「お、織斑元帥!!あれは一体」
角松中佐は水平線の先から三十年前に解体されたはずの第一航空戦隊の旗艦、空母赤城と今は舞鶴港に係留され、記念艦となっているはずの戦艦比叡が現れた。大亜東戦争時の戦艦は全国各地に記念艦として残されている。佐世保には戦艦武蔵、戦艦伊勢が。呉には戦艦大和、戦艦陸奥が。四国に戦艦金剛、榛名が。舞鶴には戦艦比叡、戦艦霧島が。横須賀には戦艦長門、戦艦日向、駆逐艦竹が。そして北海道には戦艦扶桑、戦艦山城が係留されていた。
「あの艦もまたこの世界に来たか…」
「織斑元帥?」
角松中佐は一夏のその呟きが聞こえていなかった。
「よし!通信兵!!」
「はっ!」
一夏は艦橋付きの通信兵に空母赤城と戦艦比叡に打電を打つように指示した。
「空母赤城、そして戦艦比叡に向けて打電を打て。内文は『こちら大日本帝国海軍聯合艦隊旗艦 扶城である。貴艦の援護、誠に感謝する。貴艦の責任者と話がしたい。我が艦に横付けされたし。
発、大日本帝国海軍聯合艦隊司令長官 織斑一夏元帥』だ」
「はっ!」
通信兵はそれをメモに取り、第一艦橋から降りていった。
「織斑元帥。大丈夫なのでしょうか…」
角松中佐が横から聞いてきた。
「まぁ、大丈夫だろう(実際知り合いだし)」
「はぁ…」(大丈夫なんだろうか…)
角松中佐はため息をつくのみだった。
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~赤城~
「謎の戦艦から『こちら大日本帝国海軍聯合艦隊旗艦 扶城である。貴艦の援護、誠に感謝する。貴艦の責任者と話がしたい。我が艦に横付けせよ。
発、大日本帝国海軍聯合艦隊司令長官 織斑一夏元帥』と電文が来てますよ。艦長」
早瀨大佐が報告をあげた。
「大日本帝国か……それに一夏が元帥?」
稲木中将は頭を悩ませた。
「織斑大将はたしか1ヶ月前にあったネウロイどものペテルブルク基地強襲で戦死しで戦死階級特進で元帥なはずですけど…」
そう、稲木中将が頭を悩ませるのはストライクウィッチーズの世界では一夏は1ヶ月前にペテルブルク基地強襲で負傷しながら戦い、戦死したことになっていた。それに一夏は聯合艦隊司令長官ではなかったからだ。
「稲木中将!あの艦は一体何なのですか?」
稲木中将が悩んでいるところにペテルブルク基地が壊滅したことにより赤城を母艦としている502JFW所属の雁渕孝美大佐が現れた。
「これを見てくれ」
稲木中将は孝美に扶城からの電文を見せた。
「…艦長?会談しましょうか?」ゴゴゴゴ!!!!!!
「へ?」
「へ?」
艦橋にいた者全員が孝美から溢れ出す威圧感に呆気にとられた。
「どうしました?艦長?会談、しましょうか」ゴゴゴゴ!!!!!!!!
「!」コクコク
「あ~!良かった!…イチカ、マッテテネ…」
それに稲木中将他艦橋要員は固まった。
「…雁渕大佐がブラコンをこじらせてるな…」
「ま、まぁ、艦長。会談受け入れの電文打っときますね…」
「あ、ああ。頼んだ…」
それから艦橋に冷えきった空気が流れ続けたのは言うまでもない……
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~所変わって比叡~
「艦長、あれは…幽霊艦なんでしょうか?」
ましろが聞いてきた。
「…わからないよ。シロちゃん」
「扶城は武蔵との戦闘で爆沈したと聞いたけど…」
ましろはそう言った。それで、艦橋がシンと静まり返った。それもそのはずだった。扶城は…一夏は明乃達の為に戦って散ったはずだったからだ。
「シロちゃん。私会ってみるよ」
明乃は下げていた顔をあげてそう言った。これにより、両艦が会談に臨む意思を固めたのだった。
ヤンデレ怖い…((( ;゚Д゚)))