ネタも力も湧いてきました!執筆活動頑張ります!
あと、ナイトレイド襲撃はキングクリムゾンしました。
ごめんなさい。
「さぁて俺たちももうアジトに戻ろう。」
ラバックがそうアカメ達に話しかける。
帝具パーフェクターで作られた薬剤で巨大化したDr.スタイリッシュに誰一人死ぬことなく勝利したアカメ達
だが
「うう、あ、あうぅ、うぅ」
戦いはまだ終わってなどいなかった。
弱々しくか細い少女の声に反応するアカメ達。
振り向くとそこには前に山で保護した少女が弱々しい足取りでこちらにゆっくりと歩いてくるのが見えた。
「おい、大丈夫か!怪我してるのか!」
少女が怪我をしたと思い、慌てて駆け寄ろうとするタツミ。
「待てタツミ!」
「?」
「何か、何か様子が変だ!」
少女に対して警戒心を隠そうともせず露わにするナジェンダが駆け寄ろうとするタツミに待ったをかけた。
ナジェンダの脳裏には思い出したくもない自分にとって忌まわしい過去が思い出される。
それはエスデスと敵と対峙し、そして戦い、右目と右腕を失った時に似ていた。
あくまでも似ていただけでエスデスと違うのは、殺気とは違う濃密な死を少女から感じとっていたのである。
まさかこの少女からそんなものを感じている自分がナジェンダには信じられなかったが、現実として目の前にその死への脅威をナジェンダは感じていた。
ナイトレイドのアジトに準備万端で襲撃を仕掛けてきたDr.スタイリッシュ以上の脅威を。
「…しい」
「?」
「さみしいよ、さみしいよ。また一人ぼっちはさみしいよ」
ひっく、ひっくとしゃくりをあげながら弱々しい声を上げる少女。
「もう、もう一人はいやだよぉ、一人はさみしくてかなしくてつらいよぉ。」
アカメ達は次第に感じていく。その少女から放たれる濃密な死の気配を、殺気を、狂気を。
そして少女はぶつぶつと呪いのように何かを呟いていた。
声は次第に大きくなり、全員に聞こえるようになる。
「ハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハルハル」
誰かの名前であろうか?
タツミは少女が呪いの言葉のように呟く言葉を聞きながら少女の言葉は誰かを呼んでいるとそう解釈していた。
そして少女の周囲に変化が生じ始めた。
黒い、暗いなにかが闇夜ではないなにかが、少女に集まっていくのだ。少女を中心にして、闇のように黒い物をどんどん少女は吸収していく。
「サミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサ…………………。」
唐突に少女が口を閉じた。
誰も動かずにいた。いや誰も動けずにいた。
少女の異質な気配に当てられていたのである。
いつのまにか少女の周りを漂っていた黒い何かは消えていた。
気配や空気に一番敏感なレオーネが震えていた。
顔は青ざめ、ブルブルと体は震え、今にも倒れてしまいそうなほどであった。
レオーネは濃密な死の気配を人一倍感じて今にも今すぐにでも逃げ出したい気分であったが、仲間を見捨てないという強い想いだけが彼女をここに踏みとどまらせていた。
カチカチと、レオーネの歯が震える音のみが聞こえる。
静かな、静かであった。風も止んでいた。虫の声も、風の音も、草木のかすれる音も。
ザッ
地面を踏みしめる音にアカメ達みんなが反応した。
タツミがゆっくりと少女に近づいていた。
「タツミよせ、近づくんじゃない!下がるんだ!」
異常な状態に冷や汗をかくナジェンダがタツミに再度待ったをかける。だがタツミは
「寂しいって言ってるんだ。助けないと。」
「駄目だ!殺されるぞ!!」
「何が起きているのか確かめねぇとこのままじっと待っているだけじゃ殺されると思うんだ。話ができるかもしれねぇ。あの子は寂しいって言ってるんだ。俺は寂しがってる女の子を助けないなんて男じゃねぇ。そう思うんだ。それに俺たちに危害を加えるって決まったわけじゃねぇんだ。近づいて、様子を探る。それだけだ。」
