魔女達は鋼の巨人と共に抗う様です   作:voros

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海外wikiから情報収集するのが手間取ってしまった・・・日本語版の資料が欲しい所です。


第六話 教導

「つっかれたぁ・・・」

 朝方の戦闘に加えて急遽決まった模擬戦。思った以上に疲労が圧し掛かる。

 

 二周目の訓練で、私達ウィッチはシールドの使用や移動を解禁。傭兵の皆さんは

 背中に付けた道具で飛び跳ねたり壁を走ったりする他、各々に専用で支給された

 戦術武装を解禁する条件で始まった。お互いが組むに当たって本気の実力を確認

 しておきたいとの事で試したのだけれど、その結果は大惨事の一言に尽きた。

 

「へーい、お疲れさん。本気でやり合った感想は?」

「正直に言うと反則ですね」

 感想を述べると、アンプさんが笑い始めた。

 

「姿が消える、鉤縄で移動する、分身の術・・・まるで忍者みたいでした」

「お、こっちでも忍者って言葉が有るのか。もしや実在してたのかな?」

「ええと・・・そこまでは何とも・・・」

 興味津々といった様子で訊ねられても、詳しくは知らないから答えようがない。

 

「何だかんだで予定より時間喰っちまったからな。疲れたなら喰うか?」

 差し出された手には半透明の飴玉が乗っていた。

「良いんですか?」

 この時勢で甘味は配給でも中々来ない貴重品だ。思わず唾液が口に湧き出す。

 

「おう。暫くは此処で世話になるみたいだし、組んで仕事をする事にも

 なりそうだからな。お互いに仲良くなっておいた方が良いだろう?」

 ニヤリと笑う彼の背後で、ジョゼさんが羨ましそうに視線を向けていた。

 

「良いなぁ・・・」

「お嬢ちゃんも一つどうだ?」

 目を輝かせて覗き込むジョゼさんにも飴玉が差し出された。

 

「頂きます!」

「はっはっは、そんなに慌てなくても飴玉は逃げやしないさ」

 頬を緩ませてるジョゼさんを見て、アンプさんは愉快そうに笑っていた。

 

「じゃあ、私も」

 包み紙を引き剥がして口の中に入れると、甘しょっぱい風味が広がる。

 塩が少し混ざっているようだ。

 

「それにしても、ちょいとやり過ぎたか?」

 申し訳なさそうに呟くと、アンプさんはクルピンスキーさんの方を見た。

 ユニットに隠れていた部分を除けば全身が塗料で汚れている。

 

「皆さん、徹底して狙ってましたからね」

「中々射撃が上手だったからな。真っ先に黙らせておきたかったんだが・・・

 許可が下りたとはいえ、手心を加えておけばよかったか?」

 

 皆のユニットや服は酷い有様だった。赤から緑まで様々な色の塗料が

 付着した端から凍りつき、整備員も落とすのに手間取っている。

 私も被弾はしているが、流石に顔までは汚れていない。

 

「最後の方は本気で撃ちあってましたからね・・・」

 ジョゼさんが程よい甘さに舌鼓を打ちながら相槌を打った。

「先生なんてフリーガーハマーを持ち出してましたよね」

 一周目ではMG42を使っていたのに、二周目では物陰目掛けて撃ち込んでいた。

 他のメンバーも連携して仕留めようと殺気立っていた様な気がする。

 

「それだけ評価してくれたって事なら嬉しいね。報酬も色を付けてくれると良いが」

「単に心をへし折られてムキになっただけじゃない?」

 細身の機械兵士・・・スティムさんが近寄って来た。

 

「お前が言うな。ロケット弾を撃った瞬間に撃ち抜く奴が有るか」

「クロークよりはマシでしょ。飛びついた挙句、盾にして同士討ちさせてるんだし」

 アンプさんが指を差すと、その先には塗料でべっとりと汚れて半泣きになっている

 ニパさんが居た。

 

