ピー!ピー!
扶城の艦橋にけたたましい警報が鳴った。
それから一夏は少し念じ、索敵をする。
「北北東320kmに反応か…」
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~みらい~
みらいの艦橋では混乱が起きていた。イージス艦のデータベースに存在しない艦が急に現れたのだ。
「副長。あれは一体…」
通信長が聞いてくる。
「わからない…だが、日本の認識コードなのは確認できている」
そう言うと艦長は扶城に通信を繋ぐように命令した。
「通信長、あの不明艦に電信を打て。内容は『こちらは大日本帝国海軍所属 第二水雷戦隊旗艦 イージス巡洋艦≪未来≫。貴艦の所属と目的は何か』だ」
「はっ。電文、打ちます」
そういい通信長がCICに降りていくのを見送った後、艦長は遥か先にいる不明艦を睨んだ。
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「艦長!電文です!」
一夏が艦橋で双眼鏡を覗きながら未来を睨んでいるとやまゆきの通信長妖精が電文の書かれた紙を片手に艦橋に飛び込んできた。
「何!?読み上げろ!!」
それを一夏はすぐに読み上げるように命令した。
「は、はい!」
「『こちらは大日本帝国海軍所属、第二水雷戦隊旗艦 イージス巡洋艦≪未来≫。貴艦の所属と目的は何か』です」
みらいか…
「よし、通信長。未来に打電だ。『こちらは大日本帝国海軍所属 聯合艦隊旗艦、扶桑型航空戦艦三番艦 扶城である。本艦は第二十七代聯合艦隊司令、織斑一夏元帥の乗艦である。本艦は横須賀入港を目的としている。接近を許可されたし』だ」
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~みらい~
「艦長!不明艦から返答来ました!」
「『こちらは大日本帝国海軍所属 聯合艦隊旗艦、扶桑型航空戦艦三番艦 扶城である。本艦は第二十七代聯合艦隊司令、織斑一夏元帥の乗艦である。本艦は横須賀入港を目的としている。接近を許可されたし』…です」
「航空戦艦扶城か…」
艦長がそう呟くと副長も呟く。
「たしか扶城はレイテ島沖に沈んでいるのでは…」
「艦長…織斑元帥が…」
周りの乗組員達が情けない声を出してきた。
それを艦長は渇を入れた。
「情けない声を出すな!!我々は誇り高き大日本帝国海軍軍人なんだぞ!!」
そうしてから艦長は艦の指揮をとった。
「第三戦速!!進路そのまま!!」
「か、艦長…」
「副長!何をしている!復唱!!」
唖然としていた副長は艦長に叫ばれ、我に帰り命令を復唱する。
「は、はいっ!第三戦速!!進路そのまま!!」
「あと通信長、扶城に打電。『了解した。本艦が接近する為、機関停止して待機されたし』だ」
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~扶城~
「打電か?」
「『了解した。本艦が接近する為、機関停止して待機されたし』…フッ、わかったぞ」
「機関停止!未来を待つ!!」