帝都廻。   作:玉砕兵士

1 / 9
初投稿、初小説になります
連載にするかはわからないので一応短編にしています。
駄文になりますがよろしくお願いします。


1話

人が次第に朽ちくように、国もいずれは滅びゆく

 

 

千年栄えた帝都すらも今や腐敗し生き地獄

 

 

人の形の魑魅魍魎(ちみもうりょう)が、

 

 

我が物顔で跋扈する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かをさらいに夜がくる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次はあの店に行くわよ!!」

 

「お待ちください、お嬢様!」

 

目を輝かせながら買い物の次の店である向かいの建物へと向かうアリアとその屋敷の警備兵。

それを驚いて眼差しで見ているのは

帝国の辺境の村から来たタツミ。

今はアリアに野宿しようとしているところを拾われてその恩に報いるため屋敷の警備兵の人達と一緒にアリアの警護(?)をしている。

 

〈多すぎだろ、どんだけ買うんだよアリアさん!〉

 

と心の中でツッコミを入れていた

 

「お嬢様の買い物って凄いんですね…もうなんか量が面白くなってますよ。」

 

「お嬢様に限らず女ってのはみんなあんな感じだ」

 

そんなタツミの言葉をこれが普通だよと若干諦めた感じで答えた

 

「そうすか?俺の知り合いは着物はすぐ選ぶんですけど。」

 

タツミは田舎から一緒に来たサヨとイエヤスを思い出しながら呟く

 

「それより上を見ていみろ」

 

「え?」

 

「あれが帝都の中心…宮殿だ」

 

言われるがままに、警備兵の男と同じ所に目を向けると他の建物より一際大きく立派な建物がタツミの目に入った

 

〈うわぁ、デケェなぁ想像してたのと倍以上にデケェ!〉

「あれが国を動かす皇帝様のいる所ですか!?」

 

 

「いや」

そう言うと、警備兵の男は誰にも聞かれないように細心の注意を払って小声でタツミに

「少し違う、皇帝はいるが今は子供だ。」

「その皇帝を影で動かす大臣こそがこの国を腐らせる元凶だ」

 

〈腐らせるってそれってもしかして〉

 

タツミが危うく口からでかかった所を

 

警備兵の男がすんでのところでタツミの口をふさぐと

「おっと変な声は出すなよ、聞かれれば打ち首だ」

 

「じゃあ、俺の村が重税で苦しんでいるのも」

 

「帝都の常識だ」

「他にもあんな連中もいるぞ」

 

タツミは警備兵の男が指をさすところの壁に貼られている手配書らしきものに目を向けた。

 

「ナイトレイド?」

 

「帝都を震え上がらせている殺し屋集団だ。名前の通り標的に夜襲を仕掛けてきやがる」

「帝都の重役達や富裕層の人間が主に狙われている」

そう話す警備兵の男からは僅かに額から汗が流れていた。

 

〈そんなにおっかねぇ奴らなのか?〉

 

「一応覚悟はしておけよ」

 

「はい!」

〈そんなおっかねぇ奴らなのか、そんな奴らにアリアさんは狙われるかもしれねぇってことか用心しねぇとな〉

 

「あと、とりあえずアレなんとかしてこい」

 

「なんの修行ですか!」

 

とタツミ屋敷の警備兵がアリアの買った服やら装飾品などの荷物を運ぶのに四苦八苦してるあいだに時間は過ぎていき夜になる。

 

 

 

深夜

 

 

 

その夜、何者かの殺気に気づいたタツミはベットから飛び起きた。

 

「なんだ…殺気⁉︎」

 

その時、タツミの脳裏に浮かんだのは昼間警備兵の男との話が思い出されていた

 

「帝都を震え上がらせている殺し屋集団だ…帝都の重役達や富裕層の人間が命を狙われている」

 

その時、外の様子を確認するため窓の外を確認した時、彼等はいた。

 

満月を背にして、彼等は標的の屋敷を見下ろすようにいた。

ナイトレイドの襲撃である。

 

「富裕層だからってここも狙うのかよ⁉︎」

 

屋敷の異常に気づいた警備兵はすでに行動を起こしていた。

突如襲来したナイトレイドへの迎撃に向かうため屋敷の警備兵の中では、タツミが強いと一目見ただけで分かった腕利きの3人が向かっていった。

 

「俺はどうする⁉︎加勢に行くか…護衛に行くか」

 