「うえぇ・・・口に入っちゃった・・・」

「いやぁ~ゴメン。つい癖で顔に当てちゃった」

 その横で申し訳なさそうにパルスさんが謝っている。

 

「てめぇこんにゃろ! さっさと離しやがれ!」

「うるせぇ。動くと絡まるから大人しくしろ」

 向こうではワイヤーで縛り上げられた管野さんを解放すべく、

 グラップルさんが格闘していた。

 

「ま、人を盾にして投げたグラップルが一番悪いって事で」

「異議無し」

「聞こえてるぞ」

 アンプさんとスティムさんの呟きに応えるグラップルさん。

 結構耳が良いのかもしれない。

 

「さて、これだけやれば実力の方は信用して貰えましたかね」

 フェーズさんがラルさんに話しかけた。

「ああ。まさか此処までやられるとは思わなかった」

 ラル隊長はユニットの他、コルセットに桃色の塗料が付着していた。

 

「そちらも結構な御手前でした。貴女方となら組んでも上手く

 やれるでしょうな。ウチの若い連中にも良い経験になったでしょうし」

「こちらこそ。次もどうぞ宜しくお願いします」

 ロスマン先生と握手を交わすフェーズさん。随分と打ち解けた様に見える。

 

「お疲れ様。実際に手を合わせた感想は?」

 サーシャさんがクリップボードを片手にやって来た。

 

「実質固有魔法みたいな物ですよね、アレ」

「あんなの初見でやられたら対応できないよ」

「ですよね。クロークさんなんて全然見えませんでした」

 クルピンスキーさんや下原さんが答える。私も続いて答えた。

 

「TACネームは各々の専用武装から名付けられていたみたいだな」

 凍り付いた塗料を叩き落としながらラル隊長が割って入った。

「まさか足音まで出せる幻とは。敵に回したく無い物だ」

 コルセットに触ると腰が痛むのか、顔が少し歪んでいる。

 

「でも、結構良い人達ですよね。とっつきやすいですし」

「どこがだ!? 思い切り人を蹴りやがって!」

 飴を舌で転がしながら微笑むジョゼさんに対して、管野さんは怒り心頭だった。

 

「確かに、素行は宜しくないな」

「ええ。幾らウィッチに対する理解が浅いと言っても、

 足蹴にするような人はちょっと・・・」

 サーシャさんが傭兵の皆さんへ視線を向けた。

 

「だが、あれだけ有利な条件の下で被弾を許した事は反省すべきだ。

 悔しいなら、次の訓練では後れを取らないように。いいな?」

 隊長の言葉に、私も皆も頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘムロック、スピットファイア、ディヴォーション、そしてクレーバー。

 これだけしか使えないか・・・まぁ、無いよりはマシか」

 幸運な事に、こちらの世界でも7.62x54mmR弾と14.5x114mm弾の規格が

 共通しているのは幸いであった。

 

「おい、こっちは補給が終わったぞ」

 アンプがタイタンに乗りながら話しかけてきた。外を見れば先程のウィッチ達が

 待機している。その佇まいには、もう油断は微塵も見られない。

 

「応。今行く」

 砲身を足場に搭乗席へ。ハッチが閉まり、機械音声が響く。

「AIオフライン。パイロットモードへ移行」

 一瞬暗くなった内部に映像が映し出される。背中から得物を取り出し、外へと向かう。

 

「待たせたな。実弾は持ったか? トイレは済ませたか? 

