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これからも頑張って書きたいと思います!!
ある夜、また帝都においてナイトレイドの仕事が始まった。タツミとレオーネが別の場所で暗殺の仕事を終えて帰路についているころ、マインとシェーレの2人もまたアジトへの帰路についていた。
「チブルって標的用心深いにも程があったわ。」
「でも無事に片付いて何よりです。」
「「!?」」
突然の殺気に身を固める2人、次の瞬間2人の走っていた未来位置に何者かによる強烈な蹴り技が叩き込まれた。
ガゴォっ!!
攻撃を代わりに受けた石で舗装された地面には小さなクレーターができており、その破壊力がいかに強力であったかをうかがわせた。
おおよそ、普通の人間では出せるようなものではない。
「やはり。顔が手配書と一致…ナイトレイドのシェーレと断定!」
「更に連れの女も、所持している帝具からナイトレイドと断定!」
相手が警備隊の鎧を纏っていることから敵と断定したものの、2人はその者から感じる気配は、他の有象無象の警備隊の人間では発せられないほどの殺意と憎悪。
相手の女の尋常ならざる気配から2人はお互いに相手の殺意に反応するように戦闘体制に入る
「帝都警備隊、セリュー・ユビキタス!絶対正義の名の下に悪をここで断罪する!!」
「正体がバレた以上来てもらうか、死んでもらうしかない訳だけど…」
マインは自分で言ってはみたものの最早戦うしかない状況であるのは相手の様子からして一目瞭然だというのがわかっていた。
「賊の生死は問わず、ならば
「殺る気満々て訳ね、なら先手必勝!」
パンプキンから連続して放たれた鉛玉は一発も外れることなくセリューの体めがけ直進していくが、セリューは余裕の表情を崩すことなく躱すことさせえもなく不動のままだった。
まるで自分には絶対に当たらないという余裕を感じさせた。
実際にそれは正しく、パンプキンの銃弾はセリューには1発も当たることはなかった。
セリューは自らが回避するまでもなく、自身の相棒でもある何倍にも倍加したコロの体でもって直接銃弾を防いだのだ。
「マイン、やはりあれは帝具です。」
「みたいね、しかも生物型ってやつか。」
お返しとばかりに、セリューも自分の武器であるトンファー形状の銃器をシェーレとマインに向けて銃弾の雨を降らせる。
だが、それも苦もなくマインとシェーレは横に避けて銃弾を回避する。
セリューはそれを見て、トンファーの銃撃だけでは効果が薄いと判断して次の一手を繰り出すためにコロに指示を出す。
「コロ、捕食!」
次の瞬間、何倍にも倍加していたコロが自身に最も近かった敵であるシェーレにサメの歯の様な鋭利な牙で襲いかかった。
だが、それもシェーレの卓越した戦闘センスによりすれ違いざまにコロの口半分を切り裂かれる始末により無為に終わる。
だが、そんな相棒の無惨な姿を見ても、セリューは余裕の笑みを浮かべていた。
それを証明するかの様にコロはシェーレの背後に立ち上がってきていた。切り裂かれた口はまるで攻撃を受けていないかの様に元に戻りシェーレへと敵意むき出しの形相で今にも攻撃をせんと立ち上がっていた。
コロがシェーレに攻撃を仕掛ける前にマインのパンプキンが火を吹いた。
自身のピンチだけでなく、仲間の危機にも反応したパンプキンはコロを背中から吹き飛ばす。
「文献にも書いてあったでしょシェーレ、体のどこかにある核を砕かない限り再生し続けるって。」
厄介な相手を前にし苦虫を噛み潰した様な顔で言うマインに
「なかなか面倒な相手ですね。」
より一層気を引き締めて言うシェーレ
帝具同士の戦いはまだ始まったばかりである。
「コロ、腕。」
「キュウウウウゥゥゥ…」
セリューの指示にコロの体が反応し、ズルリと丸太のように太い豪腕が倍加したコロの体に合わせる様に生えてきた。
その様子を見たマインはまるで死体にたかるウジを見てしまったかのように気分になり素直に気持ち悪いと感想を述べてしまう。
「こうなったらあれしかないわシェーレ」
「分かりました」
「粉砕!」
セリューが指示を飛ばすと同時にコロは獣の様な雄叫びをあげながら今度はマインへと殺人的な拳のラッシュをしながら襲いかかる。
「何よこれ、逃げ場ないじゃない!」
まるで、壁の様にすごい勢いで迫り来るコロの拳のラッシュを目にしてマインは声を上げる。
そこへすかさず帝具の中でも中々の硬度を誇るエクスタスを盾にシェーレがマインの防御に入る。
ピィィィィィィィィィィィッッ!!