タツミは考える間も無く、すぐに護衛に行動を移した。

何故なら迎撃に向かった屋敷の警備兵3人が瞬く間にナイトレイドに殺されてしまったからである。

彼が護衛に行く決意をしたのはせめて恩人であるアリアだけでも助けねばという考えからであった。

 

〈せめて、せめてアリアさんを守らないと!〉

 

屋敷の裏口の道を最短ルートで探していたタツミであったが、屋敷が広かったため時間が掛かりはしたものの運良くアリアとその護衛を務めていた者に合流できた。

 

だが、そこでアリアの護衛を務めていた警備兵の男から異常を察知した帝都の警備兵が来るまでの間ナイトレイドの連中を食い止めてくれと頼まれなし崩し的に引き受ける形になってしまったタツミ。

そこに追ってきたナイトレイドの追っ手である少女とあわや戦闘となるかと思われるも、少女はタツミを無視して護衛とアリアに向かっていった。

護衛の警備兵が手にしていたマシンガンで少女に発砲するも、少女の斬撃の方が圧倒的に速く一足にて必殺の間合いに入ると一閃すると護衛の警備兵は上半身と下半身が泣き別れして絶命してしまった。

 

「ヒィッ」

 

目の前で人が真っ二つにされた光景を見てしまい腰がぬけてしまったアリア

目の前には、そんな惨殺死体を作り出した暗殺者がいた

 

「待ちやがれ!」

 

アリアを守るためにタツミが少女に斬りかかる

 

「お前は標的ではない、斬る必要はない」

尚も表情を変えずに少女は淡々という

 

「でもこの娘は斬るつもりなんだろ」

 

「うん」

 

「うん⁉︎」

 

「邪魔すると斬るが?」

殺気は感じられないが警告をするようにタツミに聞いてくる

 

「だからって逃げられるか!」

タツミが覚悟を決めて、叫ぶ

 

「そうか、では葬る」

瞬間、少女の殺気が倍増されビリビリとタツミの肌に突き刺さる。

 

明確に相手の少女はこちらの事を殺すと言った。今まで感じたことのない殺気に気圧されるタツミであるがアリアを守ると決めた以上絶対に負けるわけにはいかなかった。

 

〈少なくとも、今の俺に勝てる相手じゃない。けど、そんなこと気にしてられない!〉

 

〈そもそも女の子一人救えない奴が村を救えるわけがない!〉

 

その瞬間同時に飛び出していく二人。

 

最初の一撃を受け止め、お互い鍔迫り合いにもたれるも、タツミはすぐに剣を振り上げ少女に一太刀を浴びせようとする。

それを軽い身のこなしで上にジャンプして回避する少女は続けてタツミに蹴り技を与える。

 

〈ま、まずい!〉

蹴り技によってダメージを受けたのではなく、体制を崩されたことでタツミが無防備な状態になってしまった。

そこへアカメの突きが繰り出された。

 

ザシュ

 

アカメの帝具村雨の一撃を食らってしまい力なく倒れるタツミだが、まだ息はあり多少突きの衝撃は残っていたもののダメージは無かったタツミ

 

〈来い、油断してこっちに来やがれ〉

 

「…」

〈先程の刀の感触は、人体ではなかったこの男油断できない〉

 

「へ、油断して近づいてもこないのかよ」

 

「手応えが人体ではなかった」

 

タツミが胸元のシャツから取り出したのは木彫りの人形のようなもので、誇らしげにかかげながら

 

「村の連中が守ってくれたのさ」

 

「葬る」

 

「ちょっと待って。お前ら金目当てかなんだろこの娘は見逃してやれよ。戦場でもないのに罪もない女の子を殺す気か!」

 

〈ダメだ、コイツ全く話を聞いてねぇ!〉

少女の刀がタツミを斬ろうとし、タツミが死を覚悟した瞬間

 

「待った」

少女の後ろから別の人物が現れ少女を引っ張った

 

「何をする」

 

「まだ時間はあるだろ、この少年には借りがあるんだ。返してやろうと思ってな。」

 

タツミには嫌でもその人物に見覚えがあった。

 

「あんた、あの時のおっぱ!」

その人物はタツミが最初に帝都に訪れた時に金を騙し取り、野宿をする羽目になった原因であるレオーネだった

 

 

「そうだよ美人のお姉さんだ」

レオーネはタツミに笑顔を向けウインクしてみせそういった

 