 事故が怖けりゃ、今の内に遺書の準備もしておけよ」

「心配するな。そこまでヤワな隊員は居ない」

 ホロの軽口にラルが答えた。

 

「オーケー。一応そっちの模擬弾に交換してあるが、20mmだからな。

 覚悟が出来てるなら言う事は無い。では、訓練を始めようか」

 八つの銃身を持つガトリング砲を構え、ホロは会話の口火を切った。

 

「まずはタイタンの概要から説明しよう。見ればわかると思うが、

 タイタンと言っても形状は色々だ。大別すると三つに分かれる。

 軽量で動きの速い奴、頑丈だが動きの遅い奴、両方の中間の三つだ」

 重い足音を立てながら、立ち並ぶ機体の前へホロが移動した。

 

「どの機体も14・5mm以下の弾丸を弾く装甲を持っている。そして余剰電力を回す事で

 シールドと呼ばれる増加装甲を展開する事も可能だ。そこの嬢ちゃん、試しに一発

 撃ってみな。機体に当たる前に曲がる筈だ」

 ホロは手招きをしてエディータに話しかけると、誰も居ない場所へと移動した。

 

「あの、これは実弾ですけど、本当に撃っても?」

「大丈夫だ。例え戦車砲でも耐えられる代物だからな」

 スピーカー越しにアンプが促すと、エディータはリージョンに向かって

 フリーガーハマーの引き金を引いた。

 

「無傷・・・ですか」

「流石に連続して攻撃されると防ぎきれないけどな」

 黒い煙と爆炎が吹き流された後には、塗装一つ禿げる事無く

 平然と立っている機体が有った。

 

「このシールド機能は戦闘用なら全部のタイタンに備わっている。

 これとは別に専用の防御装備としてのシールドも有るから、

 機体に回すシールドは便宜上バリアと呼称するぞ」

 ホロは手にしたガトリング砲を掲げた。

 

「まず俺の乗ってる機体から説明しよう。こいつはリージョン。

 見ての通り重量級だ。正確にはオーガ級と言うんだが、今は

 省かせて貰う。で、武装はプレデターキャノン一つだけだ」

 掲げたガトリング砲から傘の様に青いシールドが広がった。

 

「得意分野は火力支援や制圧射撃。見た目とは裏腹に精密射撃も出来るんでな、

 疑似的な狙撃も出来なくはない。防御装備はガンシールド。攻撃しながら

 身を守る為の物だけあって、頑丈さはトップクラス。力押しで壊せるとは思うなよ」

 

 ガトリング砲を腰だめに構えると、左肩以外は光の傘に隠れている。

 ただし銃身の先端だけは傘の外に有り、攻撃できるようになっていた。

 

「体を守るだけでも厄介なのに、誰でも盾も出せるんですか」

「いや、全部が全部じゃないぞ。例えば、このモナークは盾になる装備が無いからな」

 渋い顔で呟いたジョゼに、アンプは機体の顔の前で横に手を振った。

 

「代わりに電撃で相手の動きを止める防御武装が有るけどな」

 背中からサブアームが飛び出すと、空に向かって一条の光が放たれた。

「ネウロイには効き目が有るんですか?」

「一応効果はある。デカイのには当ててないから知らん」

 肩をすくめるようにしつつアンプは答えた。

 

「ここからが一番大事なんだが、タイタンにはコアと呼ばれる物が二つある。

 リアクターコアと専用のコアの二つだ。前者は機械のエンジンとすれば、

 後者は固有魔法みたいな物と言えば想像できるかな?」

 固有魔法と聞いてウィッチ達の耳が跳ね上がった。

 

「それは、ソードコアとか?」

 無線で流れた無機質な声を思い出しつつラルが訊ねた。

「だな。このリージョンの場合は処理能力の強化だが・・・

 分かりやすく言えば視界内の相手に攻撃が必中すると言った方が良いかな」

 ホロはヴァルトルートを指さした。

 

「この中で一番速い嬢ちゃんでも、遮蔽物が無けりゃ余裕で撃ち落とせる。

 と言っても、口だけなら何とでも言えるからな。早速で悪いんだが的に

 なってくれないか?」

「いきなり失礼だね」

 

 むっとした表情でヴァルトルートが答えた。物には言い方が有るだろうと

 内心思うものの、変態染みた射撃を見ている以上、自信の表れとも受け取れた。

 

