乗艦を沈められた翌日。駆逐艦夕暮で休息をとっていた一夏は母港である横須賀港に入港したあと横須賀鎮守府司令長官鎌居少将に呼び出され、また執務室前に来ていた。
「織斑一夏少佐です」
『入れ』
一夏はドアをノックし、中から返事が来たのを確認して入室した。そして全開来たときにもした敬礼をした。
「織斑一夏少佐、帰還いたしました」
「まぁ、座ったらどうだ」
一夏からの帰還の知らせを聞いた鎌居少将は、少々威圧をかけて座るかを聞いてきた。これは一夏でもわかる、
“座れよこのヤロー、座らなかったら…”というような感じを思わせる。それには勘弁ならなかった一夏はお言葉に甘えて座ることにした。
「で、ではお言葉に甘えさせていただきます」
一夏がソファーに座ったのを確認した鎌居少将は一瞬にこやかな、“やった!”というような面相を出したが、直ぐに押さえ込んで司令長官としての顔を作った。それを確認した一夏は鎌居少将に質問をした。
「鎌居少将、なぜお呼びになったのですか?」
「いやね、君が指揮をとって敵旗艦を沈めた事で得られた戦果が計り知れないってことでだな」
「はぁ」
「大本営から辞令がまた降りてきたんだよ」
そう言うと鎌居少将は一枚の紙を持ってそれを読み始めた。
「連合艦隊司令長官座乗の長門護衛において貴殿は多大なる勝利への貢献をしたとして少佐から大佐に昇格、他の竹乗組員を二階級特進とする!」
「また!織斑一夏大佐には判断力と作戦指揮能力を見込み、第二八駆逐隊司令から新設される日独英伊ソ連合の第703航空隊の航空隊隊長に任命する!」
辞令を聞いた一夏は立ち上がると敬礼をした。その敬礼に鎌居少将も敬礼を返してきた。
「はっ!織斑一夏大佐!第703航空隊隊長の辞令!拝命いたします!」
「ハァ~…それから織斑大佐はドイツ、イギリス、ソ連軍にも席を置くことになった」
それを聞いた一夏は鎌居少将に向かって大声をだした。
「五ヶ国に所属する軍人なんて聞いたこと無いですよ‼」
すると鎌居少将はため息をつきながら説明してきた。
「ハァ…これは五ヶ国同盟会議で決まったんだ。君の取り合いという事だな。まぁ、諦めてくれ」
「…わかりましたよ。で、その階級とかは何なんで?」
すると驚きの答えが帰って来た。
「…ドイツが軍令部中将、イギリスとソ連、イタリアが少将だ」
「マジですか…わかりましたよ」
「そう言ってくれると助かる…」
それから辞令を拝命した一夏は執務室を後にした。
□■□■□■□
第703航空隊基地
あれから元島風の乗組員の各班長などに転属の事を知らせた二週間後、一夏は第703航空隊基地があるドイツを訪れていた。そして一夏は警備府に着くと執務室に向かった。
そして執務室前まで来ると第703航空隊の為に作られた基地という事もありノック無しで執務室に入った。するとそこには一人のドイツ人少女が椅子に座っていた。少女は一夏を見ると直ぐに立ち上がると敬礼をして自己紹介をした。
「本日付けで第703航空隊に着任しました!レイナ・レルベン中佐です!」