「少年、お前罪もない女の子を殺すなといったがこれを見てもそんなことが言えるかな」

レオーネが屋敷の倉庫の前に立つと凄まじい動物の脚力でそれを蹴破った

 

「見てみろ、これが帝都の闇だ」

 

倉庫の中にあったのは夥しい数の凄惨な死体で溢れていた。

手足がちぎれているもの、目玉がないもの、凄まじい数の拷問器具にはどれも元の色がわからないほどに血で染まっていた。

全員が苦悶の表情を浮かべており、想像を絶するものであったことが窺いしれる。

 

「な、なんだよコレ…」

 

「地方から来た身元不明の者達を甘い言葉で誘い込み己の趣味である拷問にかけて死ぬまで弄ぶ。それがこの家の人間の本性だ。」

 

そんな隙を突き、アリアが静かに逃げ出そうとするのをレオーネは見逃さずすぐにアリアを捕まえた。今のレオーネの表情は先程とは違い殺し屋の顔に戻っていた

 

「この家の人間がやったのか」

 

「そうだ、護衛達も黙っていたので同罪だ」

 

「う、嘘よ私はこんな場所があるなんて知らなかったわ。タツミは助けた私とコイツらとどっちを信じるのよ」

ナイトレイドの下調べで既にアリアが関わっていたことはわかっていたがまだ嘘をつこうとする様子にレオーネは蔑みの眼差しを向ける。

そんな時、倉庫の檻から声が聞こえてきた。

 

「タ、タツミだろ、俺だ」

 

「イエヤス⁉︎」

そこにいたのはバンダナが特徴的な村のムードメーカー的な存在であったイエヤスが居た。今のイエヤスは身体中に斑点模様があり誰が見ても異常があるのは明らかであった。

 

「俺とサヨはその女に声を掛けられて、飯を食ったら意識が遠くなって気がついたらここにいたんだ。その女がサヨをいじめ殺しやがった」

アリアを睨みながら言うイエヤスの表情は親友の命を奪った者に向けられる憤怒の形相であった。

 

「何が悪いって言うのよ。お前達は何の役にも立てない地方の田舎者でしょ!家畜と同じ、それをどう扱おうが私の勝手じゃない!!だいたいその女家畜のくせに髪がサラサラで生意気すぎ、私がこんなにクセッ毛で悩んでるのに、だから念入りに責めてあげたのよむしろこんなに目を掛けて貰って感謝すべきだわ!!」

タツミの目の前で自分の罪状をまくし立てるアリアの表情は醜悪そのものであった

 

「最後に一つ聞きたい、サヨは、サヨは何処だ」

そう倉庫の中のどこにもサヨはいなかったのだ、タツミはアリアが自らの罪状を言っていた後半あたりから何も聞いていなかった。もうすでにタツミはアリアを殺すことに決心がついていた。

 

「知らないわよ、そんなの。それより私に恩を感じてるならはやくコイツらを殺しなさい!」

 

「善人の皮を被ったサド家族か。邪魔して悪かったなアカメ」

 

「葬る」

 

「待て」

 

「まさか、またかばう気か?」

 

「いや、俺が斬る」

憤怒の表情でタツミが斬りかかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、突如としてアリアの背後の倉庫から黒い触手のようなものが飛び出しアリアの身体に巻きつき、そのままアリアの身体を凄い勢いで引っ張り倉庫の深い闇へと姿が消えた。

 

「なんだ、今のは!?」

突然の事態に驚いたタツミだが、すぐにアリアに振り下ろした剣を握り直し戦闘体勢を継続する

 

アカメ達ナイトレイドもこの異常事態に対応するべく、各々が自分の帝具である槍や、刀、銃を深い闇の中である倉庫に向ける

 

この時レオーネは、誰よりも早く倉庫の奥にいる得体の知れないナニかをその動物的本能で感じとった。

 

「な、なにかヤバいのが居る。」

〈こんな気配今まで感じたこともない、身の毛もよだつナニが居る!〉

 

この時レオーネが感じ取っていたのは圧倒的な強者への恐怖ではなく純粋な死への恐怖だった。

 

ズルズル…ズルズル

 

ナニかを引きずりながらゆっくりとやって来る音がまず聞こえた。次に倉庫の暗がりから出てきたのは先程アリアを暗がりに引きずり込んだ黒い触手がウネウネと動きながら月明かりの下に晒された。