「そりゃあ最大で分間六千発の弾幕をぶちまけられるからな。MG42とは訳が違うぞ」

「うげぇ・・・そんな物で撃ち落とすつもりだったのかよ」

 模擬弾とは言え20mmを連射されたら命に関わる。ドン引きする直枝にホロが続けた。

 

「心配するな。態と当て無い様に撃つ事も出来るから」

 ガトリング砲の砲身が急速に回転し始め、ギュインと風を切る音が響いた。

 八つの銃身が一気に赤く染まり、見る者全てに緊張が走る。

 

「はっ!?」

 不意打ちの攻撃に身をすくませるも、そこは経験豊富なウィッチである。

 条件反射でシールドを張り、衝撃に備えて角度を調整した。

 

「パワーショット行くぞー」

 対照的に緊張感の無い声でホロが声を掛けた。

 一拍遅れてウィッチを襲ったのは、弾丸の『壁』であった。

 

「きゃあ・・・あれ?」

 魔法力で高められた反応速度が捉えた弾幕。まるで散弾銃のように弾丸が飛び散る

 光景に悲鳴が漏れ出るが、ものの見事に弾丸はウィッチの居る場所だけを避けて

 飛んで行った。

 

「いきなり何をするんですか!?」

 ひかりが青ざめた顔で冷や汗を流しつつ叫ぶのも無理はない。

 己の手首はあろう太さの弾丸が、いきなり数十発も飛んできたのだから。

 

「何って、慢心を無くそうとしてるだけだが?」

 さも平然とホロは言い放った。

 

「さっきと違って自由に動けるし、連携して動ける分あんたらが有利なのは事実だ。

 が、バンガード級やイージスタイタンと呼ばれるエース仕様が相手だったら話は

 変わる。魔法の盾が有れば・・・何て甘えは通じないしな」

 ホロは手にしたガトリング砲のスイッチを切り替えた。

 

「ここに並ぶタイタンは全部イージスタイタンって奴なんでね。今の内に

 俺達の動きを慣れておけば、ミリシアの安物に襲われても楽に対処できる。

 とは言え、あんたらが持ってるプライド、俺達の実力に対する不信感が

 隙となってるんでね。徹底的に潰しておかないと拙い」

 

 そうアンプは答えると、機体のハッチを開けてウィッチ達の

 背後へと移動した。その手には何かの機械が握られている。

「ドレッドノート起動。貫通弾、処刑人、リダイレクト、ドリルショット準備完了」

 そして、リージョンの機械音声が響いた。

 

「よし、アンプ。増幅壁を展開してくれ」

 アンプが手にした機械を地面に置くのを見届け、ホロはガトリング砲のセレクターを

 切り替えた。近距離から遠距離用にモニターのレティクルが狭まる。

 

「という訳で、まずは認識の齟齬を埋めさせてもらう。詳しい説明は後でキッチリ

 やるとして・・・まずは一直線に並んで魔法の盾を出してくれ。雁淵とやらは

 一番前で、管野とやらは最後尾で頼む」

「今度は何をするつもりだい?」

 

 脇で見学していたアウロラが口を挟んだ。周りの

 陸戦ウィッチも心配そうに視線を投げかけている。

 

「一列に並んだ魔法の盾を、一射で全部貫通させる。勿論、ウィッチに怪我はさせん」

「正気か!?」

 さも平然と命を危険に晒そうとするホロに、噛み付くような声でアウロラが怒鳴った。

 

「正気だ。あんたらが持つ魔法力とやらのエネルギー特性は、解析が終わってる。

 その弱点も幾つか分かって来た。これを放置しようものなら、間違いなく全員が

 黒焦げ死体にされる。特に、接近戦を好む犬耳の嬢ちゃんは最初に死ぬだろうさ」

「んだと!?」

 

 管野はホロの挑発に生えた耳を逆立て、握り拳を突き立てて吼えた。

 それを見てホロは中指を突き立てて煽った。

 

