの⁉クルーゼじゃないんですか!隊長!」
アーニャは重要な事に気がつき一夏を問いただしてきた。
「ああ、そうだな。だが、雁渕じゃない名字で軍席に登録してるけどな」
「雁渕じゃない名字って何なんです?」
シャルムが質問してきた。
「ああ、織斑だよ。織斑一夏、それが私の正式な登録名だよ」
そう応えるとシャルムが叫んだ。
「クルーゼ隊長が救国の英雄なの⁉…ってことは階級は大将⁉」
「そうだぞ?」
一夏があっけらかんと答えると隊全員にどよめきが広まった。すると、副隊長のグンデュラ・ラル少佐が渇を入れた。
「静かに!」
「「「は、はい!」」」
やつぱ怖いねェ~
「隊長?何か言いました?」
「イエナンデモアリマセン」
「では隊長、今回はこれで解散でよろしいですね?」
ラル少佐が軽く圧力をつけつつ聞いてきた。
「は、はい!じゃ、じゃあ!解散!」
((((救国の英雄でも女性には弱いんだな~))))
この時にこの場にいた全員の心の中は一致していた。
「「「「「「はい!」」」」」」
隊員達と孝美とひかりは心でそう呟いたあと、そう返事をしたのだった。そして…その数ヶ月後…