たしかにタツミの言う通りこのままじっとしていては極度の緊張で疲労が溜まっていくのは不味かった。逃げるにしても戦うにしてもこれからの体力を考えるとここでじっとしているのはどう考えても得策ではなかった。ナジェンダは冷静に考えそして判断を下した。
行動をすることにしたのである。
「……………分かったタツミ。」
「ボス!」
あまりにも危険なタツミの行動に抗議の声を上げるように怯えるレオーネがナジェンダに言う。
「ただし、何か少しでも異常を感じたらすぐに殺す。それでいいな。」
「…分かった。」
「マイン頼むぞ!」
ナジェンダはマインに事が起こった際の攻撃を任せた。
「分かったわ、一撃で仕留める。」
その目はまだ怯えてはいたものの幾千の暗殺の修羅場を潜り抜けたプロの殺し屋の目をしていた。
そして
ゆっくりとタツミは顔をうつむかせながら涙を流し、座り込む少女に近づいていく。細心の注意を払って。
ザッ
ザッ
ザッ
ザッ
少女まであと一メートルというところでこれ以上は少女に近づくのは危険と判断してタツミは立ち止まる。
そして少女にタツミは話しかける
「シェーレが居なくなって寂しかったのか?」
「ひっく、ううん違うの。ハルに会いたいの。」
タツミの問いに答えたせいか、シェーレの話題が出たせいかは分からないが少女の発していた死の気配が幾分か弱まる。
やはりハルというのは誰かの名前だったのかとそう感じたタツミ
「大丈夫だぞ、ナイトレイドは、俺たちは絶対にお前に寂しい想いなんてさせない本当だ。」
「ほんとに?」
「ああ、本当だ。」
ユイちゃん
ユイは自分の名前を呼んだタツミの声に反応したのか、ビクリと体を一瞬震わせると次第にタツミに顔を上げ始める
「じゃあ」
「じゃあ?」
「イッショニキテ」
ユイの顔を見たタツミはあまりの恐怖に体が固まってしまう。
ユイが流していた涙は黒い涙であったのだ。ボトボトと地面に落ちてユイの周りを黒いシミが広がってゆく。
ユイの顔は黒い涙を流す右眼がどんどん大きくなってゆき左眼を押し潰さんばかりに肥大化していく。
そして黒い涙が顔を覆いユイの可愛らしい顔を黒く塗りつぶし、ゆいいつ真っ白な右眼だけが大きい左右非対称の不気味な目をしていた。
視線は常に一箇所に留まらずギョロギョロと混乱したように彷徨わせていた。
「タツミ、逃げろ!」
ドウッ
タツミの顔の横を一筋の光線が通過していく。
マインの帝具パンプキンから放たれた光弾はユイの濃密な死の気配を感じていたマインの危機意識からか凄まじい威力を持ってユイの顔面に直撃する。
「あんなとこで固まってるんじゃないわよ!」
「悪りぃ助かったマイン!」
「やったか?」
パンプキンの光弾の衝撃にユイのいた場所からは土煙が立ち昇っている。
土煙が晴れるとそこには首から上をパンプキンの光弾によって失ったユイが先ほどと変わらぬ様子で立っていた。
「やったぞ!さっすがマインだ!」
ラバックが歓声をあげ、流石だとマインを褒め称えるもそれも長くは続かなかった。
「いや、まだだ!」
ゴボゴボと黒い液体が空中で形を作り、ユイの顔を瞬時に再生していく。
再生し終わったユイの顔は先程とは違って混乱したようにギョロギョロと視線を彷徨わせてはいなかった。
攻撃を加えてきたマインを睨みつけていたのである。
瞬間マインの立っていた地面が赤黒く変色する。
「…ッ!マイン危ないそこを離れろ!!」
ナジェンダの言葉と自身の感じた嫌な予感にすぐにその場を離れる
瞬間、赤黒く変色した地面から同じく剣山の如く赤黒い針が飛び出してマインを串刺しにしようとしていたのだ。
「これがコイツの攻撃!?」
マインが冷や汗をかきながら距離を開けるためユイから更に離れる
しかし瞬間的に移動したユイが黒いもやを一際大きくしそれでマインを一飲みに飲み込まんと襲いかかる。
「なっ!?」
それをすんでのところで、横に転がって避けるマイン
そして替わりにマインの後ろにあった木を葉っぱ一枚残さず黒いもやが飲み込んだ。
飲み込み、元の大きさに戻ったユイ。黒いもやが飲み込んだ木は養分を1つ残らず吸収されてしまったのか、急速に木は枯れて朽ちていく。
「あの黒いもやもやに触るとやばそうだな」
タツミがユイの攻撃を見てあれ以上近づかなくて良かったと思ったことを言う