ナイトレイドの2人がどちらも守勢に回った瞬間を狙いセリューは増援の警笛を鳴らす。
マインそして、シェーレはやむを得ない状況だったとはいえしまったと感じた。
異常事態の証とも言える警笛を鳴らされた以上有象無象とはいえ数だけはいるとはいえ帝具持ちの相手がいる戦場に更に警備隊が来るのはピンチの一言に尽きた。
だが、逆に言えばピンチはマインにとってもこれは大きなチャンスでもあった。
「嵐の様な攻撃、援軍も呼ばれた。これはまさにピンチ!」
こんな状況、ピンチな状況を冷静に見て判断できるあたりマインは暗殺集団ナイトレイドの1人であり、強者の1人でもあった。
「だからこそ行けぇぇぇぇぇぇぇ!」
シェーレに拳のラッシュを叩き込んでいるのに夢中になっていた無防備なコロにマインのパンプキンの一撃は見事に命中した。
凄まじいパンプキンの一撃を受けたコロは、その威力により顔の皮膚が融解しとかあがっていた。
「火力が上がった!?」
突然の相手の帝具の火力増強に一時は驚くセリューではあったが、すぐさま再生を始めるコロに安堵するセリュー。
「クソ、もう修復を始めてるなんて生命力。」
これほどの火力を当てられてもすぐさま再生をする生物型帝具であるコロに歯ぎしりをするマイン。
「帝具の耐久性をなめるな」
「帝具は道具」
「!?」
「使い手さえ仕留めればすぐに止まります!」
マインの放った一撃によりコロの拳のラッシュが止まった直後に事前にマインと示し合わせてたとおりにシェーレはコロを操っているセリューに接近戦を仕掛けていた。
「金属の発光、こんな技が!?」
「終わりです」
帝具の中でも中々の硬度、そして最強の斬れ味を誇るエクスタスがあとほんの少しまでセリューを追い詰めるもセリューは至近距離でのトンファーガンの斉射によりエクスタスの攻撃を回避する。
修復を終えたコロも追い詰められた主人の危機を助けるべくセリューの元に向かおうとするものの、マインの胴体への攻撃に踏みとどまる。
「おっと、アンタは私。」
先ほどの攻撃と比べるとだいぶ火力は落ちてはいたものの、帝具であるコロへの危機意識、いつ来るかわからない帝都警備隊という援軍の脅威でコロを丸ごと消しとばすほどの威力はないにせよ火力を一点において集中すれば、コロの体を貫通できるだけの威力をパンプキンはまだ持っていた。
最初は、シェーレがコロの適合者であるセリューを倒すまでの時間稼ぎをするつもりであったが、マインはコロの核の場所を少しずつ消去法で見当をつけ始めていた。
マインに希望が見え始めていた。
マインがコロ相手に時間稼ぎをしている間にもシェーレとセリューの戦いは激しさを増していく。
セリューは元々は訓練こそ人並みにオーガから鍛えられてはいたものの対人戦それも帝具同士での戦いの経験は全くと言っていいほどなく、接近戦が得意のシェーレが相手では防戦一方であった。
だが、それも終わりが見え始めていた。
足場の悪い広場の中で不運にもセリューはつまずいてしまい体制を崩し、そのセリューの隙を見逃すシェーレではなかった。再度肉薄しエクスタスによる斬撃を喰らわせることに成功した。
「うああああ」
咄嗟に腕を前に出し致命傷を防ぐことには成功したものの腕を綺麗に切り飛ばされ反撃の手段を文字通り無くしたかに見えた。
だが、
「正義は必ず勝ァァァァァァツ」
セリューにとっての奥の手でもあった。人体改造。その一端である腕からの銃器出現にはさしものシェーレも驚いた。
次の一手で、トドメをさせると考えていたシェーレは先程と同じくセリューに接近していたのが仇になってしまっていたのだ。
「隊長から授かった切り札だ。喰らえええ!」
帝都の広場に1発の銃声が鳴り響く。まるでそこの時間だけが止まったかの様に2人は動かなかった。
この至近距離での銃撃は逃れられまいと内心で確信していたセリューではあったが、エクスタスを盾にし無傷でいるシェーレがおり、セリューの確信は否定された。
奥の手が防御され、一瞬動揺したセリューの隙をつきシェーレはセリューの奥の手である腕から生えている銃器を斬りとばす。
「ぐっ、まだまだ!」
自身の奥の手も破られ、絶対絶命のこの状況かでも彼女の自分が悪と認識したものへの殺意はまだまだ意気軒昂であった。そして彼女の奥の手が破られた今彼女は最後の手段をとった。
「コロ、
奥の手の発動を認識したコロは体毛は白から赤黒い色へと変わり、体長も先ほどよりも更に大きくなり、見るものを恐怖させるものへとなっていた。
ギョアアアアアアアアアアアアアアア!!