「文句を言いたいなら防ぎ切ってみろ。話はそれからだ。俺達だって死にたくねぇし、

 お前みたいに自殺まがいの動きをするような奴と組む位なら、魔法力が一番少ない

 雁淵と組んだ方が遥かに安心できる」

「こ、この野郎・・・! 後で覚えておけよ!」

 

 今直ぐにでも殴り倒したい所であるが、ひかりの魔法力が弱い事を見抜き、

 先程の訓練では結果を残している。少なからず実力は有しており、見識は

 認めざるを得ない。それが彼女の理性を繋ぎ留めていた。

 

「あ~あ・・・本気で泣かせに掛かってるわね。可哀相に・・・」

 同情を声に含ませてパルスが呟いた。

「まぁ、あの手の性格には上下関係を叩き込むのが手っ取り早いからな。

 篩い分けも兼ねているとはいえ、後が大変だな」

 フェーズがパルスの言葉に頷いた。

 

「それで良い。シールドは手と重ねて出すなよ? 弾を貫通させるからな」

「わかってらぁ!」

 喧嘩腰のまま移動する管野。他のメンバーも傭兵達の

 指示に沿って移動し、位置を調整している。

 

「やはり、心配かい?」

 ふと、フェーズがアウロラに話しかけた。

「そりゃあ、ね。幾ら論より証拠っても、此処まで無茶苦茶をするとは

 思っても無かったからね。これがあんたらの当たり前なのかい?」

 周りのウィッチは勿論、一般兵達も視線をフェーズに向けた。

 

「普段より相当甘い。何せ、訓練者の98%が死ぬのが当然だからな。

 元の世界だったら、ここまで懇切丁寧にはやらん。口答えをすれば、

 実弾で黙らせている。映像を見て見るか?」

 平然と言い切った彼に、誰もが絶句した。

 

「なっ・・・」

「訓練相手が死体を残せるリージョンだからマシな方だぞ? スコーチは

 テルミットで死体すら残さず焼き殺される、イオンならば肉体が蒸発。

 モナークなら感電し、ローニンなら空間諸共引き裂かれるからな」

 

 タイタン用資格の中でも戦闘用資格であるフルコンバット認証は、シュミレータを

 無許可で所持するだけでも重罪を課されるのだ。資格を手にする為には人間を

 卒業するレベルで過酷な訓練を行わなければならない。訓練内容には生身で

 タイタンに挑み、破壊する事も有る。故に死傷率は極めて高い。

 

「命の値段は安いぜ? 人間が増えすぎて地球から溢れ出す位だからな。

 自爆特攻程度は当たり前。俺みたく人間とも言えなくなるような姿に

 なってまで戦闘力を求める奴もいる。正気のままじゃ、俺達の故郷から

 やってくる連中には勝てんよ」

 

 足を速くする方法は無いかと尋ねられれば、脚を切断して義足に変えろと

 言われるのが当たり前の世界である。たった一滴で三日は眠れなくなる

 興奮剤を常用する変態も居るフロンティアに於いて、死なない様に指導を

 する事なぞ甘やかしにすぎないのだ。 

 

 準備を終えた航空ウィッチ達に視線を戻しつつフェーズは語った。

 再びギュインと砲身が回転すると、ガトリング砲から一点に収束して

 弾丸が放たれた。極小範囲に纏められた弾丸は、破城槌の如く魔女の

 守りを貫いて吹き飛ばした。無論、魔女達に被弾は一切無い。

 

「二つ二つの場にて早く死ぬはうに片付くばかりなり。別に仔細なし。胸すわって

 進むなり・・・ってね。さて、訓練が終わるまでに何人が正気を捨てられるかな?」

 

 追い詰められ、生きるか死ぬかの二択を迫れれば、迷わず死ぬ方法を選べ。

 そう呟くパルスのヘルメットは、バイザーが点滅していたのであった。

 


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