硝煙の先にあるものは   作:Allenfort

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大型建造、皆さんはいかがでした? 自分は爆死を繰り返し、パーツが1000を切りました(゜∀。)ヴェェー


第10話

 一方、ヘリの中では416が赤面して俯いていた。昨日、酔っ払った挙句に指揮官にデレデレしているところをM16に撮影されていたようで、それをネタにイジられていたのだ。

 

「ほほう、完璧なHK416は指揮官を誘惑するのも完璧かな?」

 

「う、うるさい! その写真寄越しなさいよ!」

 

「そうはいかないね」

 

「この……! あと11はいつまで指揮官の膝占拠してるのよ!」

 

 G11はプロセッサーの膝を枕にしてスヤスヤと眠っていた。プロセッサーはまるで猫を撫でるかのように、癖のある銀髪を撫で回している穏やかな光景がそこにあった。

 

「416が指揮官の膝独り占めしてるから寝られなかったんだよ? だから今は私の番……」

 

 眠たげなG11はもう一度寝てしまい、M4A1がそれを羨ましそうに眺める。尚、UMP姉妹は両肩を確保しているため、今はおとなしい。

 

「というか16、現場見てたの?」

 

「ああ、晩酌しようと思ったらにゃあにゃあ猫の声が聞こえてきたものでね。カリーナさんはともかく416は」

 

「わー! わー! わー!」

 

 416は大声を上げて阻止しようとする。頬にキスしたなんて言われた日には416のイメージは崩れ去るだろう。とっくに完璧な416のキャラは崩れ去っている気もするが、言わぬが花だ。

 

「指揮官、にゃん!」

 

「しきか〜ん、にゃあ」

 

 お前たちもか、プロセッサーは猫の真似をするUMP姉妹に目をやり、くすりと笑う。G11は何も言わずとも膝で丸くなっているから十分猫だ。

 

 悪くない、楽しい時間だ。何やらSOPが撫でて撫でてと目を輝かせ、M4A1は羨ましそうに、AR-15も気になるようにチラチラと見てくる。やってくれと言うのか。

 

 ちなみにM16は416をイジって遊んでいた。いつも通りだ。そんな時、パイロットの声がインカムに響く。

 

『降下3分前!』

 

「3分前! スタンバイ!」

 

 指揮官の指示で機内は緊張感に包まれる。いよいよ投入だ。目標の病院には敵が存在する可能性が高い。着陸前に撃墜される危険もあるのだ。

 

 だから、少し離れたところに降下する。選んだのは目標から約500m離れた、開けた森の中だ。ギャップと呼ばれる森林の中のぽっかり空いた空白地に、ロープで降下する。

 

『目標到達、降下しろ!』

 

 パイロットからの指示で、プロセッサーは降下用ロープをハッチから垂らし、降下を開始する。人形たちもそれに続き、次々と地面へと降り立って行く。その地に足を下ろすと、それが初めてではないような感覚がした。

 

 呆然と立ち尽くし、辺りを見回すプロセッサーを人形たちは不審がる。目はその場を見ているようで、そこを見ているわけではない。

 

 そんな時、SOPが近くに残骸を見つけた。大型ヘリコプターの残骸で、機銃を食らったのか穴だらけになっていた。まだ新しく、火がくすぶっている。

 

 操縦席にはパイロットと思わしき遺体がある。中の乗員も同じだろうか。そのパイロットスーツの肩には、あの410の部隊章が縫い付けられていた。

 

「指揮官! これ見てよ!」

 

 SOPに呼ばれてプロセッサーはその残骸に駆け寄る。呼ばれてすぐにその理由は理解した。410の隊員を乗せたヘリだったのだ。

 

「先に来てるようだな。ハッチが開いてるし、何人か乗り込んでるかも……俺たちも行こう」

 

 410が投入されているなんて寝耳に水だ。これは聞いてみたほうがいいかもしれない。プロセッサーは無線を使い、カリーナへの連絡を試みた。

 

「プロセッサー49よりHQ、410小隊(亡霊部隊)投入されている模様、情報はないか、オーバー」

 

 無線は何も返ってこない。カリーナめ、何か探し物をしてモニタリングをすっぽかしているのか? 無線感度は良好なはずなのに。

 

「プロセッサー49よりHQ、応答されたし」

 

「何もこないわね。やることは変わらないわ。行きましょう」

 

 416に促され、指揮官は頷く。誰が居ようと構わない。頼れる人形たちがいるのだ。もうあの時とは違う。まずは援護だ。丘に陣取り、AR小隊と404小隊の前進を援護する。但し、416はスポッターとして隣にいてもらうことにした。

 

 二脚を立て、地面に伏せる。スコープの先がよく見える。今の所、敵の気配はない。

 

「416……君とだとあの時を思い出す」

 

「片足吹き飛んだ無様な時のこと?」

 

「言ってくれるね。俺が援護してたんだぞ?」

 

「……もう。死なないで」

 

「わかった」

 

 役目がなく、手持ち無沙汰な左手を416に握られた。指先をカットしたグローブだから、指先から416の手の感触が伝わって来る。

 

 完璧な416は落ち着かせるのも完璧ということか。抱きしめてやりたい気分だが、今は任務の最中だ。そうはいかない。今はプロセッサー(処理装置)なのだから。

 

「合図よ。行きましょう」

 

 スコープの先では9が手を振りながら跳ねている。猫かと思えばウサギのようで、可愛らしい。隣で45が指で拳銃を作り、こちらをバーンと撃ってきた。居場所がバレてるとでも言いたいのか。楽しそうに笑っている。

 

「じゃ、俺たちも行こう。お待ちかねのようだ」

 

「ええ、デートはおしまいよ」

 

「416が冗談言うなんてね」

 

 今は主力に合流しなければ。89式小銃に持ち替えた指揮官は、416とともに医療施設入口へと走り出していた。

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