『ソシテ敵艦隊旗艦ニハ、“長門級戦艦”ト思ワレル存在ヲ確認セリ』
川木小隊の打電内容にあった『長門級戦艦』という言葉を聞いてすぐに顔を上げ、通信係に再度確認した。
「…なに?長門級戦艦と言ってきているのか?」
「はい、確かに長門級戦艦と打電が来ています」
通信係の返答を聞くと今度は副艦長に話しかけた。
「なぁ、伊川副艦長」
「何ですか、艦長」
「お前に長門型戦艦に長良型軽巡、陽炎型駆逐艦を含んだ艦隊を知っているか?…てか居たっけ?そんな艦隊。アレ?俺か?俺がおかしいのか?!」
「大丈夫ですよ。私も知りませんから、艦長は至って正常ですよ」
伊川副艦長に正常と言われた一夏は安心し、また再び話し出した。
「な、ならいいんだ。…少々取り乱した」
「しかし、ビックセブンの一角か…」
少しばかり考えた後一夏は艦の指揮を執り出した。
「両舷前進原速!」
「両舷前進原速!」
一夏はそう指事を出してからしばらくしてレーダ観測員から報告が上がった。敵艦隊が本艦の射程に入ったというものだった。
「艦長!所属不明艦隊本艦の射程圏内に入りました」
聞いてからすぐに一夏は副艦長にあることの確認を取った。
「伊川副艦長、各航空隊の発艦準備はどうだ?」
「はっ!全航空隊発艦準備完了!二分あれば全機出せます!各砲塔、並びに垂直発射菅全菅装填完了済みです!」
航空隊の情報を聞いた一夏は喜びを露にした。
「パァーフェクトだ」
そう言ってから一夏は攻撃の指揮を執ろうと指示を出そうとした。しかし、それは通信係からの報告で遮られた。
「よし!全砲t「艦長!」…どうした!」
「所属不明艦より打電!『こちら海上安全整備局ブルーマーメイド所属の天城型巡洋戦艦『天城』である。貴艦の所属、目的を明らかにし、速やかに武装解除し停船せよ。指示に従わない場合は国際法に則り、貴艦を攻撃す』とのことです」
それを聞いた一夏はしばらく黙り込んでから次の指揮を出した。
(あれは未完艦の筈では…)
「…仕方ない、天城に打電だ。乗員の生存権を確約するならば貴艦の指示に従うと伝えろ」
「両舷機関停止!」
「両舷機関停止!」
そう一夏が指示してから数分後、艦が停止するとすぐに通信員から報告が上がった。天城から返答があったのだ。
「艦長!天城より打電来ました!『貴艦の要求を承認し、貴艦乗員の生存権を確約する。また、本艦内にて貴艦の決定権の有する人物との会談を希望す、海上安全整備局 一等監察官 宗谷真霜』です」
そして一夏は通信員に新たな指示をだした。
「天城に打電だ『貴艦ノ要求ヲ承認ス』とな」
そしてから一夏は副艦長に話しかけた。
「伊川副艦長、一緒に来てもらえるか」
「はっ」
「しかし艦を指揮するものが居なくなりますよ?」
伊川副艦長にそう指摘された一夏は砲雷長に艦長代理を任せ、艦の横に接岸してきた天城に乗り込んだ。