そしてついにその全容が露わになった。

黒い触手に、白い大きな袋を背負いこみ、のっぺりとした白い仮面のようなものが顔をなしているのかこちらの方をジッと見つめている異形のもの

 

「な、なんだ、こいつ?」

 

タツミが呆然としているなか、先程までは気づいてなかったがそんな異形の背負っている袋の中で何かが動いているのをタツミは見た。

 

「なによ!ここ⁉︎出しなさい!早くここから出しなさい!!」

 

タツミはすぐにその声がアリアだと分かり、声を聞くたびに沸々と怒りが湧き上がってきていた。

怒りに駆られたタツミは相手が危険種か何かだろうと思うとすぐに剣を振り上げ飛び出した。

 

「この野郎、袋ごと俺が斬ってやる!」

 

アカメには劣るものの凄まじい速さで迫ると剣を振り下ろす

 

だが、それに反応した異形は先程とは比べ物にならない速さで前に跳ねるように動きタツミの斬撃を躱す。

 

「標的は葬る」

 

次に動いたのは、ナイトレイドのアカメだった。異形に近づき異形の弱点かもしれない白い仮面にむけ神速の斬撃を振るい刀の一太刀を浴びせようとする。

 

〈危険種なら命があるはず、かすりさえすれば仕留められる。〉

アカメが持つ帝具村雨は対象に当てさえすれば、そこが急所であろうとなかろうと当たったところから全身に呪毒が周り相手を死に至らしめるという凶悪なものだ。しかし敢えて異形の急所を狙ったのはひとえに彼女が暗殺者としての訓練を受けており、帝具の性能に驕ることなく、常に殺す時には相手が死ぬ一撃を与えるよう鍛錬をしているからである。

 

アカメは上段から振り下ろしで白い仮面を狙う。そこに黒い触手がアカメを吹き飛ばそうと左右から振るわれるも、瞬時にそれを察知したアカメは横薙ぎに村雨を一閃し、触手を斬る。

 

「やった、勝った!」

ラバックガッツポーズをして喜ぶ

 

ナイトレイドの他の面々も、ラバックのように喜んだりするわけでもなかったが、皆んな一様にホッとしていた。

正体不明の危険種に遭遇した面々からすればホッとした表情を浮かべていた。

だが、それも長くは続かなかった。

 

アカメはこの正体不明の危険種に相対してるからこそ、一番初めにその異常さに気がついた。

「皆気をつけろ、こいつ呪毒が効いてない!」

 

ナイトレイドの全員に衝撃が走った。

一撃必殺の帝具である村雨の呪毒が全く効かない、こんなことがあり得るのだろうか。

そして事態は加速していく。

 

「アカメちゃん、撤退だ!警備隊がもうすぐこっちに来る!!」

ラバックの帝具千変万化クローステールが警備隊の接近を探知していた。

 

「アカメ、撤退だ! 標的を殺ってないがやむを得ない!」

 

口々にアカメに撤退を促す声が上がっていく。状況が状況だけにアカメも悔しそうではあったがナイトレイドの仲間とともに撤退を行なっていく

 

「ほら少年、お前も来ないとやばいぞ。アカメの村雨が効かないヤバい奴のところにお前を放っていけない」

 

「おわぁ、なんで俺まで!?」

「俺はアイツをまだ斬ってねぇ!」

 

「危険種の袋に入れられてたアイツも多分あの危険種の餌になるだろうし大丈夫だよ」

 

そして、レオーネはタツミの抵抗をものともせずに、半ば強引に引っ張っていく

 

タツミはレオーネに抱えられたまま、眼下を見ると、最初と同じようにこちらをジッと見つめている白い仮面を付けた異形のものはまだそこにいたが、こちらから手を出さなければなにもしないのか最初と同じようにこちらをジッと見つめていたがタツミに興味がなくなってしまったのか、倉庫から出てきた時と同じように屋敷の奥の方へとゆっくりと這いながら夜の闇に消えていった

 

そして、後にタツミは村の仲間のような人をもう見たくないという思いでナイトレイドへと加入した。

この時から、襲撃時に現れた危険種。それもアカメの村雨が効かないのである。このことは暗殺集団であるナイトレイドにとっては驚異であった。アカメ達が帰還しすぐにこのことがボスのナジェンダに報告するとこの危険種に対する対策が検討されるようになった。

 

そして後日、レオーネが遺体を回収するため屋敷に向かうも倉庫にはどこにも遺体はなく、凄惨な血の跡と拷問器具しか残されていなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書いちまった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。