凄まじいコロの咆哮により思わず耳を塞いでしまうマインとシェーレ。
その隙をつきコロはマインを捕らえることに成功する。
「握りつぶせぇ!」
「ああああああああああああ!」
ミシミシ、バキバキと骨が砕ける不快な音と激痛を耳と全身で味わうマインはたまらずに悲鳴をあげる。
だがそれもシェーレがコロの腕を斬り飛ばしたことにより中断される。
「シェーレ!」
「間に合いました!」
そして、
バン!
「体が…動か…!?」
シェーレはセリューからの、隠されたもう一つの仕込み銃からの背中からの一撃をもろに受け、体が一瞬止まってしまった。
この一瞬がシェーレの命運を分けた。
セリューの生物型帝具であるコロの下手な危険種よりも獰猛で強靭な歯がシェーレを噛み砕こうと既に襲いかかっていた。
「正義執行!!」
呆然とし、ただ目の前の光景をただ見ることしか出来なかったマインの目に黒い何かが飛び出してくるのが一瞬見えた。
ドゴッ!!
鈍い音なにかの重量物同士がぶつかりあったような鈍い音が広場に響き渡り、敵の生物型帝具である、コロが広場の向こうに吹っ飛んでいった。
その余波を受けてか、それとも謎の危険種かはたまたコロの相手を噛み砕こうとする殺意のせいか、シェーレはコロとは正反対の方向へと吹っ飛ばされていき広場の大木にしたたかに打ちつけられた。
マインは目の前の光景が信じられなくて、驚き固まってしまった。親友が目の前で敵に殺されそうになっていた所を、前に自分達を、更に正確に言えば、ついこの間アカメを襲った相手が、突然目の前に現れて、敵である相手の生物型帝具に襲いかかったからである。
マインが驚きで硬直してるいる間にも敵であるセリューの生物型帝具のコロとヨマワリさんとの戦いは尚も続き、激しさを増していく。
「な、なんだ敵の新手か!?」
一方のセリューの方もヨマワリさんの突然の登場に驚きはしたもののすぐに気を引き締めて、新たな敵に殺意を向ける。
「何人、何体増えようが、悪は断罪する!正義執行だ!!」
そのセリューの呼びかけに応じるようにコロはヨマワリさんに向けて突進し、ヨマワリさんもコロに追撃を加えるべく突進を仕掛ける。
お互いに突進し、肉のぶつかりあう鈍い音が響く。
だが、突進の反動から立ち直るのはコロの方が早く、ヨマワリさんの胴体に噛みつきを仕掛け、食らいつく。
噛み付かれたヨマワリさんは呻き声を一つも上げず、致命傷ではなかったのか元気よく身を捩り噛みつきを仕掛けたコロを鬱陶しそうに振りほどこうとする。
だが、なかなか噛みついたコロは振りほどけない。
一向に振りほどけないコロにヨマワリさんは業を煮やしたのか、触手を使いコロの四肢をキツく縛り上げ、拘束する。
一瞬、コロの噛みつきが緩んだ瞬間を狙い、ヨマワリさんも反撃として頭突きをコロに食らわした。
お互いに離れ、間合いを取る。
誰も動けない静寂は長くは続かず、またコロとヨマワリさんのお互いの突進が始まる。
噛みつき、触手で打ちのめし、豪腕で叩き潰し、凄まじい鈍い音の頭突きを繰り出し、コロとヨマワリさんの戦いは長期戦の様相を呈し始めた。
しかし、戦いはヨマワリさんが次第に不利になってきたと見えてきた。
少なくとも、セリューとマインのお互いの目にはそう見えた。
なにせ、ヨマワリさんの身体はもうボロボロでいたるところにはコロの噛みつき傷が見え、豪腕で凹んでいるところも見える。頭部と思われる白い仮面にはヒビが入っている。
一方のコロの方には確かにヨマワリさんに受けた傷はあるものの、生物型帝具の特徴でもある異常とも言える再生能力で傷を受ければすぐに再生をしていた。
更に言えば、ヨマワリさんの攻撃方法も叩く、潰すなどの物理攻撃に特化したもので切り裂く、噛みちぎると言った、切断系の攻撃ではなかったのも原因であり、生物型帝具の唯一の弱点である核を、コロの心臓に有効な攻撃を与えられなかったのである。
状況的に言えば、長期戦になればなるほどヨマワリさんが不利であった。
この状況にセリューは嗤う。
謎の危険種の存在に一時はどうなるかと思ったセリューであったが、やはり奥の手を使ったコロは最強であり、負けることはないと確信していた。
だが、時間が経てば経つほど、不利になるのはセリューにとっても同じであった。
奥の手のコロの狂化もタイムミリットがあり、時間は限られていた。故にセリューもコロも一気にこの敵とカタをつけるため短期決戦を狙った。
「一気にトドメをさせ、コロッ!!」
瞬間、マインも動いた!
