あれからしばらくして~
未来と扶城は接触しようとしていた。
~未来~
「あれが扶城か…」
未来副長の角松洋介(かどまつ ようすけ)中佐は艦橋横から停止している扶城を眺めていると不意にそう呟いていた。そこに後ろから梅津艦長が話しかけてきた。
「全長207.1m、最大幅:96.5m、最大排水量:41,532t。まさしく最強の戦艦だな」
「艦長…扶城の幽霊なんですかね」
副長はそう艦長に向けて話した。
「さぁな。だが、あの打電は本物だからな。とにかく、頼むぞ副長」
そう艦長は話を締めくくった。そして、艦が少し揺れた。
『航空戦艦扶城と接岸完了しました』
そう艦内放送が入った。
「頼むぞ」
「はっ!」
艦長にそう言われ、副長は敬礼をして接岸した扶城に向かった。
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~扶城~
「大日本帝国海軍第三水雷戦隊旗艦、イージス巡洋艦未来副艦長、角松洋右中佐であります」
角松中佐は長官室に入るなり敬礼をしてそう名乗った。それに一夏と偲が名乗り返した。
「私は第二十七代聯合艦隊司令と航空戦艦扶城の艦長をしている織斑一夏元帥です」
「私は航空戦艦扶城副艦長の伊川偲中佐です」
「角松中佐、座ってはいかがかな?」
それから一夏は角松中佐に座るように促す。
「は、はい。失礼します」
角松中佐は緊張気味に椅子に座った。それから角松中佐は一夏に質問した。
「織斑元帥、失礼ですがあなたは70年前にレイテ沖でこの扶城と沈んだのではないのですか?」
難しい所をつくな~…
「…角松中佐、私は確かに沈んだ。だが、本当は沈んではいなかったんだ」
「沈んで…いなかった?」
角松中佐は不思議そうに聞き返した。
「ああ、元々私はあの時代の人間では無く今の時代の人間だったのでね」
「あの時代の人間では無いとは?一体…」
角松中佐は一夏のあの時代の人間では無い発言を気にしていた。
「私はこの横にいる━この!バカ女神に70年前に連れていかれていたんだ」
「ちょ、あなた!どうしたの!」
あまりの事に角松中佐は唖然としていた。
「この方は…」
「こいつは地球を管理してる女神のアテネだ。それは置いといて、今回はこいつにやっとこさこっちに戻ってきたから横須賀に向かっているんだ」
ヒドイデスヨ!アナタ‼
「は、はぁ」
それから一夏は角松中佐に爆弾を放った。
「それにこれは二度目で、前は五歳の時で二度目はこの間福音を押さえた時でしたよ」
そう愚痴を放ってから一夏は角松中佐に横須賀に入港するまで扶城に居ないかと聞いた。
「時に角松中佐、横須賀に入港するまで扶城に居ないか?」
「え、ええ。入れられるのならば是非」
「ならばこちらへ、艦橋に案内しましょう」
そう言って一夏、角松中佐、アテネ、偲の四人は長官室を後にした。