巡洋戦艦天城に乗り込んだ一夏と伊川副艦長が案内されたのは天城の長官室に案内された。そして二人が長官室に入るとそこには二人の女性士官のような人物が居た。その存在を確認すると二人は敬礼をし、自分の所属を話した。
「自分は大日本帝国海軍『旭日艦隊』旗艦、扶桑型航空戦艦三番艦扶城艦長並びに『旭日艦隊』司令長官の織斑一夏元帥です」
「扶桑型航空戦艦三番艦扶城副艦長の伊川偲中佐です」
一夏達の自己紹介を聞いた女性も敬礼をし、自分の名前と所属を話した。
「私は海上安全整備局安全監督室情報調査隊所属、宗谷真霜一等保安監督官です」
「巡洋戦艦天城艦長の宗谷真冬ニ等保安監督官です」
そして、四人が椅子に座るとは真霜は一夏達に質問をしてきた。
「さて、もう一度確認しますが貴艦の所属はどこですか?」
「本艦の所属は大日本帝国海軍、横須賀鎮守府です」
一夏ははっきりと自分の所属を再び話した。そしてその答えに帰ってきたのは驚きの言葉だった。
「しかし今、横須賀鎮守府という所はアメリカとの共同軍事施設で名前も横須賀軍事基地になっていますよ?」
それを聞いた一夏はすぐに立ち上がり大声で叫んだ。
「何だと⁉アメリカにだと‼日本はアメリカ戦争で負けたのか⁉」
「え?アメリカとなんか戦争なんてしてませんよ?」
「何?戦争が起きていないだと?」
「ええ、最後の戦争は日露戦争の時ね」
それから一夏は自分がこの海域に現れるまでの経緯を話した。
「…」
「…」
そして黙り込んでしまった一夏と伊川副艦長に真霜が何でアメリカに過剰に反応をしたのかを聞いた。
「何故織斑元帥はアメリカにそこまで険悪なんです?」
「…私の戦友、教官、親しかった人を皆アメリカに殺られたんだよ」
「⁉、それは済まないことを聞いたな」
「いや別にいいさ、嘆いたところでなにも変わらないですよ」
一夏がそう返してすぐに机に備え付けられていた電話が鳴った。
「はい、宗谷真霜です。はい…はい、織斑元帥は…はい…了解しました」
そう言い電話を切った真霜は一夏の方を向いて一夏達の今後の待遇を話した。
「織斑元帥、貴艦の今後の待遇が決まりました」
「貴官は今後、ブルーマーメイド保安監察部所属として階級は少将までしか存在しないので少将とすることが決定しました。それから織斑元帥、ご年齢はおいくつで?」
「19と言いたい所ですが今は16歳ですね」
一夏の年齢を聞いた真霜は成る程と言い再び話し出した。
「なら織斑元帥。ブルーマーメイド横須賀女子学園に生徒兼職員として入学してみませんか。勿論乗艦は扶城のままで構いませんよ」
一夏はその提案に面白そうだと乗ることにした。
「いいですね。そうしましょうか。だけど本艦の武装は解析は許可しませんからね」
「別に構いませんよ」
しばらくしてから一夏は艦に戻り天城に引率されながら横須賀に向かった。