マインも殺し屋稼業で鍛えた戦闘センスから、シェーレを助けてくれたのか、コロを襲ったのかは分からなかったが、コロが動いた瞬間に負傷したシェーレと共に逃走を図るため、シェーレが吹っ飛ばされた場所へ向かった。
セリューもマインの動きを見て何をするか一目で分かったものの、目の前に未だに脅威があるため動けずにいた。
マインはシェーレの元へ向かうため、一目散に走り出し
セリューはコロの巨体が邪魔でヨマワリさんが見えなくなった
その瞬間
ぐりんっ
何かが裏返るような音と共にヨマワリさんの姿が変わった。
セリューの見た感じでソレは肉の塊であった。形は丸っこくて、全体の殆どはピンク色の肉で、所々から赤ん坊のような幼い手がコブのように生えていた。
そして中心はゴツゴツとした白い歯並びの良い歯があった。そしてその中には、暗闇の中心には唯一先程までと同じ特徴であった仮面があり先程までと変わらず白いヒビの入った仮面があった。だが、それも直ぐに治り、感情を感じさせない白い仮面に戻った。
そしてヨマワリさんの反撃が始まった。
ぶるぶると体表を震わせた瞬間、凄まじいスピードでコロに攻撃を仕掛ける。
「また突進か?!そんな攻撃は無駄だ!」
コロもそれを察知して腕を組み、防御の構えをする
しかし、今度のヨマワリさんの攻撃は叩く等の攻撃ではなく、噛みちぎる、斬撃系統であった!
通り過ぎざまにコロの足を噛むとそのまま勢いを殺さずにコロの足を基点にコロを地面に叩きつけ、そのまま噛みちぎった。
一瞬で戦いの雌雄は決して、その後は一方的な展開であった。
体表から生えた赤ん坊のような幼い手はその見た目に反して強靭であり、コロの太い丸太のような腕を抑え込むと、頭部と腕を順々に食いちぎった。
同時にコロの体からは急速に力が抜けていき、ダラリと落ちた。
「そんなコロが、奥の手も使っていたのに、あんな簡単に!?」
セリューは目の前の光景が信じられず呆然と立ち尽くしてしまう。
マインも既にシェーレを回収しており戦いの様子を見ていたがヨマワリさんの圧倒的な戦闘力を見て、内心で恐怖していた。
アカメの必殺の帝具であるムラサメも効かない特殊な身体と生物型帝具であるコロの奥の手をも圧倒する戦闘能力。
それと同時にマインは確信した。あれは帝具であると、帝具であればムラサメも効かない説明がつき、姿形が変わったのも相手の生物型帝具と同じようなものだと推測できた。
マインがそう思案していると
「あれだっ!交戦してるぞ!!」
「応援をもっと呼べぇ!!」
帝都の警備隊達も集まり、いよいよ逃走しか手段がなくなってきた。
ここでマインは逃走を図った。
帝都警備隊も希少な帝具持ちであるセリューの護衛を残し後を追おうとした。
しかしそこにヨマワリさんが立ちはだかる。
ぐりんっ
再び裏返り、通常の形態に戻ったヨマワリさんは一気に加速した。
「え?」
後日、帝都警備隊の報告書にはこう記されていた。
セリュー副隊長は単独で帝都を警戒中にナイトレイドと思われる一味と偶発的に遭遇し、戦闘に突入。
壮絶な戦闘の末、ナイトレイドの構成員2名に負傷させるも副隊長もまた負傷。
副隊長の警笛に呼応して我々も広場に到着するも、敵2名が逃走を開始し、戦闘は終了。
追撃を仕掛けるも、謎の危険種に阻まれ、失敗。
帝都警備隊の副隊長セリューユビキタス。図鑑に記されていない謎の危険種に襲われ生死不明
こんぐらいのペースで投稿できたらなぁ。