「ならこれはどうだ!一気にケリをつける!!」
ラバックがユイの周りに細く強靭な糸を張り巡らせ、一気にそれを引きユイを引き裂かんとするが、ユイの体に触れた瞬間糸は切れ、ラバックの攻撃は無意味なものとなった。
「吸収する帝具か?」
ラバックが帝具クローステールでユイに攻撃した糸を回収する。
「いや、違う。あれは帝具なんかじゃない!あれは人が作り出したものなんかじゃない。みんな心してかかれ、私達が相手にするのは化け物だ!」
そしてナイトレイドと怨霊となったユイの戦いは激化していく。
アカメは斬る、マインは撃つ、レオーネは岩で潰すなどの攻撃をアカメ達はユイに仕掛けるが、まるで効いてないかのようにユイの勢いは止まらず、黒いもやでの飲み込みや次第に増えていく赤黒い針での攻撃は速さを大きさを増していく。
戦いは膠着状態へとなっていくかと思われたが
「ぐおっ!?」
不安定な足場に着地して、体勢を崩してしまったタツミ
そこに目をつけたユイが瞬間的に移動して、タツミの腕を捕まえる。
「うぐっ!」
タツミの腕はまるで万力の如く締め上げられるように嫌な音を立てながら軋む。
腕を振りほどこうともがくタツミにユイの黒いもやが迫り、飲み込まんとする
「タツミッ!」
アカメの悲痛な叫びがこだまする。
だが寸前でユイの攻撃は止まり、掴んでいたタツミの拘束も緩む。
その一瞬の隙を逃さずタツミはユイから逃れる。
「どうしたんだ?止まったぞ?」
そしてユイの様子も変わっていく。
左右非対称の大きな右目から、また涙が流れた。
だが、今度はさっきとは違って黒くはなく透明な悲しい時に流す涙のそれであった。
そして黒いもやは雲散していく、ユイの顔もまた元に戻っていき年相応の可愛らしい少女の顔に戻っていく。
そして
「呼んでいる」
と呟くと姿が薄くなってゆき次第に見えなくなってしまった。
「一体どうしちまったんだ?」
タツミがみんなの気持ちを代弁するように言う。
そして誰よりも早くユイの残していったものに気づくのが早かった。
「これは、手紙?」
もうすぐなつがおわります。
ハルはまいとしわたしのところにきておはなをおいていってくれます。
とてもうれしくわたしはいちねんにいちにちこのときだけはこころがあたたかくなるようなきがします。
でも、しらないところにとばされて、ハルにはもうあえないとわかってしまいました。
シェーレおねえちゃんとあえたのはうれしかったけど、しんゆうのハルにもあいたいです。
かみさまはわたしがいきているときでさえも、しんだあともわたしのたいせつなものをわたしからはなしてしまいます。
そしてシェーレおねえちゃんもわたしからはなれていきました。
もうなにも、うしないたくないです。
もうだれとも、おわかれしたくないです。
こんなにつらくて、かなしくて、くるしいのならわたしはなにもいらないです。
だからおねがいです。
さいごにわたしに、ハルとあわせてください。
手紙はここまでで終わっていた。
タツミはユイという少女を始めてこの手紙を読んで理解したような気がした。
幽霊になったということには驚きはしたもののすでに怨霊となったユイを見ているので、納得もしていた。
「ユイちゃん、苦しかったんだな。」
タツミが思ったことを口に出す。それにナジェンダは
「あの少女は、彼女は失ったものを、取り戻そうとしているのかもしれない。生きているものを殺してをあの黒いもやで取り込んで、心の寂しさを埋めようとしていたのかもしれないな。」
「死んだ幽霊だったのかしかも別の世界のそれじゃ倒せないのも納得だねこりゃあ。」
調子を取り戻したレオーネがやれやれといった風に言う。
「正確に言うと怨霊だがな。さて戦いも終わったし、一旦アジトに戻ろう。必要なものをまとめて別のアジトに場所を移さねばならん。」
そしてナジェンダ達ナイトレイドはアジトへの帰路に着いた。
だが、ここで問題が1つ発生した。別のアジトへの引っ越しを全員で進めている中で、マインが敵を倒し、奪い返した帝具の万物両断エクスタスが赤黒いシミだけを残して消えてしまったのである。
ご感想などおまちしております!